81. さや侍
《ネタバレ》 やっぱり松本人志に映画監督の才能はないってことが改めて分かったような作品。これってごっつええ感じのコントを長くして無理やり繋げたような映画であって、それ以上でも以下でもないという作品。それならそちらのDVDを観たほうがよっぽど笑えるし映画である以上、コントとは違うもっと新しい楽しみ方を提示してもらわなければ、これではあくまで監督の自己満足にしかならないよ。松本人志は、一度、徹底的にシリアスな作品を撮ってみたらもしかしたら化けるんじゃなかろうか。北野武みたいに。 [DVD(字幕)] 5点(2013-03-24 18:10:53) |
82. ピラニア 3D
《ネタバレ》 過剰なまでのエロ・グロ描写。下品極まりない。けっこう、その手のお下品映画は好きな方なのだけど(ロドリゲスとか特に)、でもこれは個人的には嵌まれなかった。千切れたペニスをピラニアが食べるところを画面いっぱいに大写しされるところなど、観ていて辟易。これはもう個人的な趣味の問題になるのだろうけど、もう少しクールな映画のほうが好み。 [DVD(字幕)] 5点(2012-10-21 20:26:32) |
83. アウトレイジ(2010)
《ネタバレ》 北野武の映画って、個人的に苦手だったのだけど、これはけっこう観ていられた(それでもその〝イタイ〟暴力描写は、やっぱり自分には合わなかったけれど)。どうしようもないヤクザ者たちの暴力の応酬が、次第にエスカレートしていって、最後はほとんどの登場人物たちが自滅していく姿を、独特のドライな映像で描く。なんだか花村萬月のある種の小説の世界を思い出してしまった。 [DVD(字幕)] 6点(2012-09-06 18:58:52) |
84. 誰も知らない(2004)
《ネタバレ》 確かに、子供たちの(日本の本当に下手な子役が多いなか)自然な演技は素晴らしいし、悲惨な話なのに、その優れた映像感覚で最後までちゃんと観ていられるところも評価したいのだけど、それでも個人的にはちょっとずるい映画だと思わざるを得ない。後で調べたところによると、実際の事件の少年はこんなに優しい人間では毛頭なかった。ここまで事実を曲げて描くのであれば、やはり冒頭に「この映画は実際にあった事件をモチーフにしている」というのは、ちょっと言い訳がましく聞こえてしまう。監督は完全フィクションとして勝負すべきだったと、映画の内容が良かっただけに残念に思ってしまった。 [DVD(字幕)] 5点(2012-08-27 20:02:27) |
85. 影武者
《ネタバレ》 うーん、黒澤明が初めてカラーで撮った時代劇だと思うのだけど、それで肩に力が入り過ぎたせいか、幾分かそれが空回りしている感が否めない。どうにも無駄なシーンが多いような気がする(特に何度も繰り返される大量の馬の転倒シーン)。次作「乱」では、その力みがちゃんとコントロールされた傑作になるだけに、その習作のような残念な映画に思えた。 [DVD(字幕)] 5点(2012-08-16 17:33:47) |
86. 蜘蛛巣城
《ネタバレ》 凡百の日本の時代劇とは一線を画する哲学的なストーリーと、それを彩る陰鬱とした映像美はさすがに見事としか言いようがない。後の傑作「乱」を髣髴とさせるダークな世界観と、ラストそれを切り裂くかのように画面狭しと降り注ぐ矢の雨あられ。本当にその独特の幽玄の世界はとても良い余韻となっていまも心に残っている。 [DVD(字幕)] 7点(2012-08-16 17:19:14) |
87. 生きる
《ネタバレ》 確かに力強い映画であることは分かる。黒澤明の才気が縦横にみなぎっているのも伝わってくるけれど、どうにも個人的にそれが説教臭く感じてしまった。良い映画だとは思うけど、個人的には他の黒澤作品のほうが好き。 [DVD(字幕)] 6点(2012-08-16 17:07:21) |
88. サマーウォーズ
《ネタバレ》 80年代に大量に作られた、ドタバタラブコメの現代版のような映画。やはり新しいのは、そのネット上の世界を表すシャープでポップな映像美だろう。現実とネットの世界がシンクロし、夏休みに訪れた田舎の裏山と世界の危機が同時進行で収斂されていく演出は確かに見事だった。ただ、その余りに童貞中高生が夢見そうなラブコメ世界は、個人的に辟易させられてしまったのでこの点数。 [DVD(字幕)] 6点(2012-08-12 11:00:21) |
89. TAKESHIS’
《ネタバレ》 明らかに、デビット・リンチの「マルホランド・ドライブ」を意識した作品だろうけど、いかんせん才能の差が際立ってしまっている。悪夢のようなシュールな世界を構築しそれを芸術の高みにまで昇華するということと、無茶苦茶すればそれで後から意味なんか付いてくるだろうという浅薄さを、明らかに履き違えている。それでもタクシーのシーンなどは光るものがあったので、この点数。 [DVD(字幕)] 5点(2012-06-14 16:28:47) |
90. 監督・ばんざい!
《ネタバレ》 下品な悪ふざけ。面白みのかけらもない。一切笑えず、不快感だけが残るどうしようもない映画。それだけ。 [DVD(字幕)] 1点(2012-06-14 16:20:35) |
91. Dolls ドールズ(2002)
《ネタバレ》 外人が好みそうなオリエンタルでエキゾチックな映像をこれでもかとふんだんに使い、明らかに日本の観客を無視して創られた映画。どうして文楽の映像が織り込まれるのか、その意味も皆無だし、なにより愛する人のために目を潰すエピソードなど明らかに外国で評価の高い谷崎潤一郎からの本歌取り。日本では比較的評価の低いことへの反発でこの映画を創ったのだとすれば、それに付き合わされる観客の身にもなって欲しい。 [DVD(字幕)] 3点(2012-06-14 16:16:20) |
92. Kids Return キッズ・リターン
《ネタバレ》 単調で変化に乏しいアート系映画を多く撮っている北野武作品は、個人的には苦手なのだけど、この作品は割合と好きなほう。相変わらず、淡々とした事実だけが美しい映像のなかを静かに流れていく手法が、二人の青年の鬱屈した青春の日々と絶妙にマッチしている。どこまでいっても閉塞感から抜け出せない現実のなかで、それでも生きることを肯定的に描き、それがとても良い余韻を残す。この後の北野作品は、そんな肯定感を放棄してしまって、ただ絶望感だけを描いているような気がしてならないだけに、この作品はいまも光っている。 [DVD(邦画)] 7点(2012-06-14 16:08:00) |
93. GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊
《ネタバレ》 押井守って個人的に苦手な監督です。「イノセンス」や「スカイクロラ」も観たけれど、その哲学的な作風はどうも好きになれない。確かに、エヴァなんかと違ってその世界観はかなり深いところまで考え抜かれているのだろうけど、どうも鼻について乗り切れない。もっと楽しくいきましょうよー、と叫びたくなる。 [DVD(字幕)] 5点(2012-05-27 22:55:10) |
94. AKIRA(1988)
《ネタバレ》 その独特の映像へのこだわりや、その雰囲気などは確かに評価できるけど、やはりストーリーが不親切。原作は漫画界きっての傑作だっただけに、そのこだわりっぷりが完全に裏目に出てしまっている。漫画と違って映画は二時間、せいぜい三時間オーバーの世界で全てを表現しなければいけないのだから、やはり切るべきところはちゃんと切らないと。やっぱり優れた漫画家が、必ずしも優れた映画監督にはなれないと証明した作品。 [DVD(字幕)] 6点(2012-05-27 22:45:56) |
95. スチームボーイ STEAM BOY
《ネタバレ》 「天空の城ラピュタ」の劣化版。 [DVD(字幕)] 4点(2012-05-27 22:36:43) |
96. 蟲師
《ネタバレ》 大友克洋って、やっぱり映画監督としての才能は皆無ですよね。こんなつまらない映画はほんと久しぶりに観た。独り善がりな設定と演出、そして最後は頑張ってアートにしてみようとしたけど、完璧に破綻しましたーな開き直りっぷり。早く漫画の世界に戻って、世界の大友ブランドを復活させてくれ!! [DVD(字幕)] 2点(2012-05-27 22:34:13) |
97. ラスト サムライ
《ネタバレ》 普通に面白い映画だと思う。確かに、明らかな事実の歪曲があるけれど、自分としてはこれくらいは許容範囲内。トム・クルーズも渡辺兼も、どちらも時代の主流から取り残されてしまった人々、それでも失ってはいけない精神性のために勝ち目の ない戦いに挑む……。確かにアメリカ人監督が描いた日本的「もののあはれ」だけに、悲愴感はそこまで深くはないけれど、ちゃんと日本を描こうというスタッフの熱意は日本人として好感が持てます。 [DVD(字幕)] 6点(2012-05-20 21:27:05) |
98. パコと魔法の絵本
《ネタバレ》 中島哲也らしいこだわりの映像美や、独特の世界観はやはり凄い。一癖も二癖もある登場人物たちを、原色系のカラフルなCG映像のなかに描き出す手腕はやはり監督の才能を十分に感じさせる。だが、少し毒が足りないと思うのは自分の好みの問題だろうか。多少、子供向けでもあるということで、中島作品としては少々物足りなさも感じるが、それでも十分に面白い。 [DVD(字幕)] 7点(2012-05-17 01:58:42) |
99. アンノウン(2011)
《ネタバレ》 途中まではすごく良かったのだけれど、さすがに最後のオチは無理があるだろう。それまでのテンポのいいアクションシーンが一気に興醒め。敵の凶悪な計画をなんとか阻止したぜって元々あんたが計画したもんだろう!最後は自首するわけでもなく、若いおねーちゃんと電車でバイバイて……。本当に途中までは良かっただけに残念な映画。 [DVD(字幕)] 5点(2012-05-01 11:35:25) |
100. スワロウテイル
《ネタバレ》 バブルが崩壊して、これまでの価値観が根底から崩壊してしまった世相のなかで撮られたまったく新しいお洒落映画。それまでの頑張ってお金稼いで良いマンションに住んでアフターファイブを楽しむといった価値観を、旧世代にしてしまった豪腕は確かに評価に値する。でも、結局スタイリッシュな映像だけを撮りたかったという印象も否定できないが、今でも一見の価値はある。 [DVD(邦画)] 7点(2012-04-29 23:04:36) |