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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1883
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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1.  炎のデス・ポリス 《ネタバレ》 
砂漠のど真ん中に建つ孤立した警察署を舞台に、金融詐欺師の男と彼の命を狙う殺し屋、同じく彼を狙う頭のイカれた刺客、汚職に手を染める悪徳警察官、そして正義感の強い新人女性警察官、彼らの血みどろのバトルをノンストップで描くクライム・アクション。アクの強い演出や警察署という閉鎖的な舞台、軽快でノリのいい音楽に殺伐としたシニカルな雰囲気と、初期の頃のタランティーノ&ロドリゲスコンビの作品にかなり影響を受けてるのが丸わかりの本作。でも自分はこーゆー感じは嫌いじゃないんで今回鑑賞してみました。まぁやりたいことは分かるんですけど、本家に比べて圧倒的に実力不足感が否めない内容でしたね、これ。とにかくストーリーが分かりづらい!無駄に多い登場人物と説明不足な脚本のせいで、いまいちストーリーが頭に入ってこないんです。こんなおバカな内容ならもっと単純なお話にして素直に楽しませてほしかった。そんな多すぎる登場人物たちもそれぞれ頑張ってキャラ立ちさせようとしているんですけど、いまいち成功していない。特に物語の鍵となるイカれたサイコパス殺し屋とか、演技も演出も若干すべってて見ていて痛々しい。いかにもタランティーノと言った、全編にわたる無駄話の応酬もセンスがないせいで普通に無駄話のままで終わってて終始退屈。最後の投げっぱなし感が半端ないオチなんで目も当てられない。こーゆーのを観るとやはりタランティーノは偉大だったんだなと再確認させられますね。このシニカルで乾いた世界観はそこそこ好みだっただけに残念!!
[DVD(字幕)] 5点(2024-03-07 10:01:03)
2.  ボーンズ アンド オール 《ネタバレ》 
彼女の名は、マレン。まだ18歳になったばかりの何処にでもいるような普通の女の子だ。物心ついたころには母親はおらず、厳格で厳しい父親と2人暮らし、高校でもとくに目立つ存在でもない。そんなマレンだったが、彼女には人とは違う特徴が一つだけ。それは、定期的に人を襲い食べてしまいたいという衝動を抑えられないことだった――。そう、彼女は社会の闇の中に少数ながら存在する〝人喰い〟だったのだ。これまで厳格な父の元でひっそりと暮らしてきたマレンだったが、ある日、また例の衝動を抑えきれなくなってしまう。お泊り会でクラスメイトの指を思わず食べてしまったのだ。当然父とともにすぐさま逃亡。だが、逃亡先の隠れ家で目覚めると唯一の頼れる存在であった父親が、「もうお前の面倒を見るのに疲れてしまった」とのメッセージを残していなくなってしまう。突然のことに途方に暮れるマレンは、母親はデトロイドに居るとの父の言葉だけを頼りにたった一人、旅に出る。途中、同じく〝人喰い〟である青年リーと知り合った彼女は、彼の車で遠く離れたデトロイドへと向かうことに。優しく面倒見のいいリーと旅を続けてゆくうちに、マレンはいつしか彼にほのかな恋心を抱いてゆく……。かつて、同性カップルの刹那的な青春を瑞々しく描いた佳品『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノ監督とティモシー・シャラメが再びタッグを組んで挑んだのは、そんな人喰い同士の孤独な旅路をリリカルに描いたロード・ムービーでした。一言でいうと物凄く気持ちの悪い映画でしたね、これ。それはグロさとか不快という直截的なものではなく、なんとも言えない良い意味での気持ち悪さ。この作品、物語としては物凄くオーソドックスな青春ロードムービーのように描かれているんです。父に捨てられた女の子が会ったこともない母親を捜して旅に出て、道中で出会った青年と恋に落ち、色んな経験や葛藤を重ねながら成長してゆく……。でも、そんな2人が旅の途中で繰り返すのは殺人と人肉食。しかもそれを2人の恋が深まってゆく絆のように描いている。正直、なんじゃこりゃですよ(笑)。なのに四つん這いになって犬のように人肉を喰らった2人が食後、血だらけで抱き合うシーンとかだんだん愛おしくなってくるから不思議。ここらへん、この監督のセンスがなせる技なんでしょう。そんな2人の間に入ってくる人喰いじいさんの存在も、長年の孤独な生活から心を病んでしまったということが分かりなんとも言えない魅力を放っておりました。そして、ようやく出会えた母親とか、もう夢に出そうなぐらい強烈!最後、どうしようもなくなってしまったマレンがとった文字通り骨まで喰らう愛。これは究極の純愛だと、僕は思う(笑)。とにかく唯一無二のいい意味で気持ちの悪い映画でございました。
[DVD(字幕)] 8点(2024-02-07 10:36:37)
3.  ほの蒼き瞳 《ネタバレ》 
19世紀アメリカを舞台に、士官学校で起こった猟奇的な殺人事件の謎に挑む若き日のエドガー・アラン・ポーを描いたミステリー。この監督の作品は何作か観て、世界観の作り込みや画の撮り方などは凄く拘りが感じられて大変良いとは思うんですけれど、毎回ストーリーがなんとも残念な印象。本作はそれが顕著に表れてる感じでした。大まかなストーリーは分かるものの細かい部分に「?」が多すぎていまいち入り込めなかったです。最後のオチも「なんじゃそりゃ」って感じで全く腑に落ちない。全体を覆う、おどろおどろしい雰囲気は嫌いじゃないだけに残念!!
[インターネット(字幕)] 5点(2023-01-23 05:45:07)
4.  炎の裁き 《ネタバレ》 
1991年、12月23日。テキサス州、コルシカナにおいて一軒家を焼く火事が発生する。子供部屋で出火した炎は瞬く間に家全体へと拡がり、手の施しようのないまま全焼してしまう。当時家に居たのは失業中の父親トッドと、産まれたばかりの赤ん坊を含む3人の幼い子供たち。母親のステイシーは夜勤に出ていてまだ帰宅していなかった。消防車が来るまで懸命に子供を助けようとしたトッドだったが、炎の廻りは予想以上に早く、不幸にも3人の子供たちは帰らぬ人になってしまうのだった――。当初は被害者として扱われていたトッドだったが、その後事件は予想外の展開を見せる。なんとトッドが、自らの子供3人を焼き殺した放火犯として逮捕されたのだ。そうして始まった裁判では、トッドの過去の犯罪歴や妻に暴力を振るう粗暴な言動、そして彼と揉め事を抱えていた隣人たちの証言によって追い詰められ、最終的に彼は死刑判決を受けてしまうのだった……。果たしてあの日、いったい何があったのか?彼は本当に娘を殺したのか?そして彼はこのまま死刑となってしまうのか?実話を元に、そんな痛ましい火事の真相を巡って翻弄される人々の葛藤を描いた法廷劇。という、冤罪の疑いのある死刑囚の再審請求を巡るお話なのですが、普通ならここで彼の事件の再調査を担うことになるのは理想に燃える若手弁護士と相場は決まっているもの。だけど今回、この事件の再調査を行うのは何処にでもいるような平凡なおばちゃんというのが本作のミソ。もちろん頑張って裁判記録や当時の証言者に当たってみるのだけど、死刑反対派ってだけの何の権限もない単なるおばちゃんなので、そりゃもちろん調査は難航するわけですよ。しかも彼女だって自分の子供たちまで巻き込んでるわけですから、そりゃ世間の白い眼を浴びて当然。それでも地道な調査の結果、彼の冤罪の可能性が濃厚となり、決定的な証拠も掴めそうになるクライマックスは非常にサスペンスフルで見応え充分でした。死刑執行が明日に迫る中、ぎりぎりのタイミングまで尽力する主人公。きっと最後には執行延期の連絡が届くはず……。でも、ここで大きくネタばれすると、物語は非常に重い結末を迎えてしまいます。果たして何が正しかったのか?自分は死刑存置論者ですが、それでもこの結末は深く考えさせられました。監督は、社会性の強いエンタメを得意とするエドワード・ズウィック。彼の演出力は相変わらず高く、特に死刑囚独房で幻想の娘と一人会話を交わすトッドには胸打たれるものがあります。当初はこのトッドに冷たく当たっていた看守が次第に彼に同情を寄せていく描写も巧い。ただ最後、テキサスの共和党知事の実際の映像を流すシーンは非常に政治的主張が強いので、恐らく賛否が分かれるところ。自分はちょっとやり過ぎに感じてしまいました。とは言え、いろいろと考えさせられる密度の濃いヒューマン・ドラマの逸品と言っていいでしょう。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-11-22 07:33:31)
5.  ポップスター 《ネタバレ》 
学校での銃乱射事件に巻き込まれ瀕死の重傷を負った少女、セレステ。犯人に殺された先生やクラスメートのために作った追悼曲が図らずも全米で大ヒットし、彼女はそのままポップスターとして成功への階段を駆け上るのだった――。十数年後、すっかり大人となり一児の母となったセレステだったが、その私生活はスキャンダル続きで決して順風満帆とは言えなかった。再起を誓った彼女は地元での復活コンサートを開こうとするのだが、そんな折、彼女のMVを模した銃乱射事件が再び起こってしまう……。ナタリー・ポートマンがそんな波乱万丈なポップスター役を演じているということで、なんとなく『ブラックスワン』のポップソング版みたいな感じなのかなと思って今回鑑賞してみました。まあ間違ってはないんですけど、残念ながら監督の実力が圧倒的に伴ってません。年代記風の語り口や早送りや長回しを多用した演出など、頑張って芸術っぽい雰囲気を醸し出そうとしてはいるんですけど、どれもが完全に空回っちゃってます。それに画質が現代の映画とは思えないくらい、全体的に小汚いのも大きなマイナスポイント。見せ場となるクライマックスのコンサート映像もけっこうショボいです。なんなんですか、あのもじもじくん(古い!)みたいな超絶ダサい衣装は……(笑)。だいたいナタリー・ポートマン目当てで観たのに、彼女の出演シーンは後半の一時間だけってちょっと詐欺なんじゃないですかね。うーん、なんかいろいろと残念な作品でありました。
[DVD(字幕)] 4点(2021-02-27 03:00:08)(良:1票)
6.  ホンモノの気持ち 《ネタバレ》 
高度なAIを搭載した人型ロボット〝シンセ〟が社会の隅々にまで浸透した近未来。開発者であるコール・エインズリー博士は、更なる高みを目指して日々研究を続けていた。その目標とは、「人生の最愛の伴侶となる相手を人工的に創り出すこと」――。彼の元で働く研究員ゾーイは、ともに過ごすうちにそんな彼の信念や人柄に徐々に惹かれてゆくのだった。次第に心を許しあい、いつしか一線を越えてしまう二人。お互いをなくてはならない存在だと感じ始めていた矢先、ゾーイは衝撃の真実を知ってしまう。なんと彼女自身もまた彼に創り出された〝シンセ〟だったのだ。心を深く傷つけられたゾーイは、彼の元を離れ、一人で生きてゆく決心をするのだが……。高度に発達した近未来を舞台に、自我を持ったアンドロイドと孤独な中年男との恋愛をリリカルに描いたSF・ラブストーリー。ベテラン俳優ユアン・マクレガーがそんな人造人間に恋をするこじらせおじさん役を演じているということで今回鑑賞してみましたが、正直、これがさっぱり面白くなかったです。ストーリーなんてあってなきが如し、とにかく雰囲気に頼りすぎで、全体的にふわふわダラダラした印象しか残りませんでした。これで映像なり音楽なりにセンスがあれば観ていられたんでしょうけれど、それもソフィア・コッポラもどきの凡庸な代物で退屈極まりない。だいたい人工知能と人間との恋愛というテーマ自体、今となってはさして目新しくもないですし。それに後半に唐突に出てくる恋愛ドラッグの扱いもなんとも中途半端。最後の「やっぱり愛って偉大だね」みたいな結論に至っては、あまりに薄っぺらすぎて思わず失笑しちゃいましたわ。という訳で僕はさっぱり楽しめませんでした。映像的にはそこそこキレイだったので、+1点。
[インターネット(字幕)] 4点(2020-12-18 21:45:08)
7.  ホテル・アルテミス 犯罪者専門闇病院 《ネタバレ》 
2028年、各地で暴動が多発し極度なまでに治安が悪化したロサンゼルス。長年この地で犯罪者専門に営業を続ける闇病院、ホテル・アルテミスはその夜も大忙しだった。銀行強盗に失敗し、警察の手を逃れて駆け込んできた兄弟。謎の組織から依頼を受けてこの病院へとやって来た女アサシン。違法な手法で財を成した、口だけは達者な大富豪。そして、この病院のオーナーで闇社会の大物の息子……。酒が原因で身を持ち崩し、以来この病院の経営を一手に担っている〝ナース〟は、続々とやって来る彼らの対応に手を焼いていた。そんな折、彼女の過去を知るという謎の女性警官がこの病院へと駆け込んでくる。「会員である犯罪者以外は決して入れてはならない」――。長年守ってきたそんな厳格なルールを破ってまで、彼女を迎え入れるナース。果たして彼女は何者なのか?外では暴動の嵐が吹き荒れる中、閉ざされたこの空間でそれぞれの思惑を抱えた彼らの駆け引きが思わぬ事態を引き起こすのだった……。近未来のアメリカを舞台に、そんな閉鎖的な闇病院で繰り広げられる犯罪者たちを描いた密室劇。ジョディ・フォスターが久しぶりに主演を務めたということで今回鑑賞してみましたが、正直、さっぱり面白くなかったですね、これ。だってストーリーが全く意味不明なんですもん。闇病院という設定を全く活かしきれていない演出、そろいもそろって魅力に乏しい登場人物たち、説明不足なまま最後まで取っ散らかったストーリー。もはやすべてが素人レベルだと言っても過言ではありません。どうしてこんなレベルの低い作品に、わりかし有名どころの役者陣が揃っているのかもう意味不明過ぎます。それにしてもジョディ・フォスターは老けましたね~。もはやすっかりお婆ちゃんになっててけっこうショックなんですけど。という訳でいろいろと残念な映画でありました。
[DVD(字幕)] 3点(2020-10-14 16:46:24)
8.  ホテル・ムンバイ 《ネタバレ》 
2008年11月26日、インドのムンバイで暮らす人々はその日も昨日と同じような平穏な一日になると信じていた。だが、彼らの日常は呆気なく崩れ去ることに。武装したイスラム過激派の若者たちが突然、人々にその銃口を向け始めたのだ。なるだけ人が集まるところを標的に次々と引き金を引く若者たち。家族や恋人とともに平穏に過ごしていた人々の日常は、瞬く間に阿鼻叫喚の地獄絵図と化すのだった。それは多くの外国人観光客が集い幾多の地元住人が働くタージマハル・ホテルも例外ではなかった。その日が初出勤日だったシーク教徒の若者、長年ここで働いてきたベテラン料理長、幼い子供を抱えたアメリカ人夫婦、女好きのロシアの大富豪…。周りの人々が次々と犠牲になる中、彼らは如何にしてこの災厄に立ち向かっていったのか――。本作は、実際にあった凄惨なテロ事件を背景に、その日たまたまそのホテルに居合わせた人々を描いた群像劇だ。冒頭から忠実に再現されたであろうテロ事件の、その目を見張るような臨場感には圧倒されるものがあった。逃げ惑う人々に躊躇なく銃口を向ける犯人の若者たちには戦慄させられる。人は、どうしたらここまでの憎しみを心に宿すことが出来るのだろうか――。ただそうした事実の重みとは別に、僕はそこまでこの作品を評価することは出来なかった。何故なら人間性への洞察が一面的で非常に浅いのだ。犯人は一様に冷酷無比で人の命などなんとも思っておらず、対照的に被害者となる人々はみんな善人でいい人という描かれ方が最後まで徹底しているのだ。人質になる人々の中には自分が助かるためなら他人を犠牲にすることも厭わない人だっていたはずなのに、そんな人は一人も出てこない。あの女好きのロシア人さえ、最後は見ず知らずの女性のため危険を顧みずに行動する。だからといって皆で団結して犯人に毅然と立ち向かうのかといえば特にそんなこともなく、ただ泣き叫んで逃げ惑うばかり。それは犯人側も同じで、今日が人生最後の日として神のためにより多くの人を殺そうというのに誰にもその悲愴感や圧倒的な狂気性が感じられない。ピザを食べて和気藹々と冗談を言い合ったかと思えば、次の瞬間には容赦なく人を殺しているという一貫性の無さ。最後まで観て、この作品のテーマとは果たして何なのだろうと思わず考え込んでしまった。実際にあった事件を忠実に再現すれば、テーマ性など観客が勝手に考えてくれると思っているのであれば、あまりにも浅はかというほかない。『ホテル・ルワンダ』や『ユナイテッド93』などといった、圧倒的な現実に押し潰されそうになりながらそれでも立ち向かってゆく人々を描いた秀作群と比べるとどうしても物足りなさを感じざるを得ない。
[DVD(字幕)] 5点(2020-09-09 22:40:23)(良:1票)
9.  僕たちのラストステージ 《ネタバレ》 
1930年代、その飄々としたキャラクターとナンセンスなギャグの数々で人気を博したお笑いコンビ、ローレル&ハーディ。何本もの映画に出演し、舞台は軒並み大盛況、チャップリンやキートンと並び称された彼らも時代の流れには逆らえず、1950年代にはすっかり落ち目になっていた……。これは、そんな彼らの「ラスト・ステージ」を哀愁たっぷりに描いたヒューマン・ドラマ。実在した彼らを演じるのは、実力派のスティーブ・クーガンとジョン・C・ライリー。この二人の芸達者ぶりはさすがで、良い時も悪い時も含めてずっと一緒に頑張ってきたであろうこのコンビを伸び伸びと演じていて非常に好印象。ホテルの受付であろうが駅の雑踏であろうが常に人を笑かそうとするところなんて、もはやお笑い芸人の性なんでしょうね。この二人の相性がばっちり嵌まっていて、最後まで好ましく観ることが出来ました。ただ、お話の方は余りにもオーソドックス過ぎて、若干物足りなく感じたのも事実。実話を基にしたとは言え、もう少しドラマティックな見せ方をしても良かったのでは。最後まで安心して観ていられるけど、特に心に残るものはないという、なんだか良くも悪くも吉本新喜劇のような作品でありました。
[DVD(字幕)] 6点(2020-09-07 23:10:42)
10.  ポイズンローズ 《ネタバレ》 
酒とタバコとギャンブルに目がなく、女にも弱い落ちぶれた私立探偵フィリップス。ある日、事務所へとやって来た謎の女からテキサスの精神病院に入院している叔母を訪ねて欲しいという依頼を受けた彼は、気乗りしないながらも金のためすぐさま現地へと向かう。訪れた先は、ガルベストン。そこは彼の生まれ故郷でもあった。さっそく目的の精神病院へと向かったフィリップスだったが、何故か医者は何かと理由をつけ一向に患者と会わせてくれない。何か裏があると直感した彼は、独自に調査に乗り出すのだった。街の裏社会を牛耳るカジノのオーナー、将来有望な若いアメフト選手、夜の街で働く謎めいた女性歌手、そして何年も前に別れた彼の元彼女――。様々な人々から話を聞くなか、唐突にアメフト選手が謎の死を遂げ、フィリップスは血腥い陰謀へと巻き込まれてゆく…。閉鎖的なテキサスの田舎町を舞台に、落ちぶれた私立探偵がある殺人事件の裏に隠された真実を追って奔走する姿を描いたクライム・サスペンス。主演を務めるのは、ジョン・トラボルタやモーガン・フリーマンと言ったハリウッドの有名どころ。脇を固めるのは個性派俳優のピーター・ストーメアや、懐かしのブレンダン・フレーザー(もはや彦摩呂にしか見えないんですけど!笑)。そんな豪華な面々に惹かれて今回鑑賞してみたのですが、これがまあ近年稀に見るダメな映画でした。もう脚本も演出も俳優たちの演技もどれもこれもやっつけ感が半端ありません。無駄に分かりにくいうえにさして面白くもないストーリー、終始間延びした編集に全くキレのないアクション・シーンの数々、そして紋切り型で魅力に乏しい登場人物たち……。もうあかん映画の見本市のように、ダメ要素がこれでもかっちゅうくらいにてんこ盛り。義務感だけでなんとか最後まで観ましたが、得られたものは「退屈」と言う二文字のみ。どうしても時間を無駄にしたいんだという方以外にはお薦めできません。
[DVD(字幕)] 2点(2020-08-05 16:02:07)
11.  ぼくとアールと彼女のさよなら 《ネタバレ》 
クラスの片隅で決して目立たず、ただひたすらその日を平穏にやり過ごすことを目的に日々を送る冴えない男子高校生、グレッグ。唯一の友達アールとともに名作映画のパロディを創ることを趣味にしていた彼は、ある日、母親から衝撃的な話を聞かされる。幼馴染で学校の同級生でもある女の子、レイチェルがなんと白血病と診断されたというのだ。しかもかなり深刻な状態らしい。「そんなこと急に言われても知らないし、だいいち彼女とは友達じゃない!」――。そう反論するグレッグだったが、母親に強引に押し切られて彼女の家へとお見舞いに行くことに。「別に来てほしいなんて頼んでないし、同情なんてされたくない」――。彼の訪問を受けたレイチェルは、さも鬱陶しそうにそう言うのだった。そうして始まった二人の交流。義務と惰性だけの上辺だけの付き合い。でも、二人の間には次第に友情のようなものが芽生え始め、周りからは付き合ってると誤解されるように。グレッグは周りに流されるまま、アールとともになんとなく彼女のための映画を創り始めるのだが…。冴えないオタク青年が、白血病を患う幼馴染の少女との交流を通じて次第に成長してゆくさまをポップに描いた青春ドラマ。何の予備知識もなく今回鑑賞してみたのですが、これがかなりの掘り出し物でした!末期の白血病を患う彼女と過ごす儚い青春の日々と言う、〝世界の中心でなんか叫ぶ〟的な感じのいわゆるベタな難病ものと言ってもいいのでしょうけど、見せ方がとにかく巧い!!映画オタクのこの主人公が絶えず、自らの行動に映画オタク的な自己ツッコミを入れるので、そこら辺の青臭い難病ものにならずに済んでるんです。「ここで普通の恋愛ものなら僕たちは良い感じになるんだろうけど、僕は主人公じゃないのでそうはならない」って何度も観客に言い訳するとこなんてナイスなヘタレ具合(笑)。主人公とアールが創り続けてる名作映画のパロディや何度も差し挟まれるクレイアニメもポップで馬鹿々々しくてセンス抜群!対するレイチェルも等身大の魅力が炸裂してて大変キュート。仕草や趣味の一つ一つがとにかく可愛くて、こりゃ誰でも恋に落ちますわ~。でも、そんな彼女も抗癌剤の影響で髪の毛が抜け、後半はどんどんと弱ってゆきます。「先に言っとくけど、彼女は死なずに回復するから」と観客を安心させといて、最後はまさかの展開。いやー、これにはやられちゃいました(だいぶズルいけどね笑)。久々に映画を観て泣いちゃいましたわ。観終わった今も、レイチェルの健気な笑顔が頭から離れそうにありません。壁紙に描かれたリスの落書きなんてもう思い出しただけで…。ユーモア溢れる展開で観客を楽しませておいて、締めるとこではきっちりおとす、なかなか完成度の高い青春ドラマの秀作でありました。お薦めです。
[DVD(字幕)] 9点(2020-07-20 01:31:35)
12.  ホワイト・ボーイ・リック 《ネタバレ》 
1984年、長びく不況によりすっかり寂れてしまったアメリカの工業都市、デトロイト。人々の生活は荒み、街の隅々にまで暴力や麻薬が蔓延していた。銃の転売でなんとか生計を立てる15歳の白人少年リックもまた、先の見えない自分の人生に嫌気が差していた。根拠のない大口ばかり叩く父親はろくに働かず、麻薬中毒の姉は売人の彼氏の元へと家出、向かいに住む祖父母は人目もはばからず悪態ばかりつき、そして自分自身もまた学校にも行かず地元のチンピラたちとつるむどうしようもない日々。そんなある日、リックは突然現れたFBIの麻薬捜査官からとある提案を受ける。「今勢力を拡大しつつある黒人ギャング集団の囮捜査に協力してほしい」――。多額の報酬に惹かれ、依頼を引き受けるリック。密売人となった彼は、黒人たちから〝ホワイト・ボーイ・リック〟と呼ばれ徐々に信頼を得ていくのだった。捜査終結とともに彼の役目は終わるはずだった。だが、なんとしても貧困から抜け出したかったリックは、そのまま裏社会へどっぷりと沈み込んでゆく…。17歳にして全米屈指の麻薬王となった少年の栄光と転落の日々を実話を基にして描いたクライム・ドラマ。主役の少年を演じるのは本作がデビュー作となるまだ無名の新人なのですが、彼がほんと何処にでも居るような平凡な若者顔なので物凄くリアルで説得力抜群でした。そう、この時代のこの街にさえ生まれていなければ、彼もまた友達や彼女と平凡な青春を謳歌していただろう普通の若者に過ぎなかったはず。人生の落とし穴は何処にでも転がっているという事実に、改めて恐ろしさを感じました。この後、彼は8キロのヘロイン所持で捕まり、なんと仮釈放なしの終身刑を言い渡されてしまうのですから。情状酌量により仮釈放が認められたのは収監から30年後。人生の大半を刑務所の中で暮らすなんて、考えただけでも恐ろしい。転落のきっかけとなったのが、FBIの囮捜査だというのもなんとも皮肉です。彼の自業自得だと簡単に切り捨てることはさすがに出来ず、なんだかいろいろと考えさせられてしまいました。ちんけなダメ男をナチュラルに演じた、彼の父親役のマシュー・マコノヒーの深い愛情が唯一の救いです。ただ、事実を追うことにこだわり過ぎたのか、ドラマとして幾分か冗長に感じてしまったのが本作の惜しいところ。もう少しドラマティックに演出しても良かったのでは。とはいえ人生のリスクというものを改めて考えさせられる興味深い内容の作品でありました。
[DVD(字幕)] 6点(2020-03-22 22:51:56)
13.  ボイス・フロム・ザ・ダークネス 《ネタバレ》 
イタリア郊外に建つ広い古城へと、住み込みで働くことになった看護婦ヴェレーナ。当主である没落貴族の一人息子ジェイコブが、半年前に母を亡くしてから一切話さなくなったので面倒を見て欲しいというのだ。誰にも心を開かず、父親はおろか誰とも会話しないジェイコブに最初は戸惑いながらも献身的に看護をするヴェレーナ。しばらくすると彼女はジェイコブの不穏な行動を目にするようになる。石造りの壁に耳をつけ、何も聞こえないはずの向こう側に何時間も耳を澄ませているのだった。どうやら病気で死んだ自分の母親の声が壁の向こうから聞こえてくると信じているらしい。調べてみると、この城の一画には一族の者が永遠の眠りに就く納骨堂があって、彼の母親もそこに納められていた――。自分の手には負えないとヴェレーナは城を去ろうとするのだが、依頼主である彼の父親はもう少しここに残って欲しいと懇願する。何故なら彼女が今はなき彼の妻に似ているからだという。閉ざされた空間で次第に惹かれ合ってゆく二人、すると更なる不可解な現象が家族を襲い始める…。閉ざされた城の中で暮らす心に深い傷を負った親子と、献身的に彼らをサポートする看護婦の不穏な関係を描いたゴシック・ミステリー。このいかにもなタイトルと設定、そしてパッケージ描かれたおどろおどろしいイラストに、「あー、きっとこれはごりごりのゴシック・ホラーなんだろうな」と観始めたのですが、実はこれって男女の関係性メインの恋愛ドラマよりの作品だったのですね。そうだとしてもなんだか心理描写が浅はかすぎて、とても見られたもんじゃありませんでした。哀しみのあまり口を利かなくなった少年も本当にただ黙ってるだけだし、妻を失い孤独に生きる彼の父親も子供を治したいのか新しい嫁が欲しいのかいったい何がしたいのかよく分かりません。挙句の果ては、特に心惹かれる展開もなかったのにいきなり彼と一線を越えちゃうヒロイン。え、まさかのヤリ〇ン設定?!(笑)。それに壁の中から聞こえてくる声という、中途半端にホラーっぽい描写をたまに入れ込んでくるのも鬱陶しくてしゃーなかったです。肝心の?エミリア・クラークのヌードもほんのちょっと出てくるだけで、しかもこれがなかなかのぽっちゃり具合でだいぶ残念!最後のオチにいたってはテキトー過ぎてもはや目も当てられません。うーん、何もかもが中途半端な凡作でありました。
[DVD(字幕)] 3点(2019-12-27 00:00:20)
14.  ボーダーライン ソマリア・ウォー 《ネタバレ》 
カナダの小さな町で高級ナプキンの営業マンをしている冴えない青年、J・バハダ。本当は作家志望の彼は、書き上げた原稿を出版社に送り続けるも没続きの鬱屈した日々を過ごしていた。そんなある日、彼は伝説的ジャーナリストのシーモア・トルビンという男に出会う。「本当のジャーナリズムを知りたければ、紛争が起こっている現地へと行くことだ」というトルビンの言葉に感銘を受けたバハダは、考えた末にとある決断を下すのだった――。「長びく内戦から無政府状態へと陥り、凶悪な海賊が普通に跋扈する最貧国ソマリアへと向かい、現地で得た情報を糧に本を執筆しよう」。ダメ元で依頼したソマリアのラジオ局から奇跡的に招待を受けたバハダは、最低限の資金だけを手に何もかもを捨ててソマリアへと旅立つのだった。だが、そこは人の命など羽毛のように軽い危険な地。銃を持った海賊や民間兵がそこら中にうろうろし、強い麻薬が当然のように売られている世界だった。果たして彼は無事に本を書き上げ、生きてこの地から帰ることが出来るのか?危険な紛争地へと無謀にも渡ったそんな一人の青年の極限の体験を実話を基にして描いたサバイバル・ドラマ。ちなみにベニチオ・デル・トロが出ている某シリーズとは何の関係もございません。内容の方もいったいコレの何処がボーダーラインなのか、最後まで観てもさっぱり分かりませんでした。ここらへん、こんな安易な邦題を付けた日本の配給会社に猛烈な抗議を送りたいところ。ただ、そういうのを抜きにしても、なんだか演出が全体的に中途半端な作品でありましたね、これ。ブラックな笑いを狙ったシニカルなシーンがあったかと思うと急にリアルな紛争地のシーンに戻ったり、自分はジャーナリストだという嘘がばれそうになる主人公の緊迫感溢れる描写があったかと思うと唐突にスラップスティックなアニメになったり…。作品としてのトーンに統一感が皆無で、最後までなんとも落ち着かない。観客を引き込む物語のフックが弱いのも本作の弱点。ただ、監督自らの体験を基にした自伝的作品だけあって現地の臨場感溢れる描写はなかなかリアルでした。主人公をサポートする通訳役を、『キャプテン・フィリップス』でも海賊役を演じてアカデミー賞にノミネートされた人が演じているのですが、この人こんな役させたら本当に巧いですね~。もはや本物の海賊にしか見えないんですけど(笑)。主人公をそそのかす大物ジャーナリストを演じたアル・パチーノも胡散臭さ爆発で大変グッド。それだけに内容の方がなんとも惜しい。
[DVD(字幕)] 5点(2019-11-04 00:23:31)
15.  ホテル・エルロワイヤル 《ネタバレ》 
カリフォルニアとネバタの州境に建つ一軒の寂れた安ホテル、その名もエルロワイヤル。ある夜、このホテルで偶然一夜を過ごすことになった、5人の客たちと1人の従業員。饒舌な家電セールスマン、初老の神父、落ちぶれた黒人女性歌手、気の強そうな訳あり女性、彼女に拉致監禁されている謎の女、そして何らかの秘密を抱えていそうな気弱なホテルのフロントマン――。一見、何の関係もなさそうなそんな彼らだったが、それぞれの目的のためにこのホテルへとやって来たのだった。突如として降り始めた大雨の中、彼らは各々の目的のために行動し始める。すると、このホテルに隠された本当の秘密が明らかとなり、やがて第一の犠牲者が…。何の変哲もない一軒の安ホテルに集ったそんな宿泊客たちが次々と巻き起こす騒動をスラップスティックに描いたクライム群像劇。という明らかに初期のタランティーノを意識して制作されただろうそんな本作なのですが、冒頭から舞台となるこのホテルのいかがわしさが炸裂してて摑みはばっちりでした。それぞれの部屋番号を割り振られた宿泊客のお話が順番に展開されるのもいかにもタランティーノ的で、時系列をいじくったお話の持っていき方も手際がよく、これは面白くなりそうという雰囲気をびしばし感じました。特にホテルのフロントの隠し扉を抜けると秘密の通路があり、それぞれの客室のマジックミラーとなった鏡の裏側へと繋がってるというのはいいですね~。うーん、なんという夢のようなホテルなんでしょ(笑)。そこから覗かれる、それぞれの客たちもみな胡散臭くて全員キャラが立っているのも大変グッド。と、途中までは面白く観ていられたんですけど、中盤辺りから急速に失速しちゃうのが本作の残念なところ。本家のタランティーノに比べてお話の密度が薄すぎるんですよね、これ。なのに、明らかに長い!この密度で140分は明らかに長すぎます。途中から出てくるクリス・ヘムズワース演じるイカれたカルト教団のボスも、なんだか取って付けたようで違和感しか感じませんでした。もう少しいらんエピソードを削って全体的にコンパクトにまとめてくれたらもっと面白くなったかもしれないのに、残念!
[DVD(字幕)] 6点(2019-07-11 19:50:14)
16.  ボーダーライン: ソルジャーズ・デイ 《ネタバレ》 
メキシコ国境で日々ぎりぎりの闘いを強いられている麻薬取締官の姿を重厚に描いたシリーズ第二弾。確かに見応えはあったんですが、前作ほどではないかなぁって印象。前作ではエミリー・ブラント演じる新人捜査官の目を通して狂気の世界を描いていたので、何も知らない観客の善悪の境界線を揺さぶる脚本が非常に秀逸だった。対して本作、もはや狂気しかなく、ちょっとひいちゃいます。もう少し観客が感情移入出来るキャラが欲しかったですね。でも、このひりひりするような濃密な世界観はやはり見応えありです。ベニチオ・デル・トロの存在感もやぱ凄いです。
[DVD(字幕)] 6点(2019-06-07 13:53:26)
17.  ボヘミアン・ラプソディ 《ネタバレ》 
昨年一番の話題作を今回満を持して鑑賞。クイーンは確かファースト・アルバムと世界に捧ぐ?(あのウィウィルロックユーとウィーアーザチャンピオンの入ったやつ!)の二枚を十代のころに買ったくらいのファン。それ以外の曲はあんまり知らないながらも、それでもやぱ有名な曲がかかるとテンション上がりますよね~。ただ、映画としては僕はそこまで嵌まらなかったですかね。もともとこの監督とは昔からいまいち相性が良くないみたいで、有名なやつもいくつか観ましたが僕はそこまでって感じだったので今回もそんな感じでした。映画館で観たらまた違ったかもですけど。次は僕の大好きなプリンスの生涯を誰か映画にしてくれないかな~~。
[DVD(字幕)] 6点(2019-06-01 21:29:58)
18.  ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた 《ネタバレ》 
記憶に新しいボストン・マラソン爆弾テロ事件を背景に、爆発で両足を失ったもののたくましく生き延びたある一人の〝英雄〟の知られざる苦悩を描いたヒューマン・ドラマ。描きたいテーマやメッセージ性などやりたいことは分かるのですが、いかんせん監督の演出力がそれに伴っていない印象を受けてしまいました。肝心の爆発現場の描き方も意外にあっさりしているし、心に引っ掛かる部分も少ないまま全体的に淡々と進んでいってしまうのです。例えば主人公がゴール付近で恋人を待ってたときに持っていた手書きのポスターなんか、映画上格好の演出アイテムになりそうなのにほとんど活用しないままスルー。爆発の煙にその幸せメッセージの描かれたポスターが焼け焦げて宙に舞うとかいうシーンがあれば、もっと観客の心に響くはずなのにと勿体ない気分になりました。それに両足を失い自暴自棄になった主人公が仲間と文字通り二人三脚で車を運転するシーン。地獄を這い廻るような生活を送っている主人公の魂の叫びを観客の心に刻み付ける格好の場面になるはずなのに、追いかけてきた警察官の「握手してください」というセリフだけで終わってはいかんでしょ。こういう細部の雑な演出が凄く残念。いくら事実を元にしていても、映画としての脚色をもっと大事にしてほしかったですね。また、ヒロインの恋人の台詞ではないですけど、この主人公、いくら自分が不幸な目に遭ったからって周りに甘えすぎでしょ!終始甘ったれたような態度に、僕はとてもじゃないけど共感できませんでした。不幸なのはお前だけじゃないっつーの!事実の重みと、恋人役の女優の芯の強さを感じさせる魅力的な演技に5点!
[DVD(字幕)] 5点(2019-05-28 00:23:35)
19.  ホース・ソルジャー 《ネタバレ》 
アメリカ社会を大混乱へと陥れた911同時多発テロ。本作は、その直後、アフガニスタンで秘密裡に行われたアルカイダ掃討作戦を事実を基にして描いた戦争アクションドラマだ。アフガニスタンの荒れ果てた大地へと降り立った12人のアメリカ軍特殊部隊の精鋭たちは、アルカイダと敵対する現地の軍閥たちの協力を得ながらアフガン中枢部を目指すのだが、そこは長年内戦を繰り返していた国。ほとんど未舗装の大地は戦車や車で進むにはかなりの困難を伴うものだった。仕方なく、彼らは軍閥から支給された馬たちを乗りこなし、アルカイダとの闘争を開始するのだが…。これまで幾度となく作られてきた、対テロ戦争を一方的な視点でのみ描いたいわゆるアメリカ礼賛のエンタメ映画なのですが、正直その中でもレベルの低い部類に入る作品でしたね、これ。事実を基にした映画のダメな部分ばかりがてんこ盛り。実際に起こった出来事を時系列順に並べただけなのでストーリーになんの起伏もなく、ただただ敵に出会って戦って勝って進んでまた敵に出会って…を繰り返すばかり。登場人物も類型的でそれぞれの描き分けもうまく出来ておらず、誰も彼も全くキャラ立ちしていません。クライマックス、一度は主人公たちと決別した軍閥の長が友情のために助けに駆けつけてくるという一番の見せ場も監督の演出力の無さなのか、全く盛り上がりに繋がっていない。たとえ事実を基にしていても優れた脚本なら、時系列を意図的にバラバラにしてみたり、アメリカに残された家族のドラマを同時並行的に描くなどの工夫を凝らすことで観客の感情を高ぶらせるものです。対して本作、新しい部分と言えば主人公たちがこの現代において馬を駆って戦うというくらいのもの。それも物語上、巧く機能しているとはとても言いがたい。人間と馬との種族を超えた友情などをメインに描いていたらまだ見れたものになっていたかもですが、それもあとのまつり。キャストもそれなりに豪華だし、お金がかかっているだろう戦闘描写もなかなかリアルだが、はっきり言ってそれくらいしか見るべき部分のない残念な出来の作品だった。
[DVD(字幕)] 4点(2019-04-20 02:10:38)
20.  僕のワンダフル・ライフ 《ネタバレ》 
最愛の飼い主に再び巡り会うため、何度も何度も生まれ変わりを繰り返す犬のお話。監督は名匠ラッセ・ハルストレム。いかにも彼らしいきれいな映像や魅力的な人物造形、心温まるストーリー展開は安心感抜群で、初期の名作『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』を思い出しながら鑑賞いたしました。と、まぁ良かったんですけど、さすがに後半の展開はちょっと無理あり過ぎでご都合主義感が半端ないっす。
[DVD(字幕)] 6点(2019-01-10 19:26:07)
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