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花守湖さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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21.  ゴーストワールド
若者からみた大人はいつだってペコペコ頭を下げていて、何かを諦めていて、妥協していて、ダサい存在だとは思うけどイーニドさん、あなたは他人ばかり批判しているけど自分はどうなのと聞くと彼女は「あたしとあんなダサイ連中と一緒にしないでくれる?私はただ韜晦しているだけなのよ」という言葉が返ってくると思う。 あたしは他人とは違うんだという自負心。 しかし自分らしく個性的でありたいと思っていてもイーニドの強烈な自意識は虚栄心に変化しそれが本当の自分を殺しているという事実を実はイーニドは知っていて、ダサい他人を小馬鹿にすることしかできない彼女が一番嫌いな人間はたぶん自分自身。 この痛みをどうやって切り抜けていくかというと、平凡である自分を受け入れることなんだと思う。 ただし難しいのは「受け入れる」ということと「諦める」ということはとても似ていること。 イーニドがシーモアに興味を持った理由は「弱さ」に対する共感だと考えましたが、それだけではなくて彼は人間的な弱さや欠陥を隠そうとはせずにそれを受け入れてしまっている所に自分には無いもの感じましたのではないでしょうか。若い者にとって一番苦しいのはいつの時代も過剰な自意識だと思います。 
[DVD(字幕)] 9点(2006-02-12 00:18:16)(良:2票)
22.  理想の女
この映画は魅せてくれます。舞台は南イタリアの避暑地アマルフィ。原作はたしかに有名な作家のものですが、あまりそれにこだわらないで観てくれたほうが楽しめるはずです。これは映画です。紛れも無く正真正銘「これぞ映画だ!」と叫び、視覚に訴えかけてくる映像に酔いしれました。 特に妻が夫の行動を疑問に思いはじめたシーンでは、日が没する瞬間の燃えるような夕焼けの美しさが、疑惑の炎と交錯して見事でした。海辺の街が舞台ではありますが、澄み渡った真っ青なブルーのイメージよりは、むしろ「バグダット・カフェ」のように、「赤」という色が印象に残りました。 私は「赤」が基調の映画だと思います。 それにこの当時の上流貴族の絢爛たる身装を、スカーレットヨハンソンという女優を通して思う存分に堪能することができるのが素晴らしい。 すごい!耽美な世界観を終始一貫して魅せつけられましたね。 そして「理想の女」は、「りそうのおんな」と読むのではなく「理想のひと」と読みます。ここがこの映画の1つの謎かけとなっているのですが、「理想の女」の謎が分かった瞬間やっぱり泣きそうになりました。「いい女は2種類しかいない。全てを知り尽くした女と何も知らない女」という触れ込みがありますが、女が好きでたまらない野郎も、美しさを愛する女性も、親に深い悩みを抱えている若者も是非この映画を見てください。これはそういう映画でした。
[映画館(字幕)] 9点(2006-01-22 17:41:49)
23.  野生のエルザ 《ネタバレ》 
はじめて「ライオン」という動物に興味を持ちました。百獣の王と呼ばれ、動物の中でも最強だと言われるライオン、しかし子供の頃は子犬と見分けがつかないくらいに本当に可愛かったです。その子供ライオンが成長して無敵のライオンに変貌する様子は圧巻としか言いようがありません。ライオンが人間と共生できない理由は、ライオンがあまりにも強すぎるからだと思います。犬とは違うのですね。 だたし、この映画では、野生を失ったライオンのエルザの「ひ弱さ」を遠くから心配そうに見守る人間夫婦の姿があまりにも印象的で、涙腺を刺激します。 この夫婦は子供がいないのに、エルザの前では、妻が夫のことを「パパ」と呼んでいるのですよ(笑) ライオンを、わが子同様に思っており、終始、エルザに対するこの夫婦の視線は愛情に溢れていて温かさを感じました。 そして一番の見所は、海を一度も見たことが無いエルザをはじめて海へ連れて行ったシーン。私はライオンが泳ぐのをはじめて見ましたよ。 ライオンは泳げないと思いましたが、しっかりと犬かきで泳ぐではありませんか! いや犬ではないので、ライオンかきかもしれません。泰然自若としたエルザの泳ぎっぷりに、私はどうしてこのライオンが主演男優賞を取れなかったのか不思議でなりませんでした。エルザと夫婦が一緒に泳ぐシーンは幸せの絶頂だと感じましたが、逆にそれがラストの暗雲を予想せずにはいられませんでした。心配性の私としては、最近キングコングを観た影響もあって、実は野生のエルザがラストで悲運の最期を遂げるのではないかと嫌な予感を抱きながら見ていたのです。人間社会は自分勝手ですからね。 しかしその暗雲も一瞬に吹き飛ばす文句のつけようが無い完全無欠のハッピーエンド!やはり哀しい涙を流して感動する映画よりも、嬉しい涙を流して感動する映画を私は愛します。「実話と違う」なんて考えずに、ファンタジー映画としてみると本気で号泣できます。最近、インパクトだけを重視したよく意味の分からない邦題をつけた映画が多いですが、「野生のエルザ」というタイトルのなんと素晴らしいことでしょうか! いやはや、久しぶりに夢を見させて貰いました。
[DVD(字幕)] 9点(2006-01-21 20:57:34)(良:1票)
24.  ベッカムに恋して 《ネタバレ》 
邦題をみる限りはB級映画の臭いがプンプンしてくるが、実はぜんぜん違う。すごく面白い。 サッカーは男のスポーツだという偏見を持つイギリス人の母親は自分の娘がレズだと思い込む。そして今まで娘と対立してきた自分を悔いて、夫からオフサイドを教わる、その姿は滑稽で笑える。 そしてインド人の父親は、若いイギリスの留学時代にスポーツをしていたが差別を受けて心にトラウマを抱えている。 自分の娘も同じようにスポーツを通して外国選手から差別を受けるのではないかと思っている。 インド人の母親は、インドの文化を何よりも大切に思っているが、2人の自由主義の申し子である娘たちを見てはいつも嘆いている。 娘が肌を露にしてボールを蹴ることに真っ向から反対している。 そしてベッカムに恋するゲイの男性も、とてもよかった。 主人公の女性が恋するのはベッカムではなく、アイルランド人の女性サッカーチームの監督。彼は自分の父親に負目を感じて対立している。 女性のサッカーチームの監督をしている自分にも誇りが持てない。 イギリス、インド、アイルランド、レズ、ゲイ、人種差別、なんでもありのすべてがつまった面白い映画。 映画が面白いと感じるのは、CGや特撮ではなく人間が輝いているとき。 そのことを改めて教えてくれた貴重な映画。
9点(2004-07-04 14:11:48)
25.  リトル・ダンサー
私が一番気持ち悪いと恐れていた「男のバレエ」 は、なんの違和感もなく見られた。それを恐れていたから今までこの映画を観ることをためらってきたが見事に杞憂に終わった。 食べず嫌いと一緒で映画も観なくてはやはり分からないものだということを改めて実感させられた。 特に父親の前で、男の子が意を決したかのように踊り始めたあのシーンは、 「男のバレエ」 に懐疑的だった父親や私こと、花守湖や同じように考えている多くの観客を説得させるものがあったと思う。 とにかく踊りが巧いとか下手とかそういう次元ではないのだ、あの踊りはなんと言ったらいいだろうか・・つまり感情の爆発なのである。 隠そうとしても隠し切れないし、抑えようとしても抑えきれないようなエネルギーが一気にあふれ出てくる感じだった。 主役の男の子が本当に素晴らしいのだが、脇役の子供たちもキラリと光って存在しているところがこの映画が名作と言われる理由の1つだろう。 バレエの先生の子供は、最初はこざかしいやつだと思ったがやはり可愛らしい。 ゲイの男の子も最初は なんとなく気持ち悪かったが、あっという間に好感を持てるようになった。 もちろん父親の存在感がN01だと思うが、それだけではない!と声を大にして言いたくなるほど、全ての登場人物が見事に描かれている。
[映画館(字幕)] 9点(2004-01-06 01:27:28)
26.  めぐりあう時間たち
「ダロウェイ婦人」が3つの時代を華麗に交錯する様子が美しいと思った。   「生きる」ということと、「食べる」ということが当たり前の世の中であるからこそ、人間は「生」や「食」に対する執着を失っていく─。  彼女達は満たされすぎていた。ある意味で彼女達は、貧乏な暮らしをして必死で働いていたほうが「生きる」という実感を持てたのではないだろうか。  DVD版では3人の主演女優が映画を通して自分の演技について説明してくれる
9点(2003-12-29 12:19:10)(良:1票)
27.  戦場のピアニスト
主人公が泣いたり、わめいたり、キレたりせずに、淡々とこの状況を乗り切っていくところがリアリティがあった。 極限状態の人間は、無感情になるのだと思う。 涙が出るうちはまだ人間は絶望していない、人間が本当に絶望したら涙も出なくなり無気力・無感情になる。  ドイツはこれからもアカデミー賞にネタを提供し続けるだろう。(シンドラーのリスト、ライフ・イズ・ビューティフルなどもこの悲劇を映画化して受賞している)   ナチスの行った行為は、永遠の人間ドラマとして語り継がれるはずだと思う。
9点(2003-12-14 00:11:31)
28.  ダンサー・イン・ザ・ダーク 《ネタバレ》 
「お盆」とは、ある母親が餓鬼道に落ちて苦しんでいたのを何とか救うために「七月十五日に亡き先祖や父母たちのために供養するように」と釈迦に教えられたことが由来しているそうです。ではなぜこの母親は餓鬼地獄に落ちたのか?その母親は我が子を愛していたから地獄に落ちたのです。母は我が子を愛し、我が子だけは幸せになって欲しいと願う。しかしそのために犠牲になる者もいるはずです。愛とは誰かの犠牲によって成り立つものだから。みんなを均等に愛せるわけなどない。誰かを見捨てて誰かを助ける。それが愛だと思う。監督はそういう事実を我々に見せつけ、愛することも罪の1つだと言いたいのでしょう。セルマが馬鹿にみえて自分勝手なのは彼女が真の母親だからです。真の母親は我が子を心から愛する罪人であり、地獄に落ちるしかない。このメッセージこそ監督の性格の悪さを一番表している。この監督は終始一貫して私たちが正義だと思っていることの中にも罪があるのですよ、ということを映画するのがうまい。
[映画館(字幕)] 9点(2003-10-15 23:01:53)(良:1票)
29.  プラトーン
戦争映画というよりは反戦映画。さまざまな人間を見させてくれる教科書のような映画
9点(2003-10-15 05:01:35)
30.  秘密の花園(1993)
ここに出てくる父親の心理状態がよく分かる。 愛しているからこそ会いたくないという気持ちのことです。 自分にとって好きな何かが苦境に陥っている時に必ず目をそむけるしかできない人間はいる。そういう人間は愛する人が瀕死の状態だとか病気で苦しんでいるようなときもやはり逃げ出したくなってくる。死にかけの愛する人間の手を握ることなど到底出来ない。 弱い人間であることは間違いない。しかしそれでも私はこの父親の弱さに共感を覚える。 誰かを好きになったり愛するということは楽しさや嬉しさを共有しあう面と、苦しみや悲しみを共有しあう面があります。 人を愛すると楽しみと苦しみは10倍になるとよく言われるますがむしろ苦しみや不安のほうが断然多いと感じる。愛する人の病気や「死」によって気が狂ってしまう人もいるくらいです。それだったら人を好きにならないほうがいいとさえ思う。 だけど人間にとって一番大切な感情は「非」の感情なのです。 私は何度も自分の弱さの前に屈するでしょうがいつかは死のうとしている愛する人の手を握っていられる非の感情を持てる人間でありたいのです。   
[映画館(字幕)] 9点(2003-10-15 04:22:55)
31.  ストレイト・ストーリー
これほど、スローな映画を、退屈させない監督の手腕をほめたい。老人ばかりの映画だから動作が、どうしても遅くなるのだろうが、最初は慣れるまでイライラしていた。 この映画は心に余裕がない人は、観られないだろうね。
9点(2003-10-15 03:28:47)
32.  ビザンチウム 《ネタバレ》 
物語の本質は、共依存の母娘です。野蛮な男たちに虐待されて生きてきた母親は、自涜の習慣(娼婦)から抜けられません。彼女の自涜の念が我が娘には同じ道を歩ませたくないという強い思いにつながっているのだと思います。しかし娘を守るつもりが、逆に娘を精神的な牢獄に閉じ込めていることに気が付きません。従って娘の最大の親友は母親であり、母親だけが人間関係のすべてであり、母親以外には他人を愛する選択肢がありません。母親のほうは「私がいないと、この子は生きていけない」と妄念妄想にとりつかれています。ラストで母親が娘を手放したのは、母親自身が、娘から自立できたことを意味します。このラストシーンに未来の燈芯を感じます。また、この映画の吸血鬼は、己の力を誇示する生物として描かれているのではなく、あくまでもマイノリティとして、虐げられる存在として描かれています。悪の存在ではありませんが、人間を殺さないと生きていけないというジレンマがあります。そのために死を望んだ人間からのみ血を吸うという清貧な吸血鬼娘、遠慮せずにじゃんじゃん吸えよ。人間なんて、同族以外の生き物を殺しても、器物破損にするようなバカな連中なのだから情けをかけなくて良い。そういうわけで生きているだけで罪を感じている彼女の存在そのものが果かないです。その果かない存在と、美しい映像が見事に諧和しています。間違っても十字架が弱点の吸血鬼バトル映画だとは思わないでください。私は心が癒されました。弱者に救いの道が開かれる物語はやはり心があたたかくなりますね。
[DVD(字幕)] 8点(2014-09-14 23:53:29)(良:1票)
33.  ドラゴン・タトゥーの女 《ネタバレ》 
恋愛映画でした。男は彼女の奇抜な容姿をみても偏見を持たなかった。彼女は生まれてはじめて他人から頼りにされることに喜びを感じた。それが恋愛感情につながった。原作はスウェーデン語で「女を憎む男たち」その男たちとは、後見人のデブ野郎、リスベットの鬼畜パパ、女殺しが趣味の変態親子・・である。リスベットの奇抜な恰好は、子供時代に性的暴力を受けてきた事と関係がある。彼女は、男たちから性的な対象と見られないようにするために、男のようにふるまってきた。両性愛者という設定などは、表面上のことに過ぎない。彼女はトラウマのために、男を演じてきたのです。すなわち、ドラゴンのタトゥーは、男に対する防御手段なのです。男という生き物はなぜか常に女を憎む。卑怯な男ほど、猫や鳩の虐殺と同じように、弱者を攻撃したがる。「女のくせに」とすぐ口走る男たち、その言葉の裏には「弱いくせに」という言葉が隠されている。お前らはネトウヨ以下だ。だからこの話は女であるがゆえに虐げられてきた女たちの物語なんだ。女のジハードなんだ。その執行人が、リスベットだったんだ。鬼畜パパは全身火まみれ、デブの後見人は拷問責め、犯人のパパは水死、犯人は車内で大炎上、バカ男たちの殺され方はどれも痛快無比です。共感できました。私とリスベットが、何かつながってるってゆう感じ?そういうふうに感じたのは初めてだし、だいたいそういうの大嫌いな私ですが、彼女を自分の娘のように応援できたのは収穫でした、娘なんていませんけどね。できれば女性に観てほしい映画です。
[DVD(字幕)] 8点(2012-08-19 21:24:01)(良:2票)
34.  ディセント2 《ネタバレ》 
女が強い映画である。彼女たちが男の腕を切り落として逃げるシーンはディセントシリーズが、どんな映画であるかを印象付けた貴重なシーンでした。つまり「男」はシリーズを通して、一貫として脇役なのです。強い女といえば、エイリアンと戦うリプリーや、ゾンビと戦うアリスを思い出す。地底人と戦うサラは、この偉大な女性たちに近づこうとしているように感じる。一番すがすがしいのは、サラが「またこんな地獄に連れてきやがったのかよ!」と愚痴ったりせずに、すぐに前向きに脱出しようと考えているところです。強い女たちは最初から強いわけではない。シリーズを通して成長し強くなっていく。ではサラが戦う相手である地底人と何者なのか?彼らはもともと人間であったという噂もあります。真意はパート3以降に判明するでしょう。このモンスターは、エイリアンのような強さは持っていない。しかしゾンビのように数にものを言わせて攻めてくる。対抗策は声を出さないこと。サラのライバルであるジュノが、声を出したらぶっ殺すぞクソジジイという怖い顔をして保安官を脅したときや、彼女が左手を挙げる仕草はカッコよすぎる。一生あなたについていきます!と叫びそうになりました。女が強いって素晴らしい。ラストは明らかに続編を意識した終わり方になっている。おそらくサラは死んでいない。ジュノのように、さらにベテになって、地底人を殺しまくっていることでしょう。一番気の毒なのはむしろ地底人たちかもしれません。地底に借り暮らしのサラに対して、早く出て行ってくれ!と思っているかもしれません。血まみれの顔で絶叫するサラの顔は、明らかに地底人よりも恐かったです。 
[DVD(字幕)] 8点(2011-09-04 12:51:30)(笑:1票)
35.  バイオハザードIV アフターライフ 《ネタバレ》 
今では世界的なゾンビ映画になったバイオハザード。そんなメジャーゾンビ映画に、ついに待望の日本人ゾンビが誕生した。中島美嘉は栄誉ある日本代表ゾンビである。雨に濡れた中島ゾンビは思わず噛まれたくなるほど美しい。それと私はTVゲームをしない。だから主人公が何を目指して、誰と戦っているのかあまりよく分からない。まずグラサン男が誰か分からない。彼は悪の親玉なのか?それからアリスに一撃でノサれた記憶喪失の女の子がいきなり強くなって、斧魔人をぶっ飛ばしたときも驚いた。どうやら彼女もゲームの中では有名人らしい。だがもちろん私はゲームの原作などまったく興味が無い。そんなことはどうでもいい、私はひたすらアリスが暴れまわっているだけで満足なのだ。シュワちゃん映画や沈黙シリーズのおじさんのように、主人公が無敵の強さで戦うのがこのシリーズの最大の魅力だと思っている。しかも絶世の美女が、汚くて臭い化け物になったバカ男たちを蹴り倒したり、ぶん殴ったり、ボコボコにするのだ。これほど痛快なことはない。刑務所の屋上でのシーンは実に印象的であった。仲間と一緒に逃げだすかと思ったら、1人だけで踵をかえして、津波のように押し寄せるゾンビの大軍に突っ込んでいくアリス。さらに刑務所の屋上からロープみたいなものをつかって地上に飛び降りるアリス。このターザンプレイは必見だ。そのあとは海を真っ二つに割って渡ったモーゼのように、ゾンビの海を分断し駆け抜けるアリス。ゾンビに噛まれそうで噛まれずに走るあの緊張感のなかでみせるアリスの神々しいまでの表情、額から流れる一筋の汗が素晴らしい。そしてお得意の二丁拳銃を見境なくぶっ放すアリス。ゾンビどころか仲間まで撃ち殺す気かよ。最後は間一髪の巨人の星ばりのスライディングでセーフ。全然弱くなっていないぞ、これだ、これが観たかったんだ、映画史上もっともクレイジーで強いヒロインだ、とにかくカッコいい、アリス、サンキューフォーエバー。 
[映画館(吹替)] 8点(2010-10-27 22:02:23)(笑:1票) (良:2票)
36.  ペネロピ 《ネタバレ》 
この作品の奥深い所は、ペネロピのことを「ひきこもり」のメタファーに見立てて、彼女が社会復帰するまでを描いた物語になっているところです。親が子供を守ろうとするのは、本能でもありますが、自己満足でもあります。ペネロピの両親はその典型です。見所は何といっても、ペネロピが生まれてはじめて家を飛び出して、そこで彼女の目を通して見せられる外界の美しさです。夜の街にシャボン玉が乱舞しているあのシーンは信じられないくらいに綺麗でした。映像は常に外の世界をはじめて見た少女の視点を通し、スクリーンに映し出される。お見事。家を飛び出したペネロペを両親が追いかける理由は、娘を他人に見られるのが恥ずかしいという思いもある。世間体を非常に気にしている親でした。自分の子供に同情するふりをして、我が子を恥ずかしがる親はやはり存在します。それを強調するために、本作品ではあえて主人公を豚鼻にし、親を大金持ちにしたのでしょう。ひきもり問題は、親が子供を無意識のうちに否定することから始まる。親は欠陥を持ったできの悪い子供(ペネロピのような)を守ろうとするのですが「どうせお前にはムリだ。お前は欠陥者だ。お前には助けが必要だ」と、そういう態度をとり続けます。そしてそれを親の役目だと思い込んでしまう。1つだけ真実があるとすれば、たとえ家族であっても、自分以外の人間を救うことなどできないということです。世の中には豚鼻じゃなくても、様々な欠陥を持っているせいで苛められたり差別されて、内に閉じこもる人は多い。大切なことは欠陥を持った自分を隠そうとするのではなく、あるがままの自分を受け入れることなんだと。自分を救えるのはやはり自分しかいないのです。このおとぎ話にはそんなヒューマニズムなメッセージが込められていたように感じました。 
[DVD(字幕)] 8点(2010-04-26 20:53:27)(良:1票)
37.  ネバーランド 《ネタバレ》 
みなさんは映像がうつくしいといいますが、映像の技術はさほど大したことがありません。美しいのではなく、美しく見えたのだと思います。反対にどんな最新のCG技術を使っても美しく見えないものもあります。この作品はなにをさしおいても、ネバーランドを目の前に見せるまでのプロセスが非常にうまかった。それによって観客の感性が最大限まで高められ、ネバーランドがこの世のものとは思えないくらいに美しくみえた。夕日を見る時だって同じです。美しいと感じる人と感じない人がいます。私たちは何かをみるとき、実際の光景に、想像力という絵の具を塗りつけて観ているのです。もしネバーランドが美しくみえた観客がいたならば、それは映像の勝利ではありません。観客の想像力の勝利です。
[DVD(字幕)] 8点(2009-08-18 18:29:29)(良:1票)
38.  アース
人間が感じる孤独などは北極の前では笑い話にすぎません。人間は生きることに意味を求めたがる。自分の存在価値を必死に求めて悩んでどうなる?生きるということは、ただそれだけでも立派なことではないのか?この映画は自殺大国日本には必見です。自殺の本質とは、生きることが当然の権利だと思い込んできた傲慢な人間の反動です。対照的に水を求めるゾウたちの姿をみて命の躍動を感じずにはいられません。もし社会が悪いから自殺が増えていると本気で思っている人間がいるならば、今すぐシロクマのホラ穴にホームスティに行ってこい。死に急ぐ若者にいたっては白クマのエサになって貢献しろ。それが本当のリサイクル精神だ。これは生きる意味の根源を問いかけた名作だ。生きるのが難しい時代こそ、本来の生物ならば生きたいという気持ちは強くなり、生命は輝きを増す!それができない人間は何かを失っている。本能の欠如した動物だと言われても仕方ない。本当の「命」とは、劣悪な環境であるほど燃え上がる。本作品の映像がそれを物語っています。じつにすばらしい・・改めて命の素晴らしさを感じました。 
[DVD(字幕)] 8点(2008-07-16 00:02:40)(良:1票)
39.  スターダスト(2007)
むちゃくちゃ面白かったです。ちゃんと冒険をしてるし、魔女は魔法をバンバン使っているし、空賊たちの生活は活気に満ちあふれているし、すべてがほほえましい。なによりもB級路線を貫いたことを評価したいです。同じファンタジーのロード・オブ・ザ・リングはもちろん雲の上の存在ですが、あれは重苦しい戦いばかりが続きますし、人間ドラマも濃いので肩が凝ってしまう。 ようするに真面目すぎるのです。しかし本来ファンタジー映画というのは、もっと肩の力を抜いた適当さがあっても良いのでは??わざわざ人間描写を重厚にする必要もありません。ファンタジーとは何でしょうか? それは世界観です。現実では味わえない世界にどっぷりひたって、いやな現実や、しがらみだらけの人間関係を忘れさせてくれることです。そういう点では「スターダスト」は、まさしくファンタジーの本質を貫いたと思ってます。すごく単純で、すごくさわやかで、すごく笑えるし、非常に世界観がしっかりしているのです!なによりも子供さんが大喜びする映画でしょう!またロバート・デニーロの恐怖のキャプテン。久しぶりに大笑いしました。これはあえて言いませんが観てのお楽しみです。そしてクレアデーンズは人間の姿をした流れ星さんですね。この子が踊りを楽しんでいるときや、または好きな男性から抱きしめらたときは、体がぱあぁと輝きます。うれしいと体から光を放つ。これ・・最高です。流れ星は常に落ちる運命ですが、今回は恋に落ちちゃった、ということでしょうか。ミシェルファイファーの魔女役もはまり役です。この方の悪女ぶりはすっかり板についてきました。いつも心の底から悪役を楽しんでいらっしゃる。ついでに王位継承をもくろむ悪い王子たち。彼らは殺されたあとに、幽霊ギャラリーになる。本当のワルは誰もいないから、安心して観られます。それと壁の番人のじいちゃん、あんたも面白すぎる! 
[DVD(字幕)] 8点(2008-03-01 20:56:07)(良:2票)
40.  ラストキング・オブ・スコットランド 《ネタバレ》 
狂気をちらちらと見せながら、笑顔とジョークで本性を隠すアミン大統領。人が何かを怖いと感じるときは、怖いものが目の前に現れた瞬間ではなく、まだそれが見えないときではないでしょうか。想像力によって人は一番恐怖を感じる。ウィテカーの演技の巧さは、怖さを前面に出したものではなく、それを観客に暗示させるものでした。青年医師の視点からみたアミン大統領が描かれているおり、アミンを一人称にしなかったことで、この暴君の心の中は観客には分からない。それが一層不気味さを醸し出している。恐怖の演出がヒッチコックのように技巧的で秀逸でした。一方的にアミンが加害者で青年が被害者という図式にしているわけではなくて、青年をあえてモラルを持たない軽薄な白人の代表者として描くことで、勧善懲悪の色合いを暈し、客観性を取り入れている。「おまえたちにとってはゲームかもしれないが、おれたちにとってはリアルなんだ」というアミンの台詞が特に印象に残ります。この一言があったからこそ、アミンってこわかったね、で終わらない作品になっている。アフリカをつまみ食いしようとする白人たちと、アフリカの惨状がその台詞から炙り出されてくる。ウガンダの場合、日本の戦国時代のように下克上の世の中だから、機会があれば誰もが敵に報復しようと目論んでいる。憎しみが憎しみを生み、その連鎖は広がっていき、誰もが疑心暗鬼となっていく。そういう中でアミンは神経をすり減らし、モンスターへと変わっていったのでしょう。もしこの大統領がアフリカではなく、日本で生まれたならば、愛嬌のある気さくなおじさんとして人生を終えていたはずです。アミンという人間が特別な人間だったわけではなく、アフリカという大地が彼を生み出したのかもしれません。 
[DVD(字幕)] 8点(2008-02-02 10:51:46)(良:1票)
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