501. セメントの女
トニー・ローム殺しの追跡の続編で気乗りしないまま鑑賞。予想通りの凡作でした。監督がシナトラのお抱えだという事で、サミュエル・フラーが言う「映画は戦場のようなものだ」とは無縁のお気楽な撮影現場が浮かぶところが脳天気な音楽と併せて何ともはや。 [DVD(字幕)] 4点(2021-06-08 12:35:47) |
502. トニー・ローム殺しの追跡
敬愛するジーナ・ローランズ目当ての鑑賞。重要な役どころでありながら持ち味の静かな迫力が今一つ感じられなくとても歯痒いところで、脚本の拙さにもよるのでしょう。妙に入り組んだ?部分が多々あり、停止して戻して考えての繰り返しで(DVDの利点)くたびれました。シナトラのやさぐれ探偵振りはイキっているは言い過ぎとしても何かこう軽い感じが否めず、もう一人のお目当てリチャード・コンテも味わいに欠ける姿で、総じて興に乗りきれない残念な作品です。 [DVD(字幕)] 6点(2021-06-08 02:12:55) |
503. 愛の勝利(1939)
ベティ・デイヴィスのラストの眼で語るところはグッとさせられたのですが、キャンキャン吠え立てる棒読み一本調子な語り口には嫌気がさしました。顔見せ程度のハンフリー・ボガートにもガッカリ。若かりし大根役者ロナルド・レーガンの顔だけは超絶男前でビックリしたところに+2点。 [DVD(字幕)] 6点(2021-06-07 01:17:16) |
504. マルクス兄弟デパート騒動
ウットリ見惚れてしまった、力の入れ具合が半端ないミュージカルシーンとチコ&ハーポの演奏シーン、追いかけごっこを始めとした思わず吹き出してしまうシーンも多々有り。芯から楽しめた快作です。 [DVD(字幕)] 8点(2021-06-06 22:25:57) |
505. マルクスの二挺拳銃
「キートンの大列車追跡」「周遊する蒸気船」のいいとこ取りをしたかのようなラストの機関車大暴走シーンに点数の全てを! [DVD(字幕)] 7点(2021-06-06 22:05:59) |
506. ミッション・ワイルド
この時代のアメリカは大変だったと言いたいのでしょうが辛気臭さの極みで、意味不明なストーリーを分かろうとするのを諦める。登場人物全員に対して(鑑賞目的のジェームズ・スペイダーに対しても)感情が湧かない。ジョーンズさんの独り善がりに思えた、凡作愚作駄作とは種類の異なる残念な一品。 [DVD(字幕)] 2点(2021-06-06 01:45:35) |
507. 極楽特急
本作は鑑賞時のコンディションに左右されるかも。「しょうもない、アホくさ」なお話でもほろ酔い加減で観ると心地よさを感じる、ケイ・フランシス&ハーバート・マーシャルの艶のある存在感。素面であっても、損な役回りながら熱演するミリアム・ホプキンス、持ち味のおとぼけキャラぶりを発揮していたエドワード・エヴェレット・ホートン、colet company コマーシャルからパリのオフィスに飛ぶシーンを始めとしたテンポの良い演出といった見るべき点はある佳作です。 [DVD(字幕)] 6点(2021-06-05 01:10:31) |
508. バンドレロ!
《ネタバレ》 ラクエル・ウェルチは華としての存在感が薄い。ジェームズ・スチュワートの悪漢ぶりは「アメリカの良心」としてこれが精一杯だったのかと思える中途半端さ。彼の弟(ディーン・マーチン)と彼等を追うジョージ・ケネディとの大ラス対決に寄せた期待は脚本の酷さを噛みしめる大ハズレ。荒涼とした風景に染み入るような音楽(ジェリー・ゴールドスミス)に+2点。 [DVD(字幕)] 7点(2021-06-04 02:25:46) |
509. 気まぐれ天使
デヴィット・ニーヴンこそ天使役に相応しいと思うのですが、司教役もそつなくこなしているのは流石。2級天使演ずるのがケイリー・グラントというのに冷めた思いがしていましたが、本作では嫌みも暑苦しさも無い控え目な言動が生来のルックスの良さも手伝い好感が持てた嬉しい誤算。ロレッタ・ヤングはジュリアのような地味目なキャラでこそ映えるのを実感。ジェームズ・グリーソン、エルザ・ランチェスター、グラディス・クーパーといったいぶし銀の脇役陣も併せて、低温の原泉に浸かっているような心地よさを味わった良作です。善行に見返りを求めないどころか感謝の気持ちも求めない天使の姿に、邦題の不適切さを感じるところです。 [DVD(字幕)] 7点(2021-06-04 02:01:25) |
510. マイラ
《ネタバレ》 監督ラリっての自慰行為を見せつけられたひととき。その手の駄作は他にもあるものの、本作はローレル&ハーディ、マレーネ・ディートリッヒ、リチャード・ウィドマーク、ジュディ・ガーランド他多数のカット映像がふんだんに挿入されているところが、「偉大な先人をアンタの妄想に引っ張り出すな。阿呆!ド阿呆!」胸糞悪さの極み。メイ・ウエスト&ジョン・ヒューストンにも「恥ずかしくないんか!」罵声を浴びせたい。御大イーディス・ヘッド女史が「作品に参加したのは一生の不覚」と嘆いたと言うのも頷ける動画。 [DVD(字幕)] 0点(2021-06-02 16:49:38) |
511. ペリカン文書
主役2人の他に有名どころがずらりと脇を固めていて「これはなかなか」期待上昇しましたが。それぞれが手堅い演技をしていても脚本が拙くて興に乗れません。2人が誰に追われているのか(FBI、CIA、他)最後まで分からず、危機回避(するのは分かっていますが)も「そんなあほな!」白ける演出でした。最後まで分からなかったもう一つがロバート・カルプ(刑事コロンボ犯人役三羽ガラスの1人)が何処に出ていたのか。まさかの合衆国大統領役だったとは、出世しましたねぇ、面影は目元に微かに残るのみ。本作1番の「へぇ~」に+1点。 [DVD(字幕)] 6点(2021-06-02 01:05:33) |
512. 戦慄!プルトニウム人間
悲しみの巨大人間といった感ある起承転結が小じっかりとしていたのが意外。出ずっぱりの婚約者が都合良くしゃしゃり出てくるも安い台詞しか吐かず物語に機能していなく、かといって華があると言えない存在に段々と嫌気がさしてきて、あのまま一緒に落ちればいいのにと思ったのは言い過ぎか。ラストの攻防が住民の反応も含めて至極アッサリした演出であるのも残念。それを差し引いてもまぁまぁ見応えある佳作です。 [DVD(字幕)] 5点(2021-05-31 13:39:31) |
513. リターン・オブ・ザ・キラートマト
聞き覚えあるテーマソングでのクレジット2番目に出た George Clooneyに、ん? 同姓同名? 本人? 程なく登場したピザ店スタッフは目元涼やかなまさしく本人で最後まで出ずっぱり。イケおじ代表若き日のチャラ男姿に2点。 前作よりはストーリーらしきものはあるものの、怖くなく笑えなく熱くなく、お遊戯会のような演出がイタ過ぎる。 [DVD(字幕)] 2点(2021-05-31 00:47:49) |
514. 札つき女
ベティ・デイヴィスは物凄い邦題からどれだけ外道な役どころなのか身構えて観ましたが。経営者であるギャングの悪業に立ち向かう鉄火肌なホステスという役どころ。共演に興味津々だったハンフリー・ボガートも正義感溢れる次席検事役で、二人の絡みも単調な台詞回しに興に乗れず仕舞いに終わった一品です。冒頭の「登場人物は架空の人物である・・・・偶然の一致にすぎない」はラッキー・ルチアーノとトーマス・デューイを指すのを鑑賞後知りました。(驚)(+1点) [DVD(字幕)] 6点(2021-05-30 21:33:24) |
515. 大地(1937)
《ネタバレ》 名著原作未読。オスカー受賞異議無しのルイーゼ・ライナー演ずる女の一生が描かれています。夫に「大地はお前だった」と言わしめる土地に対する意地を貫き通した生き様をあの桃の木が表しているようで鳥肌が立ちました。ただ、野暮な事を言うようですが、乞食に身をやつしていたのが、内乱の最中宝石を拾った事をきっかけとして大地主への道を歩むのに、今で言えば宝くじ1等当選したようなもので何だかなぁとひっかかるところであります。 「民族の精神は底辺の人々の生活に、より顕著に表れる。この中国の農民の物語に見い出せるのは、中国の魂……つつましさと勇気、古い伝承と明日へのたゆまぬ努力である」冒頭の一文偽りなしな内容の昭和12年製力作です。 蝗害の恐怖が生々しい映像も桃の木同様に忘れ難い。 [DVD(字幕)] 8点(2021-05-29 00:59:53)(良:1票) |
516. 断絶(1971)
これも一つの生き方、人それぞれ。車という拠り所がある男の子2人の50年後は何となく想像出来ても、寄生虫のような女の子の老後は無いように思えました。ウォーレン・オーツの役どころがサッパリ意味不明なのが残念。10代20代に観ていたら感じ方は違っていたのだろうかと考えるところです。ロジャー・コーマンの本作感想を知りたいとも思いました。 [DVD(字幕)] 4点(2021-05-26 01:25:20) |
517. 月蒼くして
女性が「処女」「妊娠」「キス」を連発するヘイズコード(男性ならお咎め無しというのが何とも・・・)を盾に介入するアメリカ映画製作者協会を脱退し反骨心剥き出しで強行上映したオットー・プレミンジャー作品。大部分が三人による室内会話劇で、お目当てデヴィット・ニーヴンは気品あるチャラ男の持ち味発揮で且つゲスでなし。ウィリアム・ホールデンも同様で且つ35歳には見えない落ち着きある包容力にウットリと。そんな二人を手玉にとるオヤジ殺しマギー・マクラマナのヘップバーンを思わせる姿が特筆モノ。(オスカーにヘップバーンと共にノミネートされたのが何とも不運・・)硬派にも程がある監督作とは思えない洗練された粋な語り口でのロマンティック・コメディに釘付けでした。 [DVD(字幕)] 8点(2021-05-25 15:35:39) |
518. クランスマン
《ネタバレ》 オープニングクレジットでの監督テレンス・ヤング、出演リチャード・バートン、リー・マーヴィンの他にキャメロン・ミッチェル、O・J・シンプソン、ルチアナ・パルッツィに「これはなかなか」と思ったところでの脚本サミュエル・フラーに俄然興味が湧きました。60年代アラバマ州KKKが描かれています。クランスマンが一部の異常者ではなく、町長や保安官助手(ミッチェル)もであり、普通の市民がごく普通に人種差別しており、教会神父までもがそれに加担しているのは初めて見る光景でムカムカする。こんな輩が銃を持つのはまさにキ〇ガイに刃物。自分の頭でモノを考える保安官(マーヴィン)もしがらみの中で煮え切らない姿が悔しい。唯一毅然としているブレック(バートン)に期待をかけたのですが。そうなるしかないと予感した銃撃戦からの結末は爽快感のカケラも無いものでサミュエル・フラーらしさを感じました。見応えある良作です。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-05-25 01:01:11) |
519. 暁の勝利
ナチスに占領されたノルウェー漁村民抵抗運動が描かれています。戦意高揚ものにしては脚本及び演出並びにポール・ムニの燃えたぎる姿がおとなしめで盛り上がりきれないもどかしさがありました。クレジットにあったリリアン・ギッシュは1回目では見つけられず、2回目でらしき人に確信が持てず調べて、3回目で確認が取れました。こういう時にDVDのありがたさを感じます。 [DVD(字幕)] 5点(2021-05-23 00:38:06)(良:1票) |
520. モガンボ
野生動物が息づくアフリカを舞台に繰り広げられるジョン・フォード監督らしからぬ恋の鞘当てモノ。本作のMIPならぬMVPであるエヴァ・ガードナー。お顔もさることながらウエストラインの美しさには呆れる程の美しさで目が釘付け。いなせ且つコミカル且つポロリと見せる女心に惚れ惚れした現時点でのベストパフォーマンスが素晴らしい。現地民の歌声以外の音楽皆無の演出も空と大地の雄大さを感じるものでした。相変わらずの俺様振りを見せるクラーク・ゲイブルは52歳には見えなかった老けっぷりでしたが、エヴァ・ガードナー&グレース・ケリーの両手に花状態で、そんな旨いハナシがあるのか! なラストもご愛敬といったところでしょう。巨匠の異色作にして秀作です。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-05-23 00:15:55) |