1. かがみの孤城
《ネタバレ》 なかなか面白かったけれど少々気になる点も。まず狼の仮面を被った少女はスバルのお姉さんであったわけで、私が亡くなったら神様にお願いしてスバルの願い事を叶えてあげる...であのかがみの孤城が誕生したみたいなのだが、それにしてもなぜ孤城?病室に孤城ののドールハウスがあったけれど、別にスバルは孤城を望んでいなかったしスバルの望みはお姉ちゃんと一緒に学校に通いたい、だったはず。だからそこがちょっと疑問。それと1番のクエスチョンはなぜ門限過ぎると狼に食べられちゃう設定になっているのか。物語終盤で実際にスバル食べられちゃってたし、あれでこころも城にいたらみんな死んじゃってたってことでしょ。いや~そこがやっぱり腑に落ちないな~...。例えスバルに成長をするための試練だとしてもあまりにも酷すぎないか。あとこの作品にとって個人的にとても好きな、個人の願いかみんなとの思い出かの二択がいとも簡単になかったことにされちゃったこと。あれは究極の二択だからこそとても深い意味があるわけで、覚えていなくてもそれでも運命的な出会いをみんなしていくほうがドラマチックだったと思うんだよな~。本当にあれはそりゃないよだった。それとアキのお婆ちゃんが亡くなった通夜の日にお父さん?義理のお父さん?よくわからないけど、なんで急にアキのことを襲おうとするんだ?あの展開がよくわからなかった。前々から狙っていたけどお婆ちゃんがいつも家にいるから邪魔だったのか?なんかね、あまりにも急な展開すぎては?てなってしまった。てかそもそもアキはその襲われる前から登校拒否になっていたはずで、アキの登校拒否の理由だけはよくわからなかった。 色々と不可解なところもあるけれどそれでもこの作品の根底にあるテーマは好きだし、物語のキーパーソンである北島先生が年代ごとにちゃんと年相応な顔立ちになっている細かい演出もなかなか手が込んでいて好感は持てる。(←見返して気付きました) それと一番グサッときたのは、ウレシノがどうせ笑ってるんだろう!て言ったあとにこころが、うんうん笑ってない...いや笑った...ウレシノだからいいやって笑った,,,ここ!ここですよここ!笑われてた者が自分よりも格下に見える相手を笑ってしまうこの負のスパイラル。さらっと流して物語は進んでいくけれど、これははっきり言って刺さりましたね。 傷つきやすい多感な時期の少年少女の繊細な心理を描いている作品なので、アニメ映画ならではのダイナミックさや躍動感はあまりないけれど、観たことで色々と考えさせられる点もあって記憶に残る映画になりました。 [インターネット(邦画)] 6点(2024-04-17 21:49:44) |
2. 仮面病棟
《ネタバレ》 緊急搬送された身元不明の患者。その患者の臓器を勝手に抜き取り、社会的地位の高い患者に移植する。無許可の違法手術で。闇取引で。身元不明っていうのもそうじゃない場合、病院側が身分証などを処分してでっち上げちゃうんだからタチが悪すぎる。でもね、ん?てなる。緊急搬送するのは消防署の救急車なわけで、搬送中に身元確認とかしないのかな?それに強引に身元不明患者にされても、医院長や違法移植に関わった者たちが不在のタイミングさえあれば、いくらでも逃げ出せるのでは?まあ強引に身元不明にされたのが、たまたま永野芽郁ちゃん姉妹だけだったのかも。 とここまでは重箱の隅をつついてみましたが、なかなかどうして思いのほか楽しめました。ただ一つだけ言わせてもらえるならば、やはり永野芽郁ちゃんにはちゃんと罪を償ってもらいたかったな。お守りを返したあとに自首したかは想像にお任せしますじゃなくってね。つうかよくよく考えてみたら、病院内で堂々と大谷亮平さんを殺害しちゃってるんだから半年もよくまぁ逃げおおせたものです。はい。あ!結局また重箱の隅を・・・(^_^;) でもね、面白かったですよ、普通に。 [インターネット(邦画)] 5点(2021-12-03 18:47:23) |
3. 海底軍艦
《ネタバレ》 57年も前の作品なので、温かい目で観なければいけません。有料ネット配信の良いところは、現時点での放送禁止用語を遠慮なく聞けること。昔WOWOWであしたのジョーが放送された時は、ピーの連発で興醒めしちゃいました。やっぱり「オリジナル」をそのまま視聴できるのは時代も感じられて、とってもノスタルジーです。 海底軍艦に付いている砲門から何も発射されなかったのがちょっと物足りなかった。 水中で冷凍光線発射してるのに、海水は凍らないのね(笑) 警察に届いた爆発物かもしれない小包を、なんの躊躇もなくソッコーその場で開封しちゃうぶっ飛んだ展開が大好きです!w 囚われたムー皇帝が、ムー帝国の心臓部についてハッキリと答えちゃって、嘘のつけない不器用な奴で好感度UPです! 音楽がやっぱり格好良い! エキストラたちのへんちくりんな踊りも、なんだか愛くるしく見えてくるから不思議w 今見て思うのは、古きものは淘汰されていく、てことですかね。でもこの古き映画には、たしかなるロマンがある!過去は永遠です。 [インターネット(邦画)] 5点(2020-09-08 14:43:03) |
4. 学校Ⅱ
正直言って私は障害を持った人が苦手である。なぜなら彼らと対峙した時の自分が、あまりにも醜いから。偏見と差別で彼らを見てしまうから。これは本当に隠しようのない私自身の性なんです。 そんな私にはこの映画はあまりにも大きく寛大で、手の届かない理想郷のようなものでした。こんなにも生々しく心に訴えかけられたら、己の本性を剥き出しにされてしまいます。とんでもない映画です。 「子供たちに迷惑をかけられるのが教師の仕事でしょ」「教師が楽できる手のかからない人間を作ることが学校教育だと思っているの?」 この作品を教員免許習得前に観せることを、どうか義務付けてほしいものです・・・。 [インターネット(邦画)] 8点(2019-11-29 22:25:48)(良:1票) |
5. 海賊とよばれた男
《ネタバレ》 会社というのはやはり人なんだな~、ということを改めて実感した。そして、トップに立つべき器のある人物には、自然と人が集まってくるんだな~、としみじみ感じた。 敗戦して、日本がアメリカにいいように手懐されていく中で、日本人の誇りを最後まで捨てずにいた主人公に、素直に胸が熱くなったし、今の日本において一体どれだけの人がその誇りを持っているのか、そんなことも考えさせられた。 時代背景的にどうしても体育会系のノリになり、言葉使いも仰々しくなってしまうのは仕方がない。けれど、もう少し抑えても良かった気もします。映画というより舞台劇な印象。 岡田くんは悪い俳優ではないが、特殊メイクによって実年齢よりもかなり高い年齢の容姿となり、高齢者の演技をしていましたが、どうしても身体全体から滲み出てくる哀愁を感じられなかった。特に90歳になり、ユキのことを告げられ号泣するシーンは、半世紀近い歳月の憂愁さを醸し出せず、ごくありきたりな号泣になっていた。まああそこのシーンは、かなり難しいとは思いますけどね。 歴史に詳しくないので良く分からなかったのですが、日章丸が我国は独立国家で云々とイギリス海軍に通信を送っただけで、どうしてさんざん危険だ!危険だ!と騒いでいたのを回避できたのか?あそこんところがイマイチあっさりな感じで、どうもしっくりこなかった。勉強しろって言わないで、映画の中だけで納得したかったな。 CG,VFX,特殊撮影、かなりレベルが良くって、自然と映画の世界に没頭できた。うん、なかなかどうして、日本の技術も捨てたもんじゃない。 [DVD(邦画)] 6点(2017-08-15 00:49:26) |
6. 家族はつらいよ
こういった映画を作ってくれる監督って他にいないのかな~。いいんだよな~こういうの。この味はハリウッドには出せないもんね。日本人による日本人のための日本映画。万歳!とてもほっこりできました。 ただラストがちょっと私はう~ん・・・でしたね。だってあれじゃあまるで東京物語を観て、その中のセリフに感化されたみたいで、他人の作品の力を借りるの?ってちょっとモヤモヤした。そりゃね分かりますよ私だって、山田洋次監督がめっちゃ尊敬している人のだっていうことくらい。ただね、それはそれこれはこれ、でキチンと分けて欲しい。作中に出すのはいいけど一番重要な役目として出すのはいかがなものかと、はい。 まあでもね、この映画の持つ独特の空気は、今の日本映画には貴重ですね。 [DVD(邦画)] 6点(2016-08-16 23:12:30) |
7. 仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル
ここ最近の「MOVI大戦」は、昭和ライダーや東映の懐かしきキャラを登場させたり、話や作り方がシリアスなものが多かった。それはそれで楽しいし個人的にはアリなので問題ない。しかし今作はそれらのモノとはちょっと一線を画している。鎧武はシリアスに。ドライブはコミカルに。その両者がいい感じにまとまっていて非常にバランスの良い仕上がりに。特にお互いの変身アイテムを交換しての変身は最高にバカバカしくも、絶妙な楽しさを提供してくれた。ラスボスの本陣に突っ込んでいく過程での漫才みたいな掛け合いも、他のMOVI大戦ではあまり見られなかった光景で、そうそうこういうのを見たかったんだよな~、てすっげぇ歓喜しちゃいました。本当に面白かった。 まあね、重箱の隅を突けばそりゃあいくらでもアラは出てきますよ。でもね、私は先にも述べた楽しめた要素だけで十分腹八分目になれたので、これ以上言うことはありません。 [DVD(邦画)] 6点(2016-06-04 20:35:09) |
8. 仮面ライダー1号
仮面ライダーゾンビ!? いやぁ~記念すべき45周年と、1号という冠を付けた華々しい作品・・・のはずなのに、色々とやらかしてくれちゃいましたね。もはやツッコむとかいうレベルじゃないです。友達とライダーごっこをしたり、ライダーカードを集めまくってた少年時代。永遠のヒーローで普遍的な憧れである仮面ライダー1号、そして本郷猛。そんな1号ライダーをよくもまぁ~イジリ倒してくれたもんだ。「子供だまし」という言葉があるが、この映画はまさに「大人だまし」ですね。制作サイドは役者「藤岡弘」に心酔しすぎ。気持ちは分かるけどもっと「1号」と「本郷猛」をしっかりと見て欲しい。ついでに言うなら「地獄大使」もね。とにかく「藤岡弘」の色が濃すぎます。何人かの子供は途中飽きてましたよ。(^_^;) 次はなんだ!V3か?頼むから同じ轍を踏まないで!お願い! [映画館(邦画)] 3点(2016-03-26 18:03:36) |
9. 神さまの言うとおり
《ネタバレ》 安っぽCGもアイデア次第。使い方によってはその安っぽさが逆にいい味になる。この映画がまさにそう。ブッ飛んだ設定でもうほとんどマンガ。マンガだからこそ安っぽいCGがマッチする。結果的に違和感がなくなる。そして変なリアリティが生まれる。なので何の抵抗もなく受け入れられた。テンポもよく飽きさせないのも良い。次々現れる遊びをどうクリアしていくのか。その辺のアイデアも良かった。ただダルマはちょっと強引過ぎかな。ラストのオチさえ何とかしてくれたらもっと高評価できたかも。広げた風呂敷をたたまずに終わるのって嫌いなんで。 [DVD(邦画)] 5点(2015-12-20 17:56:51) |
10. 駆込み女と駆出し男
《ネタバレ》 駆込みが成就するまでがやや退屈。そこからはテンポもよくて飽きずに観れた。ただそのテンポのせいか全体的にオムニバスな仕上がりとなり、個々の話に強い感情移入は出来なかった。平均点止まり。そんな平均点止まりに貢献した役者さんたちの演技は、片意地張らぬ自然体な感じでこの作品に大きな魅力を吹き込んでくれてます。そして大泉洋はいつもの大泉洋のままなのだが、それが功を奏している。彼だからこその味がとにかく気持ちいい。まあ結果的に「大泉洋」という役者が好きか嫌いかでかなり評価の分かれるとこかな。得意の話術が見せ場となる回数の多いこと多いこと。吉原の連中を追い返す行はお見事としか言いようがない。あと想像妊娠の治療も面白かった。現代言葉を流用するとこも好きだし、それと対になる方言の暖かさも好き。じょごとお吟の別れのシーンでのあの方言にはやられました。 [DVD(邦画)] 5点(2015-12-06 16:55:48) |
11. 風に立つライオン
《ネタバレ》 B級テイストの作品を得意とする三池崇史監督が、まさか壮大なヒューマンドラマを手掛けるなんて・・・。もうビックリ!でその感想ですが、確かに感動はしますし、いいお話だな~とも思います。主役の大沢たかおもなかなか良い!しかし何というか、大沢たかおの日本の恋人さん関連のシーンがちょっと多すぎで、少々ダレます。その分をカットしてもう少しコンパクトにまとめた方が良かったかも。まあそうは言うても原作がそうなら仕方ないのかも。サンダーバードがシュバイツァーの伝記になってしまったとこは、良い終わり方でした。好きです、こういうの。 [DVD(邦画)] 5点(2015-10-22 22:33:59) |
12. 神様はバリにいる
《ネタバレ》 堤真一はもう完全に名コメディアンですねw パッとしなかったヒロインが気付くと魅力的な女性になっていて、うわっ!やられた~・・・てなりました。ご都合主義の夢物語。たしかにそうかも。でもさ、いいじゃん!映画なんだから。と思ったアナタ!これ実は実話なのね。はい!出ましたダジャレ。頭の回転良くなるね。で、あのデビ夫人も知ってる超有名人らしいです。モデルの人は。いやぁ~実話と知って観てたら、もっと違った感じ方したんだろうなぁ~。ただね、帰国したヒロインには日本でもっと頑張ってほしかったな。それだけかが残念。それにしてもあのANIKI・Tシャツどれもこれもみ~んな、欲しいなぁ~・・・。www [DVD(邦画)] 5点(2015-06-22 22:02:48) |
13. 紙の月
お金の返済のことで重たい空気になり、池松壮亮くんが明日からアルバイト探してなんとかするから、と言った後、神がかった演技をした宮沢りえ。さすが、最優秀主演女優賞を掴んだだけのことはある!素晴らしい!そして小林聡美の、お金で自由にはなれない。仰る通りで・・・(^_^;) [DVD(邦画)] 6点(2015-06-21 21:26:01) |
14. 風立ちぬ(2013)
主人公の感情の起伏の乏しさにはやや困惑を覚えるものの、紳士であるがゆえと解釈をして鑑賞すればさほど気にもならなくなる。むしろそこに監督の狙いがあるのでは、と勘ぐりたくもなる。淡々としたドラマの中に、小さくて力強いモノを感じるのも、恐らくはそのせいであろう。生きることはとても困難。困難が故についつい乱れたりもする。しかしこの作品は常に美しくあろうとする。美しく生きようとする。それが気持ちよく伝わってくる。CGではなく手書きだからこその気持ちよさでもある。しかし、どんなに美しくても戦争の武器を作っていることには変わらない。どんなに美化しても人殺しの道具である。時代のせいにしてもこの作品には、人の生き死にを問うことに疑問を感じずにはいられない。なぜか「戦争」そのもに目を背けているようにも見える。「戦争」は決して美しくはない。むしろ残酷である。その残酷さをあえてオブラートで包んでしまっては、生死をテーマにするのはピンボケである。もう映画は作れないと言った監督。美しく幕を引きたかったのでしょう。 [DVD(邦画)] 5点(2014-07-04 08:29:14) |
15. カラスの親指
《ネタバレ》 鶴見辰吾が戻ってきたシーンは、ドキっ!として一本取られた。親指の話は、ついつい真似てしまった。石原さとみが可愛かった。小柳友くんが演技達者で騙された。とここまで良かった点で、ここからそりゃあないだろうな点をいくつか。安物の香炉のエピソードで、お金は受け取らなかったみたいに言っていたが、それでは店の主人が一銭も払わずにテツを追い返した、てことになりますよね。ありえないでしょ、いくらなんでも。まさか香炉を返した、もないでしょ。だって50万円で買いたいって客がいるんだし、ね。それから馬券詐欺だって、当たり馬券を下に仕込んでおいたって言ってましたけど、あのね、騙されたって分かった時点で破り捨てちゃいますよ普通は。相手からお金は受け取っているんですから、偉そうなことは言っちゃダメですよ。タケだってテツと出会う前は詐欺で飯食ってたわけだし、ま、まさか!馬券詐欺が初めて!?な~んて言わないよね?それに、やひろたちだって何かしら罪を犯して生活してきたわけですよね。そんな人たちを、キレイにまとめあげようとすること自体ナンセスだ。人生のどん底を味わっても、犯罪に走らずに必死に生きている人たちはたくさんいるんだ!ってまぁこれは、「お話」だから仕方ない、ということですかね。ただ私は、映画の完成度うんぬんを差し引いて、彼ら彼女らに共感することは、出来ませんでした。最後に一言。20世紀フォックスのロゴが出てきた時はビックリしました。あれ?間違ってレンタルしちゃった、て思いましたよ。まんまと騙された(笑) [DVD(邦画)] 4点(2013-06-10 09:16:54) |
16. 鍵泥棒のメソッド
《ネタバレ》 良く練られた脚本。安定感抜群の俳優たち。いい映画であることに間違いはないし、誰かに薦めることもできる。だがしかし、私にはちょっと温度差がありすぎて、まるっと受け止めることが出来ませんでした。あまりにも「いい人」ばかりで、まるでおとぎ話。現実感が全くない。そう、これはファンタジーなのです。散々コケにされてもキレないやくざ。大金を手に入れても人の業に溺れない、売れない俳優。その大金を使われても腹を立てない便利屋。いい人だらけで、話の展開の面白さはあっても、心理描写は平坦で驚きがない。外面ばかりに気を使いすぎ、ですね。もしかしたら、香川照之の役を本物の殺し屋にしたほうが、思わぬ化学反応が起きてたかもしれません。 [DVD(邦画)] 5点(2013-05-15 10:27:55)(良:1票) |