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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1885
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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301.  アクアマン 《ネタバレ》 
太古の昔に海の底に沈んだアトランティス帝国。その後、海底人となったアトランティスの民は地上の人々に知られることなく独自の文明を築き上げていた。その王家の末裔で地上人との混血として普通の人と同じように生活していたアーサーが本作の主人公。自らの出自と宿命を知った彼がアクアマンとなり、祖国の危機を救うため地上や海底を所狭しと暴れまわる大活躍を描いた海洋ヒーローアドベンチャー。現代の類稀なるエンターテイナー、ジェームズ・ワン監督の作品だけあってなかなか面白かったです。とにかくビジュアルセンスが素晴らしすぎ!!アクアマンというだけあってほとんどが海の中での戦いとなるのですが、誰もがみんな本当に水の中に居るように見えるのですからこの細部にまで拘った映像は凄いとしか言いようがありません。特に、あの夜の海で深海魚の怪物が群れを成して襲ってくるとこなんてもう気持ち悪すぎてヤバかったですわ。それに王妃とアクアマンの二人の闘いを抜群のカメラワークで描いたイタリアでの地上戦も素晴らしいクオリティ。二人がいま何処で何をしているかが、ちゃんと分かるように見せる演出力の高さは特筆に値します。まあストーリーの方はもうベッタベタですけど。海溝の国でアクアマンが危機に陥った時に、「あぁここできっと死んだと思われていたお母さんが助けに来てくれるんだろなー」と思ったら、まさにそのままの展開に(笑)。まぁエンタメ映画なんでそれでオッケーなんですけどね。うん、でも充分面白かった!7点!!
[DVD(字幕)] 7点(2019-07-22 15:34:18)(良:1票)
302.  アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル 《ネタバレ》 
90年代初頭に起きた、アイススケート現役オリンピック選手によるライバル・スケーター襲撃事件。いわゆる「ナンシー・ケリガン襲撃事件」。本作はその首謀者とされ、後にアイススケート界を永久追放されることになったトーニャ・ハーディングやその関連人物たちへのインタビューを基に構成された彼女の半自伝映画だ。まあ冒頭に示される「大いに異論はあると思うが…」という言葉通り、彼女の言い分に全面的に寄り添った内容となっているのですが、本作のテーマはそこじゃないんですよね。真相はどうあれ、彼女を含め本作に登場する実在の人物たちがどいつもこいつも大バカ者でどうしようもないクズばっかりなんですよ。もう見ていて清々しいくらいのクズのオンパレード(笑)。トーニャの母親もこれがまあ強烈な自己中おばさんで娘を虐待しながら周りに悪態ばかりつくクズ。彼女の夫も酒に酔っては暴力を繰り返す典型的なDV男。誇大妄想の末、自分の器の小ささを押し隠すために出鱈目な計画を思いつく彼女の元ボディガードもどうしようもない大バカ者。そして彼女自身もまた、後先考えず感情の赴くままに行動し様々な問題を引き起こす典型的なトラブル・メーカー。まぁ貧困の問題はあっても、誰も彼も自業自得としか言いようがありません。でも、なんか嫌いになれないんですよね~、この人たち。みんな生きることに真剣で、ただひたすらエネルギッシュに自らの幸せを追い求めてる。ちょっと人生の計画性というものが、どいつもこいつも複雑骨折しているだけで(笑)。このクズっぷりは最後まで徹底されていて、事件後にトーニャが母親と和解しようと抱き着くところでもすぐに盗聴器を持ってることが判明し、またしても罵り合いの大喧嘩が始まるとこなんてもう笑っちゃいましたわ。そして、スケート界を永久追放された後もボクサーに転身ししたたかに生きていった彼女の貪欲さには、もはや呆れを通り越して逆に拍手を贈りたくなっちゃいました。生きることになんとなく疲れた時なんかにこの映画を観たら、また明日から前向きに生きられそうですね。素行不良のはねっかえり娘を演じたマーゴット・ロビーも嵌まり役でした。うん、なかなか面白かったです。7点!!
[DVD(字幕)] 7点(2019-06-24 23:25:30)(良:2票)
303.  ディザスター・アーティスト 《ネタバレ》 
2003年、誰にも注目されずひっそりと単館上映された映画『ザ・ルーム』。だが、そのあまりにも支離滅裂な内容とあまりにも意味不明な演出の数々とあまりにも大根な役者の演技等によって、今世紀最大の駄作として評判を呼び、今やカルト作として一部で熱狂的な支持を得るに至っている。本作はそんな珍作の監督・制作・主演を果たしたトミー・ウィソーとスタッフたちの波乱に満ちたその撮影現場を描いたスラップスティックなコメディ。恥ずかしながら、僕はこの作品も監督を務めたウィソーのことも何も知らなかったのですが、いやー、良い感じのバカですね~、この人。有り余る自信だけは誰にも負けないけど、才能は欠片もない。現代のエド・ウッドとも呼ぶべき、そんな愛すべきバカなんですけど、奇跡的に何故か金だけは無尽蔵にあった。なので何億も掛けてこの映画を製作することが出来たのだけど、周りの人間にしてみたらほんと迷惑千万ですよね。途中から完全に駄作となると分かっていながら最後までこのバカに付き合わざるを得なかった、周りのスタッフたちの労力を思うとご愁傷様という言葉しか出てきません。でも、客観的に見るとなんか面白い。自分の信念に従って頑張ろうとすればするほど空回りするその姿はコメディの原点かも知れませんね。自分で書いた脚本なのに台詞をなかなかちゃんと言えず、何十テイクも撮影を重ねるなんてあり得ます?おかげで周りのスタッフたちの方が完璧に台詞を復唱できちゃうシーンには笑っちゃいました。そして紆余曲折の末になんとか完成し、盛大に金をかけて決行されたプレミアム試写会での失笑の嵐には、逆に変なカタルシスがありましたね。居合わせた主演女優の「これっていつまで続くの…」や「駄作だと思う俺が変なのか?」という言葉には笑わざるを得なかったです。いやー、なんかこの『ザ・ルーム』って映画、逆に観たくなっちゃいましたわ。うん、なかなか面白かったっす!!7点!!
[DVD(字幕)] 7点(2019-06-01 21:38:26)
304.  君の名前で僕を呼んで 《ネタバレ》 
イタリアの避暑地で出会った青年たちの男同士の恋愛を濃厚な映像で描いたラブロマンス。とにかく若い男たちの引き締まった肉体美が素晴らしいですね。滴り落ちる汗の匂いがこちらにまで漂ってきそうで、何とも官能的でいい。なんだか昔読んだ三島由紀夫の小説を思い出しました。この昔のヨーロッパ映画のような古風な作風が個人的にそこまで嵌まらなかったですけど、いい映画だったと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2019-05-10 22:07:13)
305.  マッド・ダディ 《ネタバレ》 
ある日突然、何の脈絡もなく親たちが狂い始めた!愛しているはずの息子、かけがえのない存在であるはずの娘たちに狂気の刃を向け始める!金属バットやナイフ、ハンマーや電気ノコギリを手にしたパパやママが、学校やマイホームで自分の子供たちを躊躇なく殺し始めたのだった!理由なんてどうでもいい!!追い詰められた子供たちは無事にこの地獄のような世界を生き延びることが出来るのか?というだけのお話(笑)。毎度おなじみニコラス・ケイジ主演のもう明らかにB級感バリバリのそんな本作、さして期待せずに観始めたのですが、これが意外や意外、なかなか面白いじゃないですか!もう完全にアウトなお話なのですが、この最後までイッちゃってるところがもはや完全に振り切れてて逆に笑けてきちゃうところがナイス。学校に押し寄せた親たちが次々に自分の子供を襲撃する冒頭のシーンから摑みはばっちりで、妙に能天気な音楽やブレブレの軽妙なカメラワークもこの物語のとち狂った感じに拍車を掛けています。妊婦が赤ん坊を産み落とした瞬間、急に豹変するとこなんかめっちゃ怖かったですし。そして何と言ってもニコラス・ケイジ!!彼が演じる父親のもうお家芸とも言えるキレキレ演技が凄いです。彼が自分の家で妻とともに二人の子供を追いかけまわすとこなんてもはや完全にイカレてるとしか思えません。そしてやってくる爺ちゃん婆ちゃんとの三世代にわたる血みどろの家族殺し合い……。いやー、あまりにもぶっ飛びすぎててもう笑うしかなかったですわ。何気に一番いい人だった娘の彼氏が一番悲惨だったかも。なにせワイヤーを頬に貫通させられるんですから。最後の何もかも放り投げっぱなしの酷いオチなんて、あまりにもテキトー過ぎて逆に清々しくさえありました(笑)。いやー、かなりの怪作ですけどけっこう面白かったです!7点!
[DVD(字幕)] 7点(2019-05-03 02:54:49)(良:1票)
306.  The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ 《ネタバレ》 
南北戦争真っ只中のアメリカ南部の田舎町。人里離れたこの地の森の中にあるとある女学園には、校長先生と女教師、そして数人の身寄りのない女生徒が静かに暮らしていた。ところがこの女の園にある日、脚を怪我した北軍兵士が迷い込んでくる。あまりの酷い傷にすぐには南軍に知らせず、ひとまず治療を優先しようとする校長。だが、治療が長引くにつれ女たちの中に微妙な感情の変化が訪れ、やがてそれは大きな悲劇へと繋がっていくのだった…。これまで詩的な美しい映像でもって女性性の深淵を軽やかに描き続けてきたソフィア・コッポラ監督の新作は、一部でカルト的な作品として語られることの多い過去作『白い肌の異常な夜』の大胆なリメイクでした。元となった作品は未見なのですが、この監督のリリカルで品のいい雰囲気は相変わらず健在。これまでの軽いポップな路線とは違いかなり濃密で異常な世界を描いているのですが、それでもソフィア・コッポラらしさが充分に感じられるのは凄いことだと思います。キルスティン・ダンスト、エル・ファニングといったソフィア・コッポラ監督の常連組にニコール・キッドマンを加えた美しい女優たちの共演は観ているだけで華やかで、まるで印象派の絵画の世界に入り込んだかのようでした。そして炙りだされるそれぞれの女性たちの女の性(さが)――。女の世界っていつの時代も嫉妬やプライドや愛憎が水面下で常にぶつかり合ってるものなんですね(笑)。そんな女たちの愛憎と肉欲を一身に受けた末に脚を切断されるバカな男、そして全てのことが終わると何事もなかったかのように元の生活に戻ってゆく女たち…。いやー、女って怖いわぁ(笑)。ちょっと前半の展開が幾分か冗長なところが残念ではありますが、ソフィア・コッポラの美質が全編に感じられる女たちのこの濃厚な愛のドラマ、なかなかの良品でありました。近々、元になった作品も観てみようと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2019-04-05 14:04:28)
307.  シンクロナイズドモンスター 《ネタバレ》 
酒の失敗で職を失い、現在彼氏の部屋に居候中のグロリア。職探しもおざなりに友達と飲み歩くようなどうしようもない毎日を送っていた彼女は、さすがに彼氏に愛想をつかされ部屋を追い出されてしまうことに。行く当てもなく、仕方なしに田舎へと舞い戻ったグロリアは小さな部屋を借りて再出発を誓うのだった。偶然再会した幼馴染でバーのオーナーをしているオスカーの助けもあって、彼の店でウェイトレスとして働き始めたグロリアだったが、相変わらず酒だけは止められない。二日酔いでふらふらと近所の公園へと訪れたグロリア。――同じころ、地球の裏側の韓国では大変な事態に直面していた!突如として現れた謎の怪獣がソウルの市街地で破壊の限りを尽くしていたのだ。ネットでそのニュースを知ったグロリアは、すぐにあり得ないような秘密に気付いてしまう。なんとその巨大怪獣が公園にいた自分と全く同じ動作をしていたのだ。「私、どうしてだかこの怪獣とシンクロしちゃってる!」。大変な事態にもう二度と公園へは行かないと誓ったグロリアだったが、新たに驚きの展開が待ち受けていたのだった……。自堕落な生活を送っているダメウーマンと地球の裏側に現れた巨大怪獣がシンクロするというかなり特異な設定のモンスターパニック・ラブストーリー。アイデア勝負のそんな変な設定の作品なのですが、いやー、なかなか面白いじゃないですか、これ。まあ突っ込みどころは山ほどありますけど、アイデアの奇抜さとリアリティをぎりぎり損なわない最低限のルール設定が巧く機能していて最後まで違和感をそんな感じずに観ることが出来ました。嫉妬深いダメ男と酒にだらしないダメ女のどうしようもない恋愛が、ソウル市民に大災厄をもたらすというのはかなりブラックですが面白いですね。最後、ソウルに自分が行けば逆に故郷の公園に怪獣が現れるかもという展開にはやられたぁって感じですわ。アン・ハサウェイのダメ女っぷりも意外に嵌まってました。もう少しモンスターとロボットのアクションシーンを見たかった気もしなくもないですが、そこは予算の関係なのかな。とはいえ、ワンアイデアながらなかなか面白かったです!7点!
[DVD(字幕)] 7点(2019-02-12 00:20:00)
308.  ブラックパンサー 《ネタバレ》 
宇宙より飛来した謎の鉱物の神秘的な力により高度に発達した文明を築き上げた小国ワカンダ。世界から孤絶し、秘密裡に独自の発達を遂げたそんな神秘の国の国王となった、通称ブラック・パンサーの大活躍を最新の映像技術で描いたアメコミ・アクション超大作。もはや素人には何が何だかよく分からなくなってしまった(笑)マーブル・アベンジャーズの一作でありながら、ほとんど黒人しか出てこない作風が昨今の保守化するアメリカ社会のアンチテーゼとして受け、本国で爆発的ヒットとなったのみならず今年度のアカデミー作品賞の候補にまでなった本作。なるほど、確かによく出来てますわ、これ。一級のエンタメ映画として誰もが楽しめる完成度を誇りながら、そこに昨今の人種問題をスパイスとして絡めたところなどいいセンスしてますね~。世の中には社会的弱者(黒人)が今も苦しんでいるのに平和主義を標榜して傍観を決め込む者と、時に武力行使も辞さない姿勢で積極的に介入しようとする者の思想的な対立構造などストーリーにもなかなか深みがあって大変グッド。アフリカ古来の文化と最新のテクノロジーが融合したワカンダの都市描写なども華やかでワクワクしますね。惜しいのはクライマックスのアクションが少々キレが悪くなってしまったところかな。もう少し短くても良かったような気がしなくもない。最後、主人公が国連で演説する際の「愚者は壁を築き、賢者は橋を架ける」という強烈な反トランプメッセージは、ディズニーとしてはかなり踏み込んだものだと思います。それほど昨今のアメリカ社会の対立構造は深刻なのでしょう。本作がこの先、アベンジャーズの一シリーズとして単なる軽いノリのエンタメ・アクションとなってしまうのは是非とも避けてほしいところですね。
[DVD(字幕)] 7点(2019-01-29 00:38:20)
309.  女神の見えざる手 《ネタバレ》 
凄腕の女性ロビイスト、ミス・スローン。彼女が知力と戦略、時には違法すれすれの策略を駆使して銃規制強化法案を可決させようと奔走する姿をスタイリッシュに描いた政治ドラマ。冒頭から息をつかせぬカット割りと膨大な台詞のやり取りで突っ走ってゆくこのスピード感は最後まで心地良かったです。監督はアカデミー賞にも輝くジョン・マッデンだけあって、ちゃんと緩急をつけたその演出はもはや匠の技。なかなか素晴らしい。また、主人公を演じたジェシカ・チャスティンもまさに嵌まり役で、本当にカッコよかった!まぁ一緒に働きたくはないですけど(笑)。最後のどんでん返しは少々やり過ぎな気もしなくはないですが、政治サスペンスとして充分楽しめました。7点!
[DVD(字幕)] 7点(2019-01-14 10:26:34)
310.  ゲット・アウト 《ネタバレ》 
都会で洗練された生活を送る黒人のカメラマン、クリス。だが、彼には一つの悩みの種があった。それは三か月前から付き合っている白人の美しい彼女ローズとのこと。まだまだ社会に根深く残る人種差別問題は、彼らの関係にも小さくない影を落としていた。そしてそれは、田舎で夫婦水入らずの暮らしを送っているローズの両親を訪ねたことでより強固に彼の前に立ちはだかる。表面上は歓迎してくれる両親だったが、言葉の端々に微妙な感情が孕まれているのを敏感に感じ取るクリス。それは次の日開催された友人たちとのパーティーで一気に噴出してくるのだった――。意味ありげな微笑を浮かべる黒人使用人、あからさまな敵意を剥き出しにしてくる彼女の弟、そして好奇の目でクリスを見つめてくるパーティの客人たち…。いったいこの家にはどんな秘密が隠されているというのか?まるで操り人形のようにふるまう不気味な黒人たちの本当の意図とは?そして、クリスが心に抱え込む幼少期のトラウマとは?あくまで良質なホラーとして制作されながらも、そこに人種差別問題を絶妙に絡めたおかげでまさかのアカデミー脚本賞を受賞したという本作、なかなか興味深く鑑賞させていただきました。この監督の観客への不安感の煽り方は抜群に巧い!なんなんですか、この実家のいや~~~な感じの空気感は。こんな息苦しい実家、たとえ人種のどーのこーのがなくても絶対に帰りたくない(笑)。本作が優れているのは、この黒人と白人の間に未だわだかまる意識や価値観のずれ、お互いへの不信感をホラーのベースとしているところ。今もアメリカ社会の中に歴然と存在するそんな強大な壁を巧くホラーとして昇華させている。見事なセンスというしかありません。そんな社会問題をベースとしていながらも、ちゃんと一級のホラー/スリラーとしても最後まで面白く観られるのも素晴らしいですね。惜しいのは、肝心のことの真相があまりにも荒唐無稽なSFになってしまったところ。それまでずっとリアルな世界観を構築していたのに、最後で少々バランスが崩れてしまったような気がしなくもない。とはいえなかなか見応え充分な良質のエンタメ映画でありました。7点!
[DVD(字幕)] 7点(2019-01-12 22:43:01)
311.  ノクターナル・アニマルズ 《ネタバレ》 
現代美術家として成功を収め、実業家として名を馳せた夫と何不自由ない生活を送ってきたスーザン。ある日、そんな彼女の元に一冊の本が届く。タイトルは『夜の獣たち』。作者の名を見て彼女は思わず息を呑んでしまう。その名は二十年前に破局を迎えたきり、ほとんど音沙汰のなかった元夫エドワード・シェフィールドだったのだ。資金繰りに息詰まっている今の夫を出張へと送り出したスーザンはソファに横たわり、その元夫が書いたという本に目を通してゆく――。物語はその後、彼女の現実世界と小説内のフィクションの世界、そしてスーザンが二十年前に作者である元夫と過ごした若き日々を複雑に行き交いながら、暴力と不条理に満ちたミステリアスで濃厚な世界を形作ってゆく。劇中劇として語られる小説の世界は、テキサスの夜の路上で偶然出会ってしまった荒くれ者たちによって妻子を凌辱される一人の男の物語。そして二十年前の若き日のスーザンと元夫との物語は、情熱的な恋に落ちた二人が悲劇的な結末を迎えるまでを描いている。ポイントは、この小説の主人公とスーザンの元夫役を同じ、ジェイク・ギレンホールが演じているところ。本来は何の関係もないはずの二人が、主人公であるスーザンの想像の中では同一人物と認識されることで、この元夫の本書を書いた意図が透けて見えてくるという非常に高度で深い心理劇を形成することに成功している。とても考え抜かれた優れた脚本であると言えるだろう。また、人生の曲がり角を迎えた中年女性を演じたエイミー・アダムス、凄みのある犯罪者をリアルに演じたアーロン・テイラー・ジョンソンもこの作品の不穏に満ちた空気を醸成させることに貢献している。特に癌に犯された刑事役を演じたマイケル・シャノンの存在感は際立っていた。果たして、このような小説を書きさらには二十年も前に別れた元妻へと送り届けた、この元夫の真の意図とはなんであったのか。復讐?懺悔?未練?そして最後に彼が取った行動の本当の意味とはまで、見る人それぞれにいかようにも解釈できる、とても優れた心理ドラマの秀作であった。
[DVD(字幕)] 7点(2018-12-30 00:04:48)(良:1票)
312.  ブレードランナー 2049 《ネタバレ》 
SF映画のカルト的名作の続編。監督は現在ハリウッドでノリにのっているドニ・ヴェルヌーヴ監督。いやー、なかなか重厚な世界観はこの監督ならでは。少々冗長な面もなきにしもあらずだけど、美麗な映像や哲学的なストーリーは存分に楽しめました。レプリカントたちの心の拠り所となっている記憶を作っているのが、実は…というオチにはしてやられましたわ。
[DVD(字幕)] 7点(2018-12-27 23:46:59)
313.  スリー・ビルボード 《ネタバレ》 
舞台はアメリカのとある田舎町。娘をレイプされ焼き殺された母親が町外れに立てた、三枚の看板。そこには一向に事件を解決できない警察署長への怒りのメッセージが書き込まれていた。当然、その影響は小さな町に瞬く間に広まってゆく。人種差別主義者の警察官、末期癌を患い余命幾ばくもない警察署長、看板を立てた広告代理店の営業マン、被害者となった女の子の弟、DVの末に離婚したその父親…。彼らの怒りが更なる怒りを呼ぶ憎しみの負の連鎖を軽快に描いたクライム・ドラマ。じっくりと考え抜かれたであろう脚本の力が際立つ、なかなかの佳品であったと思います。そんなよく出来た脚本だけではなく、適材適所に振り分けられた俳優陣の演技もすごく嵌まっていました。特に、主人公の娘を殺された母親を演じたフランシス・マクドーマンドの狂気すれすれなのに何故か嫌いになれない人物造形はなかなかのもの。ちょっと僕の好みとは微妙に外れますが、なかなか見応えのある人間ドラマでありました。
[DVD(字幕)] 7点(2018-11-08 19:49:20)
314.  ゲティ家の身代金 《ネタバレ》 
ある日、石油王にして世界一の大富豪の孫が誘拐される。身代金を求める電話がかかってくるものの、金にとんでもない執着を見せるその大富豪はなんと支払いを拒否。命に代えてでも息子を取り戻したい孫の母親で富豪の義理の娘は様々な方策を巡らせるのだが、解決の糸口すら見いだせないままどんどんと追い詰められていく……というお話。御大リドリー・スコットが実話を基にして描いた、なかなか濃厚な人間ドラマでした。いやー、世の中金が全て、お金のない人間は何をやってもうまくいかないという内容でしたね、これ。巨匠の映像美と重厚なストーリーテリングはもはや匠の技。最後まで見応え充分でした。特に、恐ろしいくらい金に執着する守銭奴大富豪を演じたクリストファー・プラマーの憎たらしさは素晴らしかったです。いくら世界一のお金持ちでもこんな人の身内には死んでもなりたくない(笑)。若干ストーリー展開に「?」な部分があるものの、なかなか面白かった。7点!
[DVD(字幕)] 7点(2018-10-21 23:31:27)
315.  キングスマン: ゴールデン・サークル 《ネタバレ》 
世界を密かに?救ってきた謎の英国紳士たちのぶっ飛び大活躍を、お下品&エログロアウトぎりぎりのセンス溢れる映像で描いたスパイ・アクション第2弾。いやー、相変わらず面白かったです!ほんとにこのおバカな世界観をひたすら真面目に追及するマシュー・ボーンのキレッキレの演出力は今回も冴え渡ってましたね~。ただ、さすがに前作のインパクトが強烈だっただけに、今回はそこまでの衝撃はなかったですかね。悪役のジュリアン・ムーアがいまいち弾けきれてないないような?まあ普通に面白かったですけど、前作ほどではなかったってことで7点!
[DVD(字幕)] 7点(2018-09-03 23:40:24)
316.  タンジェリン 《ネタバレ》 
LAに生きるいわゆるゲイの方たちの日常をスピーディ&ポップに描いたスラップスティックなコメディ。かなり低予算――なんたって全編スマートフォンで撮影された作品なんですけど、そんなこと気にならないくらい映像センスが素晴らしかったです。もう画面の隅々にまで監督の色彩豊かな拘りが漲っていてもう冒頭から一気に惹き込まれ、最後まで駆け足で突っ走ってしまいました。ノリのいい音楽もサイコー。主要登場人物はもちろん、ほんのちょっと出てくるだけの脇役にいたるまでみなキャラが立っていて誰もが魅力的なのも良かった。うん、この監督、将来要注目ですね。
[DVD(字幕)] 7点(2018-07-28 17:19:30)
317.  ベイビー・ドライバー 《ネタバレ》 
逃がし屋ベイビーの爽快なカーチェイスをひたすら楽しむ作品。ストーリーなんてあってなきが如しですけど、このキレッキレの編集とノリのいい音楽との見事なまでの融合は一見の価値あり。何も考えずに二時間弱、爽快に楽しめました。てかベイビー、もうちょっと変装しようぜ(笑)。
[DVD(字幕)] 7点(2018-06-01 10:21:07)
318.  フェンス 《ネタバレ》 
1950年代、ゴミ収集の仕事をしながら家族を養うアフリカ系アメリカ人、トロイ。彼とその家族の一見平凡に見える生活を描きながら、この時代に生きる黒人たちの、貧困、差別、閉塞感等々、様々な目に見えない〝フェンス〟を炙りだす社会派ヒューマン・ドラマ。主な舞台は、この主人公家族が住む一軒家とその裏庭、そしてストーリーもずっとこの家族が交わす会話でのみ進行していくという内容に、「これはもしかして舞台劇を映画化した作品なのかな」と思って観ていたら、案の定、デンゼル・ワシントンが過去に主演した舞台を基にしたものだったのですね。今回、D・ワシントンが監督も務めたということで彼の並々ならぬ熱意が伝わってきます。そう、この作品はとにかくそんな実力派の役者陣が織りなす圧倒的な演技力を堪能するためのものだと言っても過言ではないでしょう。それくらい役者の演技は素晴らしいものがあります。特にアカデミー賞を受賞した、主人公の妻役のヴィオラ・デイビスには圧倒されました。この時代、黒人で女性で主婦というもっとも弱者の象徴である彼女。その姿を通して、社会の中で虐げられた人たちの抑圧され続けてきた魂の叫びが聞こえてくるようでした。確かに内容的には地味ではあるけれど、なかなかの良作と言っていいんじゃないでしょうか。
[DVD(字幕)] 7点(2018-05-14 23:34:50)
319.  ヒットマンズ・レクイエム 《ネタバレ》 
殺し屋家業に手を染めたばかりの今どきの若者レイ。ボスからの指示でベテランのケンとコンビを組み、初仕事をこなした彼だったが、直後に取り返しのつかない過ちを犯してしまったことに気付く。なんと殺したターゲットの身体を突き抜けた銃弾が小さな男の子の額を直撃してしまったのだ。ボスからのさらなる指示で、ベルギーの古都ブルーシュへの逃亡生活を余儀なくされた彼らは、気持ちを切り替えボスからの電話を待つことに。レイは酒と女に明け暮れ、インテリのケンは古都観光を満喫する。だが、子供殺しの事実は容赦なく彼らの良心を蝕んでゆくのだった。そんな折、ケンにだけボスから秘密の指示が下される。「俺は筋を通す男だ。子供を殺すような奴は何があろうと許さねえ。必ずその街で奴を消せ。それまで帰ってくるんじゃねえ」――。内密に拳銃を手に入れたケンはレイを殺すチャンスを窺っていたのだが、レイもまた良心の呵責から死に場所を求めていたのだった…。ベルギーの伝統ある古都を舞台に、親子ほども歳の離れた殺し屋たちの葛藤と悲哀を屈折したユーモアを交えて描いたクライム・ドラマ。コリン・ファレルとレイフ・ファインズが共演、アカデミー脚本賞にノミネートされたということで今回鑑賞してみました。前半、正反対の二人の男が旅先で噛み合わないやり取りを繰り返すというありがちで冗漫な展開に、「え、これのどこが脚本賞?」と疑問に感じながら観ていたのだけど、相棒に殺されそうになる主人公もまた自殺を図ろうとしていたという事実が判明する辺りからこの作品の印象が一転して良くなっていきます。罪の意識から逃れられない若者、彼を更生させたいと願う初老の男、何よりもメンツを重んじるために若者を殺そうとするボス。なるほど、この三人の殺し屋たちの三者三様の思惑が交錯する心理ドラマはなかなか深い。また、取り留めがないと思われていた前半の小人や美人局のカナダ人といったエピソードが後半、奇麗に回収されていくという伏線の張り方もとてもセンスがいいですね。舞台となった伝統ある古都ブルージュの映像もスタイリッシュで美しく、クライマックスで男たちが自らのプライドのために命を懸けて戦う姿も悲壮感が画面から匂い経つようで素晴らしかったです。惜しいのは前半のあまりにも散漫な展開ぐらいかな。とはいえ、なかなか技ありな一本でありました。7点!
[DVD(字幕)] 7点(2018-02-16 00:58:02)
320.  美女と野獣(2017) 《ネタバレ》 
もはや王道のディズニーエンタメ。最新技術で描かれた、ゴージャスできれいな映像は見ているだけで楽しくなります。家具に姿を変えられた召使たちの造り込まれた造形美なんて凄いの一言。美女役のエマ・ワトソンも非の打ち所のない美女でさすがの貫禄でした。うん、なかなか面白かったですね。元のアニメは未見だけど、この機会に観てみようかな。
[DVD(字幕)] 7点(2018-01-31 21:43:19)
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