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FSSさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 854
性別 男性
自己紹介 <レビュアー引退について>

他の方にとってはどうでもいい事ですが(笑)、
こちらでのレビュアーを引退させて頂きます。
理由はあまり映画自体を見なくなった事と、
結局、映画以外にもレビューを書けるAmazonが
レビュー投稿の中心になってしまった事ですね。

長い間、お世話になりました。 2021/11/27
   
<ジャンルの好みについて>

・好きなジャンルは「ホラー」「サスペンス」「ミステリー」。
・嫌いなジャンルは「ミュージカル」「恋愛」「韓国映画」「感動押し付け系」。
・どちらでもないのは「アクション」「SF」「コメディ」「時代劇」。

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61.  DRIVE 《ネタバレ》 
たまたま深夜に放送していたので見たけど、一発でSABU監督と分かる作品の個性はスゴい。  ただ、独自の世界観を作ってしまった事は評価できるけど、逆に、あまりにも各作品のノリに違いが無さ過ぎる。これは監督の作品を何作も見ている人なら誰でも感じる欠点だと思う。  脚本構成の基本がどの作品も、「平凡な主人公」が、「突拍子も無い事件に巻き込まれ」、「どんどん破綻した様相を呈していく」、というもので、その間に、各登場人物がお互いの心の補完をし合う人間ドラマが盛り込まれていくのもワンパターン。  今作もいままでの監督の作品とまったく同じノリ。メインキャラが毎回同じだから余計にそう感じられるのだろうけど、さすがに食傷気味。  途中のコンサートシーンや穴から手が抜けない強盗、幽霊との決闘など、何となく言いたい事は分かるんだけど、ちょっとおふざけが過ぎる感じ。各イベントの繋がりや必然性が薄いので、余計に見ていて散漫で冗長な印象になっている。  途中、良いシーンもあるにはあるけど、「犯罪者にも色々と事情があるんだなあ」って言う所で共感させようとするパターンで、これまた薄っぺらい。  こういう「あえてメチャクチャやる事で個性を出す」という時期はそろそろ卒業して、次回からはもう少し地に足の着いた脚本が見たい。監督の才能はこんなものではないはず。
[地上波(吹替)] 5点(2005-03-27 15:16:46)
62.  APPLESEED アップルシード 《ネタバレ》 
一応、原作は当時リアルタイムで読んだ事があるけど、個人的に「美少女+銃+ロボット」みたいなシチュエーションが嫌いで、二巻目辺りで途中挫折したまま。  作品に対してはそんな程度の知識しか無く、またフルCGという事もあって、まったく期待せず見たけど、思った以上の完成度にビックリ。  「イノセンス」や「キャシャーン」のように「CG鑑賞映画」ではあるものの、上記の作品とは違い、CGに振り回されること無く、あくまで表現手段として正当に使いこなしているセンスの良さがある。  確かに今見ると、原作が20年も前という事もあり、ストーリーや世界観に目新しさは無いが、逆に変な哲学問答のような小難しさも無く、良い意味でシンプルにまとまっている。SFやアニメに慣れていない一般の人にも薦められる分かりやすさ。  ただ、さすがに今後、こういう「CGメイン」のアニメ作品が増えると、作品の「個性」が埋没してしまう危険性が高い。CG独特の連続した滑らか過ぎるモーションの不自然さや質感など、どうしても表現が画一化してしまいかねない。CG作品としての質が高いだけに、アニメ業界の将来に不安を感じる。  実質的には8点くらいが妥当だが、これまたずいぶん酷評が多いのでこの点数で。  PS.この作品はともかくとしても、今やハリウッド映画やディズニーアニメのスタッフにも、日本の漫画やアニメの影響を受けていない人間はほとんど皆無という時代に、未だにアニメや漫画に対して偏見を持っている日本人がいるというのがねえ…。残念なことです。  
[DVD(邦画)] 9点(2005-03-24 15:18:59)
63.  砂の器
個人的にミステリーに関しては、島田荘司由来の新本格嗜好なので、松本清張に代表されるような所謂「社会派」はあまり好きになれない。  「差別問題」や「偏見」に対する異議申し立てとしての意味合いは大きいものの、あまりにもテーマが重々し過ぎて、ミステリーやサスペンスとしてのカタルシスや娯楽要素はまったくない。そう言う意味で、あえてこのテーマを「推理もの」というジャンルで扱わなくてはならない必然性が分からない。ここまで主張性を含めたいならドキュメンタリーでやった方が早い。むしろ、こういう形でハンセン氏病を扱う事に疑問が残る。  入手した情報による点と線の結び方も強引で、論理的な推理部分はほとんど無い。それ以外は旅先の風景の叙情性でもっているようなもの。時間が長いのも辛い。
4点(2005-03-23 23:30:52)(良:2票)
64.  ロスト・メモリーズ
映画産業に力を入れているお国柄だけあって、金がかかってるなあ。でも、残念ながら脚本の稚拙さが足を引っ張りまくり。邦画もエラそうな事は言えないけど、韓国映画も投資される多額の制作費に比べて、まだまだ基本的なセンスが追いついていない。ホラーやサスペンスでもそうだが、アイデアや演出がほとんど既存の作品の借り物にしかなっていない。  歴史のifを描く事で、戦中戦後の日韓の歴史解釈に一石を投じるのかと思いきや、ハリウッドの向こうを張った「トンデモSFアクション」映画だった。内容的には日本人が見てもそれほど不愉快なものではないが、後半、タイムトリップしてまで歴史を変えるというのが何とも安直。  
3点(2005-03-20 13:01:33)
65.  ジョゼと虎と魚たち(2003) 《ネタバレ》 
最後の恒夫の号泣。「どうにかしてあげたい」と思う気持ちの中には同情や愛情の他に、憐憫、自己満足など、多くの感情が混在している。その発露としての涙。あの涙にこそ、どうにかしてあげたいと思いながら、どうにも出来ない自分の無力さ、身勝手さ、卑怯さ、傲慢さ、純粋さなど、すべての思いが込められている。  だが、ふたりにとっての出会いと別れは、決して無駄なものにはならないだろう。例え、同情を愛情と混同していたとしても、彼女に対する「優しさ」は決して偽りではないし、間違っている訳でもない。恒夫は自分の心の弱さや欺瞞を知る事で人間として成長し、ジョゼは彼の優しさに触れる事で、他人を受け入れ、前向きに生きる強さを得た。  突飛な導入で作品に引き込みながら、押し付けがましさの無い、前向きな終わり方に持っていく展開が巧い。恋愛ドラマとしては出色の完成度。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-03-09 00:27:54)(良:1票)
66.  ジャッカル
何ともオーソドックスと言うか、古臭いシナリオ。全体的にまとまってはいるけれど、これではあまりにも普通過ぎる。もう少し、独自の工夫やアイデアを入れる心意気が欲しい。  リチャード・ギアも好きな人には申し訳ないけど、今作に関して言えば、何とも存在感が希薄で、まったく魅力が無い。キャラとしても中途半端。  ブルース・ウィルスも、演技自体は悪くないものの、あえて彼を「非情の殺し屋」にキャスティングする意図が不明。他に適役はいくらでもいるだろうに。  いかにも豪華キャストで客を呼ぼうと言う志の低さが見て取れる。  
4点(2005-03-02 16:06:57)
67.  病院坂の首縊りの家 《ネタバレ》 
古き良き時代の探偵推理もの。  とは言え、この大時代的なシチュエーションやドロドロとした人間関係、当時の垢抜けない世界観などは、さすがに今見るにはちょっと辛いものがある。  単に人間関係が複雑なだけで、本格推理としての謎解き要素がほとんど無いのも物足りない。「そっくりな人間が二人いる」というのも、ミステリーのギミックとしては反則気味だし、エレガントじゃないね。  桜田淳子の演技も気合が入ってるのは分かるけど、あまりにもオーバーアクション過ぎて、見ていて引く。
[映画館(字幕)] 3点(2005-01-25 04:04:50)
68.  超時空要塞マクロス ~愛・おぼえていますか~
TV版を一度も見た事が無いのに、友人に連れられて映画を見に行きました。当然、人間関係や世界観もよく分からぬまま見ましたが、結構楽しめた覚えがあります。  何と言っても、激しい戦闘中に、リン・ミンメイが「愛・おぼえていますか」を歌うシーンは鳥肌が立ちます。こういう「歌」を作品の演出として使うというのをやったのはこれが元祖かも。「このシーンだけの映画」と言っても過言ではないでしょう。  アニメがアニメらしかった古き良き時代の作品。  ところでK君、映画帰りに 、ミンメイか早瀬未沙かでケンカになりそうになった事、「おぼえていますか」。
8点(2005-01-22 00:39:03)(良:1票)
69.  CASSHERN
例えば、小説の地の文で、「曇天の空から大粒の雨が降ってきた」と書いた後で、登場人物に「曇天の空から大粒の雨が降ってきたわ」と言わせる事はありませんよね。もしそんな表現をしている小説があるとしたら、凡人の私など思いもつかない計算があるのか、単に作家がアホかのどちらかです。  この作品は…、言うまでも無いでしょう。この映画はまさにそんな「表現の蛇足」に満ち満ちています。センスの無い人がやると、必ずこういう事をやるんです。何でも一から十まで説明しちゃう(と言っても、それは人物の言動についてのみで、本来もっと説明すべき物語の「背景」についてはおざなり)。戦争の虚しさや悲惨さを表現するのに、「オレは何のために戦っているんだ~。愛する者を守るためなら人を殺めてもいいのか~。何が正義か悪かなんて誰が決めるんだ~」とか、青臭い事をダラダラと説明しなくても、愛する人の屍を前に静かに佇んでいるシーンを撮るだけで、言いたい事は伝わるんですよ、監督さん。言葉で表せば表すほど、この手のテーマは押し付けがましくなるし、陳腐にもなるんですよ。  また映像を評価する声もありますが、多少「絵心」のある人なら、あの程度の「なんとなく小奇麗で、ちょっと悲壮なフンイキを醸し出してもいる、カッコ良さげな絵」を断片的に描く事なんて、それほど難しい事じゃないでしょう。それっぽい映像を繋げるだけで、映画が作れると思ったら大間違い。「映像表現技術の心得」なんて、映画作りにおける「必要条件」ではあっても、「十分条件」じゃないんです。「表現」というものを甘く見ないように。  その他は【すぺるま】さんにほとんど代弁して頂いたので省略します。
1点(2005-01-22 00:22:36)(良:5票)
70.  家族ゲーム
時代的に、核家族化、少子化、偏差値教育、校内暴力、いじめ等の社会問題が一般化してきた時期を象徴する、ある意味、非常に分かりやすい社会風刺映画。  食卓に一列に並んで食事をするシーンや、まるで噛み合っていない会話等、家族同士ですら、お互いの心が向き合っていない事を端的に表している。  そんな個人主義や相対主義が誇張されたような家族の中に、ひとりの家庭教師が入り込み、その家庭をめちゃくちゃにして去って行く。しかし、その一見、理不尽で暴力的な行為は、オヤジの鉄拳制裁よろしく、むしろ異常なまでの個人主義に対する「常識の鉄槌」としての効果を狙ったものなのだと思う。  早くから価値相対化や個人主義の持つ危うさと問題点に気付きながら、変に説教臭いドラマではなく、あえてドラスティックにブラックコメディとして仕上げた監督の先進性を評価して、この点数で。 
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-01-19 16:30:13)
71.  漂流街 THE HAZARD CITY 《ネタバレ》 
外国の異文化により侵食された近未来の日本の姿を見ているような気分。舞台となる「漂流街」とは、まさに歴史の縦軸を喪失した「個人」が漂流する世界の象徴なのだろう。  その中で、ひとりの女との繋がりを保とうとする男を描いた物語。意外と深いテーマが根底にあるが、全体的にテンポが悪く娯楽性が薄い事と、主役を始め、出演者たちの濃いキャラクターに好き嫌いが分かれる点が難点。個人的には苦手。
4点(2005-01-17 19:10:52)
72.  CUTIE HONEY キューティーハニー
何だかんだ言っても、さすがは庵野監督といったところ。「キューティー・ハニー」の実写化なんて、色々な意味で難しいはずだが、あの原作の持つ独特なテイストをうまく生かしたまま実写化している。まあ「キューティー・ハニー」と言うよりは、「サトエリ・ハニー」だが、そのバカっぷりや、「分かっている」アクション演出の上手さは「キル・ビル」などよりも上。  ただ惜しむらくは、やはり予算の無さ。「狙ったチープさ」ではなく、普通にチープな映像になっているのが残念な限り。もっと予算があれば…。  また、バカ映画とは言え、もう少し脚本的には真面目さとのメリハリをつけて欲しかった。ちょっと「おバカ寄り」になりすぎ。ハニーの性格も能天気すぎる。アクション面の演出も庵野監督にしてはイマイチ。もっと鳥肌の立つような、「漫画的にカッコ良い演出」を期待していただけに残念。低予算ゆえか、ちょっと手抜きしている印象。  例えばあの「♪パッパッパヤッパ、パヤッパ~」のBGMやOPテーマは連発せずに、「ここぞ」と言う時にこそかけて欲しかった。  でもまあ、限られた予算の中で健闘したことは評価したいところ。PS.ぜひ庵野監督には「デビルマン」を撮り直して欲しい。より「エヴァ」っぽい演出が似合う作品だし(w。
6点(2005-01-03 20:53:40)(良:2票)
73.  ハウルの動く城
映像表現技術のレベルの高さやセンスなど、肯定的に受け取れる部分も多いが、それらを全て相殺してしまうほど、今作はあまりにも脚本構成が雑すぎる。既に言い尽くされているが、登場人物の言動やストーリー展開に意味不明&説明不足な部分が多すぎて、そこに何か訴えかけたいものがあっても、伝わるだけの説得力に欠けている。  魔法やファンタジーの支配する世界だからといって、話に整合性が無くても良いはずがない。原作の問題ではなく、今回に限って言えば、描けるはずのテーマの一つひとつを丁寧に描き込む手間を面倒くさがっているような、監督の映画作りに対するいい加減な態度にこそ問題がある。  「馬鹿げた戦争」と連呼しながら、何がどう「馬鹿げて」いるかの説明もない、薄っぺらな左翼的反戦思想。そのくせ、ソフィーを守るためとは言え、敵を攻撃しまくるハウルの行動についてはヒーロー的な側面ばかりが強調され、そこに罪悪感や戦いに対する葛藤が描かれる事もない。  本来あるべき魔力を使う事で人の心を失うハウルの葛藤や、老いに対するソフィーの絶望感もほとんど描かれる事がなく、妙にケロっとしているから、切迫感も感じられない。  また、登場人物同士の触れ合いや心を通じさせるだけのイベントも無いのに、「愛してる」だの「みんなは家族」だの奇麗事を並べられても、見ている側にしてみたら「ハァ?」と言うしかない。「なし崩し的にみんな良いヤツ」パターンも、今回はあまりにも必然性に欠けている。あんたら知り合ってどれだけ経ってんの?作品内時間で見たら、長くても一週間くらい?その程度の付き合いで相手の何が分かるの?そんなものは分かった気になっているだけじゃないの?  すべてが行き当たりばったりな結果の羅列であり、その過程が描かれる事がないまま映画は終了。後半に行くにつれて、明らかに館内にシラけた空気が漂うのをヒシヒシと肌で感じた。  その他、「ファンタジー的演出以外で城が動く必然性がない」とか、「荒地の魔女が宮殿に出向いた理由が不明」とか、「偶然落ちた崖下に、何で過去への扉があるのか」とか、突っ込み所やその改案などは数え切れないほどあるが、容量不足なので書きたくても書けません(w。
3点(2004-12-15 00:59:16)(良:2票)
74.  Avalon アヴァロン
良くも悪くも押井監督の世界。  結局、「自分って何?」とか「現実とは?」的な問い掛けは、答えが出ないに決まっている訳で、追求しても堂堂巡りをするだけの哲学問答はそろそろ卒業して欲しい。考えないよりはマシだけど、一周しても同じ場所に戻るしかない問いだからねえ…。  ただ、追求するならするで、それなりの「解釈」と「結論」を見せて欲しい。今作は監督の「作りたい物を作った」という満足感は見えるが、その辺のアプローチはかなりおざなりで、娯楽性にも乏しい。  「うる星やつら・ビューティフルドリーマー」が傑作なのは、もともとの「うる星」の非日常性の高い世界観やキャラの魅力が作品のテーマ性と融合し、相乗効果を上げていた事に加え、ちゃんと娯楽性をも保っていたからだろう。最近の押井氏の作品は自己満足が先にあり、商品性や客観性を欠いている。  押井氏にとっての描かざるを得ない永遠のテーマに対する衝動は、「攻殻機動隊」の方で吐き出してもらうとして、客としては、もう少し違うものを食べさせてもらいたい。
[ビデオ(字幕)] 5点(2004-11-30 22:53:58)(良:1票)
75.  弾丸ランナー 《ネタバレ》 
「ポストマン・ブルース」の原型か?  「アンラッキーモンキー」や「MONDAY」に比べたらシナリオに一貫性があるが、やはり他作品同様、全体的にストーリー展開が行き当たりばったり過ぎる。はっきり言って、最初から最後まで監督が計算しているとは、ちょっと思えない(その荒削りっぷりがこの監督の魅力なのかも知れないけど)。  この作品も、最初は些細な事から始まり、途中から破綻した方向に進むという黄金パターン。後半に行くほど、見ている方もまさに「ランナーズハイ」のような、一種独特なカタルシスを感じられるようになるのは面白い。  しかし、ラストの終息の仕方がいい加減なのが残念。あのカタルシスのまま、みんなで星空を眺めて終わるというような、爽やかなラストが良かった。   今後はこういう勢いだけの脚本ではなく、もう少し落ち着いた作品が見たいところ。
[ビデオ(邦画)] 5点(2004-11-27 11:33:36)
76.  イノセンス 《ネタバレ》 
押井守著「哲学入門」。「自己存在とは」とか、「意識とは」という、現代科学未解決の大問題に対して、ただ自己陶酔しているだけの独り言を聞かされているような居心地の悪さを感じる。作品の見た目とは違い、意識に対する科学的・生物学的なアプローチはほとんどなく、古今東西の文献からの引用や、衒学的かつ抽象的な単語を並べ立てて、何となく思わせぶりな雰囲気の中でキャラにしゃべらせているだけで、内容的には何の結論も出さず終い。非常に薄っぺらい。そんな言葉それ自体には、何も喚起させるものはないし、心に響かない。もっと態度や行動で示してくれないと、人の心を打つことは出来ないはず。これならまだ前作の方がテーマを伝えるための骨子がしっかりしていた。今作で一番「生きたセリフ」だったのは、「給料分は働いてもらうぜ」くらい。  美麗なCG映像も「表現の本質」から明らかにズレて来ている。内容同様、表面を飾り立てているだけで、「何を見せたいのか」という表現における明確な方向性がない。写実主義が悪い訳ではないが、CGという表現媒体を得てから、特にアニメの表現力は逆に後退している危惧を感じる。一度、原点に戻って「表現の本質」を見直してもらいたい。
5点(2004-11-22 20:49:35)(良:4票)
77.  降霊<TVM>(1999) 《ネタバレ》 
あ~、元ネタの原作があるんですね。少し残念。  とは言うものの、そこはさすが黒沢監督。そのままのリメイクじゃなく、日本を舞台に、より日常に即した脚本にアレンジされている。この手のジャンルを撮らせたら、多分、日本では一番センスがあるのは間違いない。  他作品も含めて演出的にパターン化されている部分はあるけど、過剰な表現をすることなく、日常の風景の中に不気味な雰囲気を醸し出すのがウマい。絵に邦画特有の安っぽさがない。  霊よりも、生きている人間の自己本位な考え方こそが最も恐ろしいと痛感させられる。そして見ている間は、殺された少女のことよりも、保身や名誉欲にかられる夫婦にこそ感情移入している自分自身に向き合わされてしまう。そのエゴこそが、まさにドッペルゲンガーなのかも知れない。  ただ、惜しむらくは、ストーリー展開やオチにちょっとヒネりがない点かな。あと、致命的とまでは言わないけれど、霊能者の奥さんのやることの「順番」が明らかにおかしい点。自分の名声を知らしめるために、今回のトラブルを利用しようってのは分かるけど、普通はまず、「少女を廃墟に置き去り(縛って自由に動けない状態)にしておいてから」、心理学部の学生に会いに行くはずでは?何の準備もしていないのにあんなこと言いに行ったら、少女の靴を置きに行った時に学生や警察と鉢合わせするかも知れないのに。  また基本的にいつまでも少女を家に置いておく心理が分からない。最初に箱から見つけた段階で、警察に知らせられないのは分かるにしても、生きているなら、夜中に適当な場所で降ろしておけば、通りがかった人に一両日中には助けられるでしょう。そうすれば少女も助かるし、本当の犯人が捕まっている以上、自分達が疑われる事はまずあり得ないはず。その辺が非常に気になったので、少し減点。 
7点(2004-11-21 06:19:24)(良:1票)
78.  COWBOY BEBOP カウボーイビバップ 天国の扉 《ネタバレ》 
<テレビシリーズ未見・映画版のみの評価>  【USS_Barcelona】さんの仰るように、「マトリックス」が「ジャパニメーションのハリウッド映画版」とすれば、この作品はまさに「ハリウッド映画のジャパニメーション版」という印象。  アニメーションのクオリティは高いものの、基本的に「ナノマシーンのバイオテロによる人類滅亡」という脚本があまりにも陳腐。やたら大作感を出そうと力み過ぎたせいか、肝心のキャラ描写もおざなり。特にヴィンセントが顕著で、いかにも今回の脚本のためにとってつけたような安直なキャラ。  今どき「オレが何者なのかを知りたいだけなのさ」とか、「この世こそが煉獄なんだ」なんて恥ずかしいセリフをまともに言わせたりする地点で、だいたいこの作品の傾向というか、原作者や脚本家のセンスがどんなものかが分かる。そんな形だけのセリフはいくらカッコつけたところで、何も言っていないのと同じこと。何かを喚起するような言葉じゃないよね。  酋長との哲学的な会話もまさにその典型で、このシーンもかなり恥ずかしい。小難しいことを喋る事で、自分を賢そうに見せたり、キャラを立たせようとする中高生みたい。「格好良いことの格好悪さに無自覚」とは、まさに至言。全体的に「カッコ良さ」や「ハードボイルド」の捉え方が非常に薄っぺらい。  中盤までのテンポの悪さもマイナス要因。もっとうまく編集すれば、二時間を切ることも出来たはず。終わり際もちょっとダラダラし過ぎ。余韻があるくらいでちょうどいいはず。もう少しすっぱり終わらせらて欲しい。  劇場版ということで、普段、アニメや漫画を見ない人も見る可能性が高いだけに、こんなハリウッド映画の後塵を拝するようなマネはやって欲しくなかった。
[DVD(邦画)] 5点(2004-11-16 20:28:04)
79.  ほしのこえ 《ネタバレ》 
ほぼ「トップをねらえ!」の後半w。独自の着想はゼロ。特に基本的な舞台設定と演出全般は完全に模倣。いくらなんでもパクりすぎ。こういう元ネタの影響モロ分かりの劣化コピーを恥ずかしげも無くやってしまう感覚が、「オタク的」と酷評をされてしまう最大の原因だということをもう少し認識してもらいたい。ただ、ひとりでこれだけのものを作ったという事は十分スゴい(これをどこかのスタジオが集団作業で作ったのなら間違いなく駄作だけど)。ちゃんとしたスタッフと資金に恵まれれば、大化けする可能性はある。その点は正当に評価すべき。  今作はどちらかと言えば、SFアクションではなく、宇宙という広大な世界にお互いの仲を遮られてしまう少年少女の「遠距離恋愛ドラマ」がメイン。相対論的効果により、「もう同じ時間を生きることは出来ない」という切ない演出は、普通の単純な恋愛ドラマでは出せないだけに、よりドラマチックなものにしやすいという利点がある。短編である分、余計な説明や人間描写は省略し、始めからその辺のテーマを中心に持ってきている割り切った作り方は正解。  近未来の舞台や宇宙人との戦闘は、それを引き立てるための素材でしかないわけだから、その辺の突っ込みはヤボ。セーラー服での戦闘も同じ。リアリティよりロマンでしょ。「宇宙でセーラー服」なんてトンデモ設定だからこそ、戦いにファンタジーとロマンとノスタルジーが同時発生するんじゃないかな(笑)。  
[映画館(字幕)] 6点(2004-11-09 16:30:10)(良:1票)
80.  着信アリ 《ネタバレ》 
確かに、後になるほど映画や小説はオリジナリティを出すことが難しくなっていくものです。特にこの手のジャンルはアイデアや演出パターンが出尽くしているし、良くも悪くも「リング」と「呪怨」の完成度が高かった分、邦画ホラーの「雛形」として基本みたいになっているのが現状です。これらの作品が有名になりすぎたのも、それに拍車をかけています。  しかし、それは後続が「工夫をしなくてもいい」と言う意味ではありません。  この作品の安易さは、恐らく放送作家特有の、「作品の質より視聴者の最大公約数的な認知(すなわち一般ウケ)ありき」の発想からくるものでしょう。「とりあえず邦画ホラー流行りだから、うちも作っとけ」と言うような厚顔無恥な開き直りの集大成にしか見えません。その場さえ良ければ、今後の信用を失うことなどおかまいなし。  そんな発想だから、「リング」や「呪怨」に対するリスペクトなどあろうはずもなく、設定から演出、ストーリー展開に至るまで、終始「パクリ」のオンパレードで、独自の着想や工夫などひとつも見られません。  基本となる携帯電話やメールにまつわる「都市伝説」自体もあまりにも陳腐だし(そこだけとっても「リング」のような工夫がない)、出演者の演技も「キャーキャー」うるさいだけ。
1点(2004-10-31 12:11:43)
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