221. Mr.ホームズ 名探偵最後の事件
《ネタバレ》 93歳のシャーロック・ホームズが衰えに苦悩する、思ってもみなかった展開。とってつけた感がある日本のエピソードが物語の中で浮いているのが残念。目元がジョン・ハートにソックリなイアン・マッケランは風格ある映像に映える佇まいだった。 [インターネット(字幕)] 6点(2018-10-31 15:10:06) |
222. 美女と野獣(2017)
《ネタバレ》 苦手なミュージカル仕立ての他愛のないお伽噺に感動したのは目を瞠る映像美の賜物。惹かれて止まなかったのがルミエール、コグスワース、ポット夫人。それぞれの魂が抜ける描写に涙腺が危険水位に。沁み入る歌詞に決壊したエンディングシーンで知ったユアン・マクレガー、イアン・マッケラン、エマ・トンプソンに心底仰天。ディズニーの底力をまざまざと感じた作品。 [DVD(字幕)] 8点(2018-10-29 15:32:23)(良:1票) |
223. パッセージ・死の脱走山脈
数多描かれてきたSS将校の中にあって、そのキ〇〇〇っぷりが空前絶後であり一世一代の名演を見せたマルコム・マクドウェルに、数多の名優全てが霞んでしまった。ジェームズ・メイソンは役不足感が否めず「寒かったでしょうね」と同情を誘う姿だった。結末に歯痒い思いをしたものの、短い尺の中にキッチリ収められた戦争アクションものの良作。 [DVD(字幕)] 8点(2018-10-22 01:06:29) |
224. 赤い影
《ネタバレ》 お目当て及び予備知識無しでの鑑賞。監督、主役二人に「これは良作かもしれない」物語の冒頭で「これは傑作サスペンスかもしれない」 異国情緒溢れるヴェネツィアに更に盛り上げられた期待が老姉妹の登場でフリーフォール。安物のオカルト話は凝った映像をもってしても白けるばかり。異様に長いベッドシーン(4~5分はあったか)は生々しさがAVとしては気品ある逸品なものの(ジュリー・クリスティがこのシーンを了承したのに仰天)物語での必然性を感じない話題作りに思えるものだった。 余談ながら、本作が英情報誌「Time Out London」が発表したイギリス映画のベスト100(100 best British films)で「第三の男」を抑えて1位に輝いたと言う事です。感じ方は人それぞれを思わされます。 [DVD(字幕)] 5点(2018-10-21 00:12:23) |
225. スプリング・ガーデンの恋人
コリン・ファース出演にもかかわらず酷い出来栄えに心底ガッカリ。彼の持ち味である端正な台詞回しも、くだらないにも程がある脚本では何一つ心に残らない。女性二人のキャラクターのお粗末さも目に余る。救いが皆無の愚作。 [DVD(字幕)] 2点(2018-09-30 21:56:20) |
226. 真珠の耳飾りの少女
「真珠の耳飾りの少女」製作に纏わる物語。美術・衣装・音楽・撮影の方々の舞台作成への真摯な思いを感じさせられる仕事ぶりに喝采。スカーレット・ヨハンソンは額縁から抜け出して来たかのような特筆ものの存在感。コリン・ファースは子沢山で家長失格の天才画家を絶妙に表現している。憎まれ役で嫁とパトロンはともかく娘は余計だったかと。大胆な仮説も違和感が無かった秋の夜長に相応しい良作。 [DVD(字幕)] 7点(2018-09-25 01:10:23) |
227. 王子と乞食(1977)
《ネタバレ》 初見、原作未読。リチャード・フライシャー監督による児童文学の実写化作品。童話としては超一流のスタッフ・キャストを起用した贅沢極まりないもの。 「わが命つきるとも」のエピローグが浮かんだイングランド王室が舞台であり、主人公エドワード6世が父であるヘンリー8世からどのような帝王学を施されたのか描かれておらず、トムと入れ替わった後に「私は王だ」とひたすらに連呼するだけなのに白けてしまう。ジョージ・C・スコットをはじめ名優達は存在感たっぷりなものの誰にも惹かれなく残念。トムの目を通して民の事など頭の隅にもない王室の有り様が印象深い。架空の国の物語であれば素直に楽しめた気がする惜しい一品。 [DVD(字幕)] 6点(2018-09-15 01:38:11) |
228. クリスマス・キャロル(1984)
初見、原作未読。この歳で感じた物語の言わんとするところは、さもありなんといったところ。ジョージ・C・スコットはドンピシャのキャスティング。他作未見だけれど、彼以上に演じきれる者はいないのではないかと思われる絶品ぶりでした。 [DVD(字幕)] 7点(2018-09-08 22:47:08) |
229. マッキントッシュの男
《ネタバレ》 ジェームズ・メイソン冒頭に於ける国会でのスピーチに私の期待は急上昇。「貴男が正義感溢れる熱血議員であるわけ、無い、ですよね」 マッキントッシュに向けた後ろ姿が売国奴そのもので、「やっぱりね」 積み上げてきたキャリアが滲み出て惚れ惚れします。 対するポール・ニューマンは何時もながらのクールな魅力を放っており、乾いた風景と音楽が雰囲気を盛り立てて、展開に釘付けに。 裏切者に相応しい最期でありながら、それをポール・ニューマンが傍観していた演出が作品を台無しに。心底ガッカリ。思い返す度に腹が立ちます。 余談ながらクラリッサ・ケイ・メイソンが登場して満面の笑みでツーショットに納まっているのは大スターの威光といったところでしょう、か。 [インターネット(字幕)] 7点(2018-09-08 13:11:40) |
230. 地中海殺人事件
ジェームズ・メイソンの着こなしと立居振舞に、プライベートでの本作のような貴族的な暮らしを思い巡らしてウットリしただけの作品。何の見せ場もない平板な役柄で腕の見せようがありません。謎解きが無理筋なのがいけません。犯行動機がお粗末なのが一番いけません。目を見張ったジェーン・バーキンの変身ぶりに+2点。 [DVD(字幕)] 6点(2018-09-02 00:33:34) |
231. 灰色の男
《ネタバレ》 ジェームズ・メイソン初期作品は現代にも通じる見応え満点の傑作ドラマで彼の魅力も満載。 俳優キャリアに於いて屈折した貴族役の元祖とも言える「灰色の男」とロンドン社交界で忌み嫌われているロハン公爵。身に纏う衣装が実にノーブルで溜息が出まくり。 お家の体面第一で妻を子孫繁栄の道具にしか見ていない単に情の無い男であって変質狂には当てはまらず肩すかし感が強かった(-1点)のですが、最後の最後で残忍な気質を爆発させる「真っ黒な男」に恐怖で顔を覆った指の隙間から見る羽目に。また、初めて見るど突き合いファイト(お相手は宿敵?スチュワート・グレンジャー)はかなりの迫力で、恒例の replay time でウットリと。 男性二人が物語に深みを加えていましたが、主役はマーガレット・ロックウッドとフィリス・カルバートの女性二人であり、魔女と天使の出会いからそれぞれの最期まで名演も相俟って共に哀れを誘います。粋で余韻を残すラストがこれまたお見事。 [DVD(字幕)] 9点(2018-08-14 21:18:03) |
232. 死にゆく者への祈り
墓場での暗殺行為に「場所もわきまえずに、この、腐れ外道が・・・(以下、罵詈雑言)」腸が煮えくり返る。ミッキー・ロークにしてもアラン・ベイツにしても人情は持ち合わせているのに遣る瀬無い思いが。神父とは対極のイメージのボブ・ホスキンスが一番興味深かったけれど今一つ中途半端なキャラクターであるのが歯痒い。リーアム・ニーソンが活かしきれていないのが更に歯痒い。 [DVD(字幕)] 7点(2018-08-07 03:23:34) |
233. 恐怖(1961)
面白さが凝縮された81分間。兎にも角にも脚本が素晴らしい。独特のアングルのモノクロ映像とスーザン・ストラスバーグ、アン・トッドを固唾を呑んで見守る。8割がたは予感通りの展開だったが、分からなかった2割の部分に唸らされる。 皆様にお薦めしたい極上の逸品。初見の際は絶対に予備知識無しでご覧頂きたい。 [DVD(字幕)] 8点(2018-07-31 09:20:02) |
234. 最後の突撃(1944)
喜怒哀楽の感情が何一つ湧く事が無かった初めての戦争映画。監督は戦意高揚作品を撮ったのか撮らされたのか? 腕の振るいようが無かったのかやる気が無かったのか? 本サイト3点の基準がそのまま当てはまる期待外れ感が大きい作品。 [DVD(字幕)] 3点(2018-07-29 14:16:09) |
235. ナザレのイエス
DVD2枚組6時間超の完全版鑑賞。何日かかることやらと思っていたのが丹念に描かれたイエスの生涯に長さを感じる事無く2日間で完走。絢爛豪華さでは鑑賞歴中ナンバーワン(オスカー受賞者7名、ノミネート6名、他名優)の脇役陣を従えた感のあるイエス演じたロバート・パウエルが絶品。次いで印象に残ったのがヨハネ演じたマイケル・ヨーク。次いでモーリス・ジャールの重厚な音楽。お目当てジェームズ・メイソンは全体通じても10分程の出番で語る点がないのは致し方なし。「世の終わりまであなた方と共にいる」と遺言を残したイエスは、その後何千年に亘って神の名の下に繰り広げられた諍いに何を思うのだろうか。 [DVD(字幕)] 7点(2018-07-22 20:18:58)(良:1票) |
236. パンドラ
映像に、ストーリーに、ジェームズ・メイソンとエヴァ・ガードナーに。幽玄の世界を堪能させてもらえました。これ以上言葉に出来ません。 [DVD(字幕)] 10点(2018-07-17 00:34:54) |
237. ミニミニ大作戦(1969)
《ネタバレ》 金塊強奪作戦はハラハラするところは無いもののCGの無い時代の3台のミニの逃走模様はワクワクし通し。ミニのこれ以上ない宣伝効果になったのではないでしょうか。カースタントチームの仕事ぶりに心からの喝采を送ります。マイケル・ケインを支える、ノエル・カワード、ロッサノ・ブラッツィ、ラフ・ヴァローネの贅沢な脇役陣の存在感がたっぷり。囚人でありながら刑務所の君主であるブリッジャーが作戦成功で皆の祝福に応えるシーンでのチャンチャンチャチャチャンチャチャチャチャ ブリッジャー!!が耳に残ります。「えっ、ここで終わり?」意表を突かれたラストショットは先の展開が色々と思い浮かんだ印象深いものでした。怒り悲しみ切なさやるせなさとは無縁のからりとした粋な味わいある秀作。 [DVD(字幕)] 8点(2018-07-16 00:01:15) |
238. カインド・ハート
《ネタバレ》 ダスコイン公爵一族八人を皆殺しにしたルイ・マッツィーニは個性際立つキャラクター。慎ましやかな物腰と優雅な立ち居振る舞いと慎重な行動は、失意の内に亡くなった母の敵討ちという動機においては応援してしまうものの、幼馴染シベラとの不倫や殺した男の未亡人イディスを我が物にしようとして二股かける姿に底知れぬ闇を見て引いてしまう。見た目の品性は違うものの人間性は一緒のルイとシベラのキスシーンは異様なオーラが漂っており演じたデニス・プライスとジョーン・グリーンウッドに惹き込まれる。一族八人が似たような顔に見えたのがアレック・ギネスの一人八役なのにビックリ。ただ、アガサ夫人以外はインパクトの無いキャラで黙々と淡々と殺されるだけなのが物足りない。復讐が完結するのか手に汗握った結末に「あぁ~」と思わず声が出て、「これは一本取られたました(死語?)」と思った次第で+1点。 [DVD(字幕)] 9点(2018-07-15 22:58:07) |
239. 妖婆の家
《ネタバレ》 スージーを手にかけたのは乳母かジョーイかが分からない展開に目が離せない。真相と結末は哀しみを誘うもので、手の皺に加齢を痛感したベティ・デイヴィスが豹変して悪逆非道な妖怪の本性を現すのを今か今かと待ち望んでいた身にとってはちょっぴり残念。陰鬱な物語の一服の清涼剤だった階上の少女を演ずるパメラ・フランクリンが印象に残る。 [DVD(字幕)] 7点(2018-07-11 14:31:00) |
240. バルカン超特急(1938)
列車に乗るまでのシーンが間延びしていてイライラする。乗ってからもハラハラすることもなく、笑えるでもなく、黒幕はこの人だろうと早くに分かるし。対決の決着は曖昧で、ラストの再会にも「はぁ? 何じゃそりゃ」。指文字などハッとするシーンがあるものの無理筋なストーリーで興に乗れずじまいの作品。 [DVD(字幕)] 4点(2018-07-02 11:29:45) |