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201.  007/スカイフォール 《ネタバレ》 
ダニエル・クレイグのリアル路線007の集大成のような一作。派手なアクションも抑え気味の今作ですが、サム・メンデス監督の画とドラマで見せる手法もハマっていたと思う。くせ者の登場人物たちの練り上げられた台詞も楽しい(ただし、字幕はちょっと残念な感じだった)。ただ、ちょっと気になるのは、もう三作目だというのに、いまだに、過去のボンド・シリーズへのオマージュや自己言及的な引用(アストンマーチンやらマネーペニーの登場など)が肝になっている点。音楽で「ここは過去作とのリンクですよ~」と教えてくれる親切設計なので、ディープなファンじゃなくても楽しめるのはいいけど、他のシリーズ作品も最近はそんなのばっかりなので、ちょっと食傷気味というか・・・。あとそろそろ「世界征服をたくらぬ悪の一味」みたいのと戦うのも見たいんだけど。今作の路線では次もそういうのは期待できないか・・・。
[映画館(字幕)] 7点(2013-03-11 09:10:05)
202.  アルゴ 《ネタバレ》 
近年の映画で、ただ単に空港で出国する過程のシークエンスをこれだけ緊迫感をもったシーンに昇華させた例ってないんじゃないかな。ド派手なアクションや設定やCGを用意しなくても、その背景と登場人物が置かれている状況を丁寧に描けば、観客をドキドキさせることができるという、エンタメ映画の教科書のような佳作。もちろん、この映画にはイラン側の視点が欠けていて、アメリカ側の一方的な描き方だという、そういう前提で見るべき映画だと思う。しかし、アメリカ側の一方的な視点のなかでも、イランの人々が時々魅力的に描かれる点も付け加えたい。たとえば、ラストの空港の革命防衛隊の男。もっとも反米的なはずの彼が、映画撮影班だという一隊に最後に隙をみせてしまうところ。映画の絵コンテを興味深そうに見る男たち。もともと、すべての人たちを「公平に」描くことが難しいのであれば、今作のような方法は、ある意味、潔く、だからこそ描けているものもあると思う。ただ、アカデミー賞取っちゃったのは、ある意味、まずかったかも。この映画の潔さが、政治の文脈「のみ」で非難されるのは、ちょっと悲しい。
[映画館(字幕)] 8点(2013-03-11 06:04:01)(良:1票)
203.  ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 《ネタバレ》 
意外と漂流するまでが長いのね・・・。っていうか、クジラやトビウオなどのシーンを予告で見て、自然ドキュメンタリーっぽい「海の生き物」の映像美を期待してたので、漂流シーンが意外に短く終わってしまったのでちょっと残念。しかも、最後には、ミステリーだったの?という取り残され感もあり、終始戸惑いながらの鑑賞に終わってしまった。いや、後から考えてみれば、哲学的な深みのある、いい映画だったと思うのだけれど、そういうモードで見れなかったのが残念。宣伝にだまされて(?)、5歳の娘を連れていかなくてよかった。
[映画館(字幕)] 6点(2013-03-09 10:48:00)
204.  プロメテウス 《ネタバレ》 
もう圧倒的な映像も、お約束のおバカな登場人物も「エイリアン印」。映像でごまかされるが深そうで浅い。でも、そういうものだと思えば、最新の迫力ある映像でけっこう楽しめたし、最後のエイリアン登場に「キター」と盛り上がれる。お口から入ってお腹からっていうのも、なぜか現場に取り残される2人組も、「主役の相方」なのにあっという間に殺されちゃうのも、もう定番中の定番になりつつあるけど、それを考えると、やっぱり第1作目の衝撃がハンパなかったというのだけはわかった。それと、ギーガーの造型の凄さもよくわかる。あのタコみたいなのからエイリアンになった瞬間は正直ほっとした。ただ、こういうのを第1作の監督がやっちゃうのは、ジョン・マクティアナンやジョン・アヴィルドセン並みに残念。リドリー・スコットで育ちましたみたいな若手監督にやらせてみてもよかったのでは。
[DVD(字幕)] 6点(2013-02-22 16:45:12)(良:1票)
205.  ショート・カッツ
20年近くまえ、映画館で観た。まだ10代の自分には早すぎた気がして、撃沈した。そして、アラフォーの年末、ふと見返してみた。「ショートカッツ」というタイトルのとおり、短いシーンがめまぐるしく移り変わる。それがとにかくスリリング。ある程度まとまった「エピソード」を重ねるオムニバスとは全く違う。最初1時間は話も見えず、やっぱりしんどかったが、途中から突然物語がつながり、登場人物が生き生きと動き始める。そのへんは後発の群像劇『マグノリア』や『クラッシュ』とも似ているけれど、やっぱりぜんぜん違う。何が違うか考えてみたのだけれど、結局、この映画は、徹頭徹尾、登場人物のあいだの「関係」を執拗に描く。関係を欲望し、関係に絶望し、関係を喪失し、関係がうまれる。アルトマンらしい「文明批評」。唯一無二の映画体験だと思う。残念なのはラストかな。『マグノリア』の元ネタではあるといえるが、この映画に限っていえば、もっと別の可能性があったように思える。
[DVD(字幕)] 8点(2013-01-06 18:10:27)
206.  ダークナイト ライジング 《ネタバレ》 
あの『ダークナイト』の続編、というわけで期待しないぞ、期待しないぞ、と自分に言い聞かせるように映画館に向かう。結果としては「悪くない」。実際のところ、ラスト10分までの2時間半は「これは違うぞ」と思い続け、最後のバットマンの行動で「絶対違う!見たかったのはこれじゃない」と落胆したが、最後の最後で「ええ~」っと気持ちよく裏切られ、『ダークナイト』とは正反対のラストも「悪くないかな」。3部作の完結編としては及第点だと思うが、それ以上ではなかった。個人的に印象的だったのは、昨年のNYウォール街占拠運動の「悪夢版」のようなベイン一味のテロ以後のゴッサムシティの暴走ぶり。そして、「あそこには無垢の人間なんていない」という台詞(誰だっけ?)と、「持たざる者」の代表として「持てる者」を裁くスケアクロウ(なにげに3部作皆勤賞!)。こういう暗部の描写が生き生きしてこそのゴッサムシティなんだと実感。 あと蛇足ですが、やっぱりタイトルは、「ライジズ」にすべきだったと思います。1作目の「ビギンズ」との対応を考えても、意味を考えてみても。
[映画館(字幕)] 7点(2012-08-21 19:03:26)
207.  セックス・アンド・ザ・シティ2
地上派テレビ放送だし、147分という本編の長さを考えると、かなりのカット(それもきわどいシーン)がされていたのかな。たぶん、そのせいもあると思うのですが、残念な出来。このシリーズの魅力は、ラスベガスとかLAとかの成金世界とも、貴族的な「上流階級」世界ともちがう、NYという街だからこそ可能な微妙なバランスの上になり立つセレブリティ文化(日本語的な「セレブ」ではない)の世界なんだと思うので、成金趣味満載のアブダビ旅行はその魅力を自ら放棄したようなもの。「シティ」の魅力を描けないSATCなんていうのは、単なる下ネタコメディ映画でしかないのです。出演者のなかには50オーバーまで出てきて、アヴァンギャルドなSATCなら「アンチエイジング」や「美魔女」とはちがう、現代の「女」の老い方をちゃんと描いてくれるのではと密かに期待していたのですが、そっちには向かっていないようです。カットなしのDVDで見直してちゃんと評価しなおすべきなのかもしれませんが、その時間ももったいない。
[地上波(吹替)] 3点(2012-05-19 10:23:38)
208.  ベンジャミン・バトン/数奇な人生 《ネタバレ》 
せっかくのフィンチャー監督の無駄遣い、というか、映像へのこだわりはわかるけれど、こんなにストレートな物語にしてしまうのは、ちょっともったいない。フィンチャーらしい、もう少し人間の皮肉っぽい一面も見たかったかな。あと、どうせストレートな感動物語にするなら、クイニーの扱いをどうにかしてほしかった。母親であり、恩人であり、人生の師であるクィニーの葬式はさっさと済ませて、その直後から「ぼくとディジーは最高の時間を過ごした」ってイチャイチャぶりを見せられても・・・。彼女との別れには、もう少し何か印象的なシーンを用意してほしかったと思う。
[地上波(吹替)] 6点(2012-04-19 12:26:20)
209.  TIME/タイム 《ネタバレ》 
序盤だけは、アンドリュー・ニコルの箱庭的世界観を堪能できて秀逸。「時=金」の設定に最初こそ戸惑うけど、母の死や金持ちの街へ出て行くまでのエピソードを通して、その「世界のしくみ」そのものを体感しながら理解できる。ただ後半、世界の秩序への反逆がムチャクチャな上にグダグダでB級作品へ急降下。その世界秩序のルールを内側から崩していくような「革命」を見たかったのですが、実際には銀行強盗とネズミ小僧という古今東西のありきたりの「反体制」モノを踏襲したのみでした。もちろん、この描写そのものが、「世界の富を独占する1%に対する99%の反乱」を自称する2011年のウォール街占拠デモへの共感と批判、みたいな読みも可能だとは思いますが・・・。あと邦題も残念。「in time」の「時間内に間に合う」という意味が、この映画ではとてつもなく重いのに、意味のない英語とカタカナの併記はB級っぽさをいっそう加速させます。
[映画館(字幕)] 5点(2012-03-11 06:51:43)(良:1票)
210.  猿の惑星:創世記(ジェネシス) 《ネタバレ》 
面白い! そして短いっ! 最近はやりの前日譚モノですが、バットマンやX-MENと異なるのは、『猿の惑星』が、(コミックとして、ではなく)映画として、その歴史に名を刻む名作であること。そのオリジンとなる物語を、新人監督に任せてしまうハリウッドの懐の深さと、その重圧に負けず、そして冗長にすることなく必要最小限のカットとスピード感で見事に描いてしまう監督自身の力量に脱帽です。突っ込みどころはたくさんあります。父の病気治療のためにつくった改良版(ALZ113)が人類を滅亡させるウィルスとなるというのは、ちょっと都合よすぎる。また、シーザーの「知性」も、もっと人間との騙しあいや知能戦のような形で発揮してほしかった。それでも、つじつま合わせのための設定上の問題がどうでもよくなるくらい、本作の描く猿たちは魅力的でした。続編もありうる展開でしたが、3時間の人間vs猿の大戦争みたいなのは、あんまり見たくないので、このコンパクトな1作で終わらせてほしいな。あと、邦題は残念。少なくとも、(ジェネシス)は余分で、創世記だけのほうが、このシリーズの雰囲気にあってると思う。
[DVD(字幕)] 7点(2012-03-06 22:56:25)(良:2票)
211.  J・エドガー
フーバー長官の政治的な暗躍ぶりが見れると期待していたのですが、狭い人間関係(フーバー、母、トルソン、ミス・ガンディー)のなかで展開するドラマが主軸でした。ちょっとがっかり。そのぶん、人間関係のほうはなかなかの濃度で描かれ、俳優陣もなかなかの熱演を見せてくれるのですが、こっちを主題にするのに、わざわざJ・エドガー・フーバーという人物を取りあげる必要があったのかは疑問です。あと、老けメイク怖いです。顔はしわしわなのに眼だけが爛々としているのが不気味すぎ。スターウォーズのクリーチャーみたいでした。「老い」というのはメイクだけでなく、もっと全身のあらゆる器官を用いて表現しないといけないんだということがよくわかります。大統領のそっくりさん演技も何だかなあ。ニクソンなんて、パーティ・マスクかと思いました。というわけで、見せ方やこだわりの方向性が間違っているようにも思うのですが、人間ドラマとしては及第点か。好みは分かれると思いますが。
[映画館(字幕)] 5点(2012-03-05 11:40:24)
212.  雨に唄えば
サイレントからトーキーへと映画界が変わる時代を、1952年にダンスとユーモアで描いた傑作ミュージカルを、さらにその60年後の2012年にDVDと大画面テレビで楽しむ。1950年代という「古き良き」ハリウッド・ミュージカル黄金時代の魅力を堪能できます。ただ、当時の最新技術を駆使して撮ったと思われる終盤の大がかりなダンスシーンは、いまの時代に見るとちょっと興ざめで、序盤のタップダンスや有名な雨のシーンのほうが断然輝いてる。ノスタルジーとテクノロジーのバランスは難しい。
[DVD(字幕)] 7点(2012-02-20 15:10:13)
213.  ウルヴァリン:X-MEN ZERO 《ネタバレ》 
短い時間であらかじめ用意されている第1作目の設定までつなげなくてはならない、というのは難しいとは思うけど、あれこれ拙速になってしまったのが残念。ストライカーのやってることは全く理に適っていないが、彼の狂気のおかげで、いろんな設定のつじつまがあったっていうのも何だかなあ。でも、そういう狂気も、彼のこれまでがあってのことなのだろうが・・・。というわけで、次作は『ストライカー』って感じで、マッチポンプ化してくんじゃないかと余計な心配をしてしまった。あと、サイクロプスの残念な感じは昔からだったというのがわかって苦笑。
[地上波(吹替)] 5点(2012-02-20 06:40:24)(良:1票)
214.  X-MEN2 《ネタバレ》 
一作目と比べると、ミュータントの能力の見せ方がうまくなってる。とくに、冒頭の大統領襲撃とかマグニートーの脱獄シーンは必見。ただ、主役格のウルヴァリンの見所は、「ツメで刺す」「撃たれてもすぐに復活」の2点なのでけっこう地味だし、プロフェッサーも今回はいいように操られて残念。ラストでは、ジーンが乗りうつったプロフェッサーとスコットの今回役に立てなかったコンビが見つめ合う珍シーンまであります(感動シーンのはずなんだけど・・・)。シリーズものとしては内容・映像ともに順当な進化を見せてくれましたが、ラストのジーンの扱いにはやっぱり疑問で、わざわざプロフェッサーにジーンの動機について解説させたのもさらにマイナス。
[地上波(吹替)] 5点(2011-10-28 05:58:54)(良:2票)
215.  X-メン
うーむ。ファーストジェネレーションを見て面白かったので、シリーズ第1作にも手を出してみたけれど・・・。テーマ的には共通しているけれど、この第1作ではあまり掘り下げられていないので、「設定」を説明しているだけで、肝心のキャラたちの苦悩が生々しく伝わってこない。とはいえ、シリーズ化を前提としたキャラクターたちの顔見せ的な作品だと思えば、こんなものか。
[DVD(字幕)] 5点(2011-10-16 01:54:04)
216.  SUPER8/スーパーエイト(2011) 《ネタバレ》 
スピルバーグとエイブラムズという新旧エンタメ作家の共作という雰囲気で、TVドラマ『LOST』のスリルとサスペンスのなかに『ET』の子どもたちを放り込んだという感じでした。とくに最初の列車脱線シーンは、『LOST』の墜落シーンを思わせる見事なスペクタクルでした。宇宙人が思ったより凶暴でびっくりしましたが、それは80年代と現代と比べて「他者」というものの持っている意味がすっかり変わってしまったということでもあるかもしれません。9.11以降のあれこれを考えれば、恐ろしい存在のエイリアンだからこそ、そのエイリアンと心を通わせることの意味というかメッセージ性はとてつもなくストレートなわけです。これは『ET』とは似て異なる、現代的なメッセージを反映した映画だといえます。ただ、それでも、やはり2人の映画作家の世界がうまく共存しているとは言い難く、スピルバーグで育った自分にとっても、あまりにもスピルバーグ映画へのオマージュを詰め込みすぎの印象でした。もっとエイブラムズの色というか、「2010年代のSFはこういうものなんだ、すごいだろ」というところを、見せてほしかったなあと思いました。
[映画館(吹替)] 6点(2011-09-05 13:59:32)
217.  X-MEN:ファースト・ジェネレーション
実はシリーズ通してはじめてちゃんと観た(ほかの作品はテレビ放映時にちらっと見た程度)。もともとX-MENシリーズの背景にはアメリカの人種をめぐる問題があると言われていたわけですが、この作品では、X-MEN物語の誕生とアメリカの人種問題が歴史的にも結びつけられています。舞台となっているのは、1962年のキューバ危機ですが、実はこの時代はアメリカでは人種差別の解消を目指した公民権運動の時代でもあります。有名なキング牧師の「私には夢がある」演説が1963年です。しかし、この時代には、白人との「統合」を目指すキングとは対照的に、黒人の誇りや自立を求めるマルコムXも新しいリーダーとして登場してきます。本作のチャールズとエリックの対立は、この2人の黒人リーダーの対立に重なるものとして描かれています。いま私たちが直面している人種問題の根源的な対立(これはアメリカだけの問題ではなく、世界史レベルの問題の象徴として「ホロコースト」がある)を、物語のなかに、ちゃんと歴史的な同時代性をもって描きこむことで、単なる勧善懲悪ではない深みを物語に与えています。しかし、そんな頭でっかちな内容に終始しないのも本作のすばらしいところで、さまざまなミュータントが能力を発揮するようになるプロセスは見てて楽しいし、アクションにもセンスを感じます。娯楽映画としても一級品というところもすばらしい。
[映画館(字幕)] 9点(2011-09-04 10:44:47)(良:3票)
218.  マイティ・ソー 《ネタバレ》 
国際線の飛行機で鑑賞。なので、迫力不足はいなめず、映画館で見た方よりも点数が低めかも。予備知識ゼロで見たので、アメコミの世界に再現された『ゴッドファーザー』だと思ってみてたら、ソニーが改心してマイケルに支配されたコルレオーネ家をとり戻す、という話でした。別に『ゴッドファーザー』に限らず、ギリシャ悲劇からシェイクスピアまで定番のテーマではあるわけですが・・・。そういう意味では、ケネス・ブラナーという監督のチョイスは面白かったと思います。
[DVD(吹替)] 5点(2011-08-24 11:32:38)
219.  ガン・ホー
不思議な映画だ。冒頭の「自己改造セミナー」から川での水練まで、奇妙キテレツな日本描写のオンパレード。日本語の発音がまともにできない俳優に日本人を演じさせるというトホホなお約束。本当に酷い。けれど、文化ギャップを笑うというハリウッド・コメディの定石を考えれば、これらのステレオタイプもある種のメソッドとして理解できるし、それに目くじらを立てるのもどうかなという気もする。それよりも不思議なのは、この映画のメッセージだ。映画の序盤から中盤までは、時代の変化についていけず、自分たちの価値観にこだわり続けるアメリカ人のほうが偏狭な人たちであるかのように描かれる。そして、主人公は日本のやり方を認め、また日本人ビジネスマンもアメリカの価値観を認めるようになる。ジャパン・バッシングまっただ中に作られたこの映画を、当のアメリカの観客たちはどう見たのだろうか? この映画のメッセージは、80年代の観客にはリベラル過ぎたのではないか? 内容的には、80年代に量産されたコメディ映画の定番パターンであり、いま見て新鮮に思うものはあまりないが、「異文化を笑いながらも認める」という姿勢には、どこかハリウッド的な懐の深さを感じさせる。
[DVD(字幕)] 6点(2011-07-08 08:24:03)
220.  ブラッド・ダイヤモンド
アフリカ訛りの英語を見事にマスターしたディカプリオ、瞬間的に見せる美しさが光るジェニファー・コネリー、そして家族想いの父親を演じたジャイモン・フンスーの主演3人は見事で、長尺だが最後まで飽きさせない映画としてもなかなかの佳作であるとは感じる。ただ、最後まで何かがひっかかる。同じズウィック監督の『ラストサムライ』がそうだったように、「エンタメ」として成立させるために、相当に単純化されたであろうシエラレオネ内戦(とくにRUF)の描写には注意が必要な気がする。いくら植民地の歴史や多国籍企業の暗躍や政府・軍の腐敗を描いても、この映画のインパクトはそこではなく、図式的に描かれたRUF(あるいはアフリカ人の)残虐さであり、とりわけドラマティックに描かれた少年兵たちの姿であるように思える。この映画を見ることで知る「アフリカ」とは何だろう。『ラストサムライ』を見て日本を「知っている」と語る欧米人の滑稽さを知っている僕たちは、この映画が、娯楽映画の文法にきわめて忠実な作品であり、「アフリカ」はその文法に沿ってのみ描かれていることに気づくことができると思う。映画をみて、最後までつきまとっていた違和感の正体は、そんなことなのかと思いつつ、まだまだすっきりないというそんな気分である。たぶん、すっきりする必要もないと思うのだが。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-05-02 05:57:23)(良:3票)
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