201. マルコヴィッチの穴
ある種の偏執狂的愛情物語っていう理解でよろしいのでしょうか? 媒体という「物」扱いのジョン・マルコビッチは何の象徴なのか?(人間の持つあらゆる欲望の象徴っぽくはありますが…) 傑作か駄作かの判断はつきかねますが、「面白い」映画であるのは間違いないと思うので、おまけで7点献上。 7点(2001-10-14 11:05:06) |
202. モハメド・アリ かけがえのない日々
半ば伝説化した「キンシャサの奇跡」と呼ばれるアリ対フォアマンの世界戦を追いながら、黒人達の精神的カリスマとしてのモハメド・アリを浮き彫りにしていくアカデミー受賞ドキュメンタリー。試合を中心にしたドラマチックな展開の中で、「人種分離」ではなく「民族の文化の再興」を望むアリの饒舌な主張は、今世紀の「文明の衝突」を予見させて非常に考えさせられます。完成までに20年をかけた労作に7点献上。 7点(2001-10-07 12:21:43) |
203. パルプ・フィクション
初見時はオムニバスと言うよりも映画をコラージュしたという印象で、タランティーノのアーティスティックな才能がひしひしと伝わってきました。ノリはもろインディーズ風なのに出てる役者が一流どころで、それでだいぶ救われているような気もします。今現在なりを潜めているようですが、個人的には「フォー・ルームス」「ジャッキー・ブラウン」と自分の殻を破れないでいる印象なので、更なるアーティストへの成長を望みます。トラヴォルタを復活させた功績に7点献上。 7点(2001-10-05 11:41:12) |
204. 宇宙戦争(1953)
ジョージ・パルの古典映画を今更論じたくはありませんが、現在観てみるとおもちゃのような映画です。しかし侵略SFとしてのストーリー、UFOやベム(当時はエイリアンではなくベムと呼んでましたっけ)の造形といったものは現在でも新鮮に感じるから不思議です。「インデペンデンス・デイ」はこれの全くのリメイクと言ってもいいでしょう。偉大なる50年代SFに敬意を表して7点献上。 7点(2001-10-04 16:55:25) |
205. 候補者ビル・マッケイ
若くてハンサムだという理由だけで大統領候補に祭り上げられ、党と選挙参謀の操り人形と化した男が大統領選を戦っていく。党大会等がそのまま再現されるダイナミックな演出の傍ら、男の孤独感と虚しさが表現されています。ラスト、「これからどうすればいいんだろう…」と途方に暮れる、若きロバート・レッドフォードに7点献上。 7点(2001-10-04 16:14:12) |
206. フェーム
アラン・パーカーがドキュメンタリー風で更にミュージカル風に仕上げた、芸能学校(結構有名な学校らしいですが名前は忘れた)に通う生徒達の群像劇。将来の名声を目指し演劇、ダンス、楽器など、それぞれ目指す分野で苦闘し励まし合い、ラストの大卒業公演に持っていきます。思えばアイリーン・キャラを最後に確認した映画でした。秀逸な青春映画の一本ということで7点献上。 7点(2001-10-04 12:36:29) |
207. ロジャー・ラビット
ロバート・ゼメキスの技術フェチぶりをいかんなく発揮した実写とアニメの合成映画。一気にこの分野ではトップの作品を作り上げました。実写画面に融和した立体感のあるセルアニメにはこだわりを感じさせます。ロジャーのアクションに絡むボブ・ホスキンスの味わいも好きです。中身云々ではなく、まだ観ていない人は後学の為にも観ておくべきではないでしょうか。ということで7点献上。 7点(2001-10-03 17:47:26) |
208. ベイブ
不覚にもこんな子供だましのぬいぐるみ映画に感動してしまいました。努力と可能性を信じさせる内容はすばらしい。実写、アニマトロニクス、CGを自然に組み合わせたVFXもすばらしい。おとぎ話を見事に実写化した製作者に7点献上。 7点(2001-10-03 16:01:03) |
209. プレタポルテ
セレブリティばかりが出てくるわ出てくるわ!(これだけで充分皮肉にはなっています) 基本的には「ザ・プレイヤー」と同じように業界(今回はファッション)を風刺する群像劇。例によって長尺ですが、やっぱり最後まで面白く観せてくれます。有名人の量と内容は前作より上だと思います。孤高の反骨作家ロバート・アルトマンに7点献上。 7点(2001-10-03 15:54:24) |
210. チャイナ・シンドローム
確かこの映画の直後にスリーマイル島の原発事故が発生し、以後、アメリカの原子力行政が変更されました。テーマ的には「インサイダー」と同じような社会派サスペンスですが、タバコ訴訟とメルトダウン事故ではインパクトが違います。当時はハラハラしながら観ましたっけ。最後の事故シーンのミニチュアが安っぽい印象ですけど、映画の内容には何ら影響ありません。命がけのインサイダー、ジャック・レモンの迫真の演技に7点献上。 7点(2001-10-03 13:02:29) |
211. ザ・プレイヤー
ロバート・アルトマンって、いつからこのような長尺の群像劇ばっかり撮るようになったのですか? 誰か教えて。しかし、飽きずに最後まで観せてくれる手腕はさすがです。決して悪は罰せられない不条理劇で、ハリウッドの舞台裏を目一杯皮肉っています。わんさか登場のカメオ・スターに7点献上。 7点(2001-10-02 14:37:42) |
212. アンタッチャブル
エイゼンシュテインへのオマージュとしての階段落ちのシーンがやっぱり一番印象的。アンディ・ガルシアがコスナーに銃を投げつつ、スライディングして乳母車を受け止めつつ、更に自ら銃を構えるシーンはコスナーよりかっこいい。そしてショーン・コネリーの飄々とした演技とデ・ニーロの太々しい受け口演技。妙に重くない演出も好きです。デ・パルマ映画の一つの到達点に7点献上。 7点(2001-10-02 11:46:17) |
213. レッズ
ロシア革命をたった一人で取材する西側ジャーナリストの一生を、「映画」の合間に所々実在の人物達のインタビューで構成するウォーレン・ビーティの意欲作。個人的には「13デイズ」よりはよっぽど映画らしくて好きです(ただ単にこっちの方が題材が派手だからか?)。妻が水を汲みに行ったほんの一瞬の間に息を引き取る主人公が悲しかったのを憶えています。7点献上。 7点(2001-10-01 20:11:58) |
214. スター・ウォーズ/帝国の逆襲
「新たなる希望」のオープニングの説明に「エピソードⅣ」とタイトルしたのに、前作の「スター・ウォーズ」は映画として完結していました。(絶対にヒットすることが約束されている)後のシリーズ化の布石は「帝国の逆襲」のみに集約されているので、この映画は起承転結の「承転」のみで構成されています。そしていやがおうにも「ジェダイの復讐」への期待を盛り上げてくれました。敗退に次ぐ敗退で逃げ回る共和国軍に7点献上。 7点(2001-09-26 16:55:12) |
215. ミザリー
ひっさしぶりのジェームズ・カーンは事故った挙げ句ベッドにはり付け。しかし↓「ハンマーアタック」とはナイスなネーミング。こういうのってフレディが爪を立てるシーンより「痛い」ですよね(つい目を背けてしまう)。個人的にはスティーブン・キング物では最高傑作だと思っているので、7点献上。 7点(2001-09-11 15:46:58) |
216. バットマン(1989)
アメリカで社会現象にまでなったブームの半年後、ようやく公開された映画館はガラガラでした。アメリカの過熱ぶりに対し、日本ではこのブラックな内容は当時不評だったようです。暗黒のゴッサム・シティを舞台に、狂った元マフィアと孤独で変わり者の富豪の戦いを描いた内容は、ある意味衝撃的でした。画面の隅々にまでティム・バートンの美意識が再現されていたと記憶しています。バットマンというキャラクターをここまでリ・イマジネーションしたティム・バートンに7点献上。 7点(2001-09-04 17:39:44) |
217. 天国から来たチャンピオン
私は【ドラえもん】さんと違い、ウォーレン・ビーティ(この頃はビューティーと表記されていた)のこの設定には、何の違和感もなく溶け込めました。試写会で観た後、名画座等でも数回観ましたっけ。天界人の手違いにより幽霊となった主人公が、夢の実現と愛の為に奮闘するファンタジー映画。脇を固める名優陣もすばらしいです。7点献上。 7点(2001-09-03 16:48:27) |
218. 処刑人
純粋なガン・アクションとして楽しめました。ウィレム・デフォーのまんまの推理に従って殺しのシーンが再現されていく作り方が好き。私は人権を侵すことが「犯罪」になり、従って犯罪者に人権はないと確信しているので、こういう内容はスカッとします。しかしアメリカでの上映禁止は妥当でしょう、こんな輩が増えたら困るもん(日本ではその心配はないでしょうけど…)。ところで「全身銃おじさん」は彼らのお父さんなの? 7点献上。 7点(2001-08-26 18:52:08) |
219. ガタカ
宇宙への憧れで突き進む非遺伝子操作の下級市民、遺伝子操作で生まれながら挫折してしまうエリート市民。こういう対比をメタファーにしながら、今現在のあらゆる問題を提起している深い映画でした(差別問題だけを取り扱っている内容じゃない)。未来を描きながら映像は50年代のような雰囲気、そして場面毎の色遣いが監督のこだわりを感じさせます。また、ジュード・ロウのすごさも教えてもらいました。7点献上。 7点(2001-08-25 18:29:03)(良:1票) |
220. シックス・センス
この映画の一番のどんでん返しは、ホラーと思わせておいてそうじゃなかったってことでしょう。オスメント君が幽霊の予感に怯えて、シーツ(?)を覆った場所に閉じこもるじゃないですか。するとそこで死にそうな(実は死んでるんですけど…)女の子がこっち見ながら嘔吐してるじゃないですか! 怖いですよ、これは。あんまり書くとネタばれになっちゃうのでこの辺にしときます。良くできた映画です、7点献上。 7点(2001-08-22 16:01:08) |