901. 邂逅(めぐりあい)(1939)
57年版鑑賞済み。アメリカ人・イギリス人とは味わいが異なるフランス人スターの気品が漂うシャルル・ボワイエを只々堪能。ラストシーンでの気づいた瞬間が絶品。リプレイタイムでお相手がデボラ・カーだったらと思い浮かべながら身悶えしまくりました。 [DVD(字幕)] 7点(2018-11-11 22:02:37) |
902. マルクス一番乗り
マルクス兄弟初体験。個々のキャラクターにクスクス笑いが止まらず、三位一体のギャグの数々に大笑い。ストーリーもしっかりしていて、それに即したミュージカルシーンの力の入り具合に驚かされる。ハープ演奏しているハーポのピアノ演奏とは別人の様な真摯な表情が印象深い。結末も心地良く良質なコメディを堪能させてもらえました。 [DVD(字幕)] 8点(2018-11-05 15:37:32) |
903. ヒズ・ガール・フライデー
ケーリー・グラント出演の不安が的中してしまった彼の持ち味全開の作品。私は人の話の腰を折って火の点いたカンナ屑のようにペラペラペラペラ喋りまくる人間が大大大っ嫌い。「喧しいわ、アホ!」音量を聞き取れる最小限にして我慢の鑑賞。輪をかけたのがこの男の人物像「ええ加減にしとけよ、クズ!、アホ!、(以下省略)」結末知りたさに我慢を重ねた私へのとどめが女が最後にこのクズに示す態度。「アホなんか? オマエも同類か?(以下省略)」年に一度あるか無いかの胸糞悪さを味わった本作がコメディに分類されているのに心の底から仰天。 [DVD(字幕)] 2点(2018-11-05 15:14:00) |
904. Mr.ホームズ 名探偵最後の事件
《ネタバレ》 93歳のシャーロック・ホームズが衰えに苦悩する、思ってもみなかった展開。とってつけた感がある日本のエピソードが物語の中で浮いているのが残念。目元がジョン・ハートにソックリなイアン・マッケランは風格ある映像に映える佇まいだった。 [インターネット(字幕)] 6点(2018-10-31 15:10:06) |
905. 美女と野獣(2017)
《ネタバレ》 苦手なミュージカル仕立ての他愛のないお伽噺に感動したのは目を瞠る映像美の賜物。惹かれて止まなかったのがルミエール、コグスワース、ポット夫人。それぞれの魂が抜ける描写に涙腺が危険水位に。沁み入る歌詞に決壊したエンディングシーンで知ったユアン・マクレガー、イアン・マッケラン、エマ・トンプソンに心底仰天。ディズニーの底力をまざまざと感じた作品。 [DVD(字幕)] 8点(2018-10-29 16:28:45)(良:1票) |
906. レマゲン鉄橋
スタンリー・コルテス目当ての鑑賞。冒頭シーンはクライマックスのような手に汗握るもので否応なく作品に引きずり込まれます。破壊される建物、戦闘模様、橋上で巻き添えになる避難民、それぞれの映像に生死は運の有る無しに尽きると痛感させられます。また、空の青色の鮮やかさに下界の修羅場のやるせなさも思い知らされます。俳優では「誰が敵なのか」と呟いたロバート・ヴォーンが一際印象に残ります。名作です。 1968年8月にソ連に軍事介入された本作ロケ地チェコスロバキアの人々は作りものでない悲劇に襲われたのでしょう。 [DVD(字幕)] 8点(2018-10-22 01:33:39) |
907. ローラ殺人事件
期待通りのダンディさであったお目当てダナ・アンドリュースを上回ったのがクリフトン・ウェッブであり、ピンと伸びた背筋同様に筋の通った毅然とした物言いに見惚れました。春日八郎の唄が浮かんだ展開に無理筋があったものの、誰が犯人かの興味が尽きない良作。 [DVD(字幕)] 8点(2018-10-21 00:39:09) |
908. 忘れじの面影(1948)
ジョーン・フォンテインの見惚れる清楚な美しさに点数の全てを。物語としては昔のCM「料理は力やという事です。きれいなだけでは叱られます」が思い浮かぶものでした。 [DVD(字幕)] 5点(2018-10-21 00:24:15) |
909. 或る殺人
《ネタバレ》 1時間が経過してお目当てジョージ・C・スコットが検事として登場してからの裁判劇に眠気が吹き飛びました。ハリウッドの良心、ジェームズ・スチュワートとの丁々発止のやりとりもさることながら、二人の間に入ってユーモアをも交えながら裁判を的確にコントロールする判事が絶品。鑑賞史上最高の判事を演じた人が、ジョセフ・マッカーシーと対決して「・・君には品位というものがないのかね・・」とやりこめたジョセフ・ウェルチという弁護士と知って驚きと共に納得。評決が下るシーンのドキドキ感は、バルセロナ五輪決勝戦古賀選手の判定を見守った時が甦るものでした。観る者に判断を委ねる結末で、私は、妻の浮気に逆上して間男を撃ち殺した第一級殺人で有罪とみました。若きベン・ギャザラの存在感が印象に残ります。「タブー? 関係ないね」と言わんばかりの監督の意欲を感じた作品。最初のモタモタが惜しいところ。 [DVD(字幕)] 7点(2018-10-09 01:21:51) |
910. インランド・エンパイア
薬物中毒者が発症時に作ったらこんなのが出来上がるのだろう。この糞映像を3時間観るなら本物の〇〇を3時間眺めるほうがマシかも。 ジェレミー・アイアンズ何で出演した? 心揺さぶられた「エレファント・マン」と同じ人が監督とは・・・・・頭痛と吐き気に見舞われる中で混乱しています。 [DVD(字幕)] 0点(2018-10-06 22:52:29) |
911. ビリー・リンの永遠の一日
全米批評家協会賞受賞作の映画化。劇場公開されなかったというのも頷ける、独善的な米国への冷ややかな視線・ハリウッド映画界への皮肉な眼差しが向けられている作品。女性監督によるリアリティ溢れる反戦映画の秀作。 アン・トッド、アン・バクスター、アン・バンクロフト、アン・マーグレット、アン・ハサウェイ、アン・リー。てっきり女性だと思ったのですが男性でしたか。いや、お恥かしい。 [DVD(字幕)] 7点(2018-10-04 02:11:09) |
912. 五本の指
《ネタバレ》 スパイ・サスペンス映画の最高傑作。殺害・格闘シーンは無く、金庫の国家機密書類をカメラで撮影する手口で至極アッサリしているにもかかわらず、実話ものというのも相まって、全編が痺れる緊張感に満ち満ちる。特筆すべきは主人公ディエロの人物像。欲望にしがみつく手(5本の指)というタイトルそのままの「これから絞首刑になる人間にロープの太さを教えたところで何になる?」が示すドイツへの愛でもイギリスへの憎しみでもない、貧しい出自の彼の憧れである紳士の地位と高嶺の花 Anna を買う金の為だけの売国行為。淀みのない話しぶりと落ち着きはらった物腰で窮地をすり抜ける姿に、「こんなはずでは」と思った矢先のどんでん返しにディエロ同様絶句する。poor Diello を体現するラストシーンはジェームズ・メイソン名場面集の暫定1位であり脳裏に焼き付く絶品演技に胸が締め付けられる。 [DVD(字幕)] 9点(2018-10-03 11:23:25) |
913. スプリング・ガーデンの恋人
コリン・ファース出演にもかかわらず酷い出来栄えに心底ガッカリ。彼の持ち味である端正な台詞回しも、くだらないにも程がある脚本では何一つ心に残らない。女性二人のキャラクターのお粗末さも目に余る。救いが皆無の愚作。 [DVD(字幕)] 2点(2018-10-01 09:00:02) |
914. プーと大人になった僕
《ネタバレ》 仕事休みでふらりと劇場へ。「実写のプーさんか・・」是非観たい作品でなく何となく購入し鑑賞。苦手なユアン・マクレガーの好演に俳優としていい歳の重ね方をしているのに驚くやら感心するやら。仕事上での窮地における逆転劇に胸がすくのと同時に脚本の上質さに感嘆。大人になるという事は働く事、家族がいれば養う事、定年後も何かしら人様のお役に立つ事だと思います。何もしない事が美徳じゃなくて、近頃よく耳にするワークライフバランスの必要性をラストショットのプーとクリストファー・ロビンの後ろ姿から感じました。大人向けディズニー作品なかなかの良作。 [映画館(字幕)] 8点(2018-09-23 22:48:33) |
915. 潜水服は蝶の夢を見る
目力が持ち味のマチュー・アマルリックの「目は口ほどにものを言う」迫真の演技に息を呑みました。「僕は自分を憐れむ事を止めた」千鈞の重みのある言葉を忘れちゃならないと思う次第です。 [DVD(字幕)] 7点(2018-09-23 12:45:24) |
916. 血と怒りの河
懐が深い医師を存在感たっぷりに演じるお目当てカール・マルデンに満足。オープニング・クレジットのテレンス・スタンプに「しまった!」と思ったものの屈折ぶりが本作では病的なものでなく、実に味わい深い心模様に仰天した名演ぶり。特筆すべきは映像美。目にしみるような青色(空)、白色(雲)をはじめとして何処を切り取っても絵画として鑑賞できるもので、ラストの俯瞰ショットはメキシコ・アメリカの間で揺れ動いた青年の哀しみを雄弁に語る忘れ難いものです。スタンリー・コルテスは「狩人の夜」を担当したようで、鑑賞数珠つなぎの人物と出会えました。 [DVD(字幕)] 8点(2018-09-23 01:07:25) |
917. ミッシング(1982)
《ネタバレ》 一縷の望みを断ちきられて慟哭する姿。空港で啖呵をきって憤怒する姿。普段は見せない息子を愛する思いが溢れ出る父親をジャック・レモンが好演。実話なので脚色しようがないのでしょうが、ひりつく緊迫感の無い間延びした展開が残念。自国民に対しての非道の数々、それを画策したアメリカ合衆国。後味悪いことこの上ない。「責任者出てこい!」 [DVD(字幕)] 7点(2018-09-21 01:21:16) |
918. スターリングラード(1993)
只々悲惨な地獄絵図にグッタリ。空調の効いたリビングで鑑賞し、子供達と夕食(クリームシチュー)を摂り、お風呂上りにレビューを投稿。ありがたさを思い知る逸品。 [DVD(字幕)] 6点(2018-09-17 21:55:40) |
919. スモーク(1995)
14年間写真を撮り続ける理由が最後になってやっと分かる。映像だけで充分で語りは不必要だったと。消えない過ちを背負いながらも生きてゆくのに人情は不可欠な事を実感。不屈の苦労人 ハーヴェイ・カイテル 圧倒的な存在感の一品。 [DVD(字幕)] 6点(2018-09-17 08:24:39) |
920. 王子と乞食(1977)
《ネタバレ》 初見、原作未読。リチャード・フライシャー監督による児童文学の実写化作品。童話としては超一流のスタッフ・キャストを起用した贅沢極まりないもの。 「わが命つきるとも」のエピローグが浮かんだイングランド王室が舞台であり、主人公エドワード6世が父であるヘンリー8世からどのような帝王学を施されたのか描かれておらず、トムと入れ替わった後に「私は王だ」とひたすらに連呼するだけなのに白けてしまう。ジョージ・C・スコットをはじめ名優達は存在感たっぷりなものの誰にも惹かれなく残念。トムの目を通して民の事など頭の隅にもない王室の有り様が印象深い。架空の国の物語であれば素直に楽しめた気がする惜しい一品。 [DVD(字幕)] 6点(2018-09-15 01:38:11) |