41. マグダレンの祈り
自国愛と信仰の熱心さがウリのアイルランド人がこんな映画を製作したという心意気には頭が下がる。信仰というシステムや修道院という組織が問題なのではなく、何の疑問を持つべくもない閉塞された環境・組織・団体の一部が、腐敗を生むのだ。どうしようもないものか、な、問題。アイルランドでは1996年にこれらの施設が閉鎖された事により、社会の病巣にはささやかなるピリオドが打たれた。が、今現在私たちが生活するこの世界のすぐ傍らにも、私たちの知らない所で似たような腐敗が脈打っているように思う。現代社会に生きる者として、恐怖を覚えずにはいられない。 [DVD(字幕)] 9点(2006-06-11 08:28:20) |
42. ヴェロニカ・ゲリン
アイルランド国民は、愛国心のカタマリな奴等ばっかだ!っていうイメージが良くも悪くも私にはあって、「チョットついて行けねェーかも」とか、思って観ていた。しかし、一人のマスコミ人ヴェロニカ・ゲリンは、そんな愚にも付かない私の思惑を超越していた。 スーパーマンでもワーカーホリックでもなく、ただ笑い、泣き、怒り、怯え、屈しない。実に人間臭く戦い続けた新聞記者。彼女の死がドラッグ汚染撲滅の為に国民、法律をも動かし影響を与えたという功績は、悲話ではあるが、称えたい。 実話を基にした映画は「最高点9点」という私的基準も、今回は例外。今も尚、真実の為に命懸けで励んでいる、そしてかつて励んでいたであろう多くのマスコミ人の功績も称える心算で、一点献上。 [映画館(字幕)] 10点(2006-05-30 14:22:23) |
43. ダニー・ザ・ドッグ
肝心のアクションが及第点をクリアしていない。地下闘技場(?)もショボく、セレブな悪趣味感も無い。普通すぎる。敵キャラが「俺でも勝てるんちゃうか?」と思うほどヘボいのはどうしたものか。アクションだけならセガール映画のほうが一寸上質なんじゃないかな?当のジェット・リーも、その殺陣に納得できてんのかな?カースタントは無意味なまでに格好良かったが。脚本もリュック・ベッソンとは思えないほど薄っぺらく、唐突で、ツッコミ所多いな!な出来。ジェット・リーやモーガン・フリーマン、他の出演陣がイイだけに惜しい。素材はいいが料理人が三流以下の料理店に入ってしまった感じの作品。 [DVD(字幕)] 3点(2006-04-02 17:57:01) |
44. ミニミニ大作戦(2003)
ミニがチョロチョロと小気味よく走るシーンは快感でした。演出も格好イイというかシャレてます。特に音楽がカワイイ。アクションムービーとして出涸らしになりがちなシーンも、まぁ無いわけでもないが気にならない位にテンポがいい。しかし、ドナルド・サザーランドは、キーファー・サザーランドに似てるな…親子ちゃうか?(親子だよ!) [DVD(字幕)] 8点(2006-02-21 00:54:27) |
45. クライング・ゲーム
《ネタバレ》 ヒロイン(?)があそこまでセクシーならば、いくら○○がついていようが、私は愛せます。「ま、いいか」とか言いながら愛せます。笑。だから主人公がヒロインの○○を見たときにバスルームで嘔吐するほど嫌悪するってのは、なんかアイリッシュの戦士も肝が小せぇなあ、と思いながら観てました。ですが、結果オーライなラストシーンは、結構キュートでしたね。ある意味、これ、ラブコメ映画です。秀作な。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-02-16 04:44:38) |
46. ダウンタイム
《ネタバレ》 格別凄い能力もなく男前でもなく、高所恐怖症でしかも喘息持ちのただの面倒見のいい主人公と、結婚に希望を持たない、貧乏で、とりわけ魅力的でない頑固なシングルマザーのヒロイン。 そんな平凡・地味極まりない二人を軸に、不良少年たちの諍い、家族の悶着、貧困、老人問題(?)などの問題が相まりつつ、解体寸前の高層アパートのぶッ壊れたエレベーターを舞台に、取り残された老若男女4人が繰り広る脱出劇。 つまらん!つまらんな!全然ドキドキできない。問題の不良少年たちは断罪も贖罪もナシだし、物語もピンチも葛藤もダラダラ続くし、無駄だらけの登場人物は淘汰すらされない。 しかし、何で?何でなのか、憎めない。何でか、クスリと微笑ましく微笑してしまう泥臭いハッピーエンドに、何でか憎めずにいる。登場人物が、ヤタラと等身大過ぎたからかな?変な作品。 [ビデオ(字幕)] 5点(2006-02-16 04:31:02) |
47. ダブリン上等!
《ネタバレ》 展開、面白いというか巧いですよね。のほほんとする内容では全然無いのに、視点のどこかがスローで優しい。コーヒーにブラウンソースや最中にアゴへの一撃を食らわす中年女性、テレビに映った自分の髭に泣く女の子のキュートさ等に、ついつい笑。それらのシーンも良かったが、何でか女の子をグーで殴るシーンが私的に一番の大爆笑。フェミニストなのに!笑。 [DVD(字幕)] 7点(2006-01-13 02:23:29) |
48. ノー・マンズ・ランド(2001)
《ネタバレ》 踏んでしまえば解除不能な地雷なんて死んでも踏みたくない。死んでも死に切れないとは、こんな地雷を踏んでしまったときに丁度いい台詞だ。誰だ?こんなモノを作っちゃった奴は。誰だ?こんな兵器を欲しがった奴は。そういう怒りと悲しみと滑稽さを佃煮にしちゃったみたいなこの作品。分かり合えるかもしれない隣人同士が愛し合えもせず、殺しあわねばならない戦争なんて、本当にくだらないモノだ。本当にくだらない。 [DVD(字幕)] 9点(2005-10-26 23:46:01) |
49. モーターサイクル・ダイアリーズ
旅の醍醐味は、知らない場所で歩き、触れ、味わい、見聞し、その時に自分の中の何かを化学反応させる事。決してそれは逃避でなく向き合う姿勢であり、旅以外では得ることができない化学反応だ。 そういう旅の魅力に満ち溢れている本作は、まさしく珠玉。 ちょっと、チェ・ゲバラについてもう少し知りたくなっちゃいました。しかしモノグサな私は南米に行く気力もお金も根性もないので、机上で知った気になってみます。 しかし、こんなにバイクでコケるロードムービーは、観た事ないなぁ。笑。 [DVD(字幕)] 9点(2005-10-17 22:27:29) |
50. マイ・ネーム・イズ・ジョー
誠実に生きたい。立派じゃないし、ちょっと貧乏だけど、掌中の小さな幸せを糧に心豊かに過ごしたい。でも、悲劇って容赦ない。うまくいかない。上手に立ち回れずに、誰かが傷つき、誰かを傷つけ、大事なものが褪せていくし、消えてもいく。緩やかな毎日は、小さな満足と悲しい後悔の繰り返し。だけど、人生って、やっぱり、言葉にできない、醜く美しく、大事な何かだ。何と愛しいのか。 [ビデオ(字幕)] 9点(2005-09-04 07:30:01)(良:1票) |
51. ジョニー・イングリッシュ
アトキン苦手の私ですが、まぁまぁそれなりに面白かったです。墓場のシ―ンとかトイレのシーンとか、ブリティッシュジョークって意外と下世話で面白い。しかし字幕の下世話さはどうにもなんないのか…翻訳の気苦労なのでしょうか。悪ノリなのでしょうか。後者だと、減点ものですね。 [DVD(字幕)] 6点(2005-08-27 04:12:29) |
52. 28日後...
だれ~もいないロンドンのシーンは、凄いよね。「オープン・ユア・アイズ」のだれ~もいないスペインも凄かったが、不気味加減では若干、「28」のほうが勝っていたような。作りも硬質なかんじで、いわゆるステロタイプなアリガチ登場人物が居ず、新鮮でした。しかし、トンネルシーンや野宿シーンなんかから鑑みるに、英国人は、バクチ好きだなぁ、と、思いました。サスガ競馬大国。 [DVD(字幕)] 8点(2005-06-02 10:32:54) |
53. ゴースト/血のシャワー
《ネタバレ》 あの幽霊船っぽさは、悪い夢でも見たかのようで不気味かつ圧倒的。ナチの行進映像が、途切れず延々と流れてしまうシーンなんかは正しく悪夢です。怖えぇよ!しかし肝心要の「血のシャワー」シーンは、今観てもそんなに怖くない。子供の頃に観た時は「血のシャワー怖えぇよ!」とか言って怯えてたのに、今じゃ「シャワー停めろよ?」と、冷静にツッコミ。大人になるって、悲しいなぁ。しっかし「この船は・・・ナチの拷問船だったんだ!!」ってのは、どうなん?ナチってワザワザ船の上でまで拷問してたのか?ん~・・・だったら拷問船って、怖えぇな! 6点(2005-03-05 23:18:10) |
54. Tommy/トミー
ハッピー・ミュージック・ムービー!弾かれる鉄球!有り得ないスピードで駆け上がるベラボーなスコア、ロックンロールミュージック!70代ロック(変化球気味)が好きなら、一寸イケるクチな御味かも。昔大槻ケンヂが「すかんち好きな女の子には、是非見てほしい」とか、言ってたが、偶には大槻ケンヂも良い事を言うんだなぁ、と、思った。 8点(2004-11-20 18:11:25) |
55. ターミネーター
改めて観てみるとソコハカとなくB級で、緊張感に欠けるとも感じるが、結構コダワリを感じる設定もチラホラ。骨格が金属&血管がコード?な、アレとか。何処となくコミックなエッセンスとでもいうか・・・です。で、個人的に何となくだが、筒井康隆の「サラリーマンが大関に追いかけられる話」に、似てなくも、ないかな・・・(似てねぇよ) 6点(2004-11-12 17:19:17) |
56. アンダーワールド(2003)
ガンアクション、設定、美術など、「チープ」ながらも格好良い。美男美女揃いのキャスト(私的に)も嫌味がなく、薄い耽美に終始してしまいそうな内容ながら、クール?だったんじゃないっすかね。で・も・な~・・・どうしょうもない「空腹感」は、誤魔化せないなぁ。 6点(2004-06-17 00:15:27) |
57. フレンチ・キス
一人で観ててエラク勿体無い気がした。恋人同士でラブげに観るべし。決してオトコ同士では・・・。これだけキュートな映画にはそういう力がある・・・。ぬかった。物語中にコケるM・ライアンがは、かなりカワイイ。オッサンキラーだな。アンタ。 7点(2004-04-28 16:26:42) |
58. ドラキュラ(1992)
モンスターの稚拙さも気にならない訳でもないが、何とも奇妙で切ない物語だったと。自らの血を与えようとし、そして葛藤する伯爵のシーンは、ゾクゾクした。 8点(2004-04-21 01:09:54) |
59. ブラザー・サン シスター・ムーン
某胡散臭い宗教団体に勧誘用として見せられた、と、言う不幸な経緯を持つ映画なんですが(笑)えらく感動。然しその当時、勧誘がしつこかったという複雑な心境故にせっかくの名作が、ほろ苦い。個人的理由で、申し訳ない。 司教(だっけか)の足にキスするシーンが一番スキ。司教役のアレック・ギネス(だっけか)も、名配役。 9点(2004-04-18 00:56:54) |
60. ダンサー・イン・ザ・ダーク
母の愛は、何処の世界でも変わらず、愚直でありながらも深い。それが只のファンタジーなのだと社会が幅を利かすのならば、こんな不幸な事はない。幼児虐待が、日々報じられるこの世の中、子を持つ母親には観てほしい一作。是非にでも。 10点(2004-04-03 23:04:28) |