1. エリザベス:ゴールデン・エイジ
《ネタバレ》 おっと失敗しましたね、続編なんて作っちゃって。 これはもうどう考えても前作の質をキープできなかったし、「1」の面白さは「不遇なエリザベスが逆境をはねのけ王位を確固たるものにするまで」という絶好のシチュエーションが可能にしたところが大きかったのです。「2」はそういう意味でドラマ性においては「1」を超えることはできませんし、なおかつ脚本も演出もヤル気が感じられない。全然。 必死に吠えているのはブランシェットのみ。もう、こんなテキトーなことでいいのかしらと思います主役が彼女じゃなかったら、最後まで見る気はしなかったでしょう。 フェリペ2世をひたすら悪魔のような悪者として出すあたり、バカとしか言えない脚本演出。…バットマンとか子供向けのアニメじゃあるまいし、なんだと思ってるんだ客を。 ワイルドで色気のある男を登場させよう…といってわざわざクライブ・オーウェンを出す。はっきり言って、ローリーはいなくてもいい役です。ミエミエです。 メアリ・スチュアートはひたすら無力であまり賢くない女にされてます。なんのために。 結局、「悪いスペインが滅んで、神が味方した女王のイギリスが栄えましたとさ」というラストへ収束させるために。つまり、エリザベス一世の一人勝ちを強調するために。バカじゃないのか。 こんなアホらしいラストも珍しいです。本気でやっているんでしょうか。これならば、バッキンガム宮殿限定で上映するために作ったとしても不思議じゃない。 もしも日本人が、元寇を追い払ったのは良い天皇に神が味方したからです、なんて終わり方をする映画を作って世界に配給したならば、正気を疑われてしまいます。なんでイギリスなら許されるのか? そもそもスペイン人はどう思っているのだろ。いや~そういう意味で滅茶苦茶なだけでなく脚本演出もテキトー、どうしたものか。ブランシェットよ、脚本を読んだ段階で断れよな…。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-05-20 00:08:08) |
2. 88ミニッツ
《ネタバレ》 ネタばれますので注意。 「8月のメモワール」とか「アップライジング」などのヒューマンドラマを撮ってきたアブネット監督が、なぜこのようなショボいTVドラマもどきのシリアルキラーものを?? 私は「8月」とかすごく価値のある映画と思っているしー、アブネットがそこらの十羽一絡げの安い監督と同じとは思っていなかった。でなければパチーノが出ていてもこんなの見ない(パチーノは「リクルート」とか安い前例がある)。 今回の内容は、FOX製のTVドラマでも最近は質の良いものがあるのではっきりいって見なければ良かったというようなお粗末さだ…。 私はもう正直パチーノが老いても枯れないスキモノ老人を演じているところを見たくないなあ。勘弁してもらいたい。もっとこう、マジメで堅実な年金生活者とかいっぺんやってみたらどうよ。今までは映画に出れば物をこわし周囲を散らかすばっかだったんだから、清掃活動に励む善意の老人とかさ。 最近のパチーノといえば孤高で喰えない老人系がすっかり定型化してしまってとてもつまらない。 まあそんな感じで、この作品もパチーノの枯れない老人力を当てにして作られているようで、だからそれはもういいってば、という感じなのだが、パチーノ頼みのあまり20代の女が「先生と寝るのが夢」とかどう考えてもムリムリな構成に、犯人当ての意味もないような不自然きわまりない真犯人であって、ええー、ちょっと観客バカにすんのもいいかげんにしてと思う。 するってえとなんだ、あの女は自分と同じくらいの体重の他人を襲って縛って釣りおろすとかひとりでできるわけだからすごい筋力なわけよね。そうは見えないけども。あんだけの金髪ロン毛をバイクのメットの中に見えないように入れるのも大変だと思うけど、メットの着脱の際にはその都度気を使って毛を入れていたということよね。そもそも死刑囚のフォースターは、面会時間だけで他人を洗脳して操る才能があるほどの男ならなんで簡単に捕まってしまったのかヘンだなあ。考えれば考えるほどリアリティが無くなっていき、いまどきこんな怪人二十面相のようなことでいいのだろうか…。パチーノは作品を選んでほしいです(私の希望としてはセントオブウーマンぽいほのぼの系でお願いします)。 [DVD(字幕)] 5点(2008-12-06 19:31:51) |
3. エニグマ
《ネタバレ》 これはなかなか質の高い力作だ。ミック・ジャガー入魂のプロデュース作品だけのことはある。「いっとき話題になって消えていくより残る作品を」という彼の言のとおりだ。 悪い女にだまされて滅入っているうぶな数学者、という超プライベートなつかみから入って、話が全世界的に放射線状に広がっていく感じはストーリーづくりとしては面白い。 また、戦時中の隠された解読基地というドンパチやっていない場所で、どのように「戦争」を描くのか、ということにも細かな配慮がされている。例えばケロイドだらけの元海軍の片目の情報員、受信基地の女性兵士の発言(自分達の役割は意味の分からない暗号を受信して伝えるだけで戦っていることになるのか)、カチンの森でのドイツ軍による発掘作業、など。戦争映画の棚にあるのに、誰一人血を流して死ぬ場面を写さず、戦争の裏側を描く。ひとつの試みだ。 ヘスターという新しい女性像を登場させて、「女の頭脳が男より劣っているなんてことはない」なんてこの時代に言わせてしまう。彼女は現代でも堂々通用する女性であり、「守られるだけじゃイヤ。あたしだって何かやれるわよ!」というパンチの効いたたくましい女なのだ。このヘスターのキャラが効いていて、基地内での男ばっかの政治的な人間関係でげんなりした女性客をシラッとさせずつかんでいく。しかもブリジョン並みの豊満ボディに変身したケイト・ウィンスレットはなかなか可愛く(甲乙つけがたい)、なおかつ女性の嫉妬心も煽らない、グッドなキャラである。ケイトはいつもこれくらい太っていてもよいのでは。 そしてジェレミー・ノーザムの嫌らしさといったら見逃せない。まんま50年前の映画から抜け出たようなそのクラシックな容姿、イギリス紳士は常に身だしなみをかっこよく、そしてやることはえげつなく。いいですねー、ノーザム。俳優さんとしては、古典的な容貌が邪魔して使いにくそうだが。私はディカプリオだのブラピだのと受けを狙った顔立ちよりこういう正統派のハンサムを見ると、なにか「感動」に近いものを感じるなあ。生き残っていた絶滅保護動物を見るような。 あ、ダグレイ・スコットのアスリート並みの全力疾走は一見の価値あり。早回しか?というほどのド迫力だ。数学者にしてあの徒競走走り、デキる。 [DVD(字幕)] 9点(2006-08-27 21:48:03)(良:1票) |
4. es[エス](2001)
《ネタバレ》 なんていうか「蝿の王」の大人バージョン?だいぶちがうけど、印象的には似てる。これほどまでに神(もちろん創造神)がないとダメなのか欧米人は。農耕性の欠如。とってつけたようにレイプシーンを入れるのはやめましょう。 [DVD(字幕)] 7点(2005-12-25 11:18:15) |
5. エイリアンVS. プレデター
《ネタバレ》 ネタがネタだけに、まともな評価がされないおそれがありますが、楽しめた。 プレデターと人間の女が協力してしまう、そのアイディアはなかなかよいではないか。 1人のプレデターを特化して描いたのもよかった。もっともよかったシーンは、プレデターが、エイリアンの頭を武器化してヒロインに渡すところ。個人的に、続編のネタを考えて楽しんでしまいました。あのヒロインが子供プレデターを助けて、養育するっていうやつですけどどうでしょう。それで、研究機関から守ろうとして、闘ったりするわけ。そこに、とうちゃんプレデターが迎えにくるとかいうんだけど。いいと思うけどなあ。 [DVD(字幕)] 8点(2005-11-02 22:49:46) |