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風小僧さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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自己紹介 現在の技術で作られた映画を観る目線で過去の映画を見下すようなことは邪道と思っている。できるだけ製作当時の目線で鑑賞するよう心掛けている。

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121.  ハドソン川の奇跡
 実話に基づく再現ドラマで、機長サリーの人間性を描くのが主眼。感動の実話に、ミニ「十二人の怒れる男」的な逆転劇という付加価値をつけた社会派映画だったね。  公開当時、新聞広告で機長に対する世間の風当たりが英雄視から180°変わったかのように宣伝していた。気になって当時の新聞広告を再読してみると、「9.24実話」「隠された真実」として、「厳しく糾弾され追い詰められ」「非難され一瞬にして犯罪者に仕立て上げられ」等の文字が躍っている。事故時の機長の判断が適切だったのかがポイントだが、そもそも事故後にNTSBの厳しい追及があったのか?実際にはそのようなことはなかったとのこと。  実話を描く場合、本質的な部分以外で虚実綯い交ぜはざらにあることであり何とも思わないが、本作ではドラマを盛り上げるため核心の部分が誇張されており素直に評価できない。事故の再発防止・安全のための徹底追及はあって当然であるし、機長判断の正しさと両立させるならば、むしろ実名など使わず実話をモチーフにしたフィクションドラマとした方が良かった。  戦争映画などで「史実と違う」という声をよく聞くが、この作品の「事実と違う」部分に、そういう声はないのかな?
[CS・衛星(字幕)] 4点(2020-09-27 11:56:49)
122.  ブラック・レイン
 大阪ってこういう雰囲気?「ブレード・ランナー」のような退廃的・煙っぽい空気感が合うか疑問。  「黒い雨」は菅井のセリフに出てくるが、原爆とヤクザの存在を無理やり結びつけたような印象で、映画全体にテーマ性は感じない。物語の展開としてはチャーリーの殺されるシークエンスが弱い。ラストの原版のやり取りも意味深だが心に響かず。指詰めは「ザ・ヤクザ」と変わらぬハリウッドの日本観が滲み出てるね。「芸者遊び」とか「完」も同様でステレオタイプの感。どちらかと言えば「ザ・ヤクザ」の方がいい。  主要キャスト3人の適演に加え神山繁がいい味出してる。あの人誰?と思ったら、ああーあ、プロフェッサー田中かい。   最後にひとつ、ニックが吐く皮肉交じりのセリフ「Fuck you very much」はうまく心情を表して面白い。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2017-07-16 17:12:33)
123.  タクシードライバー(1976) 《ネタバレ》 
 流れるような夜景と大都会の息遣い、喧騒の中の孤独と狂気が映し出される。この雰囲気に合った、けだるさを漂わせる音楽がいい。  “洗い流す”がキーワード。社会に不満や怒りを持ち、まっさらな理想を求める狂気は長じて大統領候補暗殺に走る。されどそこに至らぬ小市民的狂気。  ベトナム帰りで不眠症が続いた上、女に振られ心が荒ぶる主人公は汚れた街を洗い流すため銃を入手し、着々と準備を進める。若者の“もっとできる”自己顕示やゆがんだ正義感を描きながら、アメリカ社会の病根を衝く。  少女アイリスに出会い分別を見せるところは、彼なりの“浄化”に向けた使命感だろう。だがその後のアイリスと客のシーンは冗長。  モヒカン刈りで勇者を気取り、殺人マシーンと化した辺りから物語・音楽ともムードが変わる。客引き銃殺後、髪を元に戻したその後の展開が拍子抜け。世間の英雄視は皮肉としても、ベッツィーが「新聞に載ったから」と言ってトラヴィスのタクシーにのこのこ乗るくだりはいただけない。ストーカー的な行動をとった男になびくか?「女はそんなもんだ」とは思わない。  全般的にみると、ベトナム戦争帰り⇒都会⇒孤独⇒狂気という図式は明快だが主人公の行動の動機付けが弱い。ちょっとスタイリッシュな映像とB・ハーマンの音楽に救われている。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2017-02-05 16:19:58)
124.  夢(1990)
第1話【日照り雨】 狐の嫁入りはモロにスモークだね。狐の動きがユーモラスで小気味よい。虹の輝く花畑は鮮やかな情景で、言い伝えを通して自然の大切さを説く。 2話【桃畑】 桃源郷(自然)の喪失感と再生への訴え。 3話【雪あらし】 雪女は厳しさとやさしさ(包容力)を併せ持つ自然の二面性を表現。  2話と3話は舌足らずの印象。 4話【トンネル】 戦争の不条理を描く。犬は死者の魂を象徴し、その魂への鎮魂を込めたもの。 5話【鴉】 豊饒の麦畑、ひまわりや太陽の黄色は強烈な印象。絵画の中に溶け込んだ姿はNHK・Eテレの子供向け番組みたいで変な感じ。ゴッホの世界を駆け回る喜びとともに、彼と通じる創作の苦悩を感じる。  6話【赤富士】 スリーマイルやチェルノブイリ事故を踏まえた問題意識と東海地震への懸念を表したもの。原発に対する危機感を自分も共有する。 7話【鬼哭】 6話からのつながりで、文明の行き着く果てがどうなるか警句を発す。共感するが説明調のセリフが多い。 8話【水車のある村】 自然あっての人間というメッセージ。日本の農村の原風景を見る思いだが、小川沿いのキショウブはミスマッチ。ゴッホ好みの黄色?にしても在来種と競合するほどの繁殖力をもつ帰化植物は合わない。 よく生きよく働いて死ぬという人生観、そして青森ねぶたを連想させる踊りは人生讃歌であり、葬送の音楽は心に残る。   6話から8話までは現代社会への問題提起で、科学万能に対する懐疑を示したもの。共鳴する部分もあるが老人の遺言めいて説教臭が強い。  少年・青年・中年・老人の流れで一貫しているのは、人間と自然の共生を詠い、その大切さを訴えるものだった。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2016-12-04 20:16:57)(良:1票)
125.  ニューヨーク1997
子役のイメージを脱したK・ラッセルがマッチョに変身。L・V・クリーフやE・ボーグナインなど脇役陣のクセ者ぶりが楽しめる。中でもミュージシャンのI・ヘイズは意外な怪演。大統領役がD・プレザンスというのは「?」だな。  監獄が舞台とはいえ退廃的でごみごみした近未来は好みじゃない。まあこの世界観が後の映画に影響を与えたんだろうけど、未来は多少でも希望がなくっちゃ。  時限付き大統領救出という題材はいいが、起伏の乏しい展開で中だるみ気味。オックス・ベーカーは小道具(武器)を使わず、殴る・蹴るの方がお似合いだ。  救出された大統領の身だしなみは風刺を感じるし、テープをすり替えて捨てるところは爽快感があった。でも、世界平和につながるならちょっと惜しい気が・・・。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2016-10-30 20:18:34)
126.  カンバセーション・・・盗聴・・・
“盗聴”という現代社会の病巣を抉り出すとともに、製作当時のアメリカの自画像を描く。昨今のスノーデン事件等を考えれば、より深刻な将来を予言するかのような作品だ。 男女二人をめぐる公園での盗聴シーンを繰り返し、少しずつ会話を明快にする演出は秀逸。むくつけき男どもや魅力に乏しい女たちの中で、二人を演じるF・フォレストとC・ウイリアムスは隠し味的な味わい。盗聴特有の音の演出やジャズの使い方も効果的だ。 主人公の輝かしい実績とは裏腹に、内面に抱える孤独感や苦悩が描かれる。盗聴する側が逆に盗聴されて動揺し、追い詰められる皮肉。その強迫観念から苛立っていた精神が徐々に崩壊し主人公の焦燥感も頂点に達するが、やがてサックスに安らぎや救いを求める。プロなら覚悟しろよと言いたくなるが・・・。終盤のどんでん返しは平板な印象。 サスペンスや恐怖の味わいはあまり感じられず、社会派ドラマと受け止めた。アスファルト・ジャングルの中の孤独、人間性の喪失・・・ベトナム戦争で疲弊したアメリカ国民の心情やウォーターゲート事件とオーバーラップする。 映画全体を覆う暗さは如何ともしがたく、好きな映画ではない。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2016-07-17 16:44:06)
127.  荒野の決闘
静かな西部劇だ。邦題は「いとしのクレメンタイン」とした方が主人公の心情を表しており、作品の内容に相応しい。主題曲はアープの心境にピッタリ。 フォード西部劇にしては珍しく先住民敵視でないと思ったら、酒場で泥酔した先住民をアープが取り押さえるシーンが。そこまではいいのだが、ダメ押しで足蹴にしたな。白鳳並みだ。 モニュメント・バレーはアメリカ開拓史を語るには絶好の舞台で、いい画ではあるが、ラストシーンを含め絵ハガキのような画面作りは「征服者のアングル」と思えてならない。広大な土地を白人が先住民から奪ったんだなと皮肉な感想を持ってしまう。ストーリ-としては、バージルが殺されてから復讐に向かう展開があっさりして物足りない。 アープ役H・フォンダは細かな仕草(ロッキング・チェアでの寛ぎ、スイカズラの香、ダンス等)がなかなか良く、純情で片思いを秘めた静かな男を好演。対するD・ホリデイ役V・マチュアは偉丈夫で、結核に苦しむ医師の姿は似合わない。また、ひげ面とはいえ目が優しい善人顔W・ブレナンの悪役も合わない。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2016-05-15 23:00:07)
128.  戦場にかける橋
いくら自分たちが汗水たらして作ったものだからといって、橋を守るのは理解不能だ。戦争中ですよ。敵を利するものだから破壊して当然のはず。橋を守ろうとしたA・ギネスはおかしいよ。オスカーは彼よりも、橋を破壊しようとしたW・ホールデンの方がふさわしいのでは?
[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-12-22 22:58:29)
129.  暴力脱獄
 何度も何度も脱出しようと試みる主人公を演じるP・ニューマンは「大脱走」のマックイーンに刺激を受けたか?「ショーシャンクの空に」の監督はこの映画の影響を受けたのでは?という思いが頭をかすめる。  ベトナム戦争や公民権運動などを背景としたアメリカン・ニューシネマ前夜ともいえる時代の物語。反逆をよしとする風潮の中、権力に屈せずひたすら自由を求める主人公の動機付けが弱い。   主人公の名前がルーク(ルカ)だったり十字架にかけられたキリスト風のポーズをとったり、刑務所を舞台に反体制と結びつけて神を語られてもなんだかなあ、キリスト教を語られてもなんだかなあ、という感じ。暗喩としては安易だな。  この種の映画において、罪人の脱獄と戦争捕虜の脱走が同一視されている文章を時折見かけるが、この二つは似て非なるものだと思うよ。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2023-11-12 11:08:23)
130.  メジャーリーグ 《ネタバレ》 
 全体的にひねりがなくあまり笑えない。選手の個性は型どおりでオーナーの思惑は予定調和的。魅力的な選手(俳優)がいなかったのも残念。  ヤンキースとの決戦は大声援で盛り上がるものの、クライマックスのバントには拍子抜け。ひと工夫した脚本だと思うが、それまでの展開からすれば見事に盛り下がり。ビッグビジネス(MLB)としてもショービジネス(映画)としても、“大ホームランを予告してバント”では物足りない。「あわや」と「万事休す」の演出が欲しいところ。  バントよりもっと起伏のある筋書き、例えば「予告通り大飛球を打ってあわやホームラン!というところで外野手が落下点で構えキャッチ・・・と思ったらポロリ落としてエラー・・・ランナーがホームイン」という展開の方が弱小球団インディアンスにふさわしい勝ち方だと思うよ。えっ、大飛球をヘディング?・・・いやいや珍プレー好プレーじゃないんだから。  日本のプロ野球で“ささやき戦術”に元大リーガーが怒ったこともあったが、メジャーでもこの映画のようにやってるのかな?
[CS・衛星(字幕)] 3点(2023-10-15 17:28:29)
131.  スラムドッグ$ミリオネア
 クイズ番組の構成を映画の構成に応用し、格差社会の実態を描いた娯楽作。  貧困から一発逆転のサクセスストーリーはまさに“ボリウッドのインディアン・ドリーム”てか?「面白いストーリーに社会問題を織り込みアカデミー賞受賞!」の王道を行く。  元になったクイズ番組の、もったいぶって気を持たせる演出に嫌悪感を抱いたので本作も好みじゃない。出来すぎの展開だったが最後のダンスは楽しめた。  かつてプレイボーイとしてテレビのワイドショーをにぎわせたアノ俳優が、子役時代にやらかした“肥溜めにドボン!”のエピソードを思い出した。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2022-10-09 16:20:38)
132.  ワイルドバンチ
 アクションシーンは臨場感たっぷりで迫力は充分。キャストも興味津々だがW・オーツには興味なし。西部劇と言うより新タイプのバイオレンスアクション映画という印象で、「俺たちに明日はない」の二番煎じの感は否めない。  集団劇で芯になる人間がいないこともあり人物描写が単調。全体的に、男の美学・友情や滅びの美学というほどのものは感じない。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2021-07-18 13:44:24)
133.  遥かなる大地へ
 “アメリカに向かうアイルランド移民の大河的な物語”というより中途半端な中河ドラマという感じ。  新大陸に上陸後の主人公の悪戦苦闘は、自由・自己責任というアメリカの価値観を体現(といってもあくまで白人側の視点で)。拳闘とランド・ラッシュのシーンは迫力満点だが、土地取り競争への問題意識を持たない描き方は物足りない。現実にあったことを直視することは大事だが、その背景にも触れた方が良かった。「シマロン」(1960年作)からアメリカン・ニューシネマを経て世情は変わっているのだから。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2019-12-15 11:00:58)
134.  カリートの道 《ネタバレ》 
 ノワールの雰囲気はよく役者もハマっているが、全体的にテンポが悪く冗長感は否めない。長尺を詰めてテンポよくすればもっと引き込まれたろうに。  クラインフェルドが刺されても死なず、カリートの面会も警官のあっさり身体検査で実現等、ご都合主義が目立つ。クラブ・パラダイスからカリートが逃亡する間、のほほんと待っているマフィアもマヌケな展開。  コートを着たカリートがホームから列車に乗って逃走するシークエンスは、監督の敬愛するヒッチコック映画を思わせる。だが、妙にコメディまがいの印象で、ドリフのコントを観ているような脱力感を覚える。  「パチャンガがベニーに買収されて俺たちを見張ってる」・・・このセリフは伏線というよりネタバレだね。忠告を無視し、買収されたと知りながらパチャンガにゲイルを駅まで送らせるのは(文字通り)致命的だ。冒頭の回想でカリートの運命を認識済みとはいえ、同行させた時点でその後の展開が容易に想像できる。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2018-11-25 11:18:59)(良:1票)
135.  ウォーターワールド
 冒険譚としてはまずまずだが、製作の狙いや観客層のターゲットが曖昧で絞り込まれていない。ファミリー向けにしてはバイオレンス過剰だし、コメディ・タッチも中途半端。何より主人公に魅力がない。  劇中に登場する乗り物(船、飛行機、気球、ジェットスキー)の魅力をうまく活かしており、特に三胴船トリマランは装備が工夫されてカッコいい。ディーコンは憎らしいというよりマヌケで笑いを誘う。  クライマックスのバンジー救出場面におけるジェットスキー衝突は、長い間珍場面と思っていた。あれじゃあ少女を奪おうが失敗しようがどっちみち3台衝突は不可避でしょ、と。でもよくよく考えると、あくまでギャグと解釈すれば納得。要は「おバカな3人」なんだね。  弱点だらけだが妙に気になる映画。
[ビデオ(字幕)] 3点(2018-01-21 10:49:50)(良:1票)
136.  羊たちの沈黙 《ネタバレ》 
ブラックお伽話としてみれば興味深いが、リアリズムの視点でみるといくつか難がある。 1 FBIの一員とはいえ、まだ訓練生の女性を一人で海千山千の猟奇殺人犯に対峙させるか?未解決事件を解決するため上司、クラリスそれぞれの思惑があるにしても説得力に欠ける。 2 上司が警告したにもかかわらず、クラリスが何の葛藤もなしに私生活を打ち明け、レクターにつけ入るすきを与える。信頼関係を築くためだろうが、トラウマを抱えているならなおさら警戒するのが普通。事件解決に向けた「虎穴に入らずんば…」とか「肉を切らせて骨を…」は、この場合該当しないだろう。せいぜい「ケガの功名」だな。クラリスの創作話という高等戦術であれば面白いが。 他にも警備の緩い刑務所(!)への移送等、レクターにとって都合よすぎる展開は弱点であるが、これらの内容がなければ(タイトルが意味するところの)物語が成立しないというジレンマに陥る作品。 また、前景にクラリスとレクターの会話が展開される場面、後景には職業として羊を飼い屠殺する牧場主の姿が脳裏に浮かんでくる。詳細は映画同様謎かけとしておくが、微かな差別を感じ不快感が残る。 上院議員の娘が救出される際、FBIに強い影響力を持つ親がいるためかクラリスに悪態をつきまくるのも変。終盤、バッファロー・ビルとの攻防は「暗くなるまで待って」のスーパーヒロイン版になっちゃった。 レクターの上目遣いの演技は心理学的に威嚇・攻撃・好意を表しているようで、思わせぶりなアップ場面等のカメラワークや心理描写・伏線張りで怖さを強調しているが、その手には乗らなかったよ。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2016-11-13 13:56:34)(良:1票)
137.  リンカーン
南北戦争期におけるリンカ-ンと周囲の人々の奮闘ぶりを描く。戦争の早期終結と奴隷解放という2つの難題を背負って、彼らが権謀術数をめぐらし、いかに解決していくかが見どころ。手堅くまとめているが、大人版「世界偉人伝」の域を出ていない。先住民に対する過酷な仕打ちはあえてスルーしたか?今の時代にあってなおリンカーンの都合良い部分しか描かない感度の鈍さよ。 D・D=ルイスは人間味豊かな表現力で大統領の苦悩を演じ熱演だが、(撮影当時同じ位の年齢とはいえ)老成したリンカーンに比べちょっと若い印象。年輪を感じさせる演技のS・フィールドと並ぶシーンでは、若さが露呈し「役作り」感見え見えで見劣りする。アカデミー賞ってどうしてこうも「有名人なりきり芝居」に弱いのかね。俳優陣では、夫や子供に対する夫人の内面を滲ませたフィールドが一番いい。T・L・ジョーンズもいい演技だが、どうしても「BOSSのおじさん」を連想する。 リンカーンの最大の功績は南北戦争を終結に導き国の統一を保ったことだと思うが、議会の議決を無視して政策を遂行したり先住民に冷淡だったことも何かで読んだことがある。彼を描くのなら、奴隷解放一点集中でなく、同時期に行われた負の部分も語られるべきだろう。 奴隷貿易廃止を題材にした「アメイジング・グレイス」と比較すれば、作品の出来は向こうの方に軍配が上がる。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2016-04-17 13:25:36)
138.  ミスタア・ロバーツ
最初に観たときは主人公ロバーツの好人物的個性に好感を覚えた。何十年ぶりかで再見して印象が変わった。J・キャグニーの艦長は鼻持ちならないやつだが、そんなに悪いやつ?嫌な上司はざらにいるが、「ケイン号の叛乱」のような怒りを感じるほどか疑問。 一般社会でも、困った上司と部下の間に立たされた者の対応は難しいものだが、上司に対しては面従腹背を基本とし、時として正論を吐く程度がうまいやり方だろう。 評価を決定づけるシーンを一つ。艦長の理不尽に対してロバーツの怒りが頂点に達し、ヤシの木を海へ投げ捨てる場面がある。物語の展開上重要な場面だが、大海原の船に同乗する数少ない“いのち”を海へ捨てる行為は確実にアウトだ。もっと別な表現があるだろう。船に持ち込まれた経緯がどうであれ、物言わぬヤシの木に罪はない。そのようなものを海上にポイ捨てする行為、人はそれを“八つ当たり”という。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2016-04-03 16:11:27)
139.  アトランティスのこころ
後味は悪くないんだけど、どう見ても「スタンド・バイ・ミー」の二番煎じって感じ。個人的にはブロンコ・ナグルスキーが有名な人だってことがわかってうれしかった。てっきりプロレスだけの人と思ってたら、フットボール選手として有名だったとは知らなんだ。まあ、アーニー・ラッド他の例もあることだし…。彼はテリー・ファンクにとってもヒーローだったな。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2012-12-24 18:34:13)
140.  さらば冬のかもめ 《ネタバレ》 
 寒々とした光景(雪景色)と対照的な3人の友情を描くロードムービー。軍隊がもたらす人間性の変調に対する視線が暖かい。とはいえ中身は、ごく常識的な市井の人たちに対し自分らにとって都合よければの内向きの暖かさ。J・ニコルソンはホント、ちょい悪オヤジが良く似合う。だから嫌いだよ。  ハンバーガーのチーズとろりや半熟卵の要求はクレーマー養成か?ちょい悪水兵バッドアスに共感なし。居酒屋のマスターのように3人の友情のとばっちりを受ける人たち・・・思いは彼らに向く。  他人に迷惑かけておきながら「オレたちしっかり友情してるぜ」感が滲み出て後味の悪い映画だった。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2023-07-09 14:41:20)
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