21. SHE SAID/シー・セッド その名を暴け
《ネタバレ》 このレビューを書いているのは2023年の10月なのだが、日本の芸能界でも大きな問題となった、例のプロダクションの事件と比べながらの鑑賞となった。 配役の実権を握っている制作会社や大物プロデューサーの申し出を拒めば、その後干されることは目に見えている中で、仕方なく泣き寝入りした俳優たちはいったい何人いたんだろう。アシュレイ・ジャッドやグイネス・パルトロウの実名が出てくる部分はドキュメンタリーの迫力があり、それが事実であることを訴えるのに充分な演出。 吐き気を覚えるやり口が、映画業界で二度と繰り返されないことを願う。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-10-18 16:08:46) |
22. ブギーマン(2023)
《ネタバレ》 ブギーマンなるものの存在は前半非常に禍々しく、じわじわと恐怖が増していったのだが。 そもそもこのブギーマン、なんでこの父子に憑りついたのか。 カウンセリングに訪れた男が連れてきたことに間違いはなさそうだが、じゃあこのブギーマンって何ものなのか。精神的に参っている人を狙って憑りつくのか。それなら世の中に五万といると思うのだが、なぜあの一家に?というのが明らかになっていたら、後半の恐怖がさらに増したのではないかと思う。 銃やナイフで殺せるってことは実在してるんだよね。 ブギーマンとは?って続編とかあるのかな。 主役の娘が「そこにいるなら炎を揺らして」と母親に願うシーン。最後の最後で母親が守ってくれた、という流れはぐっと来た。 原作者に敬意を表して加点。 [映画館(字幕)] 7点(2023-08-22 13:47:08) |
23. ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE
《ネタバレ》 前作辺りから感じてはいたのだが、話がややこしい。 このご時世、国際情勢とかいろいろ複雑だし、イーサンが与えられる任務もその辺を反映してるんだろうけど、もう人物とか組織とか入り組んでて、私の楽しめる理解を越えていた。 ただ、鍵を合体させるというところはインディジョーンズみたいで、昭和感があって良かったけどね。アクションは、もう列車の上もバイクも車もやりつくした感があって、目新しさはなかったかな。列車が次々落下していくシーンもジュラシックパークで観たような。 個人的には、イルサが消えてしまったのが非常に残念。新加入のスリの女性は、秘密組織に入るのに手続きそんなんでいいのかよって心配になるくらい適当な感じで加入。いや、これはパート2で新たな謎が明らかになるのかな。 でももう観に行かないかも。 もうちょっと話が簡単にならないもんかなあ。 子どもにそもそもおすすめしない映画だけど、子どもが観ても理解できないね。 まあその辺は観てる私の理解力に問題があるので、評価が難しいのだけれど、とりあえずこの点数で。 [映画館(字幕)] 6点(2023-08-18 07:59:49) |
24. アンホーリー 忌まわしき聖地
《ネタバレ》 キリスト教のいわゆる「奇蹟」としての筋立てとしては非常に面白いと思ったのだが、謎解きに説得力がないとは言わないまでも、驚きとか悲しみという要素が欠けているために、少し中途半端な印象で終わってしまった。 しかし特筆すべきはジェフリー・ディーン・モーガン。 海外で「ウォーキング・デッド」の浸透度がっどれくらいあるのかわからないが、見事に極悪非道な敵役からの脱却に成功していると思う。連続ドラマって売れる上では大きなチャンスなんだろうけど、一旦それで知名度が上がると、ずっとその役のイメージがついて回って、結局役者として悲しい結末を迎える、という例は多いが、彼にはその心配は不要のようだ。そもそも声も顔も声も渋い男だから、こういうちょっとやさぐれた感じの役は見事にはまる。彼の今後に期待。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-08-08 12:43:07) |
25. テリファー
《ネタバレ》 登場するピエロが強いんだか弱いんだか人間なんだかそうじゃないんだかよくわからない不気味さでぐいぐい押す映画。 中途で挟まれる殺人シーンがかなりきついので、免疫のない人はまず鑑賞には向いていない。失礼ながらほとんど知られていないこの映画を観ようという人は、それなりにこういう映像に強い御仁であるだろうから心配は無用か。 13日の金曜日のジェイソンや、テキサスチェーンソーのマスクマンのように、言葉を発しない殺人鬼は恐怖心を増幅させるものだが、本作のピエロは恐怖心よりも不快感の方が先に立ち、そういう意味では成功している。 続編も公開されるようだが、さらにパワーアップしているのか、それとも万人向けに大人しくなっているのか。それを見届けるために劇場に足を運びたいと思う私は、まんまと術中にはまっているのかもしれない。 [インターネット(字幕)] 5点(2023-08-08 12:27:58) |
26. サマリタン
スタローンはちょっと陰のある役をやらせたらやっぱりいいんだよなあ。 70歳を越えてあの肉体を維持し続ける精神力は、やはり元祖肉体派俳優のプライドの成せる業かな。 話があんまり複雑にならず、単純に善と悪の戦いになっているのがいい。 最近は政府の秘密組織とかシンジケートとかなんだかいろんなものが絡み合って結局誰が悪党なのかわからない、下手したら誰も悪くない、みたいな映画が増えてきたので、観るのに疲れちゃうんだよね、そういうの。 いつまでできるかわからないけど、スタローンには肉体派でいて欲しい。 そんな人たちには心のオアシスになる一本。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-08-08 08:16:15) |
27. シャドウ・イン・クラウド
《ネタバレ》 冒頭からスパイ臭さ全開で登場するギャレット。 彼女が極秘任務として抱えるケースにはいったい何が入っているのか。よく見ると空気穴のようなものが見えるが…。 暖機運転もあまりせず、早々にグレムリンが登場するテンポの良さがいい。グレムリンが機体を破壊するシーンは、多くの人がトワイライトゾーンを想起したんじゃないかな。しかしここからがこの映画の真骨頂。 ギャレットがイーサン・ハント並みのアクションをド派手に演じ、極秘任務のケースに入っているのはまさかの赤ん坊。想定外のことが次々起こるし、初っ端から出し惜しみせずにグレムリンの姿も露出。まあこの辺り、映画の主眼が怪物じゃなく、女性の強さを描くことにあるからなんだろうな。日本軍のゼロ戦が変に悪役にされてないところも好印象。 子どもだとばかり思っていたクロエ・グレース・モレッツも、いまやすっかり大人の女性になって、若い男から憧れの対象として見られる歳になったんだなあと少々感慨深い。 ラストでグレムリン相手に生身で格闘するシーンもスカッとして最高。 ただ、赤ん坊の父親は出てこない方が良かったかな。なんだかパッとしない男だったし、ヒロインの相手役としては完全に力不足。ギャレットが一人で奮闘!の方がしっくり来たかも。 まあそれを差し引いても映画としての面白さは損なわれることはない。 クロエ、やっぱりいい女だなあ。そこに加点。 [インターネット(字幕)] 8点(2023-08-07 08:15:59) |
28. トランスフォーマー/最後の騎士王
《ネタバレ》 悪いロボットから地球を守る、という極めて単純な勧善懲悪でありながら、ロボットの人間関係ならぬロボット関係が複雑で、ちょっと私の理解を越えていた。 敵方のクイーンはなんだかスピーシーズっぽくて、もっとロボット感が欲しかったなという印象。ただ、バトルシーンの出来はやはり素晴らしく、ラストでプライムが勝負を賭けるシーンでは胸が騒ぐし、主役の人間二人が地球のために命を懸けるシーンも、それだけで胸が熱くなってしまう。そういう見せ所を押さえた造りはさすが。 惜しむらくは、プライムの裏切りが中途半端で危機感に乏しいことかな。どうせ裏切るならもっと盛大に裏切って欲しかった。 主役の男女二人の軽妙なやり取りも魅力の一つで、少女との絆もラストでぐっと来た。 日本のアニメが原作なんだから、たいしたもんだぜ、日本のアニメ界。 そこに敬意を表して加点。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-08-04 07:57:14) |
29. ウィッチ
まあ結論から言いますと。 よくわからない、が先に立つ映画。 最近御ひいきのアニャ・テイラー・ジョイが出てなかったら多分観てないかも。 黒羊が言葉を発するシーンで、キリスト教徒は恐怖のあまり慄くのか、それとも笑ってしまうのか。ぞっとすることができなかった私は、おそらく一番の衝撃シーンであるこの場面を楽しむことができなかったのが残念。 そして、子どもが熱演するホラー映画を観ていて思うのは、果たしてこの子たちは試写会に呼んでもらえるのかなと。 官能的な要素も強いし、映画出来上がってから見せてもらえんのかなあ。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-08-02 16:22:01) |
30. ジュマンジ/ネクスト・レベル
《ネタバレ》 ダニー・デヴィートはまあそれなりなのだが、やはりダニー・グローバーの老いが気になる。映画上の演出だけとは思えない歳の取り方に寂しい気持ちがしてしまった。 リーサル・ウエポンシリーズの頃が懐かしい。私自身も歳を取ったということなんだろうね。 もとい。 ゲームだし、誰も死なないという安心感が、逆に映画としてのスリリングな部分をだめにしてしまっている気がする。前作はそれでもそれなりの危機感があったのだが、今回は登場人物間の人間模様に主眼が置かれていて、オリジナルの「ジュマンジ」とか「ザスーラ」なんかのいったいどうなるんだ的な緊迫感が欲しいところ。 特筆すべきはカレン・ギラン。「ガンパウダー・ミルクシェイク」から彼女にはまっている私には、あらためて魅力的な役者。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-08-02 15:29:08) |
31. X エックス(2022)
《ネタバレ》 ミア・ゴスが好きな人以外誰が観るの?という疑問がふつふつと湧いてくる映画。 70年代って、ポルノ映画で一攫千金できる時代だったんだ、という非常にニッチな情報は、真偽は別にして、映画の雰囲気を盛り上げる上では大いに効果を上げている。 殺人鬼の爺さんには同情はできないが、衰えた容貌を嘆く妻を優しく支える点は男として見習いたい部分ではある。 いくつになっても性欲は果てないものかと妙な感慨に浸る一本。 [インターネット(字幕)] 5点(2023-08-02 15:23:14) |
32. プロフェシー
《ネタバレ》 そもそもその存在自体が不明な「モスマン」なるものを追う映画だとすれば、ラストにすっきり全てが解明することはアメリカ国民も望んでないんじゃないかな。 それが確かに存在するのだ、ということを納得したい感じ、とでも言えばいいのかな。 ヒバゴンとかつちのこの謎が解明されて、いませんでした!なんて言われた日には怒りさえ覚えそうな気もするしね。 まあ私の場合、半分はローラ・リニーが観たかったんだけども。 ウィル・パットンなど骨太な役者が脇を固める、ラストまでモヤモヤさせてくれる映画。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-08-02 12:55:40) |
33. ファイナル・プラン
《ネタバレ》 FBIの捜査官でありながら、ああも簡単に金に目がくらんで悪に手を染めるもんかね。 なんかアメリカにはそんな警官ばかりなんじゃないかと思ってしまうほどの簡単さ。 なんなら泥棒の方が倫理観が高いという逆転現象も、リーアム・ニーソンならまああり得るかと。 どう見たってFBIの方が悪党面してるんだから、べたな配役。 R・ニーソンが愛する女性はほんとどこにでもいそうな、そんな風に見えるところが魅力的な女性。 ちゃんとハッピーエンドで良かった。 安定のリーアム・ニーソン。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-08-02 12:36:05) |
34. タイム・アフター・タイム
《ネタバレ》 実は暇つぶしに何げなく観たのだけれど。 もちろん目当てはメアリー・スティンバージェン。 彼女が魅力的なことは言うまでもないのだが、H・Gウエルズが主人公で、切り裂きジャックとタイムマシンを使って対決するなんて、なんて荒唐無稽でワクワクさせる映画なんだ。 これはもうSF映画の伝説と言っても過言ではない映画。 どう考えても、バック・トゥ・ザ・ヒューチャーはこの映画へのオマージュで溢れている。 ヒロインに同じ女性をあてるなんて、なんて粋な配役。 観てよかった。人生で観るべき映画を一本損するところだった。 アマゾンプライムに感謝。 そして若かりしメアリー様に加点。 [インターネット(字幕)] 9点(2023-08-01 16:02:27) |
35. ザリガニの鳴くところ
《ネタバレ》 いや、見事に騙された。 彼女が犯人のはずがないと、弁護士と一緒に彼女を弁護したい気持ちにさせてしまう演出は見事。彼女を捨てて街を離れた元恋人が犯人?なんて思わされた私は、まんまと監督の罠にはまった訳だが、それがとても心地よく感じるラスト。彼女が亡くなった後で種明かしをすることで、余計な悪感情が浄化された感じであろうか。 湿地帯の景色は本当に美しく、それが彼女のまっすぐで透明な雰囲気を引き立てる効果を上げている。 美しくも悲しく恐ろしい物語。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-08-01 14:06:32) |
36. ドライヴ(2011)
《ネタバレ》 凄腕のドライバー。 冒頭の逃走劇は派手じゃないのに緊迫感が凄まじい。 まさに仕事人。 そして子連れのウェイトレス。 夫は服役中で一人息子を育てるために奮闘中。 髪だって伸ばしてる暇なんてない。 週末のデートで、シフトを握る手にそっと手を伸ばすシーンは最高にロマンティックだった。 しかし、奴には普通の暮らしなんてできっこない。 躊躇せずに頭を踏み潰せるなんて普通じゃない。 後退りする女を見て、また別の街で暮らすしかないことを悟る男。 大金持って3人で暮らすなんて、らしくない夢を見たもんだ。 一つ所に落ち着けるはずもなく、当てもなく車を転がす。 観終わってから、なぜタイトルがドライヴなのかわからなかったが、多分そんなところじゃないか。 無駄な説明やセリフのない、いい映画だった。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-07-30 22:20:46) |
37. ラ・ヨローナ ~泣く女~
《ネタバレ》 リンダ・カーデリーニを観る映画。 だって怨霊である「泣く女」に全く同情できないんだよ。 自分で子どもを手にかけておいて、人の子どもまで道連れにするって、そりゃだめだぜ。 「泣く女」は終盤その全貌を明らかにするし、怪しいエクソシストもいい味出してるんだけど、そもそものところがちょっと残念。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-07-28 16:21:52) |
38. ダーク・アンド・ウィケッド
《ネタバレ》 もうね。 とにかく終始陰鬱。 しかも不条理。 映像として不快なものを延々と観ることになるので、観るにはそれなりの耐性と覚悟が必要かと。 ラスト近く、妻と娘二人が死んでしまったと思い込んだ弟が自ら死を選ぶシーンは、まんまと騙された。幻覚だったと気づいた弟とともに、観ている我々も絶望のどん底に突き落とされることになる。 禍々しいことこの上ない映画。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-07-28 16:12:56) |
39. JOLT ジョルト
《ネタバレ》 ケイト・ベッキンセール様目当てで見たので、派手なアクションも魅力だし、ファッションも魅力。やはり強気の女性が似合うケイト様。いや、今回は強くて激しすぎるんだけども。 そんな乙女心を弄ぶ輩は天誅必至で爽快感もバッチリ。 続編もぜひぜひ期待したい。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-07-28 15:52:38) |
40. リトル・モンスターズ
《ネタバレ》 ゾンビ映画の新境地を開いた感のある佳作ではないかと。 ダメ男が恋する女性のために強くなるとか、その女性にもどこか陰があるとか、ポイントは押さえつつも、あとはやりたい放題の娯楽映画。 せっかく出演した子どもたちは、試写会でこれ観せてもらえるのかなと心配になるくらい、楽しい下ネタ満載で、大人は大満足の映画。ゾンビのコメディ映画では、やっぱり走らないゾンビじゃないとだめだな。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-07-28 15:47:51) |