161. 西鶴一代女
《ネタバレ》 幸せと不幸せが交互に訪れるお春の人生が丹念に描かれており、彼女の生き様に「失意泰然、得意淡然」が思い浮かびます。勝之介の遺言に監督の思いの丈をぶつけているように思えます。 [DVD(邦画)] 6点(2016-11-27 02:54:14) |
162. ある殺し屋
阿婆擦れを描かせたらピカイチの増村保造の名に恥じぬ圭子(野川由美子)、野心ギラギラの三下前田(成田三樹夫)、善良そうな小料理屋の店主/凄腕殺し屋塩沢(市川雷蔵)。それぞれ際立った個性に惹かれるものの、三人が絡んで進んでゆくストーリーが拙くて盛り上がれないの歯痒かった。 [DVD(邦画)] 6点(2016-06-20 14:42:31) |
163. 復活の日
初見。スケールが大きいようで安っぽいようで不思議な感覚。恐竜が絶滅したのは自然の摂理だが、本作での脊椎動物の滅亡はヒトが起こしたもの。南極政府での種の保存の議論に人種が隔てない太古の人類を想像させられた。昭和基地隊員がフェードアウトしてしまったのと吉住の放浪模様がくどいのが残念。 [DVD(邦画)] 6点(2016-05-07 20:10:59) |
164. 河内山宗俊
この娘の為なら死ねる。宗俊と市之丞の男気は見応えあるものの、その娘の魅力が原節子をもってしても感じられないのが残念。 [インターネット(字幕)] 6点(2016-03-21 00:26:40) |
165. 淑女は何を忘れたか
《ネタバレ》 私の母が幼児だった当時のハイカラな暮らしぶりに育ちの良し悪しを考えさせられます。尻に敷いている夫にビンタされた妻の反応がとても意外で、ここから初めて本作を面白いと感じました。夫婦円満であるためには互いが とんがらがっちゃ駄目よ なのでしょうね。 [インターネット(字幕)] 6点(2016-03-20 01:23:15)(良:1票) |
166. 皇帝のいない八月
主人公がテロリストとまでは言わないものの義憤に駆られた憂国の士に見えない。一般客と共に列車での移動に現実味が感じられない。ドラマ性を持たせる為とはいえ三角関係は皆が青臭くて辟易する。馬鹿馬鹿しくなるのを佐分利信、滝沢修、三國連太郎が救ってくれました。怪物と妖怪の勝負、鬼と仏の顔を持つ元憲兵。キラ星の役者陣の中で別格の三人に、存在感というものを考えさせてもらえました。趣がある題名が活かされていれば良かったのですが。 [DVD(邦画)] 6点(2014-10-13 04:04:29) |
167. 鴛鴦歌合戦
予備知識ゼロ。いきなり歌い出したのに面喰い、そういう映画である事に「変なの借りちゃった」と後悔。そのいじらしさに胸がキクンと痛んだお春ちゃんの存在がなければ鑑賞リタイアでした。 [DVD(邦画)] 6点(2014-08-24 17:29:53) |
168. 王将(1948)
《ネタバレ》 妻との別れの場面が関根に祝いを述べた場である事を考えると感慨がかき消されてしまいました。あっさり名人位を譲った心境も頷けないもので消化不良な作品でした。 [DVD(邦画)] 6点(2014-08-23 20:54:08) |
169. 復讐するは我にあり
描かれる交尾の如き交わり並びに人間模様はこの監督特有。服着てサウナに入っているが如き不快さが堪らない。復讐を果したい実父に指一本触れられ無い代わりに赤の他人を騙して殺害する息子。最期の対峙の息苦しさが堪らない。復讐は人ではなく神様がする事と言いますが、実話だけにご遺族の胸中を察するとやるせなさが堪らない。 [DVD(邦画)] 6点(2013-10-14 00:46:28)(良:1票) |
170. 許されざる者(2013)
人斬りは戦争行為においてのみでないならず者十兵衛とサディストな署長の対決。つまらない話で、女性達の描かれ方が半端であるのが奥行きが感じられない作品の要因に思えます。ただ、ならず者なりの気魄を示す渡辺譲は瞠目すべき存在でした。未見の原作に興味が湧いています。 [映画館(邦画)] 6点(2013-10-11 19:50:40) |
171. 昭和残侠伝 人斬り唐獅子
縄張り争いがベースな為か、渡世の義理に惹かれるところがありませんでした。悪方が何時にも増して狡すっからい、小山明子の描かれ方がベタベタしていない、片岡千恵蔵の往生際が見事。これ等が見所でした。 [DVD(邦画)] 6点(2012-12-22 01:06:20) |
172. 不撓不屈
《ネタバレ》 余りにも薄汚い役人ども、私利私欲無い熱血議員、主人公の質実剛健さと家族の絆。この物語が実話である事に始終唖然とさせられました。勝ち目の無い戦いに勝った部分がナレーションで済まされている事が非常に残念です。彼のご都合主義ではない正義感、妥協なき正義感、小賢しさのない正義感は、真似が出来ないだけに畏敬の念を抱きました。滝田栄はまり役です。 [DVD(邦画)] 6点(2012-08-18 00:47:37) |
173. 悪い奴ほどよく眠る
現実離れしていた西の素性がばれる瞬間を境に面白味がだんだんと薄れていきました。とりわけ無知でお人形さんのような奥さんに興を削がれました。悪を気取ったところで世間の仕組みには今も昔も勝てないという事を思い知らせてくれるタイトルが強烈です。一番興味深かった人物が、その世間の仕組みを体現していた岩淵。森雅之さんは何処に出ていたのかの答えを本サイトで知り仰天、役者魂に感嘆しております。 [DVD(邦画)] 6点(2012-03-18 19:22:06) |
174. 祇園の姉妹(1936)
おもちゃは、男に負けんと封建社会に声高に物申しておりますが、鼻白むばかりでした。自らの意志でその職に就き、口先だけペラペラペラペラ、人の心を平気で裏切って踏みにじる、裏切られるのがボンクラだとばかりに居直る。これの何処が女の強さなのか。ラストで悔しさに喚き散らすおもちゃの傍らで悲しみに耐えている梅吉にこそ、女性の、人間としての真の強さを感じました。時代に関わらない、芸妓で有る無しに関わらない、男女関わらない、人の有りようを考えさせられる幕切れが象徴する姉妹の生き様を見せてもらいました。 [DVD(邦画)] 6点(2011-11-03 13:15:44)(良:1票) |
175. 祇園の姉妹(1956)
溝口健二(予備知識がなく、リメイクの本作では原作者である事を本サイトで知りました(汗))の芸者もの。芸達者が揃っており安心して観れたものの、心揺さぶられる事のない平坦な物語に物足りなさを感じました。情の厚さとドライさが折り合う事が肝要なのかなぁと姉妹の生き様を見て思いました。 [DVD(邦画)] 6点(2011-10-19 20:35:52) |
176. 金環蝕(1975)
贈収賄のお話は今も脈々と受け継がれているようなので、未来にも受け継がれていくのかなぁと思うくらいで取り立てて面白いとは感じませんでした。数多の名優が演ずる意地汚い面々の中で官房長官が飛びぬけて嫌らしく、仲代達矢は日本一の男優だと改めて認識しました。 [DVD(邦画)] 6点(2011-10-06 00:45:30)(良:1票) |
177. 浪華悲歌
《ネタバレ》 我が身を犠牲にして尽くした相手に裏切られる。恋人はともかく家族の冷たさが堪えます。誰のおかげですき焼きを食べていられるのか! それでも一滴の涙も流さぬアヤ子。犬と朝寝をしている社長夫人共々女性陣の逞しさに魅入ります。それに引き替え男性陣ときたら・・・心斎橋そごうのエレベーター、地下鉄淀屋橋駅(?)当時の最先端の街並みが興味深かったです。 [DVD(邦画)] 6点(2011-08-13 20:53:23) |
178. 背徳のメス
登場人物すべてが背徳者。その心模様は見応えがありましたが、サスペンスとしては入り込めませんでした。当時の病院の模様がありのままだとしたら、びっくり仰天です。 [映画館(邦画)] 6点(2011-07-30 00:06:41) |
179. 沈まぬ太陽
山崎作品に共通する、職場で筋を貫き通す男とそれに振り回される妻子。本作では鈴木京香演ずる妻の静かな強靭さが一家を支えているように見えました。会社更生法を申請するに到る事を作者は予見していたのかと思わせる私欲に塗れた幹部と政治家、官僚達。こういう連中が淘汰されて再建を果たせれば正直に真面目に働いてこられた方々が報われるのに、と思いました。原作の第三巻以降は未読なせいもあるのかラストに唐突さを感じました。ただ、恩地に自身の辛苦を「取るに足りないもの」と語らせるご遺族の胸中を思うと生ある有難味を感じさせられます。 [DVD(邦画)] 6点(2010-07-31 01:56:09) |
180. 白痴(1951)
死から生を授けられた亀田の人を憎まず、蔑まず、責めずの姿が、妙子、綾子、綾子の母といった面々がエキセントリックであるが故に際立っていましたので、赤間の野卑さや強欲さが物足りなかった点が非常に惜しまれます。結末を暗示するかのような写真店でのスリーショットの迫力は凄まじく、この先忘れることはないでしょう。 [DVD(邦画)] 6点(2010-01-10 02:33:43)(良:1票) |