81. 死の棘
狂気の嫉妬行為か。当然の嫉妬行為か。境界線上でうまく描きつつ、犬も食わない夫婦喧嘩の深刻さと滑稽さを出していた。久しぶりに、こんな表現方法もあるのだなぁ、と感心した作品。夫の浮気に激怒しつつも突き放せない妻の性(さが)が、昭和の風景にとても合っていた。昔の児童本に出てきそうな、大人しくていたいけない子供がかわいそう。 8点(2004-03-01 12:03:25) |
82. PiCNiC(1994)
いつもは暖かさを出す手持ち8mmカメラのような懐かしい映像が、今回は逆に冷たさ、淋しさ、虚しさを演出するのに効いていた。罪に怯える精神を病んだ男性を、同じく病んだ女性が命をもって救おうとする。無邪気なだけに悲しい。幻覚に現れる殺された小学校教師の表現は秀逸。大滝秀治似の声、下品な体、何本もの〇〇〇〇が不気味・・。 6点(2004-02-26 10:53:57) |
83. ポストマン・ブルース
物語の大まかさが、テレビ以上映画未満という感じでした(映画に敬意を込めた言い方だが)。ご都合主義が目立った。しかし、もうひとふたヒネリによってはすごい骨格になったのではないかと思う面白いストーリー。堀部はホント俳優になって良かったと思う。いいだら。 5点(2004-02-25 16:35:01) |
84. マン・オン・ザ・ムーン
全身小説家ならぬ全身コメディアンという感じは良いのですが、なにせやっている事が面白く表現されていない。 アンディ・カウフマンを知らない私にとっては退屈な気持ちでずっと見てました。最後フィリピンでヤラセが自分に降りかかるところだけ買います。 3点(2004-02-20 01:59:09) |
85. Love Letter(1995)
10年前に見たときより遥かに良く感じた。やすらぎ、くつろぎ、恥じらい、ためらい、この10年で無くしたものがわかるような映画になっていた。確かに女の子への妄想ブリッコ映画ではある(当時も感じた)。しかし10年前なら有り得るのではという女性像を、今は皆無に近いと感じる世の中にいることが、この映画の印象をより良く感じさせる要因になっていると思う。岩井俊二のカメラワークに溶け込む雪と中山美穂に癒されました。 7点(2004-02-16 23:14:24)(良:1票) |
86. とらばいゆ
《ネタバレ》 女性雑誌的な映画でした。今はこんな形の夫婦も多いのでは。気が強く家事そっちのけで勝負に没頭する妻、文句言いつつも優しく世話好きな夫(私が妻に欲しいくらいだ)。ギクシャクしつつもかろうじてつながっていく。それでもお部屋はおしゃれでキレイ。結構今時の女性の願望を満たす映画なのでは。最後ついて行かないで何年会わなくても良いなんて言ってしまう所が斬新で良かった。夫婦猶予期間か。それと、セリフが教科書的で状況の羅列だけなのが少し退屈な面ではありました。そんな中で大杉漣はヒゲダンス。 6点(2004-02-12 11:09:19) |
87. 新・仁義なき戦い。(2000)
「KILL BILL」で引用された音楽が聴きたくて見ました。流れてきた時は感動。この映画での冒頭の使い方もカッコよかった。ズームで圧縮されたスローモーションの映像でヤクザの重みや恐さが表現されていた。演技が拙いながらも意外と迫力があった布袋、ドスをきかせない所が逆に格好ついている豊悦、可もなく不可もないところが悲しい佐藤浩市、タイガース時代からあの人の顔面には宇宙的個性を感じていた岸部一徳、一人だけ演歌調の演技が光る志賀。俳優にやけに目がいく映画でした。 [映画館(字幕)] 7点(2004-02-04 10:11:24) |
88. 県警対組織暴力
うねる!力強く下品でじたばたし命をかける男たち。この頃のヤーさんたちは生活感バッチリありまする。オールスター睨みのきく芸能人大会という感じで面白かった。毎度リアクションの大袈裟なところは片腹痛し。 7点(2004-01-16 01:06:01) |
89. ラスト サムライ
《ネタバレ》 オールグレンは武士道を体験しているというより、時代劇を見学しているぐらいの感じで重みがなかった。肉親を殺された武士が敵を,まして殺された者の女房に手厚く看護させるか?何故裏切った大尉を条約の場にすんなり登場させるのか?その他いろいろな不思議シーンがあります。武士やその周りの人々の描き方が、外から神秘的なものにあこがれてしまっているアメリカの主人公中心の浅薄な視点で描かれている。オールグレンは自由過ぎ。自由過ぎるから葛藤に重みが出ません。しかし、さすがハリウッドと思われたラストの戦場シーンや、男・渡辺謙の最後のセリフにグッときたのでプラス1点。 [映画館(字幕)] 6点(2004-01-03 22:30:13) |
90. Jam Films
堤 幸彦と行定 勲 が 勝ち組。 5点(2003-12-17 10:36:30) |
91. 打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993)<TVM>
年をとった自分が観ていて片腹痛くなるほど綺麗で純で切ない映画でした。初恋相手的な可愛らしさを、奥菜恵が思春期の妖艶さを持って好演。心の中でカメラを回してるようなカット割は大絶賛。自主映画的でもあるしプロの技も光る映画でした。 7点(2003-12-17 10:24:46) |
92. キル・ビル Vol.1(日本版)
おおモーレツの高度成長!愛しちゃったのよタランティーノ、ヤヤヤンヤン。好きな物なんでも風神で吸って詰め込んでいるオタクおもちゃの缶詰。昔、「ファイナルカウントダウン」など超日本誤解映画を見た時に、変な日本語や日本人が出る外国映画は見たくないと思った。しかし、うまく逆手に取られた。なんでそうなるの。ドリフのセットのような青葉屋の大殺陣シーンの長さや、血の量、すっ飛んだ肉体パーツが多すぎたのが気になった 。もっとチャンバラや仁侠映画みたいにスマートにしたら良かったと思う。あの音楽が下世話報道バラエティ「ウィークエンダー」で流れていたのをタランティーノさんはわかっているのか。わかんねーだろうな~。 [映画館(字幕)] 8点(2003-11-10 16:34:32) |
93. その男、凶暴につき
なにせキヨヒロの存在感がすごかった。普通な人っぽさを保ちつつも狂暴であって目の座り方が怖い。 それまでこのような殺し屋のキャラはいなかったと思う。北野監督は初監督にして自分のスタイルを作ってしまっている。黒澤明が詰まった感じを好むとしたら、北野武はスカな空間を好む人だと思う。 8点(2003-10-27 13:06:10) |
94. 野良犬(1949)
どのシーンも手を抜かないセットで今また重みが増します。夏の熱さをここまで精神状態の表現に利用出来た作品も珍しいのでは。エアコンがない時代の逸品。なんでも戦争のせいにするな、同じ目に合っても真っ当に生きている人もいる、という内容の三船のセリフが教訓になった。 9点(2003-10-22 10:06:34) |
95. ざわざわ下北沢
自主映画をかじった者としては学生か、せめて20代に見てればなぁ。記念撮影的ではあるが、なぜか心落ち着く映画でもありまする。ガンバレばかりの世の中にちょっとした安定剤の市川映画です。清楚な主演の女の子いいぞ。 6点(2003-10-15 17:34:55) |
96. 宣戦布告
有事におけるおじさんたちの狼狽ぶりだけを描くのかなと思っていたら、アクションやサスペンスも絡めてあり意外に良かった。近隣国との緊張もあり他人事とは思えない昨今、考えさせられる映画でした。なぜ日本の政治家はあたふたしている姿が似合うのだろう。 7点(2003-10-15 09:10:26)(良:1票) |
97. 座頭市(2003)
《ネタバレ》 ネタ帳に書き連ねたのが目に浮かぶような、アイデア満載時代劇でした。市の目に関する最後の二段落ちからタップダンスにかけては印象的なラストとなった。血糊だけ色を出して白黒映画にしたのも見てみたい。ストーリーの中だるみと復讐姉弟の演技の拙さ、親玉の意味不明行動が少々気になりました。 8点(2003-10-15 00:43:23) |
98. ペパーミント・キャンディー
悲劇の要因は生きてきた過程もあるけど、本人のパニックに陥りやすい性格が一番の原因かなと感じます。弱さゆえに荒んでいく人生が上手く描かれてました。私もそう強い人間でもないので同情。大袈裟な錯乱を除けば落ち付いた演出。細かなところで意外性を出していた。 7点(2003-10-14 16:34:57) |
99. 殺し屋1
コミックを読んである程度のグロは覚悟していたが・・・気持ち悪~い。不快感満載。やはり平和が良いなと思った。原作での1は落ち付いている時と泣き顔のギャップが良かったが、映画では何時もおどおどしてて暗い感じだけでした。キャラでコミックより良かったのは浅野、その子分のごつい人、ヤクザ側のアジア系の女、です。 5点(2003-10-06 03:04:44) |
100. 愛する(1997)
前半は恥ずかしくなるような恋愛模様なのですが、後半の主人公の行動は感動しました。ひたむきでけなげな、本当に人を救う姿を見れました。こんな人と文通したい。 9点(2003-09-23 12:46:06) |