61. 大奥(2006)
《ネタバレ》 仲間由紀恵はお得意の切り口上風の話し方が役柄に似合っていたと思うが、生島新五郎を演じた西島が私の好みから外れていたためにどうにも感情移入できず醒めた目で鑑賞。もともと芝居がかった芸風のミッチーは、和服と時代劇口調ではますます人形ぽく見えてしまい、秘めた情愛などまるで感じさせない軽い印象。クライマックス、見つめ合いようやく二人が結ばれるかといういうそのシーンで、仲間由紀恵のアップでコンタクトレンズがくっきり写っていてオイオイ・・と思ったり。フジテレビのお祭り映画で定番の、破壊力抜群のエンディングテーマと、友情出演やら特別出演やら業界人やらが山盛りのエンドロールでとどめを刺された。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2010-02-23 16:43:35) |
62. めがね
この映画が好きと言える今の自分は、割と精神的に健全なんじゃないかと思った。イライラしてる時にこういう作品を見たら癒されるかというと多分逆で、余計イライラするはず。観るだけで自分の潜在ストレス値を測れる映画。そもそも「ほっこり」等の語感に違和感がある人にはダメだろうし、映画になんらかのカタルシスを求めている人には退屈すぎるかも知れないが・・・。さくらさんの氷小豆うまそうだったなぁ。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-02-19 14:46:40) |
63. 手紙(2006)
原作未読ながら、どうやら号泣映画らしいということは聞いていた。その先入観があったせいか、割と簡単に話の流れが読めてしまって、ストレスは無いが深みも感じない作り。これで号泣は無理だろ~と思いつつ観ていたが、思いがけずラストはお兄ちゃんの涙にもらい泣き。まんまとやられたようでなんか悔しい。分かりやすさから言って中高生の道徳の時間に最適と思われる。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-02-16 00:36:33) |
64. 崖の上のポニョ
5歳の男の子が朝起きてきて「おかーさん!今日すんごくおもしろい夢みたんだよ!あのね、海に金魚がいてね、ポニョって名前なの。そんでね、その子が人間になってぼくとお船に乗るの。そんでね・・・」てな感じの子どもの奇想天外な夢物語をそのまま映像化した感じ。展開は支離滅裂だしキャラは破綻してるしエンディングも唐突だしとにかく無茶苦茶なストーリーなんだけど、そんなことお構いなしに子どもは目を輝かせ、どんなにスゴクてキレイで楽しかったか夢中になって話してて、嬉しくて仕方ない様子。そんな幼い子どもの無邪気な興奮状態に共感できる人だけが素直に楽しめる、という意外とハードルの高い作品。ちなみに、ああこれは子どもの夢なんだな、というのがよく分かるのが母親の描かれ方。リサは小さな男の子が夢見る「こんなお母さんだったらいいのに」を100%体現していて、だからこそ普通の母親だったら絶対やらない無茶をするし、息子の無茶も絶対叱らない。普通の母親の私から見ると、「んなわけねーだろ!」と突っ込みどころ満載で笑える。 [地上波(邦画)] 7点(2010-02-15 22:11:02)(良:3票) |
65. 長い散歩
おじいちゃんが慣れない幼女の扱いにへとへとになり、宿の小さな洗面台で背中を丸めてパンツを洗う姿が切なかった。ただ、一見リアルでシビアな現実を扱っているのでそれなりに気を引き締めて観ていると「え?これはさすがにありえないでしょー!」と思う展開がしばしば。でも、大人向きのファンタジーだと思って観るぶんには、なかなか良かったです。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-01-27 15:07:37) |
66. カメレオン
藤原竜也の実力を認めないわけではないのだが、いかんせんその可愛いルックスのせいでいくつになっても何を演っても天才子役が頑張っているようにしか見えない。というわけで私にとっては藤原竜也≒ディカプリオであることを再確認した。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2009-12-23 20:27:49) |
67. ハチミツとクローバー
原作未読。この手の甘酸っぱい純愛学園もの(?)に感情移入できるような歳ではないが、んなこたぁどーでもいい。女でも「惚れてまうやろ!」な蒼井優のキラースマイル!!もうそれだけでこの映画はOK。見るだけで癒される貴重画像。小5女子と一緒に観ましたが彼女も「か、可愛い~」と目がハートになっておりました。ただし、蒼井優も関めぐみも好みじゃない人にははっきり言って観る価値のない作品かも。ちなみにはぐみの作品を実際に製作したMAYA MAXX氏のインタビューがネットで読める。結構面白い。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-12-21 09:01:20) |
68. 笑う大天使
安くてもお馬鹿でもアホアホでも楽しめるB級大馬鹿映画ってあるんだろうが、こちらは突っ込む気すら起きない寒い出来だった。間違いなく上野樹里の主演作黒歴史の一端となるはず。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2009-11-17 20:56:06) |
69. 犬と私の10の約束
幼稚園児じゃないんだから、イラスト付きで10の約束を解説されてもな~と苦笑。犬じゃなくてトヨエツに2度ももらい泣きさせられたのは想定外だった。こういうとことん毒のない作品を家族揃って笑って観られるのもあと数年かなぁ・・と思うと何故かスクリーンがぼやけた。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2009-11-05 12:08:13) |
70. ブラインドネス
《ネタバレ》 バニック・ホラーとしては設定に無理があって突っ込みどころ満載。そこに宗教的な意味を見いだせるなら、話の流れの荒唐無稽さにも納得できるのかも知れないが、そういうバックグラウンドを持たない自分には展開毎のクライマックスシーンで登場人物の行動に必然性が感じられずぶった切り感があった。集団レイプとそこに至る展開がひどすぎるので2度と見たくはないが、スーパーの地下倉庫のシーンで、観客にも失明を疑似体験させる演出には感心した。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-11-02 21:37:33)(良:1票) |
71. スウィングガールズ
面白い、っちゃ面白いけど・・中学生が考えたような安直な展開に今ひとつ作品としての深みを感じ得なかった、というのが正直なところ。これが高校の学園祭での自主製作ビデオ映画だったら文句なく拍手喝采なんですが。出演者達の楽器練習の努力にプラス1点献上。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2009-10-09 00:52:48) |
72. 闇の子供たち
《ネタバレ》 目を背けたくなるような描写も多かったが、多分タイに限らず世界にある現実はもっとひどいのだと思う。そう思いつつ最後まで観た。そういう現実があり得るということを知っているかいないかで、今の日本でのほほんと暮らす人間が世界を見つめ直すきっかけになるのかも、という点でこの作品の存在意義はあると思う。が、あえてあのラストにする意味がよく分からない。さらに歌詞付きで主題歌を延々と流すなんて思いっきり興醒めな演出も?? [CS・衛星(邦画)] 5点(2009-10-07 12:27:48) |
73. ホテル ビーナス
モノクロと抑えめのBGMで描かれる世界観は結構好き。全編韓国語、というのはそれなりに面白いけど、ああ、あの人もこの人も韓国語しゃべってる、という隠し芸披露的な面白さは別にいらなかったように思う。そもそも、韓国語ネイティブの人が聞いたら違和感あるのだろうし・・。(私は金城武が好きだが彼が役の上でしゃべる日本語はとてつもなく違和感がある。全員があんな調子の映画なんて観たくない)慎吾ちゃんは存在自体がこの作品からものすごく浮いてるので出さない方が良かった。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-10-07 11:51:31) |
74. ゆれる
《ネタバレ》 決してテンポ良く展開する話でもなく、むしろ序盤はじれったいほど展開が遅いうえ、全編を通し何とも言えない重い空気感が漂っている。なのに全然眠くならず最後まで一気に見た。いい人なんだろうけどどうしようもなく女の生理的不快感を煽る痛い男、を香川照之が演じているが上手すぎて本気でキモかった。肉親をキモいとかウザイとか思い出すと、その根拠を赤裸々に知りうる身内だからこそ、また切りたくても切れない血縁があるからこそ、どうしようもない嫌悪感を死ぬまでもてあますことになる。猛が証言台で兄を切り捨てたのは、今までそうやって鬱積してきた気持ちが爆発してしまったのではないだろうか。そして兄はいつかそんな日が来ることを予期していて、自分を馬鹿にしてきた弟をあえて暴走させて自己嫌悪に追い込んだのだろうか。いずれにせよ、そこにあるのは無邪気な兄弟愛なんかじゃなく、シビアな近親憎悪だ。幼い頃はあんなに純粋に心を許しあった仲だったのに、どうしてこうなってしまったのか。幼い弟に手をさしのべる兄、屈託無くその手を握り楽しそうに遊ぶ弟。無邪気に仲良く遊ぶ兄弟の映像に、ついもらい泣きしそうになった。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-10-06 20:34:05) |
75. ジョゼと虎と魚たち(2003)
《ネタバレ》 全然普通の恋愛じゃないけど、妙にリアリティが漂う話。恒夫が裸のジョゼを前に「やばい、なんか俺泣きそう」っていう気持ちも本物だと思うし、ジョゼを背負いながら「俺だっていずれは年とるんだからさ」と口走ってしまった後の二人の沈黙も、ラストの恒夫の号泣も痛いくらいリアル。何でもない質素な和食がおいしそうで、思わずご飯炊きたくなる。妻夫木はそのおいしさを見事に無言で表現していて、将来「くいしん坊!万才」のレポーターに推薦したい。池脇はつい男子が拾って宝物にしたくなっちゃうような(でもだんだん邪魔になっちゃうような)痛カワイイ「壊れもの」に成りきっていて、非常に魅力的だった。上野樹里は持ち味が出せない役どころで若干ミスキャスト感があったが、ジョゼとの対決シーンだけはさすがだった。みんなが関西弁しゃべってるけど、なんか東京の風景っぽいなーとずっと思ってエンドロールを確認したら、ロケは関東だったみたいで納得。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-09-17 12:03:35) |
76. ラヂオの時間
なんでこう三谷作品の登場人物って魅力のあるキャラがいないんだろう。いかにもその場に居そうなマーケティングの行き届いたキャラはたくさん出てくるけど、一人一人を見たときに、色んな意味で信用でき無さそうな人ばっかりで、単純に「この人好き!」と思える人物がいつもいない。事件が起こって、みんなで泣いて笑って大騒ぎして何とか帳尻を合わせました、ちゃんちゃん。というワンパターンな展開も見ていて疲れる。ファンの多い監督なのでいつかは自分が愛せる作品も見つかるだろうと思って機会があれば見ているが、評判の良い今作ですらこうだと、この先報われる日が来るのか不安になってきた。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2009-09-16 12:43:51) |
77. ホームレス中学生
あらま評価低いね。原作に関して何の予備知識もないまま見たが、主演が小池徹平だし小汚くなるわけないじゃん、ひょっとしてコメディ?なんて思いつつ見たので、リアリティ面の演出は最初から気にしていなかった。結果的に、最初コメディだと思っていたらだんだんシリアスな家族愛の話になってきて、話うますぎ!世間甘過ぎ!と思いつつ素直に感動してボロボロ泣いてしまった。ハナから実話だなんて思ってなかったから、逆にすんなり話に乗れたのだろう。恐らく、マスコミで騒がれていた内容を知ってから見たら私の感想も変わっていたはず。話題になればなるほど正当な評価から遠ざかる不幸な映画。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-09-16 12:05:14)(良:2票) |
78. スピード・レーサー
とにかく全編極彩色ベースなので見ていてかなり疲れる画像ではある。映画館で見たら確実に頭痛がするんじゃないかと思うが、自宅の42インチモニターで鑑賞していると、もっと大きい画面で見たいような気もしてきた。映像は派手だがストーリーは適当に追ってレースシーンだけを観ても楽しめるし、小ネタアクションも豊富にちりばめられ、さらにオトナシーンはなぜかきっちり配慮されている(笑)ので、超贅沢な子供向け映画として傑作かと。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2009-07-30 22:27:33) |
79. 亀は意外と速く泳ぐ
三木ワールド全開。私は大好きです。ゆるいんだか豪快なんだか分からない登場人物たちの、ふざけてんだか真剣なんだか分からない謎の行動。このツボにはまれる自分はきっと、かなり幸せなそこそこ人生を歩んでいるんだと思う。人を傷つける様子を字幕まで出して笑うことを強要するテレビのお笑い番組よりよっぽどリラックスして楽しめます。目隠シストさんのレビューを読んで深く共感し、タイトルに込められたメッセージをようやく理解し、この映画がさらに好きになりました。そこそこの人々のそこそこ人生に愛を込めて力一杯のエールを♪ [CS・衛星(邦画)] 9点(2009-07-29 08:20:07)(良:1票) |
80. 純喫茶磯辺
ダッサダサのインテリア&セクハラ誘因そのものみたいな制服を店員に着せておいて純喫茶と気取って悦に入る親父の馬鹿さ加減がもう、自分の父親を見ているようで情けなくて涙が出たww 人間って本当にどうしようもなく馬鹿で愛おしい。それが他人だったら笑って見ていられるけど、肉親だと心底うんざり、まして年頃の女子にはキツイ。そういう男親に限って娘の気持ちにやたら鈍感。悪気はなくても破壊力ばっちりな鈍感さ。でも、そういう父親を見て育つと自然と娘にだめんず免疫ができるので、長い目で見ると教育的には◎だったりする(笑) [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-07-28 14:40:29)(笑:1票) |