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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1885
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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721.  マニアック(2012) 《ネタバレ》 
街の片隅で、親の代から続くマネキン工場を営む孤独な青年フランクには誰にも言えない秘密があった。それは、幼少期に実の母から受けた虐待が原因で、女の頭皮に異常なまでの執着をみせるという、抑えきれない歪んだ欲望。そう、実際に街で見かけた女を殺しその頭皮を剥いでマネキンの頭部へと貼り付けてコレクションするほどに――。偶然知り合った新進気鋭の女性芸術家アンナへとその歪んだ欲望を向けたことから、そんな彼の精神はさらなる狂気の深淵へとはまり込んでいくのだった。という、ストーリー自体はもう何処にも一ミリたりとも新しい部分の全くない超ベタベタなサイコ・サスペンスなのですが、本作は全編をそんな異常なサイコキラーの主観目線で描いたというのが新しいところですね。モキュメンタリーとかじゃなく、ほんとにずっと精神異常者視線でストーリーが語られていくため、まるで自分が何の罪もない女を殺してその頭皮を剥ぎそれを貼り付けたマネキンに取り囲まれて「ハアハア」言いながら恍惚としてるみたいな気分にさせてくれます(まあ、ほとんどの人は積極的にあまり味わいたくないだろうけどッ笑)。いやー、とにかく気持ち悪いだけの作品でした。いわゆるPOV亜流な設定なので、ストーリーに深みや情緒なんて欠片もありません。もう蝿がたかる血だらけのマネキンとか、その腐臭が今にも臭ってきそうで不愉快千万(笑)。でもまあ、ここまで人を不快にさせる映画を撮ったスタッフたちの情熱(特に終始いや~な目付きの気持ち悪いイライジャ・ウッドがぐちゃぐちゃになっちゃうラストは必見!)は、良くも悪くも賞賛に値します。よって6点。
[DVD(字幕)] 6点(2014-05-01 00:15:31)(良:1票)
722.  ローン・レンジャー(2013) 《ネタバレ》 
1869年、ゴールドラッシュに沸くアメリカ・テキサス州。自らを法と正義の番人と自負する、頭のお固い新人検事ジョンは、故郷へと帰る列車の中で、偶然、顔に妙な模様を描き常にカラスの死骸を頭に乗っけているはぐれ者のインディアン・トントと出会う。その外見以上に頭のネジが何本も抜け落ちたような変わり者の彼に、当然のように反発するジョンだったが、ひょんなことから一緒に凶悪な犯罪者を追ううちに、何故かマスクマンとなって、奇想天外な冒険の旅へと出発することになるのだった。男前で正義感の強い超オーソドックスな主人公と、そんな彼と全く正反対な超へんてこキャラがタッグを組み、コメディとシリアスの狭間を絶妙なバランス感覚で描く、いかにもヴァービンスキーらしい冒険活劇。と聞くと、やっぱりあの「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズを思い起こさせるのだけど、残念ながら今作は「パイレーツ~」に比べて魅力的なキャラクターに乏しいせいか、冒険活劇にもっとも大切な要素であるワクワクドキドキ感が全体的に下がった感が否めなかったですね。特に、一番の悪役が誰かよく分からないせいでストーリー展開が最後までいまいち盛り上がりに欠けるってところが残念でした。うーん、もっとファンタジックな設定にして、悪役たちをあの骸骨海賊ばりにグログロ集団にしてくれた方が作品世界にアクセントが利いて良かったと思うんだけどな~。監督があまりにも西部劇に拘りすぎて、彼お得意の遊び心がいまいち空回りしちゃってる印象が強かったです。それでも最後の、列車二台を並走させながらの様々なキャラクターたちが入り乱れて大活躍する、もう王道まっしぐらなクライマックスシーンはやっぱりさすがの出来でしたね。そこは素直に楽しめました。あと、ジョニー・デップ&ヘレナ・ボナム・カーターの共演シーンで、いつ彼が彼女を殺すのかとハラハラしちゃうのは、確実にティム・バートンの悪影響っす(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2014-04-27 00:02:03)
723.  リリィ、はちみつ色の秘密 《ネタバレ》 
1964年、公民権法が成立したものの、まだまだ人種差別の病根が色濃く残るアメリカ南部。農場で働く父親と二人で暮らす14歳の少女リリィにはとある秘密があった。それは4歳のときに、銃の扱いを誤って母親を殺してしまったという哀しい過去だった。以来、酒に溺れる父親の暴力に怯えながら暮らしてきたリリィだったが、とうとう我慢の限界を迎え、黒人の使用人ロザリンと共に家を飛び出すことに。ヒッチハイクしながらそんな二人が向かった先は、個性豊かな黒人姉妹たちが営むのどかな養蜂場だった。そしてそこは、リリィの母親が子供時代を過ごした地でもあったのだった――。美しい田園風景が拡がるアメリカの田舎町を舞台に、理不尽な現実に翻弄されながらも必死に生きる市井の人々の姿を瑞々しく描き出すヒューマン・ストーリー。いやー、この監督さん、予想だけどラッセ・ハルストレムの影響をかなり受けてますよね。彼の作風をこよなく愛する自分としては、この田舎の養蜂場を舞台に描き出された詩的で瑞々しい世界観はけっこう堪能できました。特にそれぞれ個性的な黒人姉妹たちの恋や葛藤やトラウマを優しい視線で描き出すこの手腕はなかなかのもの。ただ、ちょっとエピソードを盛り込みすぎてちょっぴりテーマが散漫となってしまったところが残念でしたね。母親を殺してしまったというトラウマを必死に乗り越えようとするリリィの物語なのか、はちみつをこよなく愛する姉妹たちの愛情物語なのか、人種差別と戦う黒人たちの葛藤の物語なのか、どれか一つに軸をしぼって描いた方がもっと良かったと思います。あと、ダコタ・ファニング、確かに美少女ではあると思うんだけど、世間の多くの老若男女に愛されるだろう子供の頃の安達祐実風優等生的美少女なので、残念ながら僕のロリコンレーダーにはそんなに響きませんでした。このころのクロエ・グレース・モレッツが主演してたらもっと点数上がったんだけどねー。クロエちゃんが、黒人青年の指に付いたはちみつをねっとり舐め取るシーンが個人的に見たかったっす(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2014-04-20 00:15:18)(笑:1票)
724.  ファイヤー・ウィズ・ファイヤー 炎の誓い 《ネタバレ》 
日夜、消防士として市民の安眠を守り続けているジェレミーは、ある日、偶然入ったコンビニで凶悪な殺人事件へと巻き込まれてしまう。危うく殺されそうになりながらも、何とか逃げ延びた彼は、警察から裁判で証言台に立つことを要請されるのだった。持ち前の正義感から快諾するジェレミー。だが、犯人として逮捕されたのは、自分の利益のためなら簡単に人を殺す凶悪なギャングたちのボス・ヘイガンだった――。証人保護プログラム始動。身の安全を図るため、それまでの経歴や社会保障番号、運転免許やID、さらには自分の姓名さえ消去して潜伏生活を送ることになるジェレミー。しかし、蛇のように執念深いヘイガンによって恋人を殺されそうになった彼は、復讐のためにたった一人で行動を開始するのだった。最近、凡作への出演が相次いでいるブルース・ウィリス主演、しかもまるで安物のレスラーのプロレス技みたいなダサいタイトル(ちょっぴり偏見?ごめんなさい笑)だったので、全く期待せずに観たのだけど、それが効を奏したのか、地味にそこそこ面白いじゃん、これ。まあ、ストーリー展開がベタでかなり強引ってとこは否めないですけど、ぶち切れた主人公がギャングどもを時に拷問にもかけながら(ゲロ吐きながらギャングの指切っちゃうトコとか、僕的にけっこうツボでした)追い詰めていくところは、頭空っぽにして素直に楽しめました。最後も、消防士としての特技を活かしてギャングどもを火責めしちゃうなんて、なんてナイスな反撃(笑)。うん、タイトルが超ダサいですけど、ぼちぼち面白かったっす!
[DVD(字幕)] 6点(2014-04-08 00:05:00)
725.  ザ・ワーズ 盗まれた人生 《ネタバレ》 
とある中堅作家が新作の発表に合わせて、自作を語る朗読会を開く。その内容とは――。主人公は作家志望の貧しい若者ローリー、ひたすら書いては出版社へと原稿を送るものの無下に断られる鬱屈した日々を過ごしていた。そんなおり、彼は偶然手に入れた鞄の中から、古びた小説の原稿を発見する。「これは傑作だ…」一読してそう確信したローリーは無我夢中で、それを一言一句漏らさずパソコンへと書き写し、駄目だと分かっていながら、長年自分を支えてくれた愛する妻を助けたい、何より自分のことを世間に認めてもらいたいと、それを編集者に読んでもらい出版へとこぎつけることに。本当の作者がどんな想いでこの小説を書いたかも、自分の才能を信じてついてきてくれた妻の信頼をどれほど裏切ることになるかも知らずに…。自作を語る中堅作家の物語と、彼の新作小説の内容として語られるそんなローリーの物語と、自作を盗用された年老いた男の過去の哀しい恋物語が、複雑なメタ構造で絡み合う哀切な人間ドラマ。そんな複雑な構造の作品なのに、極めて分かりやすいストーリーテリングのおかげで最後までストレスなく観ることが出来て、そこは素直に良かったです。それぞれの恋物語も実力派の役者陣の熱演(ブラッドリー・クーパーの目力は凄い!)のおかげでなかなか楽しめました。ただ、その作風に監督が溺れてしまい、どうしてこんなメタ構造で作品を描かねばならなかったのか、その意義を最後まで見出せなかったことが少し残念でしたね。特に曖昧でよく分からないこのラストは、かなり投げっ放し感が強くて大きくマイナスポイント。それでも、そんなラスト以外は、しっかりと創り込まれた人間ドラマとしてけっこう見応えありました。取り敢えず、もしかしたら大作家になれたかも知れないあのおじいちゃんの人生は本当に哀しいですね。うん、やっぱり盗作しちゃ駄目。
[DVD(字幕)] 6点(2014-04-05 00:39:52)
726.  ポゼッション(2012) 《ネタバレ》 
妻と離婚し、愛する二人の娘と離れ離れに暮らすことになってしまった大学のバスケットコーチ、クライド。それでもそんな娘たちと共に過ごせる毎週末を楽しみに、それなりに充実した日々を送っていた。次女、エミリーがフリマで謎の箱を手に入れてしまうまでは――。夜な夜なその怪しげな箱へと語りかけるエミリー、心配するクライドをよそに、次第に彼女の周りでは不穏な出来事が起こり始める。突然寝室の中に乱れ飛ぶ蛾の大群、冷蔵庫の食べ物を漁る謎の生き物、そしてエミリーの喉の奥にはいつの間にか〝それ〟が潜んでいた…。という、極めてオーソドックスでベタベタなエクソシスト作品。うーん、もうちょっと新しい切り口が欲しかったですね。確かに、奇をてらうことなく正統派なホラー映画を創ろうと頑張ってるのは分かるのだけど、あまりにもこちらの予想通りの展開が続くため、現代の映画としてみれば少々古臭いという印象が否めない作品でありました。最後のオチも、後味の良さを優先したのか、次に誰がその箱を拾い悪魔へと取り憑かれてしまうのかも分からずじまいで、ちょっと物足りなかったです。ただ、悪魔に取り憑かれる次女エミリーを演じた女の子がびっくりするくらい美少女で、そんな彼女が身体をはって、蛾を呑み込んだり白目むいたり絶叫したり、果てはパンチラまで見せてくれると言う、体当たりな演技で頑張っていたので、彼女の努力に免じて+1点っす(え、誰がロリコンだって?笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2014-04-03 21:55:18)
727.  クロニクル 《ネタバレ》 
あまりイケているとは言いがたい青春を送っているアンドリューら3人の若者たちが、ある日、謎の穴の中にあった隕石によって特殊な力を授けられる。最初は、小さな物を遠隔操作できる能力を使って、街でくだらない悪戯を繰り返していた彼らだったが、そんな能力と悪戯はどんどんとエスカレートしていくことに。戸惑いつつも、自分なりにルールを設けて、能力の暴走を食い止めようとする彼らだったが、しかし理不尽な現実社会に喘いでいたアンドリューだけは、その心に溜めに溜め込んだ暗い澱のような感情をとうとう爆発させるのだった。手に、常に愛用するビデオカメラを持ちながら――。ストーリー自体は極めてありきたりでオーソドックスなサイキックSFなのですが、それをPOVというホラーやスリラーの分野でやたらと多用される手法を使って描いたところがなかなか斬新でしたね。特に、完全主観になってしまいがちで画面やストーリーの緩急が取り辛いというこの手法の欠点を、超能力を使ってカメラを浮かし自らを客観的に撮ることで、見事に三人称神視点を得るというアイデアは特筆ものでした。おかげで、彼ら各々の確執や暴走、空を飛ぶ爽快感やアンドリューが深い劣等感から街を破壊していく過程など、(素人が撮った映像に毛が生えた程度の凡庸なPOV作品とは一線を画する)一本の映画として充分に堪能できました。ただ…、最後はちょっと呆気なさ過ぎるかなとも思います。アンドリューがさらに一都市を壊滅させてしまうほど暴走しちゃうとか彼の暴走を食い止めるため軍隊まで出てきちゃうとか、そこまで盛り上げてくれたらもっと良かったかな~。って、さすがにそれしちゃうと映画として破綻しちゃうか。というわけで、ちょっとこじんまり纏まちゃった感も無きにしもあらずだけど、けっこう面白かったっす!
[DVD(字幕)] 6点(2014-03-28 21:19:13)(良:1票)
728.  ホワイトハウス・ダウン 《ネタバレ》 
大統領警護官の採用面接を受けるため、政治マニアの年頃の娘と共に、世界の政治の中枢であるホワイトハウスへと訪れたSP、ジョン。しかし、偶然にもそこには世界壊滅を目論むテロリストの凶悪な計画が進行中だった。権威の象徴であるホワイトハウスがあっという間に爆破され、瞬く間に占領されてゆくアメリカ中枢。絶体絶命の危機へと陥った大統領と、そして愛する娘を救うためジョンはたった一人で立ち上がるのだった!いやー、さすがエメリッヒ、相変わらずバカでしたね~。数日経てば(数時間?笑)すっかり忘れてしまいそうな、超オーソドックスでベタなストーリー展開は頭空っぽにしてぼちぼち楽しめました。超自己チューな理由で世界を破滅させようとするテロリストが簡単にホワイトハウスへと侵入し、中東から全米兵を撤退させま~すというあり得ない政策を打ち出した大統領がバズーカーをぶっ放し、「大統領が死んだので次の大統領は君ね。あ、また死んじゃった。じゃあ、次は君で」という超適当な政治家の皆さん、そして核戦争を阻止するために現場へと急襲したにもかかわらず「ホワイトハウスの前で可愛い女の子が懸命に旗を振ってる。お、俺には空爆なんて出来ん!すまん、世界の何百万もの罪なき人々!」と簡単に引き返しちゃう爆撃機のパイロット…。さすがに大味(おバカ?笑)すぎて、「う~ん、これはちょっと…」という部分もあったけど、いかにもエメリッヒらしいエンタメ作品としてそこそこ良かったんじゃないでしょーか。
[DVD(字幕)] 6点(2014-03-26 06:44:27)
729.  モンスターズ・ユニバーシティ 《ネタバレ》 
素晴らしい発想力、個性豊かな魅力に満ち溢れているキャラクターたち、最後までワクワク感が途切れない夢のあるストーリー展開…、今のところピクサー映画の中で最高傑作だと思っている「モンスターズ・インク」をこよなく愛する自分としては、続編である今作ももちろん期待して鑑賞してみました。なんですが、うーん、ちょっと期待が高すぎたのか、僕は前作ほど楽しめなかったですね。この、大学という狭い枠内で、落ちこぼれ生徒たちが最初は反発しあいながらも徐々に友情を育み最後は一致団結して勝利を勝ち取るっていう今回のストーリーって、モンスター大学という特異な設定を取り除いたら、あまりにもベタな青春学園ドラマに過ぎないですか、これ。それに今回は主要登場人物が全員モンスターで、前作の無邪気な人間の女の子みたいなアクセントのあるキャラクターが一人も居なかったのも残念でした。相変わらず綺麗な映像と、主役二人のユーモラスな遣り取りとか普通に面白いとは思うんですけど、観終わって、「モンスターズ・インク」がどれだけ完成度の高い作品だったのかを、僕はあらためて再確認してしまいました。普通に面白いんですよ、ただ前作と比べるとってだけで、映画としては普通に面白かったんですよ!←え、フォローしすぎ!?ごめんなさい(笑)。と、いうわけで6点~☆久し振りにマイク&サリーに出会えたことは素直に嬉しかったですけどね。
[DVD(字幕)] 6点(2014-03-24 18:50:51)
730.  ワールド・ウォー Z 《ネタバレ》 
きっかけは何処から始まったのかすら分からない些細なものだった。普通の生活を送っていた人々が、突如として凶暴化し目に付く人々を無差別に襲い始める。襲われた人も十数秒後には、同じように凶暴化し見ず知らずの人々を襲うという負の連鎖は瞬く間に世界中へと拡大し、人類は突如として滅亡の危機を迎えてしまうのだった。愛する家族とともに平凡な生活を送っていた、元国連職員ジェリーもそんな災禍へと容赦なく巻き込まれてゆくことに。家族の安全と引き換えに、ウィルスの弱点を探る任務へと無理やり駆り出されたジェリーは、そんな凶悪な感染者〝Z〟たちが溢れ返る危険な世界を、人類、そして家族の命を救うためにただただ疾走してゆく。ブラット・ピットが製作も務め、莫大な予算を注ぎ込んで作り上げたスケールだけはやたらと大きいゾンビ映画作品。確かに、お金かかってるだけあって、その圧倒的な数の力で無慈悲に襲い掛かってくるゾンビ描写は出色の出来でした。特にイスラエルでの怒涛の、もう人々(ゾンビ)が蟻のようにぐちゃぐちゃしちゃう攻防戦には素直に圧倒されたっす。ただ、全編を通して描かれるのは、ブラピがひたすらゾンビの大群から逃げてはほっと一息、逃げてはほっと一息、の繰り返しなのでちょっと後半だれてくるのが残念ちゃあ残念でしたけどね。それに、基本ゾンビ映画なんだし、もっとユーモラスな部分もあっても良かったかなー。そのわりには人間ドラマもけっこう希薄な感じだったし。あの人類の希望の光であったウィルス学者がこけて死ぬってシーンも別にギャグってわけじゃなさそうですし(どんなけ間抜けな死に方やねん!って思わず突っ込んじゃいました笑)。でもまあ、ゾンビたちとの迫力の攻防戦とか、後半の打って変わってのスリリングな密室劇とかは、そこそこ良かったかな~。うん、ぼちぼち面白かったっす!
[DVD(字幕)] 6点(2014-03-22 01:08:26)
731.  ヒッチコック 《ネタバレ》 
誰もが知るサスペンスの巨匠、アルフレッド・ヒッチコック――。生涯にわたって天才の名を欲しいままにした彼の言わずも知れた代表作「サイコ」製作の舞台裏を、その知られざる苦悩の日々や、赤裸々な私生活をも絡めて描き出した伝記作品。いやー、あの古典的名作誕生の裏側には、こんな中年夫婦の倦怠期の危機が重要な役割を担っていたとは(笑)。そんな創作活動の根源的な苦しみと、危機を乗り越えたからこその夫婦の篤い信頼関係を軽妙にユーモラスに描いたところは素直に面白いと感じました。映画史に残る猟奇殺人鬼を創出したヒッチコック監督の役を、レクター博士というこれまた希代の猟奇殺人鬼役で一世を風靡したアンソニー・ホプキンスが演じるってところもなんだか暗喩的で良いです(そしてサイコの殺人鬼役は、名前が激似のアンソニー・パーキンスって!)。ただ、伝記映画としてそのあまりにも優等生な創りに、若干パンチに欠けるかなーって感じたのも事実でした。夫婦の危機をもっと破滅的に描くとか、ヒッチコックが創作の苦悩からはまり込むエド・ゲインの狂気の世界を濃厚に映像化するとか、そんなパンチの効いた演出があと一つあれば、もっと良かったかなぁと思います。当然だけど、ヒッチコックの「サイコ」という映画を観ていなければ、この作品を完全に楽しむのは厳しいと思われるので、未見の方は必ずエド・ゲインという実在の殺人鬼をモデルにした、狂気のサスペンス映画の傑作を事前に鑑賞すること。その後に、この熟年カップルの夫婦愛をハートフルに描いた作品を観るのってどうなんだろ?とは思うけどもね(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2014-02-23 00:32:06)
732.  ラストスタンド 《ネタバレ》 
メキシコとの国境に近い、アメリカののどかな片田舎ソマートン。ほとんど事件など起きない平凡で退屈なそんな町で、長年保安官として働いているレイは、ある日不審なトラック運転手2人組を目撃する。念のため部下に車両照会を命じた彼のそんな直感は、ものの見事に当たってしまうのだった。刑務所を脱獄した凶悪な麻薬王がメキシコへと逃亡を図るため、最新鋭の超高速スポーツカーで町へと乗り込んでくることを知ったレイは、堅物の副保安官、情熱はあるもののどこか間抜けなルーキー、紅一点の勝気で男勝りなヒロイン、銃器オタクの冴えない駄目男、そして酒が原因で身を持ち崩したヒロインの元カレらとともに、町の平和とそして正義を守るため、これで最後とばかりに立ち上がるのだった!いろいろしてて約10年ぶりとなるシュワちゃん主演作は、そんな古き良き時代のエッセンスを随所に感じるオーソドックスなアクションエンタメ作品でした。混迷する現代社会を象徴するかのように、正義と悪の狭間でやたらと苦悩したり、ヒーローでありながらどこかダークな側面を持っていたりする主人公がやたらと多いなか、さすがにもう辞めたとはいえ元カリフォルニア州知事が演じる今作の主人公は、「カリフォルニアの有権者のみんな、今までサンキューだぜ!ベイビー」と高らかに宣言するかのような単純明快な正義の頑固ジジイ(笑)。「うーん、さすがにシュワちゃんも年取ったなぁ」としみじみ思いながらも、そんな彼が大活躍する小気味の良いスピーディーな展開に中盤まではけっこう楽しんで観てたんだけど、町でのなんともまったりとした銃撃戦が始まったあたりから、見事なまでにグズグズに…(笑)。いやー、前半は良かったんだけどね~。でもまあ、僕の青春の1ページでもあるシュワちゃんの待望の復帰作ということで、ちょっぴり甘めに6点っす!
[DVD(字幕)] 6点(2014-02-22 18:58:47)(良:1票)
733.  ペーパーボーイ 真夏の引力 《ネタバレ》 
60年代アメリカ、うだるような暑さが続くマイアミの片田舎で保安官が鉈で殺されるという残虐な事件が起こる。ほどなく、沼地に住みワニの皮を剥いで生活していたヒラリーという粗暴な男が逮捕され、裁判の結果電気イスへと送られることに。そんな無事に解決したはずの事件に疑問を抱いた敏腕新聞記者ウォードは現地へと向かい、真実を求めて取材を開始するのだった――。正義感の強いウォードの相棒ヤードリー、彼の弟でいかにも童貞の青臭い青年ジャック、獄中のヒラリーと手紙を遣り取りし彼と獄中結婚したがっているアバズレの40女シャーロット、そして全てを客観的に見守る黒人メイドのアニタ…、それぞれの視点から事件の真相が炙り出されてゆくなか、彼ら各々の隠された思惑から事態は意外な方向へと向かい始めるのだった。かつて、劣悪な貧困家庭に生きる少女の哀切なドラマをエネルギッシュに描いた「プレシャス」という作品で鮮烈なデビューを飾ったリー・ダニエルズ監督の二作目となる今作、豪華な俳優陣も出演してることだしとけっこう期待して鑑賞してみました。相変わらず猥雑で残酷な現実社会をゴージャスで極彩色な映像で描き出すその手腕は今回も健在でしたね(いま冬だけど、ちょっぴり汗ばんじゃいそうなほど暑苦しかったっす笑)。社会の底辺で、貧困や矛盾から無尽蔵に生まれくる暴力という荒波に押し流されそうになりながらも、必死に踏み止まって生きてゆく人間たちの群像をあくまで黒人的感性でソウルフルに描いた作品としてなかなか見応えありました。ただ、後半テーマがいまいち搾りきれておらず、なんだか散漫な展開となってしまったところがちょっぴり残念でしたけど。それでも、刑務所の面会室でのニコール・キッドマン&ジョン・キューザックのいかにもイヤらし~い遣り取りとか普通に面白かったっす。あと、ずっとニコール・キッドマンのケツばっか目で追いかけてた童貞野郎ジャックの熱い想いには、股間が痛くなるくらい共感できました(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2014-02-21 13:00:33)
734.  ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~ 《ネタバレ》 
地球温暖化の影響で今にも海の藻屑と消えようとしている、大量のガラクタや腐りかけの生ゴミ、濁った泥水に埋め尽くされたゴミ溜めのような島、バスタブ。そこで酒浸りの駄目な父親とともに暮らす、常にモジャモジャの髪の毛に薄汚れたTシャツと長靴姿の少女ハッシュパピーは勝気で夢見がちな6歳の女の子。ある日、来るべきときがやってきたかのように大嵐が襲来、バスタブ島はとうとう沈没の危機を迎えてしまう。「俺たちは絶対に奴隷になんかならねえ!死ぬまでここで生き延びてやるんだ!」と豪語する父親や個性的な島民らと共に、そんな沈みかけの島で必死に生き延びようとするハッシュパピーだったが、政府の冷徹な魔の手が彼女たちへと襲い掛かってくるのだった。この独特で摩訶不思議な世界観に支配された作品を観ていて、まず真っ先に思い浮かぶのは南米のノーベル賞作家ガルシア・マルケスの創出したマジック・リアリズムと言われる小説群だろう。リアルとアミニズムとファンタジーが絶妙なバランスで配合された唯一無二な世界で描き出されるのは、下品で猥雑で最高に下世話なのだけど、それでも圧倒的な生きるエネルギーに満ち溢れた人間と動物たちの真実の姿。確かに、そんな世界をハッシュパピーという無垢な少女の目線で描き出したところは新鮮で秀逸だと思うのだけど、僕は昔からマルケス風マジック・リアリズムが個人的に苦手なもので、そこまで心惹かれませんでした。うーん、面白いとは思うんですけど、これはもう完全に好みの問題ですね、6点。
[DVD(字幕)] 6点(2014-02-19 23:51:48)
735.  フィービー・イン・ワンダーランド 《ネタバレ》 
「不思議の国のアリス」が大好きで夢見がちな少女フィービーは、絶対にやっちゃいけないと教えられたことを必ずやってしまったり、怒ると誰彼構わず唾を吐きつけたり、空想上のお友達とお喋りしたり、さらにはストレスを感じると自傷行為にまで及んでしまう精神的に問題を抱えた9歳の女の子。しかし、自分にしか見えないお友達のアリスに促されるようにして学校の文化祭で行われる舞台「不思議の国のアリス」のオーディションを受けてみると、奇跡的にアリス役へと抜擢されてしまう。戸惑いながらも仲間たちと一緒に練習を始めるフィービー。すると、同時に受けていた精神科医のカウンセリングと投薬治療の成果もあって、彼女の問題行動は徐々に改善されていくのだった。悩んでいた両親も素直に安堵の表情を見せ始めるのだが、しかし重役へのプレッシャーから、フィービーの問題行動はまたもや再発してしまう…。精神的に不安定な女の子フィービーが迷い込む悪夢のような精神世界を描いた子供版「ブラックスワン」といった趣きのとってもシリアスな人間ドラマ。と言うか、この作品のパッケージやタイトルロゴのデザインだけ見ると現実感なんて欠片もないおもいっくそゴリゴリのメルヘンファンタジーっぽく思わせといて、この内容って(分からない人はビデオ屋さんでパッケージを確認することbyルイス・キャロル)、日本の配給会社の方、これはもう詐欺行為に等しいっすよ!胸踊るファンタジーを期待して手に取った多くの子供たちにとっても、子供の心の闇と家族の葛藤を真面目に描いたこの作品にとっても非常に残念な宣伝手法だと思います!!そして肝心の内容のほうですが、周りのみんなにただ認めてもらいたいだけなのになかなかうまくいかない少女の繊細で今にも壊れてしまいそうな心情が、アリスをモチーフとしたシュールな映像を交えて丁寧に描かれていて、素直に良かったと思います。難を言えば、フィービーが入り込む空想世界の描写が圧倒的に少ないことと、その世界観にいまいちセンスを感じなかったところが残念ではありましたけど、家族の絆を描いた人間ドラマとしてなかなか見応えありました。それだけに作品の内容と掛け離れたあのパッケージのせいで間違った評価を下されないか、つくづく心配です。
[DVD(字幕)] 6点(2014-02-05 09:34:43)
736.  ムーンライズ・キングダム 《ネタバレ》 
小さな島にボーイスカウトとしてやって来た孤児の少年サムは、団体行動が苦手で常にトラブルを引き起こす問題児。周りの大人たちもほとほと手を焼くさなか、サムは島で出会った同じく問題児の女の子スージーと瞬く間に恋に落ちる。しかし、次々と問題を起こすサムに嫌気が差した里親がとうとう彼を手放すことに。「ぼく、このままじゃ少年収容所(孤児院)へと送り込まれちゃうよ!」と、サムは一大決心してスージーと共に駆け落ちを決行、突然居なくなった2人に、周りの生真面目な大人たちは小さな島を右往左往の大騒ぎ。果たして無垢な心を持ったサムとスージーの恋の行方は?イエローを基調とした月光のように美しい映像で描き出された、独特の幻想的な雰囲気が全編に漂うスラップスティックなコメディ作品。この徹底的に現実感を排除したセンス溢れる世界観は確かに良いと思うのだけど、うーん、微妙に僕の好みとは合わなかったかなー。この監督の前作「ファンタスティック・フォー・ミスターフォックス」でも感じたことですが、ちょっと上品に過ぎますかね。もうちょっと下世話な部分もあったほうが個人的に好みっす。それでも、ブルース・ウィリスやエドワード・ノートンのもう余裕で楽しんで演じているだろう飄々とした演技とかはなかなか良かったけどね。あと、ちょっぴりロリコンの気がある自分としては、前半のずっと下着姿でうろうろするスージーのおませな女の子っぷりも充分堪能させてもらいました(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2014-01-28 10:13:28)
737.  デタッチメント 優しい無関心 《ネタバレ》 
学級崩壊など当たり前、誰も教師の言うことなど聞く耳を持たない荒れた不良校へと着任することになった非常勤教師ヘンリー。どことなく冷めた視線で生徒たちと接する彼だったが、彼なりに子供たちを取り巻く環境を少しでも変えたいという情熱を胸に秘めていた。しかし、なかなかうまくいかない現実に徒労感を募らせ始めていたある日、客から殴られレイプされた売春婦の少女エリカと出会う。息詰まっていたお互いの人生に共鳴しあうかのように自然に同居することになった2人だったが、彼らを取り巻く現実は何処までもやるせないものだった。「アメリカン・ヒストリーX」という、未だに主演のエドワード・ノートンの熱演が強く印象に残っている(逆を言えばそれ以外は印象に乏しい)作品を撮ったトニー・ケイ監督の久し振りの新作。なんだけど、何をメインに描きたかったのか、いまいちテーマが絞り切れていないような印象を持ってしまいました。ストレスから心を病んでゆく同僚の教師たちや、写真にしか自分の居場所を見出せない太り気味の女生徒、認知症を患うヘンリーのお祖父ちゃん、そして彼と同居することになる心の片隅にどこか純粋な心を保っている売春婦エリカなど、各々のエピソードが最後までいまいちうまく絡み合ってきません。全編を覆うセンス溢れる美しい映像や実力派の役者陣が織り成す淡々としながらも心に残る演技など光るものが多かっただけに、惜しい作品でありました。
[DVD(字幕)] 6点(2014-01-25 20:25:27)
738.  インシディアス 《ネタバレ》 
ようやく手に入れることが出来た郊外の新居へと越してきた大学教授ジョシュ。愛する妻と3人の幼い子供とともにこれからさらに幸せになろうとしていた矢先、長男のダルトンが原因不明の昏睡状態へと陥ってしまう。突然のことに悲嘆に暮れる家族だったが、数ヶ月が経ってもダルトンに回復の兆しが見られず、失意のうちにせめてもと自宅療養へと切り替えることに。だが、そこからジョシュと家族の平凡だった生活に不可解な現象が起こり始める。無線機に紛れ込む謎の人声、窓から覗く怪しげな影、夜中に唐突に開け放たれる玄関のドア…。仕方なく別の家へと引っ越すことにしたものの、事態は改善されぬばかりかさらなる恐怖が彼らを襲うのだった。うーん、これ子供が3人兄弟である必要があったのかなー。恐怖を体験する対象があまりにも多過ぎて、ホラーとしての焦点が絞り切れていないような印象を受けました。それを裏打ちするかのように、後半は次男も末娘も一切出て来なくなるし(笑)。じゃー、最初から一人息子って設定で良かったじゃん!と、こりゃはずしちゃったかなぁと思いながら観てたのだけど、後半、お父さんが幽体離脱して迷い込む〝彼方の世界〟の、不気味さと狂気とユーモアを濃厚に織り交ぜて描かれたシュールな世界には(デビット・リンチ&シャイニングの影響をモロに受けているとはいえ)予想に反して結構惹き込まれました。まあ、ベタベタなホラーではあるけどそこそこ良かったと思いまーす。ただ、最後のオチは完全に蛇足。
[DVD(字幕)] 6点(2014-01-22 23:11:47)(良:1票)
739.  クロッシング・デイ 《ネタバレ》 
暴力と貧困の連鎖が色濃く残る街サウスボストンで、物心つくまえから犯罪と隣り合わせの生活を送ってきた幼馴染みのブライアンとポーリー。昔からそんな二人の面倒をずっと見てきたチンピラたちの元締めであるパットのもと、彼らのヤバい仕事はどんどんとエスカレートしていく。当然のようにそんなロクでもない生活が長続きするはずもなく、とうとう二人は警察に捕まり刑務所へと服役することに。先の見えない自分の人生に心底嫌気がさした二人は、それまでの仕事から足を洗い、愛する人のために再起を誓うのだったが…。マーク・ラファロとイーサン・ホークが貧困に追い詰められ野獣のような迫力を漂わせる男たちを熱演したクライム・アクション。と、聞けば誰もがアントワン・フークワが数年前に製作した同じくクライム・アクションの佳品「クロッシング」を髣髴とさせるのだけど(え、それっておれだけ?笑)、そんな作品の邦題が「クロッシング・デイ」というたった二文字を付け足しただけって、いくらなんでもこれってどうなんですか?そして肝心の内容のほうもフークワ作品に比べていまいち演出にキレがありません。いまクローズアップするシーンはそこじゃないだろー!てところが多々あり、特に最後のイーサン・ホークがその後どうなったのかというのをただナレーションで説明するというのは完全に肩透かしでしたね。とまあ、いろいろと文句を言いながらも底辺を這いずりまわる男たちを重厚に描き出した犯罪ドラマとして(ベタではありますけど)そこそこ楽しめました。イーサン・ホークの相変わらずギラギラした目付きの危険な男っぷりもナイス!それだけにこの安易な邦題は、やっぱり損をしているなぁとあらためて思います。
[DVD(字幕)] 6点(2014-01-19 21:40:25)
740.  エンド・オブ・ザ・ワールド(2012) 《ネタバレ》 
小惑星が突入してくることが分かり、人類滅亡を3週間後に控えた地球。絶望的な世界で、静かに死を迎えようとする人、享楽的な馬鹿騒ぎに浮かれる人、自暴自棄から暴動を起こす人たち…。そんななか、妻に去られた冴えない男ドッジは天真爛漫で常に前向きな女性ペニーと出会う。迫りくる暴動から命からがら逃げ出した二人は、それぞれの目的のために捨てられたプードルと一緒に旅に出ることに。ドッジは昔の最愛の恋人へと再会するため、ペニーは大事な家族の元へと帰るため。最初はぎこちなかった彼らだったが、世界の終末で共に様々な出来事を経験するうちに、いつしか二人の仲は縮まってゆく。特異な状況下で描かれる、ストーリー自体はいたってシンプルなロードムービー。世界の終末を描きながら、この最後まで徹底的に軽~い明る~い雰囲気を貫き通したセンスは新しいと感じました。徹底的に暗~い重た~い鬱的アプローチで同じテーマを描いた、ラースフォントリアーの「メランコリア」躁バージョンといった感じですね。この2本を続けて観ればちょうどいい精神状態が保てると思います(笑)。人類滅亡が間近に迫っているのに普段通り仕事をするメイドや、「俺は必ず生き延びてやるぜ」と仲間と共に地下室へと立てこもるペニーの元カレ、そして悲劇であるのに悲愴感を微塵も感じさせない美しいラストなど、物語を彩る多彩なエピソードの数々も印象に残りました。後半から世界の終末という設定が巧く機能していないような気もするけど、それでも斬新な設定を瑞々しいセンスで描き出した、将来性を感じさせる監督のデビュー作。うん、なかなか良かったっす!
[DVD(字幕)] 6点(2014-01-11 11:01:48)
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