141. リチャード三世(1995)
《ネタバレ》 英国の名優、サー・ローレンス・オリビエの「映画・リチャードⅢ世」が凄かったので、それより若いサー・イアン・マッケランの「リチャードⅢ世」ということで、英国中世の陰謀劇と思い、注文したビデオをみてビックリしました。なななんと!冒頭から戦車が壁を打ち破って進撃して来るではないですか「わぉー!」。こんな現代風にアレンジされてしまうとは・・・。しかし、ピカレスク映画としては「ハンニバル」に勝るとも劣らない位の迫力でした。その後DVDも買ってしまうほどのほれ込みようの自分にあきれて居ます。▼自分が殺した王子の妃の口説き方なぞ、本当に学ぶべき(?)ところが多かったのも事実です。あれだけ甘言を次から次と並べられれば、増悪すべき仇にすら心を許してしまう女心の儚さと本人のいらだたしさなどもよく描かれていました。ヒトの心の弱みに付け込んで行く凄みも垣間見させられました。次兄の暗殺場面の暗さは、切ないような暗さで背筋が「ゾック」としました。▼ナチそのもののコスチューム、演説、仕草、軍用列車、等々。最後は戦争映画とも思わせるくらいの迫力でした。さらにバックに流れるジャズ。何をとっても、とても原作がシェイクスピアとは思われない程モディファイされ尽くした傑作です。 [DVD(字幕)] 9点(2007-11-19 10:35:22) |
142. ワイルド・レンジ 最後の銃撃
《ネタバレ》 一番新しい久々の本格的西部劇だと思います。唯、独立系シアターで上映されたためか、ご覧になった方が少ないのは残念です。▼何しろ風景が抜群の美しさでした。まあ、観方によっては冗長とも取られ兼ねない位ゆったりと撮っていたと感じました。特に印象に残ったのは、草の飛び散る夕日に向かって撮ったショットで、草の匂いを感じるような見事なカメラワークだと思いました。誰方かもお書きになっていましたが、米国国民の独特な正義感が出ていて(特に決闘は終わっているのに、逃げ回る牧童にとどめを刺すシーン)、しらけてしまったのも事実です。ボスがその前に結構ヒューマニティ溢れた事をしていたのにです。そのため減点1です。▼最後の数分間の人物のやりとりは全て省いて、チャーリーは去って行き、プリンセス模様のティーカップセットだけアップにすれば、もっとカッコ良くなったと思うのですが・・・。やや蛇足ぽいクドサに減点1です。 [DVD(字幕)] 8点(2007-11-15 19:26:17) |
143. エネミー・オブ・アメリカ
《ネタバレ》 小生の好きな監督の1人であるトニー・スコット監督の作品です。製作者であるジェリー・ブラッカイマーとの黄金コンビで、見応えのあるアクションになっていました。▼発端となった、テロ対策のために国民のプライバシーを犠牲にしようとするNSA(国家安全保障局)の支持する「盗聴法案」に反対し殺されてしまう下院議員の役者さんは、ジエイソン・ロバーツといい、「ザ・デイ・アフター」で主役の外科医をやっていた人でした。また、イタリア・マフィアのボス役の役者さんも好きな役者さんの1人です。最後の銃撃戦が始まるに、奥さん(?)と子供達を、その場から離れるように指示したのには、いわゆるマフィアのファミリー意識(?)が撥露されており、さすがトニー・スコット監督と思いました。▼NSA(最近のアメリカ映画で、しばしば国家の陰謀や謀略の元凶として描かれる、国防省内部の諜報組織)の情報操作と盗聴追跡装置は凄まじいものがあります。自宅には隠しカメラが取り付けられ、電話は盗聴され、身体に発信器をつけられ、街頭での会話は集音マイクですべて録音され、電話の通話記録や銀行の取引記録が分析され、クレジットカードも使えなくなる。人工衛星、ヘリコプター、商店の監視カメラなども駆使されて、まったくプライバシー―は無くなってしまう。これらの技術の多くは、すべて既に実用化され使用されているとの事です。それらを曝露したこの映画はエンターテインメントであると同時に、個人と国家の利益対立を描いた社会派作品にもなっていると思われました。最新作の「ボーン・アルティメイタム」ではCIAがこれをやっていました。最後の方ではNSAの高官の自宅やその周辺に取り付けられ、逆手を取っていたのは痛快でした。最後のオチにもこれらの技術が使われていて笑いを誘っていたのは流石です。▼結構適当な色気とユーモアもあり、小生のお気に入りの1本です。 [DVD(字幕)] 9点(2007-11-12 23:59:16)(良:1票) |
144. ボーン・アルティメイタム
《ネタバレ》 最初の投稿が文字化けしてしまい、もう一度書く気力がないので、簡単な感想のみにさせていただきます。エンドロールでMOBYのextreme waysが流れ始まったとたん、涙があふれ出てしまいました。それだけ感動させられてしまいました。 [映画館(字幕)] 10点(2007-11-12 21:10:12) |
145. ボーン・スプレマシー
《ネタバレ》 皆様の評価は高いのですが、「自分が殺した(任務のためとはいえ)夫妻の娘(かなりの美人!)に謝罪するために、わざわざ危険のまつモスクワまで行く」という設定にかなり無理を感じました。スーパーマンではない生身をかんじさせるスパイであることは、あちこちに感じられました。CIAの裏をかくほどの技量を持っていることはわかりますが、信じられないくらいの活動資金源は不明のため、ややしらけた感じもしてしまいました。カーチェィスがあまり好きでない小生には、やや疲れた感じが残ってしまいましたので、やや低い点数となりました。まあ、世界中を飛びまわれる位のお金があれば、他の報復手段もとれたようにも感じましたが・・・。 [DVD(字幕)] 5点(2007-11-11 00:56:15) |
146. ダブル・ジョパディー
《ネタバレ》 もう少しテンポの速い復讐劇を期待していたのですが、やや拍子抜けする位でした。裏切った夫に対する憎しみがあまり伝わって来ませんでした。ただ、風景がきれいだったのと、主演女優が魅力的だったので、大甘ですが5点献上です。 [DVD(字幕)] 5点(2007-11-08 22:40:07) |
147. 合衆国壊滅 II/再襲来!M10.5 (TVM)
《ネタバレ》 あまりご覧になっている方がいらっしらないみたいですが、私はこのCG構成と基本的姿勢は絶対に今の日本の治世者には欠けているものと、改めて米国の大きさを感じました。「てめら!爪の垢でも煎じて飲んでみゃがれい!」ということで・・・・。お後が宜しいようで・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2007-11-08 00:10:45) |
148. バイオハザードIII
《ネタバレ》 「あたいとあたいのクローン軍団で全てを退治してやる!」と舞台は東京でⅣを作るつもりではないでしょうね?研究施設で使用しているパソコンはソニーのVAIOで最後が、芝浦・品川の東京、といういかにも・・・、から勘ぐりました。個人的にはⅡの都市部でのアクションの方が好みです。しかし、「Kマート」役をやっていたスペンサー・ロックという女優さんの目が魅力的だったのと、ミラが頑張ってアクションをしてたので4点となりました。音で脅かすやり方は耳に悪く、嫌いです。アンデッドがあまり怖くないのは如何なものかとおもいます。アイザックス博士のゾンビ級がぞろぞろ出てこなくてはならないと思いました。 [映画館(字幕)] 4点(2007-11-05 12:55:11) |
149. ニュートン・ボーイズ
《ネタバレ》 「ボニーとクロイド」のような話を期待していましたが、緊張感のないチンピラギャングの話で、がっかりでした。米国では銀行ギャングがカッコいいみたいに描かれている映画が結構あるのですが、やはり犯罪は犯罪で、義賊などということはあまりないものと考えています。日本の場合には、悪代官と悪徳商人がつるんでいるので、義賊もなりたっているのでしょう。「ロードトウパーティション」みたいに、悪玉だけの銀行預金を狙うといった方が私は好きです。 [DVD(字幕)] 4点(2007-11-04 17:43:22) |
150. マーキュリー・ライジング
《ネタバレ》 確かに設定がムチャクチャなところもありましたが、結構最後まで一気に見てしまいました。自閉症の子供は、感覚が普通の子供より鋭いと感じていたので、そのところは納得です。NSAという組織は他の映画でも結構危ない機関だったような・・・。 2年間住んでいたシカゴが舞台でかつ適当にロケもされていたみたいだったので、4点ということになりました。さかんにリビアに潜入しているスパイの話がでていたので、何かの伏線?と勘ぐり過ぎました。 [DVD(字幕)] 4点(2007-11-03 01:56:55) |
151. ユージュアル・サスペクツ
《ネタバレ》 皆様の評価は高いようですが、私は途中で厭きてしまいました。少なくともあまり緊張感を感じなかったのは事実です。 [DVD(字幕)] 4点(2007-10-31 17:11:53) |
152. イグニッション
《ネタバレ》 皆様に非難を浴びている主人公の娘は、明らかにダウン症です。あの独特の顔貌をよく映画に出演させたものだと、逆の意味で米国の凄さを感じました。米国ではダウン症といえども金髪になるということがよく分かりました。▼本編は題材はポリティカル・サスペンスでありながら、主人公2人が魅力がないので、まったく緊張感がなく、くだらない映画になってしまっていました。せっかくの面白い設定なのに、監督もセンスがないのでしょうね。 [DVD(字幕)] 2点(2007-10-29 22:19:41) |
153. ブレイブ ワン
《ネタバレ》 似顔絵まで描かれた女が逃げ通せるとは思いたくありませんが、復讐劇にしても、私には納得のいかない、不愉快な終わり方でした。米国のafter darkの怖さと銃社会であることは充分に伝わってきましたが、やや殺人狂的雰囲気を感じました。復讐劇でも「マイ・ボディガード」の結末の方が納得いきました。誰のことを「ブレイブワン」と言っているのかまったく理解不能です。エリカを指しているとすれば、それは大きな間違いであると思います。むしろマーサー刑事の方がある意味では勇敢な人と考えられるかも知れませんが・・・。ジョディの入魂の演技に5点です。 [映画館(字幕)] 5点(2007-10-29 14:16:30) |
154. ガンヒルの決斗
《ネタバレ》 昔、学校をサボって観に行った記憶があります。それまでに無かったタイプ(強いて云えば「真昼の決闘」と一人で戦わねばならない状況が似ていたかもしれませんが)だったので印象が強かったです。改めて見直して気づいたことなど。▼アンソニー・クインの経営する牧場の雄大さは、これぞ西部劇!!!といった美しさでした。奥さんあるいは母親を早世させてしまった父子の悲劇と考えると最後のセリフ「立派な息子にそだてろ!」と言った意味がさらに理解出来ました。自分と比較するほど世間ずれしていなかった自分を思い出しました。▼やはり、息子が死んでしまった悲嘆と怒りの状況での決闘では、精神的に負けてしまうのは当然と、少し同情しました。息子の悪友の俳優さんが、結構腰ぎんちゃくでありながら、みぇっぱりといった風情を出していたのが印象的でした。 [DVD(字幕)] 7点(2007-10-27 15:51:16) |
155. アダム -神の使い 悪魔の子-
《ネタバレ》 題名が「アダムー神の使い悪魔の子」とあったので、てっきりオーメン風の本当の悪魔の子の話と勘違いしていた小生がアホでした。クローン技術の説明は、納得いくところもありましたが、結局何を云いたいのかさっぱり理解できず、終わってしまいました。 [DVD(字幕)] 1点(2007-10-22 22:56:05) |
156. チーム★アメリカ ワールドポリス
《ネタバレ》 はじめてみる人形劇映画でした。エロ・グロ・ナンセンスの多分極地といっても云い映画なんでしょうが、米国風ジョークについていけませんでした。何故、金正日と米国俳優協会とが結びつくのかが、最も判らなかったところです。ゲロを吐くところは噂どおりひどいものでしたが、その意味も理解不能でした。唯、人形劇にしてはかなりの詳細まで凝った作りで、その熱意を評価します。 [DVD(字幕)] 4点(2007-10-22 00:55:27) |
157. ランボー
《ネタバレ》 1982年の劇場封切りで観て、今までに観たことも無いようなアクション映画で、ビックリした記憶があります。最近見直して、幾つか感じた事を纏めてみました。▼ランボーナイフを始めとして、M16A1,M72,M60といった銃器も出てきて、まるで戦争映画を観ているようでした。また、ランボーのサバイバルテクニックは、非常に納得のいくものでした。腕の傷を自分で縫合した場面では「ゴルゴ13」を思い出しました。▼ロケが行われたのは、カナダのブリティシュ・コロンビア州で、ネルソンという街でも行われたそうですが、本当に緑が美しく実際には映画の殺伐とした内容とは対照的にのんびりとした所であるとの情報ももらいました。破壊されつくす街はセットだったそうで、実際の街が破壊されたわけではなかったそうです。▼最後のランボーの独り言が、この映画での聞かせどころだったのでしょうが、やはり戦争実体験のない小生には、ピンときませんでした。 [DVD(字幕)] 7点(2007-10-21 18:05:48) |
158. ペイチェック 消された記憶
《ネタバレ》 設定、筋書きなどがまったく理解できず、何を言いたいのかも理解できず、時間の浪費でした。記憶の一部のみを破壊できるなどというこっとうむけいな話そのものから観るのをやめておけば良かったと後悔しています。 [DVD(字幕)] 0点(2007-10-20 13:22:23) |
159. キングダム/見えざる敵
《ネタバレ》 米国の正義を振りかざした映画であることは、覚悟していました。しかし、手持ちカメラと望遠・ズームの多用は、眼が疲れ、よく物を考えられなくしてしまい、最後には眼を閉じていました。タダタダ疲れた感じのみ残りました。最後の銃撃戦の音が本物らしく、それに2点です。 [映画館(字幕)] 2点(2007-10-15 13:55:15) |
160. ラスト・オブ・モヒカン
《ネタバレ》 お気に入りの映画の一つです。また最近になり観直しましたので、改めての感想です。 ヒロイン・コーラ役のマデリーン・ストーンの気品ある端正な美貌は、何回観ても惚れ惚れします。幼馴染のヘイワード少佐とのお茶の場面もヨーロッパ・テイストの美しいものでした。ヘイワード少佐が着任するために通った道も、まるで絵のような(映画だから当たり前ですか?)美しさでした。▼殺伐として、かつ切ない本映画の中で唯一「ほっ」とする主人公達3人が友人の丸太小屋で夕食をごちそうになる場面で、結婚を薦められ「男の子を生め!」といわれ、ひざの上に抱いた男の子をさして、「こんな強い男の子では、こちらがまいってしまう」という台詞はお気に入りの一つです。▼インディアンのマグアに最初に襲われる場面では、英軍が一斉射撃をするのが分かっているので、その一斉射撃を樹の影でかわした後に攻撃するといった細かい戦法まで示し、さらに本当に頭皮を剥ぎ取る場面、大きなトマフォークを投げる場面、マスケット銃をピストルみたいな使い方まで出てきたのには、さすがマイケル・マン監督!と思いました。▼歴史に残るウィリアム・ヘンリー砦の戦いでの砲撃戦は、「良くこんな場面が撮れたものだ」とビックリしました。臼砲が出てきていたのには、思わず「二百三高地」を思い出しました。▼嫉妬に狂い、ホーク・アイを反逆者に祭り挙げたヘイワード少佐が最後にコーラの身代わりになり火あぶりにされる場面では、最後に英軍男児らしい潔さをみせて、なかなかやるもんだと感嘆しました。▼全編を通じて、バックに流れていた音楽は、時に勇ましく、時に切なく、映画の情感を非常に盛り上げていました。▼この映画の根底には、滅び行く種族の悲しみが溢れていたのは勿論ですが、大恋愛映画でもあり、かつ人間として生きて行く困難さ(?あまり良い言葉が思いつきません)も流れていたような気がしました。 [DVD(字幕)] 10点(2007-10-14 11:16:18)(良:1票) |