Menu
 > レビュワー
 > ⑨ さんの口コミ一覧。2ページ目
さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 92
性別 男性
自己紹介 基本的に点数が甘めになりがち。
あまりジャンルに好き嫌いはありませんが、やはり娯楽映画が好きです。
密度の濃い映画が好みですね。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234
投稿日付順1234
変更日付順1234
>> カレンダー表示
>> 通常表示
21.  ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション 《ネタバレ》 
5作続くシリーズだが毎回監督が違うせいか作品の毛色がいつも違うこの「ミッション:インポッシブル」シリーズ。だが4作目が好評だったためかどうかは知らないがキャストも方向性も前作に近い感じを受ける。トム・クルーズの体を張ったアクションはもうお約束だが3作目のようにシリアスになりすぎずユーモアもたっぷりで娯楽に徹した作りだ。  しかし、予告編やCMでも今作の売りとばかりに流れていたあの飛行機に張り付くアクションが冒頭に出たのには驚いた。もちろんこの後もアクションシーンは満載なのだが冒頭のようにド派手なものではない。今作のアクションはどちらかというとスマートな印象を受ける。スタイリッシュというよりスマートでキレがある。特にオペラでのアクションが気に入った。ドタバタになりそうなところをいい塩梅に緩急をつけ緊張感を切らせず、しかし最後に脱出するところはユーモアで締める。見事!その後に続く水中アクション、車からバイクへ続くハイスピードなカーチェイスも見応えがあり飽きさせない。そして、ラスト。このシリーズはいつもラストは黒幕と殴り合ってる印象があって今回もそうなるのかと思ったが良い意味で意表をつかれた。殴り合いで屈服させるより屈辱的な確保の方法だし、序盤に自分がやられたことのお返しにもなっていてやはり今作はスマートで粋だ。  ヒロインもミステリアスで良かったし(顔は好みじゃないかな)、サイモン・ペッグやジェレミー・レナーの続投、皆勤賞のヴィング・レイムスも嬉しいがやはりトム・クルーズが素敵だ。素でもかっこいいがアクションをこなしているトムはやはりメチャカッコいい。「3分間息を止めるのなんて余裕だよな」と言われた時の顔もお茶目で、いろんな表情のトムが観たかったら「ザ・エージェント」の次にこれを推すかも。最近は「もう映画賞なんか知らん」と言わんばかりに娯楽作を製作、出演しているが気がつけば50越え。いつまでも楽しませてくれる貴重な映画スターだ。
[映画館(字幕)] 8点(2015-08-16 22:21:07)
22.  インサイド・ヘッド 《ネタバレ》 
ここ数作は自分の好みの作品がなかったピクサーだが今作は久々に面白いと思えた。 人間の頭の中はあんな単純なシステムじゃないよなあと思いながらも作品に引き込まれていくことに気づく。ヨロコビ以外はネガティブな感情なんじゃないかと思ってしまうがどの感情も必要なもの。子供のときは思いのままに感情を開放していたがそれではいけないと気づいたのはいつだっただろうか。カナシミとの付き合い方を知ることが成長、大人になるということを感情たちの旅を通して少女の心とシンクロさせながら描く手腕はお見事。 ビンボンや思わず口ずさんでしまうCMのフレーズなど「ああ、あるある」と感じるのは子供より大人の方だろうか。いろいろな意味で子供もきっと楽しめる作品だろうけど大人の方がより楽しめる作品に感じた。多くのサブキャラも楽しい今作だが、まさか「理想のボーイフレンド」をああいう風に使うとは思わなかった。頭の中とはいえカオスだ。少女は「理想のボーイフレンド」を踏み台にして成長していくのだ! エンディングのいろいろな人の頭の中も面白い。ネコの頭の中は超適当。ああ、気まぐれなわけだ。  (字幕上映が無かったので吹替えで観たがヨロコビを演じた竹内結子が光っていた。竹内結子の吹替えというとテレビ放送の「タイタニック」しか覚えが無いがとても上手くて驚いた。 あと上映前のドリカムの歌の必要性がよくわからない。本編前に短編が入るのもお約束になってて、その上その前に予告編もある。散々待たされたと感じる人も多いだろうに。主題歌とか言ってるけど本編で使わないならただのイメージソングですな。)
[映画館(吹替)] 8点(2015-08-03 03:46:36)(良:1票)
23.  イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 《ネタバレ》 
アラン・チューリングという人物も知らないし作品の情報もあまり入れずに観たが面白かった。  エニグマの解読にここまでの苦労があったとは…、そして解読するためにチューリングが作り上げたあのマシン。まるでコンピュータだと思っていたらやっぱりそれの原型だったんですな。しかし、そのマシンに「クリストファー」と初恋の人の名前をつけるのは怪奇映画みたいな話。まあ「モンスター」と言われたのは作った本人だったが。  解読に成功してもそれでめでたしとはいかない。解読した情報の取捨選択、情よりも効率や効果を優先しなければならないところがつらい。MI6が二重スパイと知りながら泳がせていたことも驚いた。戦争とは情報戦なのだ。  しかしこの映画で印象的なのは孤独だった彼が同じ目的の仲間と出会い心を通わせても、結局孤独のまま死んでいったところだろうか。同性愛者にはあまりにも生きづらい時代。戦争という時代によって功労者にもなった彼が結局時代に殺されていく。なんともやるせない。  ベネディクト・カンバーバッチやキーラ・ナイトレイの演技も良いが、マーク・ストロングの渋い雰囲気も良い。エニグマ解読と平行して学生時代や戦後の話が何度も挟みこまれるが混乱もせず良い効果を出せていたと思う。娯楽映画としても伝記映画としても秀作な一本だ。  (それにしても公開館数の少なさはどうにかならなかったのだろうか。アカデミー賞効果で増えるかと期待したが、結局地方に住んでいる自分はいつもの3倍の時間がかかる映画館へ行くハメになった。近所の映画館がアカデミー賞受賞作を一本もやる予定がないことに絶望している昨今である。)
[映画館(字幕)] 8点(2015-03-15 14:42:35)(良:1票)
24.  アメリカン・スナイパー 《ネタバレ》 
イーストウッドの映画はいつも過剰な演出が無い。この映画もクリス・カイルという一人のアメリカ兵に起こったことを描いているだけ。ただこの人にずば抜けた狙撃の才能があって戦果を挙げたため表面的にはかなりドラマティックなものになっている。  最初に狙撃したのが少年そしてその母親というところにこの人に忍び寄るものを暗示しているように感じる。敵から恐れられ莫大な懸賞金まで懸けられ、ムスタファと呼ばれる元五輪選手の凄腕に狙われるというまるでフィクションのような物語。だがそんな彼にも戦争の闇が忍び寄る。四度の出征の中で確実に彼の心は蝕まれていく。妻は止めるが彼は聞かない。それは「羊たちを狼から守る番犬になれ」という父親の教えを守っているからだろうか。それともムスタファを殺せるのは自分だけだという自負があったのか。ムスタファを長距離スナイプでしとめ彼は帰還する。その後の子供と戯れていた犬に殴りかかるシーンは象徴的だ。子供を守るために殴りかかろうとした相手は「狼」ではない。  この映画はアメリカでは3億ドルを越えるというどこかのアメコミ映画のようなメガヒットを叩き出している。こういう題材では信じられないくらいの大成功。その反応には賛否もあるみたいだが英雄視する人、反戦映画だという人、アメリカ万歳映画だという人、いろいろな思いを持った人たちが映画館に押し寄せた結果なのだろう。  個人的には英雄を讃える作品というよりは戦争で傷ついた一人の兵士を描いた作品という印象を強く持った。PTSDの元兵士に射殺されるという最後も皮肉すぎる皮肉だ。  それにしても84歳が撮ったとは思えない作品。過剰な演出も無いが娯楽的に観られるようにもしてあって、イーストウッド作品に大きなはずれが無い(あくまで個人的な印象だが)のはそのバランス感覚によるところが大きいと感じた。
[映画館(字幕)] 8点(2015-02-22 16:54:16)(良:1票)
25.  ベイマックス 《ネタバレ》 
あまり情報を入れずに観た。オタク要素をかなり詰め込んでるのにここまで間口の広い作品に出来るのはさすがディズニーだ。舞台は架空の都市らしく日本要素がところどころに散りばめられているが、あまり必然性は感じられなかった。普通のアメリカの都市を舞台にしても違和感は無いだろう。  ベイマックスはマスコットとしてもキャラクターとしても良く出来ていてひとつ自分の家に欲しいくらい。映像もアクションも素晴らしく飛行シーンは爽快だ。発明品のデザインも洗練されていて仲間たちが使う装備も目に楽しい。  気になったのは主人公の仲間になる四人の描きこみが物足りないところか。良キャラになりそうなキャラばかりなのにもったいない。ラスト彼らはヒーローを続けているようだがその必要性があまり感じられないのはそういった描きこみが足りないせいだろうか。  まあそれらが気になっても感動させられてしまったわけだが、個人的には同じヒーローものなら「Mr.インクレディブル」の方が好み。 大人も子供も感動できる良質の娯楽作。冬休みに家族でどうぞ。 
[映画館(吹替)] 8点(2014-12-31 05:06:09)
26.  スター・ウォーズ/最後のジェダイ 《ネタバレ》 
前作はそれなりに楽しんで観た口だが「フォースの覚醒」は多くの謎を投げっぱなしにした作品だった。まずレイは何者なのか。なぜ強大なフォースを持っているのか。そしてファーストオーダーの最高指導者スノークの正体は?ルーク・スカイウォーカーが身を隠しているのは何故か。その答えを用意されているのが今作だと思っていた。  前作を観た時にも予感があったのだがどんな理由があろうと暗黒面に落ちた弟子をほったらかして引き籠っているルークはちと卑怯ではないのか と。そして結局はその理由も自分の弱さから来ているものだったことが今作を観て分かってくると、なかなか重い腰を上げないルークに観客はイライラを募らせていくのではないだろうか。そしてたいした修行をしたようにも思えないレイの相変わらずの強大なフォース。彼女が何者なのかも結局はわからないまま。そして、スノークの死。え?死ぬの?で、いったい誰やねんこいつ。  たいした答えも用意されないまま進んでいくストーリー。しかしこの作り方は作り手たちの意思表明なのかも知れない。何者でもない者の物語。レイもフィンもポーも結局は何者でもないのかも知れないが物語の主人公になれるのだと。私たちもそうなれるのだと。「フォースはジェダイの為のものではない」という言葉も何者でもない少年のラストカットで今作が終わることもきっと無関係ではない。そして何者でもない者たちとスカイウォーカーの血筋との戦いになっていくことを予感させる構図は、新しい作り手とジョージ・ルーカスの構図にも見えてくると言ったら言い過ぎなのだろうか。  しかしこの作り方は危うさも感じられる。「帝国の逆襲」も主人公側が一方的に追いつめられる作品だったがダース・ベイダーがルークの父親だという衝撃の新事実もあって次回作の期待は膨らむ一方だったのではないだろうか。しかし「最後のジェダイ」を観終わった後残るのは新キャラクターばかりの心細い面々。ルークも消えてしまいレイアは(まさかのフォース発動で)生き残ったが役者本人が亡くなってしまっている為多くの出番は望めない。そしてまさかの敵方の大ボスの死。「フォースの覚醒」でハン・ソロという駒を消し今作でも多くの駒を消していったが、それに代わる新しい駒たちはどれほどの成長を得たのだろうか。正直それほどの実感はない。結局は自分が「フォースの覚醒」を観た後に感じた懸念は払拭されず次回作に期待を持てるのかと問われるとう~ん…である。  いろいろ書いたが観ている間は結構楽しめたのも事実だ。フィンとローズの結局は失敗に終わる冒険はあまり魅力を感じなかったが、終盤のレイとカイロ・レンの共闘やルークの最後の雄姿はやはり観どころだしグッとくる。ローラ・ダーン演じるホルドの特攻もシリーズでは見られなかったやり方だ。何と言っても惜しみなく予算を注ぎ込んだ映像の大洪水は一見の価値がある。  ルークは消えてしまったが消えていった者たちが主人公を導いてくれるのもスター・ウォーズの物語だ。スピンオフも絡めれば毎年スター・ウォーズが観られるというこの状況。コンテンツを消費していくだけなのか。それとも不滅のスター・ウォーズを作り続けられるのか。良い導きによってこのシリーズが多くのスター・ウォーズファンが満足できるものになることを願うばかりだ。
[映画館(字幕)] 7点(2017-12-17 22:51:07)
27.  バーニング・オーシャン 《ネタバレ》 
いやあ、凄まじい。テレビで観てこう思うんだから劇場で観た人は震えあがっただろう。当時は事故の報道が連日されていたが環境面での話題の印象しかなく恥ずかしながら11人の死者が出ていたことも知らなかった。  どういう事故が起こるかコーラを使って説明されてもやっぱり専門家でもないしわからないところもあるのだが、不穏な雰囲気はビンビン伝わる。あれよあれよという間に取り返しのつかないことになっていく描写は見事だ。事故のことを知っているもんだから油まみれになっていく作業員に「早く逃げろ」と思わず言いたくなる。何とかしようとする作業員の行動も空しく起こるべくして起こる大惨事。その描写が本当に凄まじい。多くの大作でこういう映像は観慣れていると思っていたが爆発が起こる度に「うわあ」と声が出てしまう。「ローン・サバイバー」でもそうだったがこの監督は痛々しい描写が妙に上手い。カート・ラッセルが爆発で吹っ飛んでいく描写も凄まじいが足に刺さったガラス片を抜くところなど「あ~、痛い痛い…」と今回は映画を観ながらよく声が出た。家で観たから大いに声が出せましたよ!  事故が起こったけど手がつけられないし逃げるしかない!もうこれに尽きる。人間ドラマは希薄だがとってつけたようなドラマばかり見せられてもと思うしある意味潔いか。それにしても環境面で影響がある仕事でこういう杜撰な管理がされていてはたまらない。希望的観測が許されない仕事は石油採掘だけではない。いや、他人事ではないな。一人一人が自分の仕事はきっちりやらなきゃいけない、至極当然のことを思いましたよ。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-10-24 01:17:10)
28.  狼の死刑宣告 《ネタバレ》 
復讐モノというジャンルは映画の中でも盛り上がるジャンルだ。復讐というものがドラマティックになる要素だし、ケヴィン・ベーコン主演でジェームズ・ワン監督の復讐モノというのが興味を惹いた。  テイストはB級なのだがアクションはなかなか冴えている。ギャングとのチェイスシーンも緊張感があるし駐車場のアクションも「ワイルドスピード」の新作で見たようなアクションが。あ、同じ監督か。なるほどね。終盤の銃撃戦も父親の怒りがぶつけられていくような銃での破壊描写も痛々しくて良い。  「つりあわない」と父親がつぶやく。自分が復讐したことによって息子だけでなくさらに妻も失いもう一人の息子も重体。無能の警察に説教されようが戦争を起こしたのは自分ではない。理不尽に始めたのは奴らだ。だから「つりあわない」のだ。司法では完璧に裁きを下せないことは現実でもある。そういう怒りを抱えた人がいることを知っているからこのジャンルは人気があるのだろう。復讐を遂げる父に対してギャングのリーダーが「俺達と同じだぜ」と言い放つ。もちろんそこまで堕ちる覚悟がなければ復讐なんてできないのだが、姿を似せただけで同じと言われるのも理不尽な話だ。まったく「つりあわない」。  それにしても警察の対応がひどい。ギャングが襲ってくる可能性が高いというのにあの程度の人員配置。しかも彼らが殺されてから「あなたに対しての見張り」と言い放つ。配置された警官を殺したのはお前だ、まったく。さらに家族が犠牲になった主人公に対して説教を始めるとか鬼ですか。一番ひどいのはギャングなのだが本編で一番むかつくのは警察とかひどい話だ。まあ警察が無能で隙だらけだから主人公も復讐を遂げられるとは言える。
[インターネット(字幕)] 7点(2016-12-18 01:41:02)(良:2票)
29.  アメリカン・サイコ 《ネタバレ》 
当時は若手だった俳優たちが次々と現れる。今こうして観るとなかなか豪華だ。  もっと衝撃的な内容かと思ったが意外と笑えるシーンが多い。名刺バトルに始まり、音楽のうんちくを垂れながら3P撮影、全裸チェーンソー等々。特に名刺バトルは秀逸で名刺のデザインにいちいち敗北感を覚えるところが実に滑稽でいい。  現実味に欠けたシーンも多くどこからどこまでが現実なのか。主人公はところどころで自分が人を殺しているという主旨の発言をしているが誰も気にせず流している。薄っぺらい人間関係の中で生きていて中には名前を勘違いしている人間もいる。要するに彼らは無関心なのだ。主人公ももちろんそうで結局は自分のことしか考えていない。「サイコ」というのは主人公だけのことではなくこの世界に生きている人間のことだと作り手は言いたかったのだろうか。  ラストの締め方が少し弱い気もするが一見の価値はあるかと。クリスチャン・ベイルも熱演している。
[インターネット(字幕)] 7点(2016-10-03 19:19:04)
30.  パフューム/ある人殺しの物語 《ネタバレ》 
公開時見に行こうか迷った作品だが結局観ないまま今まで来てしまった。ずば抜けた嗅覚の持ち主のかなり変な物語で興味がわく題材だ。  前レビューの方も言及されている通り人外のものと見た方がしっくりくる程の異様な主人公。彼の生い立ちから香水作りを始めるくらいまではテンポよく語られ面白い。中盤は少し中だるみを感じた。だが全体的にはきれいにまとまった作品だと思う。終盤は驚かせる展開だが大乱交が行われていても少しもやらしさを感じないのは監督の感覚なのだろうか。女性の裸は殺される娘たちを含めて多く出てくるがきれいではあっても官能的とは感じなかった。題材のわりに意外とまともに作られすぎている感もあり違う監督で観たかった気がしないでもない。  ベン・ウィショーのナイーブそうな顔。変態性、罪の意識の無さ、汚いなりをしていてもどこか浮世ばなれしている感覚はとても良かった。楽しめたがちょっと尺が長いとは思う。
[インターネット(字幕)] 7点(2016-09-21 03:08:08)
31.  インシディアス 《ネタバレ》 
最近はホラーで突出した作品が少ない印象だったが「死霊館」で感心したので同監督の今作を期待して観た。  夫の写真が無いというところから異様な雰囲気。昼間でも霊が走り回ったりなかなか良い感じだ。ゾクッっとくるシーンも何箇所かあるしドラマも丁寧な方で好感が持てた。大筋はすでに指摘されてる方もおられるが、なるほど「ポルターガイスト」だ。霊能力者たちの協力を拒んだ後息子が描いた壁に貼られた絵を観て翻すシーンは怖くもあるが心の動きが台詞なしできちんと描かれていて良いシーンだと思う。終盤、霊と格闘し始めるところはちょっと笑ってしまうが、あのダークファンタジー的世界観はこの作品の毛色から外れてるとも思わないしすんなり受け入れてしまった。  展開が予想できない作品ではないし既視感もあるのだが作りが上手いので楽しめる。音で怖がらせるタイプの映画であることがちと気になるが…。まああのラストを見せられたら続編を観ない訳にはいかないな。全然関係ないがバーバラ・ハーシーで霊的な映画ということで「エンティティー 霊体」が頭に浮かんできた。もう地上波では放送できないだろうなあ。
[インターネット(字幕)] 7点(2016-08-22 02:44:03)(良:1票)
32.  ブラック・スキャンダル 《ネタバレ》 
ジョニー・デップが久々に好演している。この人はどんな役をやっても熱が入らないイメージだが今回はそれが良い方向に作用している印象。 何十人も殺したと噂される人物。いつ暴発するかわからないこの“ホワイティ”という人物が持つ緊張感が作品を引っ張る。  ギャングとFBI。同郷の人間がいるために生まれるお互いを利用しようという関係。その関係の中バルジャーもコノリーも栄えてきたが気づいた時には身動きが取れないような状態に。こういうジャンルの作品ではよくある展開であり結末だとも言えるが何かもう一つ物足りない。この監督の前作を観た時にも感じたことだ。役者や作品の雰囲気は悪くないのに何かもったいない。  とはいえこういう関係が長く続きその間に小悪党だったバルジャーがビンラディンに続く危険人物とされるような怪物になっていった事実には驚かされる。身内には優しそうな人物だがこの人と一緒に食事はしたくないなあ。
[映画館(字幕)] 7点(2016-02-15 20:49:03)
33.  ブラックハット 《ネタバレ》 
「パブリック・エネミーズ」から早や6年その間映画を監督していなかったとは知らなかった。「マイアミ・バイス」「パブリック・エネミーズ」はあまり好みではなかったが…。  中盤までは少々退屈に感じた。が、やはり銃撃戦で目が覚める。音や着弾の描写などこだわりを感じさせる銃撃戦描写はさすがだ。 この構図は何かやばいと感じた直後に訪れる轟音。親友が乗っていた車が吹き飛び、銃弾の雨が主人公たちに襲いかかる。9.11で夫を亡くしたバレットが倒れ、NSAに不正侵入した主人公に連行命令が下った時「命令に従う」と言ったジェサップが冷静に五人仕留めた後崩れ落ちる。バレットの視界が霞み彼女の命も消える。ハッカー同士の頭脳戦の様相がその瞬間変わり始め静かに熱いマイケル・マンが帰って来た気がした。  クリス・ヘムズワースが天才ハッカー?どちらかというと直情的な肉体派、熱血漢というイメージのある彼をなぜその役に据えたのか。それは終盤を観ればなんとなく分かる。復讐心を胸に一か八かの戦いをしかけるのに典型的な柔なハッカーでは絵にならない。そういう点で彼の熱は必要だったのだろう。本国では評価が伸び悩んだ本作だが個人的には今後のマイケル・マンを期待させる一作となった。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2015-12-30 03:17:22)
34.  スター・ウォーズ/フォースの覚醒 《ネタバレ》 
ネタバレが怖いので初日に観てきました。スター・ウォーズに思い入れがあまりないと言いながら全作観ていて最新作を初日に観るとかもう立派なファンだよなあ(笑)。20世紀フォックスのファンファーレが鳴らないオープニング。しかしテーマ曲と共にスター・ウォーズのタイトルがバーン!と出てくるとやはり盛り上がる。ダース・ベイダーがいない全く未知数の物語がどう描かれていくのか。  主役に抜擢されたレイ役のデイジー・リドリーが素晴らしい。若さに溢れていて活発で生命力を感じさせ新三部作の主役であったジェダイたちのように落ち着いてないところがいい。フィン役のジョン・ボイエガと共にフレッシュな印象を残す。新ドロイドのBB-8も新しいスター・ウォーズを賑やかしてくれる愛らしいキャラクターだ。そしてなんと言ってもハン・ソロが出てくると思わず声が出そうになる。個人的にはミレニアム・ファルコンが出てきたところが興奮した。ボロ船ってまさか……来たぁーーー!という感じ。その後のドッグファイトも見事だった。今作は旧三部作の雰囲気に近い作りになっていて新三部作に不満を持っていたファンにはとびきりのご馳走になったのではないだろうか。指摘が多いエピソード4の焼き直しではないかという声も分からなくもないが、スター・ウォーズはシリーズを通してデス・スター戦の焼き直しを何度もやっている感がありもはや伝統と言える。  今作で気になったところ。それはジェダイの不在というところだろうか。今回主人公たちを導いていくのはどうやらハン・ソロの役目のようだが、ハンはどちらかというと永遠の冒険者というイメージがありやはりジェダイのような支えの存在がいないのは少し寂しい。それはファースト・オーダー側にも言えることで今回ダース・ベイダーに代わる悪役と目されていたカイロ・レンが実はハンとレイアの息子でシスになりきれていない未熟な存在であることは意外だった。つまり両者共に若い世代の物語であり両者の成長の物語とすればなかなか新しい試みではないかと思う。しかし、敵方には強力な悪役の存在が欲しいと思うのも巨大ホログラムで登場する最高指導者スノーク程度では物足りないと感じるのも事実だ。  J・J・エイブラムスは新しい物語の序章をやってのけた。しかしこれは次回作を作る監督がなかなかに大変だ。ハン・ソロが息子に殺されるという衝撃の展開の後に待っているのは今後この物語を誰が支えていくのかということ。若い世代、そしてラストに登場したルーク・スカイウォーカーをどう動かすかが鍵か。しかし、こうして次回作に想いを馳せる時間が新しくもたらされたことは非常に喜ばしいことだ。
[映画館(字幕)] 7点(2015-12-27 19:11:02)(良:2票)
35.  スター・ウォーズ/ジェダイの復讐<特別篇> 《ネタバレ》 
スター・ウォーズ旧三部作の最終作。前作があの終わり方だったからファンには待望の作品だっただろう。  物語はハン救出から始まり一気に収束へ向っていく。惑星ダゴバに戻るとヨーダに寿命が訪れており修行完了。ファンでなくても「え?すごい中途半端に修行終わった気がするけど大丈夫?」と思ってしまう。そしてエンドアでの新デス・スターのシールド発生施設攻防戦。皇帝はわざと情報を流し罠を張っていた!!でも屈強なはずの帝国軍部隊は毛むくじゃらぬいぐるみのイウォークに蹴散らされるのでした。うーん、「帝国の逆襲」からえらく軽くなってしまいましたな。まあ観返してみると愛嬌もあって悪くない…いや、うーん。  そんなことより今作はジェダイの物語が重要だ。新旧通して描かれたアナキン・スカイウォーカーの物語が幕を閉じる。観返してみて思ったことはなんだかんだ言って新三部作は作られて良かったということ。最後のルークとダース・ベイダーの闘いがこれほど悲しい戦いだったとは初見時にはここまで感じられなかった。ライトセイバーを打ち合う度に「なぜこうなってしまったのか」という思いが交錯する。パドメが言った通りアナキンには善の心が残っており予言通りフォースにバランスをもたらす。素晴らしい。初見時に皇帝をポイ捨てした時吹いてしまったのは内緒だ。  全体的には満足の仕上がりとはいかないがルークとアナキンの「父さんを救うんだ」「もう救ってくれた」のやり取りはやはり名シーンだと思う。  ラストのルークを見守る霊体になった三人のジェダイ。DVD発売時にアナキンが新三部作のヘイデン・クリステンセンに変えられてしまったのは残念でならない。最後にアナキン・スカイウォーカーはジェダイへと戻ったのだ。“Return of the Jedi”とはルークの帰還とアナキンのジェダイへの回帰というダブルミーニングだと思われるが、なぜこういう修正になってしまうのか。だいたいルークからしたら「そこの若い兄ちゃん誰やねん」状態。え?フォースで感じる?そうですか。DVD発売時に日本では「ジェダイの帰還」と改題されたのに皮肉なことだ。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2015-12-24 04:41:19)
36.  007/スペクター 《ネタバレ》 
うーん、なんとももったいない。いや悪くはないのだが、というより途中までは最高だった。序盤の派手なアクションはいつも通り最高で全体的に高級感のある映像と雰囲気に浸れて良い気分だったし、スペクターという組織がじわじわと明るみに出てくるところはゾクゾクワクワクだったのだ。  だがその肝心のスペクターがどうもよくない。会議のシーンは最高にいい雰囲気で恐ろしいのだが、その後ボンドを追いかけてくるのは筋肉ダルマの車一台。その後度々襲撃してくるのはこの筋肉ダルマ。スペクターって人いないの?スペクターの基地に潜入して捕まったのならともかく、車でお出迎えされてその後拷問というのも少しシュールだ。拷問から抜け出してここから壮絶アクションだ!と思ったらあっさり脱出できてしまうのもどうか。スペクターの兵隊はハリボテですか。だが一番困りものなのはボスのブロフェルド。部下の三下にでもやらせておけばいい仕事を自分でやりたがる。そして、失敗する。で、逮捕(え?)。なぜわざわざ出張ってくるのかと考えたらボンドとの過去の因縁があるからなのだが、そうなるとボンドとの因縁なんて無かった方が良かったのではないかと物語の根幹すら怪しく見えてくる始末。クリストフ・ヴァルツを意外と生かせていない印象だし、終盤になればなるほどスペクターの恐怖や巨悪感が薄れていくのは非常に残念だ。  「スカイフォール」で007シリーズとしての体制が整ったのだから今までのようなシリアスな物語から痛快な娯楽作へシフトして欲しかった。とはいえ観た印象はそこまで悪くない。全体的な雰囲気は良いと思うし、長い上映時間だが観ている間は時間も気にならずそれなりに楽しんでいたのも事実。なんだかんだ言ってダニエル・クレイグのボンドは素敵でした。
[映画館(字幕)] 7点(2015-11-28 03:19:54)(良:1票)
37.  ジョン・ウィック 《ネタバレ》 
キアヌ・リーヴスはこういうことがあるから侮れない。そろそろ落ち目かなと思わせたときに「マトリックス」が来て今回はこれ。「マトリックス」ほどのインパクトはさすがに無いがシリーズ化できそうな作品だし今後も期待できるかもと思わせる。  「犬が殺されたくらいで」と言う人もいるだろうが犬はきっかけにすぎない。人には踏み入ってはいけない領域がそれぞれあるのだ。蹂躙するのなら蹂躙される覚悟をしておかなければならない。マフィアの息子ならなおさら。まあピンポイントで凄腕の殺し屋を襲撃してしまうという渾身のボケをやらかしたから仕方ないね。  売りはやはり銃撃戦。面白いようにヘッドショットを決めていく様はなかなか面白い。まるでゲーム感覚。スタイリッシュであると同時に確実にとどめを刺していく姿は現実的なアクションだと錯覚させる。さすがにガンアクションだけではもたないと感じたのか素手のアクションも挟むがこちらはガンアクションに比べると少々もたつく。これらをテンポ良く消化できるともっと良かった。  殺し屋の世界観、映像や雰囲気も良く一見の価値あり。しかし、こういう役をやっても「しぶい!」と思わせないキアヌ・リーヴス。年齢も50を越えているのにどこか「青年」を思わせる。この不思議な感覚がこの映画の雰囲気に妙に合っていると感じた。
[映画館(字幕)] 7点(2015-11-24 01:32:23)
38.  カリフォルニア・ダウン 《ネタバレ》 
誘われたから観に行ったのだがそういえばパニック映画を映画館で観たのはいつが最後だったか。「ジュラシック・ワールド」もパニック映画というなら最近なのだが災害映画という意味でなら記憶がない。90年代後半はかなり多かった印象だがいつの間にか映画館でそういうジャンルの映画を観なくなっていたことに気がついた。あの頃はすごい映像が観られるだけで満足していたのになあ。  さて本作だが最新の映像技術で作り上げられた災害シーンはかなりの大迫力。主人公は現役から離れた元消防隊員にすべきだったかもなあと思ったり、奥さんの恋人が露骨なまでの夫の株上げ要員だったり(しかもきっちり死ぬところも描かれて)するのだがなんとも分かりやすいアメリカ的な娯楽映画になっていて90年代後半に映画館で楽しんでいた災害映画たちをなんとなく思い出し懐かしい気分にもなった。久々に観た映画館での災害映画はベタであってもかなり新鮮に感じられ、逆にベタだから安心して楽しめる感じもあり、最初から最後まで災害シーンの波に浸ることができてかなり満足したというのが正直な感想だ。  それにしてもドウェイン・ジョンソンのあの絵面の頼もしさといったらないね。奥さんが別れようとする気持ちが全く分かりませんわ。
[映画館(字幕)] 7点(2015-10-03 03:59:31)
39.  ホビット/決戦のゆくえ 《ネタバレ》 
まさか竜がタイトルが出るまでに退治されてしまうとは思わなかった。当初の予定は二部作だったらしく、なるほど三部作にするために膨らませたり取ってつけたりしたエピソードがやや贅肉に感じられる。見せ場の配置に相当苦労したのではないだろうか。 とはいえ戦闘シーンは見ごたえがあるし、ロード・オブ・ザ・リングを観た後では「これくらいやって当然だろう」なんて思ってしまうかも知れないが世界観やその映像、美術はとても素晴らしい。  役者ではビルボを演じたマーティン・フリーマンが良かった。フロドのように悲壮感たっぷりではなく飄々とした雰囲気の中にも情の厚さや勇気が垣間見れる演技がいい。ロード・オブ・ザ・リングの出演者も多数いるが彼らの印象が変わらない内にシリーズを完成できて良かったと思う。  しかし、膨大な量の財宝とはいえあんな簡単に目を曇らせてしまうトーリン。彼の手にひとつの指輪が渡っていたら一瞬で闇の部分を見せてきそうだ。やはり指輪がホビットの手に渡ったことは幸運なことだったと改めて思ってしまった。
[映画館(字幕)] 7点(2015-01-01 05:03:45)(良:1票)
40.  ターミネーター:ニュー・フェイト 《ネタバレ》 
このシリーズの作り手たちがジョン・コナーを殺したがっている感は以前からあった。 「3」では未来では殺されている設定だし「4」の元々の案はジョンが死んで半分機械のマーカスに皮膚を移植し成り代わるものだったらしいし「〜再起動」は悪役に…。 キャメロンが関わってもそうなってしまうくらいジョン・コナーは持て余される存在らしい。確かにシリーズ中ここまで統一感のないキャラクターも珍しい。  冒頭でそれを見せられても受け入れるしかない。本編はまだ2時間あるのだ。そのショックを引きずらせない為か序盤の展開はかなりのテンポで進む。アクションも激し目なので序盤は楽しんで観ていた。  マッケンジー・デイヴィス演じるグレースが新鮮な印象を与えてくれる。あんなに激しく動いているのにどんだけ目を凝らしても裸がはっきり見えないとはどういうことなんだけしから(略)。  しかし、その新鮮な顔ぶれに古株たちの老いた面々が加わってくると何か絵面的に居心地の悪さを感じる。 新しい救世主の物語があり古株たちのドラマがある。それくらいの情報量は消化できているはずなのに、モヤモヤした気持ちが晴れないまま映画を観ている感覚に襲われる。  家族に囲まれてすっかり人間らしくなったT-800。老いたり学習する設定も頭では理解できているのだが違和感がすごい。自分はあまりにも今までの「ターミネーター」というものに慣らされ過ぎてしまったようだ。 しかし、サラ・コナー宛てに新手の煽りメールのごとくターミネーター情報を送りつける行為は、サラがその度にターミネーターを倒せたからよかったものの殺されたらどないすんねん。つーかサラすごいな。  今回の敵役のターミネーター REV-9は潜入型としても優秀。表情も豊かで「家を壊してすまない」と礼儀もわきまえている。 骨格と液体金属とで分離する動きはなかなか楽しく、今「ターミネーター」を作るとここまでハイスピードで激しいアクションになるのかと感心もした。そこは一見の価値があると思う。  しかし、今作の標的になるダニーや彼女のドラマはそこまで魅力的に思わなかった。結局は彼女自身が人類側のリーダーであることが明かされるが、ジョン・コナーという伝説よりも何者でもない人間の物語になりがちなのは昨今の風潮なのだろうか。 未来の伝説よりも今いる者たちで何とかするしかないというメッセージとも取れるが、彼女が後半やたらやる気になる転換点がよくわからずあまりノレなかったこともある。  中盤からの物語運びはもたつきを感じたし、EMPの少佐のくだりはよくわからない。おっさん誰よ?  やはり強引に作られた感は否めずノリ切れないままアクションは楽しんだという印象。 観直したら印象がまた変わりそうな感覚もあるのだが今はこの点数で。
[映画館(字幕)] 6点(2019-11-12 14:44:06)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS