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タケノコさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 575
性別 男性
年齢 50歳
自己紹介 管理人さま、レビュアーのみなさま、いつもお世話になっております。

タケノコと申します。

みなさまのレビューをとても楽しみにしています。
( まるで映画のように、感動し、笑い、ときに泣きます )

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241.  光(河瀬直美監督作品) 《ネタバレ》 
美佐子が目の不自由な方たちを前に、音声ガイドの試写会をしている場面などは、まるでドキュメンタリー映画のような見せ方で、淡々と物語は進んでいく。中森と美佐子の出会い、それは彼の叱咤に始まり、河瀨監督らしくカメラをきっかけにして、やがて打ち解けていき、いつしか深い信頼関係で結ばれていく。重苦しい題材の中にも、微笑ましい食事の場面などが存在し、抜け目なく二人の"喜怒哀楽"は描かれている。老いとその先に待つ死、しだいに見えなくなるこの世界の風景。誰にとっても、生きていくことは苦しくて、ときには立ち止まりたくなる。だが、俳優重三は、待つよりは険しい坂を登ることを自ら選んだ。「大丈夫だから。俺がそこに行くから。」この中森の言葉は、前進する覚悟をしたという、美佐子への誓いも含まれているだろう。その二人を祝福する、燃えるような夕陽。その先に何が待とうとも、生きることを恐れずにただ前進すること。一人では苦しくて険しいその道に、愛が力強く寄り添う時、そこに初めて希望という"光"が射す。
[映画館(邦画)] 8点(2017-06-15 21:29:03)
242.  湯を沸かすほどの熱い愛 《ネタバレ》 
日本人が信じて疑わない"当たり前"をぶち壊してくれた映画、と思っています。例えば冠婚葬祭にやたらとお金をかけること。お祝いごとはまぁいいとしよう。でもお葬式はね~。ただでさえ大事な人が死んで悲しいのに、葬儀代でさらに大金を絞り取られるなんて、まさに弱り目に祟り目、泣きっ面に蜂。この映画を観ていたら、別にお金をかけなくても、心を込めて送り出せばそれでいいんじゃない?なんて思えました。もう一つ、葬儀とか決まって黒のイメージが付きまとうのに、そこに赤ときたか!という感じ。生前のイメージに合えば、別に黒じゃなくてもね。殴ったり叩いたり(蹴ったり笑)の関係だって、お互いに愛情と信頼さえあればね。赤いメッセージそれは、愛情の象徴としてだけではなく、毅然とした正しさや正義の象徴としての赤、とも感じました。いろいろな意味でりえお母さんに元気をもらった映画です。明るく笑顔で送り出してあげたくなるような、そんな人でした。だから天国に旅立つ彼女には、"情熱の真っ赤な薔薇"を捧げましょう。
[映画館(邦画)] 7点(2017-05-16 23:28:50)
243.  おと・な・り 《ネタバレ》 
私は集合住宅住暮らしですが、、洗濯物を干していると隣りの部屋のおばちゃんとバッタリ、何てことはしょっちゅうです。出かけるタイミングでよく出くわすことも。だから日常生活で一度も顔が会わなかった、とはさすがに現実味がなさすぎ。そもそも、おとなりの物音が筒抜けの部屋なんて、自分なら絶対に勘弁。あと、都会のカメラマンはイケメン、という毎回お約束の設定はどうでしょう?まるでデブにモデルさんたちは綺麗に撮れない、と言わんばかり。(禁句か) 採点3点ですが、作りすぎた筑前煮をいつもおすそ分けしてくれるおとなりのおばちゃんにプラス2点捧げます。
[DVD(邦画)] 5点(2017-05-10 21:41:47)
244.  日本で一番悪い奴ら
こち亀の両さんが模範警官に見えてきた。
[映画館(邦画)] 6点(2017-04-19 21:56:56)
245.  秒速5センチメートル
秒速5センチメンタル。
[DVD(邦画)] 7点(2017-04-19 21:54:20)
246.  この世界の片隅に(2016) 《ネタバレ》 
戦争を題材にしたよくあるアニメーション映画だろう、と軽い気持ちで鑑賞に臨んだことを後悔するほど、心に強い衝撃を受けました。この映画、"戦争"を題材にしながらも人間の狂気は見えません。あくまで物語の中心はその時代の人々の生活、戦争はあくまでそこに存在した一つのできごと。まるで"日常"のように、近くで軍が大砲の演習をして、夕焼け小焼けではなく空襲警報が鳴り響く。悲しいことに、人々は誰もが悲劇が"悲劇"である感覚を失っていた。でもそれが戦争の本当の恐ろしさでもあると思います。アニメならではの見どころも多く、特に防空壕の中で感じる空襲の生々しさなどは、想像をより掻き立てる分、ある意味で実写よりよほど恐怖をそそるかもしれません。草木や花や海の繊細な優しさ、戦艦の雄々しいたくましさ、終戦後に部屋に灯る希望の明り。絵から一貫して伝わってくるのはあの時代を強く生きた、先人たちの"心"です。そして、人生に必要なものは、勇気と想像力とほんの少しのお金。先人たちは生活の中にそれを心得ていた。この映画は日本人の心の歴史そのもの、どうか後世に伝えていきたい。
[映画館(邦画)] 9点(2016-12-01 18:08:22)(良:2票)
247.  晩春 《ネタバレ》 
結婚が本作の大きなテーマでありましたが、紀子に対するこの若さで既に嫁に行き遅れたような扱い方等々、公開から半世紀以上が経ち、世情の変化とともに結婚に対する考え方も大きく変わったのだなと感じました。父と娘の物語でもありましたが、周吉が再婚すると聞いた後の般若のような紀子の表情、紀子の周吉に対する執着心から察するに、彼女は無意識のうちに周吉を男性として意識していたような気がします。父と娘の間に垣間見える男と女の意識。それを小津監督が描きたかったかどうかは、私には判りません。話のテンポは小気味よく、おばさん杉村春子のがま口の嘘には笑わされました。周吉が紀子に仕掛けた一世一代の優しい嘘には泣かされました。自分がいつか親になったら、また観直してみたいと思います。
[DVD(邦画)] 9点(2016-09-20 21:21:28)(良:1票)
248.  海がきこえる<TVM> 《ネタバレ》 
本作は決して宮崎ジブリのような高い完成度ではない。でも作り手の映画に懸ける熱意や郷土愛が映画の雰囲気からよく伝わってきて、私はとても好きな作品です。本作の物語、魔法やファンタジーがあるわけでもない、奇跡も何も起きないただの若い日々、これは宮崎ジブリに慣れていた私にとっては逆に新鮮に映りました。でも若いときは気づかなかったけど、若さと平凡な日々はもうそれだけで奇跡ですよね。私自身、青春時代を海も山もない都心近郊で過ごしたこともあって、はるか遠い街、海がきこえる故郷は昔から憧れでした。この同窓会の場面を観る度に昔を思い出す。親友、好きだった女の子、受験。みんな元気でやっているだろうか。実はこの映画を最初に観た時はピンとこなかった。気になってたまに観返すようになり、いつの間にか自分にとって大切な映画になった。まるで映画の二人のような関係。この映画、すごく好きです。
[DVD(邦画)] 10点(2016-08-14 23:43:35)(良:1票)
249.  腑抜けども、悲しみの愛を見せろ 《ネタバレ》 
これは一見家族の崩壊を描いているようでもあるが、まあシュールなブラックコメディと思って楽しみましょう。てんで歯車のかみ合っていない三兄妹よりは、道化を装っているが実はただ一人真っ当な待子さんがよろしい。この人、我慢強いし空気読めるし本心顔に出さないし、きっと女優目指したら澄伽より大成するだろうね。漫画家志望の妹さんにしてもしかり、二人は例えるなら"能ある鷹は爪を隠す"人たち。もちろん澄伽は"能なし犬の高吠え"、お兄さんは差し当たって"負け犬の遠吠え"か。それはさておき、この映画はキャスティングこそ監督の真のメッセージが込められているように思えます。グラドル出身の佐藤江梨子とアイドル出身の永作博美。彼女たちに共通しているのは、"外見"が最優先である職業の出身者ということ。でも映画の女優となればそれだけでは当然いきません。それは演技ができなければ生き残れない厳しい世界。劇中の小森監督と澄伽の関係。これはそのまま、映画に便乗して吉田監督が突きつけた"映画監督"たる権力誇示のようでもあり、同時に、映画の女優という世界の門戸を叩いた彼女たちに対する厳しい激励のようにも感じました。
[DVD(邦画)] 6点(2016-05-28 19:55:33)
250.  ピース オブ ケイク 《ネタバレ》 
"ピースオブケイク"の題名通り、恋のつまみ食いが好きな女のお話。彼女は恋愛にはだらしなく、いつも自分の考えを相手に一方通行。はっきり言って苦手なタイプの女でしたが、いつも内に隠さず思ったこと言いたい放題の彼女が内心羨ましかった(笑)。未婚率の上昇が示すように、今って人が恋愛に奥手な時代だと思う。愛するより愛されることに執着する人が増えたようにも感じます。思えば彼女の行動力には見習うべきことも多いですね。これは田口トモロヲ監督の恋愛普及映画。お前たちもっと本音で目の前の女(男)とぶつかり合えよ!といった監督のメッセージも感じるし、観た人の多くに"愛したいパワー"を与える映画だと思いました。愛するきっかけは、、そうですね、風が吹いたからとか、歌が聴こえたからとか、そんな理由でどうでしょう?
[映画館(邦画)] 7点(2016-02-21 00:58:34)
251.  蝉しぐれ
今田耕司とふかわりょうがスクリーンに登場する度、まるでコントのようで緊張感が台無しになる。演技の良し悪しの話ではない。キャスティングにあまり文句を言っても仕方がないが、藤沢周平氏の名作の映画化に、それも端役ではなく大役にタレントやコメディアンとはいくらなんでも稚拙なキャスティング。原作は日本人の心を描いた名作です。だからこそ、この映画は本物の役者たちで臨んでほしかったです。
[DVD(邦画)] 5点(2015-11-23 22:55:24)
252.  舟を編む 《ネタバレ》 
原作は未読です。松田龍平さんの演技が作りすぎ、といった意見もあるが、私は彼が役者として新境地に挑戦したとしてここは好意的に受け取りたい。95年頃と言えば、パソコンが飛躍的に普及する直前の時代。まだ多くの人が辞書を手に取って言葉を探したあの時代です。今となっては、言葉を検索するならパソコンの方が圧倒的に早くて便利なのだが、辞書には確かに存在した手作りの温かみはそこには一つも感じられません。利便性を最優先して何から何まで機械化、自動化も結構ですが、手作業で辞書を作るような、それこそ大海原に舟を編むような気の遠くなる作業に誠心誠意励む、こういった日本人が誇れる文化を後世に残していくことも大切なことではないか、と思います。今回、"大渡海"作成に携わった人たちを見ているうちに、なぜだか自分が日本人であることが心から嬉しくなりました。鑑賞後に、本棚にある辞書を改めて手に取ってみました。ずしり、と重たい。一冊の辞書が完成に至るまでの時間や労力を知った今では、それが歴史の重みのようにも感じられてひときわ感慨深いものがありました。
[ブルーレイ(邦画)] 8点(2015-10-12 12:38:37)(良:5票)
253.  岸辺の旅 《ネタバレ》 
美しい切り紙の花園をゆっくりと浮かび上がらす光。村の集会所で一つずつ灯る天井の照明。ピアノの場面における人物の立ち位置と構図。等々、映画というよりは舞台劇宛らの演出の数々がとても印象的であり、同時にこの映画そのものが、この世に未練を持ったまま死んだ霊たち、成仏できずに"境界線"を彷徨う霊たちに、どうか安らかにあの世に旅立てるようにと、まるで彼らの為にお膳立てされた大がかりな舞台装置のようにも感じました。その彼らの未練とは決して怨恨に起因するものではなく、育んだ"愛"が本物(真実)であったのか、それを生前に確信することができなかったこと。彼らは死してなお、愛を確かめるために彷徨い続ける。そして瑞希と優介がとうとう触れ合い交わうことによって、彼が本当にもう一つの世界に旅立った光景から、やはりこの映画は本質的にはただ愛を描いただけの物語である、と言いたい。個人的には理解するよりも感覚で感じるべき映画と思っていて、私はあの世から見た光景と現実の曖昧さにふわふわとした浮遊感を感じ、鑑賞後に残る憂いの余韻はなぜかとても心地よかったです。
[映画館(邦画)] 8点(2015-10-07 22:57:57)(良:1票)
254.  明日の記憶 《ネタバレ》 
荻原浩氏の原作は既読です。原作の設定を大きく変えることなく、内容をほぼ忠実に映画化していると思います。渡辺謙さん、樋口可南子さんは言うまでもなく抜群の安定感、その他の配役も適格なキャスティングだったように思います。自分も一介の会社員ゆえに、物語の中でも特に憤りを感じたのは会社側の佐伯の扱いである。どうやら会社は時として、社員の長年の功労を都合よく忘れるアルツハイマー病を患うようだ。その反面、妻枝実子の献身や同僚たちとの別れの場面の何と温かいことか。彼が今までに注いだ愛情や築いた信頼はいつまでも皆の心にある。結局は常日頃の生き方こそが未来への記憶であり、明日の記憶になるのだ。若年性アルツハイマー病。もし自分がなったら?あなたの家族がなったら?大切な社員がなったら?誰もがこの物語の"誰か"になる可能性はあると思う。映画や本のお話とは言え、決して遠い世界の絵空事ではない。明日の記憶というよりはまさに"明日は我が身"を感じる映画でした。
[DVD(邦画)] 7点(2015-07-15 23:37:10)
255.  ALWAYS 三丁目の夕日 《ネタバレ》 
吉岡秀隆、堤真一は明らかに過剰演技で、映画というよりは舞台の演技に近い。音楽はそれに拍車をかけるように過剰で、毎回さぁここで泣けと言わんばかりだ。小雪の指輪や堀北真希の里心にはそれなりに感動するが、真摯な愛や故郷を想う愛は昭和時代に限らずいつの時代も永久不変です。この精神が昭和のあの時代にだけは存在した、などとは絶対に思わないでほしい。建設中の東京タワーのたもとで力強く生きる人々の物語に、なぜ建設に従事する人間が誰ひとりとして登場しないのでしょう?メインキャストとは言わなくとも、飲み屋の片隅で建設作業員が苦労を語っていたり、建材を運んで走る車などを映せばさらに面白そうなのだが。。天の邪鬼なコメントばかりでしたが、VFXといった特殊効果をアクションではなく、古き良き日本の風景の再現に執着した着眼点は素晴らしいと思います。大作ありきではない特殊効果のこの使い方は邦画の可能性を一つ広げたように感じました。
[映画館(邦画)] 5点(2015-05-19 13:23:21)
256.  間宮兄弟
ほのぼのとした映画です。それにしても中島みゆきさん!画面に登場するたびに恐るべき存在感で主演の二人を完全に食っています。
[DVD(邦画)] 6点(2015-05-19 00:11:46)(良:1票)
257.  みんなのいえ 《ネタバレ》 
家を建てる。ただこれだけのことを仰々しく映画にする着想と、この題材を娯楽映画に仕上げた脚本はお見事。個人的には、伊丹十三監督の"お葬式"あたりがヒントになったのかな、と感じました。冠婚葬祭にまつわる云々など、知っているようで実はよく知らない日本のしきたりを、ほどよいさじ加減で茶化して人情喜劇にするのは日本映画のお家芸。このへんは米映画にはない味わいがあります。登場人物では、横文字連呼で何を言ってるのかさっぱりわからない唐沢寿明のデザイナーが秀逸。彼に代表されるように人物の風刺を楽しむべき映画ですが、実は一番喜劇的な役回りはある意味で田中直樹と八木亜希子夫婦なのかも。お客様であるべき二人が一番物腰が低くて周りには振り回されてばかり。これは人が好すぎて損をする我が日本人の愛すべき気質を、非常にユーモラスに描いていると思います。良くも悪くも日本らしい映画、正月に家族揃って気軽に鑑賞するのがおすすめです。
[DVD(邦画)] 6点(2015-05-01 21:49:51)(良:1票)
258.  TRICK トリック 劇場版 ラストステージ 《ネタバレ》 
特別なファンだという強い意識も持たずに軽い気持ちでこのシリーズを観てきたが、本作のラストで懐かしい名曲"月光"を聴き、過去の名場面の数々に二人の歴史を思い出し、最後に二人が再会する場面でとうとう涙腺が・・。自分自身、いつの間にか二人のキャラクターに愛着が湧いていたことを最後の最後で気が付きました。「まだ続編を企画していることなど、全部まるっとお見通しだ!」と高らかに叫びたいところですが、残念ながらこのラストは真剣に終幕でしょう。だって二人がくっつきそうでくっつかないこの距離感こそが、このシリーズの醍醐味だったのですから。"天才巨乳美人マジシャン"の山田。"どんと来い、超常現象"の上田。二人のキャラが大好きでした。仲間由紀恵 さん、阿部寛さん、長い間本当にお疲れ様でした。
[ブルーレイ(邦画)] 8点(2015-04-05 02:11:58)
259.  夜のピクニック 《ネタバレ》 
"歩行祭"をまるまる物語にするという着眼点が斬新で面白いと思いました。そして主人公二人、貴子と融が異母兄妹であるという事実、これこそが本作の肝であり、ただの同級生同士が一晩イチャイチャ歩きながら惚れた腫れたという話であったら、全く深みがなく物語として成立しないでしょう。恩田陸さんの原作を先に読みましたが、当然ロケーションに劇的な変化はない上に、一晩歩くだけの話を退屈させないために人物の感情が多く描かれています。映画はまさか2時間延々と歩く場面だけを映すわけにもいきません。歩くだけでは感情の機微を描写するのも難しい。従って必要以上に回想場面を入れたり、梨香の妄想をインサートしたりと、あれこれと間を持たせる手段に苦慮していたように思います。印象として、やはりこの題材は元々小説向きで、あまり映画向きではないように思えました。残念ながら、私の母校では歩行祭のような学校行事はありませんでした。あったのは修学旅行、文化祭、体育祭といった"ど定番"の3点セットだけです。生徒が学校行事に期待するもの。それは、思い出作りだと思います。もう一つ、非日常である解放感、高揚感が普段はできない思い切った行動を後押ししてくれる"シチュエーション"だと思います。歩行祭は、これに"達成感"も加わると思います。それも、ただ歩き通した達成感だけではなく、みんなが一晩歩きながら達成したそれぞれの熱い思いです。ゴールのシーンは清々しく、その熱い思いが充分に伝わりました。この映画が唯一原作を超えた瞬間だと思います。
[DVD(邦画)] 7点(2015-02-01 17:46:35)(良:1票)
260.  あ、春
人情味あふれる喜劇、といったところでしょうか。悪人らしい悪人は一人も登場しません。平凡な人たちがただ平凡に生きようとしているだけなのに、なぜか誰かと衝突して泣いたり怒ったり。人の人生そのものが滑稽であることを痛切に描いた風刺の映画でもあると思います。人生は思い通りにいかない厳しいもの。でも疲れた時にこそ、一度立ち止まって周りをゆっくりと見渡す余裕を持ちたいところです。日本の風景、巡り巡る季節、新しい命の産声・・。たまには日々の喧騒を離れて、ほっとするもの見つけてみませんか。もっと心にゆとりを持って、のんびり行きましょう(生きましょう)、と相米監督は伝えたかったのではないでしょうか。
[DVD(邦画)] 7点(2015-01-30 23:00:09)
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