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アラジン2014さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 678
性別 男性
自己紹介 ソフト化されたタイミングでのレビューが中心です。2008年、子供の頃から夢だった自宅シアタールームがついに実現しました。(100~110インチ程度、音響2.1ch)できるだけネタバレせずに書いていますので文章がおかしい場合もあると思いますが、暖かい目で見守ってやってください。(2014初登録)

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【製作国 : イギリス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  ダウントン・アビー 新たなる時代へ
非常に良かった!特に思い入れが強いであろうTVドラマ版からのファンの方でしたら納得の仕上がりでしょう。125分でよくまあこれほど綺麗に収めてあるものだと感心してしまいました。初の劇場版であった前作のような慌ただしさを感じることもなく、ゆったりしていて優雅な雰囲気が堪能できるのはさすがとしかいいようがありません。内容的には非常に忙しい本作でしたが、それを感じさせない演技力と演出力の高さは目を見張るものがあります。本当にこの点はよく注意して見ていただきたい部分です。  細かいあらすじや感想は野暮なので省きますが、起承転結がとてもスマートで判りやすい構成・演出・脚本になっています。恋愛の行方、事件の結末、各自それぞれの事情・情事などの細かい伏線の張り方と回収もスマートで見事としかいいようがありません。これ以上下手なレビューで本作品の品位を貶めたくないとすら感じるほど素敵な仕上がりは、本当にお見事以外の表現が見当たらないのです。 これからも歴史のようにダウントンアビーの今後を見守っていきたいので、、ぜひとも定期的に映画化していただきたい作品です。伝統のダウントンアビー後日談としては心底申し分のない仕上がりでした、笑い・拍手・涙が同居する素敵な作品です!
[インターネット(吹替)] 10点(2023-02-15 18:54:58)(良:1票)
2.  エクス・マキナ(2015) 《ネタバレ》 
超ベタ展開&最小人数でこれほどまでにシンプルでストレートなSFが今まであっただろうか?見れば見るほどに味わい深いストーリーで、いわゆるリアルAIとの初遭遇を分かり易く描いたという意味でも高評価に値する映画だったと思います。(厳密には下調べアリまくりですが、その辺の胡散臭さもサスペンス要素として光っています) 冷静に考えたらこんなバカげた展開はないと気づきそうなものですが、それを感じさせない巧みな演出もお見事。エヴァ(アリシア・ヴィキャンデル)が年齢を聞かれて「one」と答えたり、キョウコ(ソノヤ・ミズノ)とネイサン(オスカー・アイザック)の完全にシンクロする奇妙なダンスシーン、バイナリらしきで会話したりネイサンのポケットからカードキーを取り出そうとする仕草etc、随所に不気味で意味深なシーンが散りばめられていて設定の甘さを忘れさせる巧みな演出が光っています。  「AI映画ではなく、ただの男女の駆け引き映画」という辛辣なご指摘も見られますが、エヴァが瞬時にケイレブ(ドーナル・グリーソン)の嘘を見破ったり恋心を利用したりするシーンが丁寧に描かれています。AIはあくまで相手の弱い部分を突いて自分が優位に立てるよう誘導していたものと思われます。また「メアリーの部屋」や「ジャクソン・ポロック」などの考察も、ギリギリ観客に判りやすい程度に組み込んであり、かなり深い部分まで追及された哲学の映画になっています。 顔と手足しかついていない物体が洋服をつけて「いつかあなたと一緒に・・」などと健気に訴えられたら私はどうするだろうか?勘違いせず平静を保っていられるだろうか?でも実はそれは顔が理想の女性だからそう感じるだけであって、もしエヴァがロボット然としたルックスだったら?もしネイサンがエヴァを自由に行動させていたら?考えたら考えるほどに本当に興味深い映画でした。  三者三様に”してやったり”と思っていたら、実は”してやられていた”という人間ドラマも最高でした。エヴァが部屋から出た瞬間に三者それぞれの立場が逆転する展開はお見事としかいいようがありません。ストーリー・結末・映像美、どれをとっても文句なしの10点満点!これが初監督作品だなんて信じられないほどのセンスです。満点です!(余談ですが、本物の美人さんはフェイスのみでも美しいということが証明されてしまいました)
[インターネット(字幕)] 10点(2017-03-26 20:34:40)
3.  インターステラー 《ネタバレ》 
ハードSFながら愛がテーマの映画でもあり、人間ドラマのほうも素晴らしい仕上がりです。ロボットも出来が良く、まさかステンレスのブロック塀から哀愁が伝わってくるとは意外でした。当然ながらSF表現のほうも大変素晴らしくて、1時間で7年が過ぎてしまう水の惑星で大波に飲まれるシーン、氷の惑星の荒涼とした世界観、雲が崩れ落ちる描写も素晴らしいものです。もちろんガルガンチュアやワームホールも息を呑む美しさで、映画的でダイナミックな映像のオンパレードです。(ぜひ大画面で!)  特異点で止まって動けなくなるのはある意味リアルで怖い描写ですが、なぜブラックホール内部が5次元(テッセラクト)で時間旅行が可能なのかの説明はいまいちピンときません。そしてなぜテッセラクトが閉じられて主人公が宇宙へ放出されたのかも全く理解できませんでした。私なりに考えるならば、アン・ハサウェイの台詞にあったように「愛には人類の理解を超えた普遍的な力があると信じたい」=特異点で最も愛する子供へ繋がった、と解釈するのがストーリー上は自然なのかもしれません。  ノーラン映画にはいつも大穴が存在し、今回もかなり強引な流れといえます。その大穴を華麗にスルーできるかどうかが楽しめるか否かの分かれ道になると思います。私は大穴があっても10点評価にしたい。ただ、インセプションのほうがよりドラマチックだったという意味では、あちらのほうがより良かったように思いますが、まあ、ほとんど僅差です。ちなみに字幕と吹き替えを比べましたがやはり吹き替えのほうが判りやすいので、理解が浅い方は吹き替えで挑戦してみてください!近年稀にみるSF映画の傑作です!
[ブルーレイ(字幕)] 10点(2015-04-09 11:50:04)(良:3票)
4.  インセプション
新しい作品ですが一気にトップテン入りしてしまった映画です。冷静に筋を追えば結構穴が多いストーリーですが、複数ある矛盾を無視したくなるほどスタイリッシュでカッコいい映画です。マトリックス以来の衝撃!  映像の見せ方や理論部分もよく練られていて、想像力を掻き立てるストーリー展開は見事です。本読みが好きな人(妄想するタイプの人)には高得点だと思いますが、反対に直感的なタイプの人には「?」が多く出る脚本なのは否めません。何となく的から外れたことになっていても情緒的な映像や音楽、雰囲気で押し切られてしまっているような危うさ(強引さ)があり、そういった部分が合わない人にはとことん合わない作品だとも思います。 夢の階層が深くなるにつれ時間が20倍の速度で過ぎてゆき、数階の階層に降りると50年くらい暮らしていたことになるなんて素晴らしい発想です。惜しいのはホテルの階層まではコダワリまくっていたクールな演出が、雪の階層で一気に普通のアクション映画になってしまった点です。雪の階層で独創的な映像を持ってきてくれていたらもっと素晴らしかったような気がします。  途中で挟み込まれる印象的なシーンとして、年寄や病気の人が夢の世界に住んでいるというシーケンスは素晴らしい。毎日寝に来ている訳ですが、本人たちは夢の中が不自由のない理想の世界であるということです。これは現在のネット時代、オンラインゲームへの比喩とも考えられる非常に素晴らしいメッセージだったと思います。  不思議なことに何度も見たくなる映画で、私は二回連続で鑑賞しました。この映画は高評価と低評価が混在していますが、あまり深く考えすぎないことがポイントだと思います。整合性が合わない部分は華麗にスルー、何となく判ったような気になってファンを気取るのがノーラン作品の正しい鑑賞方法だと思われます。とにかく、、近年まれにみるインナーSFの傑作です!!
[ブルーレイ(字幕)] 10点(2014-04-08 14:09:02)
5.  サンシャイン 2057 《ネタバレ》 
一般的には好き嫌いが判れそうな展開です。残念なことにダニーボイル&アレックスガーランドら特有の”驚く展開にしたい”という妙な癖が多数の観客の反感を買ってしまったような気がします。  皆さんご指摘の通り後半部分があまりにも突飛ですが、そもそもこの映画は序盤からピンバッカー的思考(マーク・ストロング)で話が進んでおり、実はほとんどのクルーが太陽に魅せられています。ある者は破滅し、ある者は命を投げ出し、そしてある者は使命を達成する、そんな映画です。ピンバッカーがああなった経緯が端折られているので、そういった意味では非常に不親切といえますが、序盤からサール(クリフ・カーティス)やカネダ船長(真田広之)など太陽と関わるシーンが多く、ピンバッカーがどうなっていったのかはおのずと理解できる作りにはなっています。 仮にピンバッカーが出ていない脚本を想像してみましたが、それはそれでやたらと退屈で地味な映画が出来上がりそうな気もします。結局のところ、ダニーボイル&アレックスガーランドの選択は間違っていなかったということでしょうが、ピンバッカーの扱いがもう少しソフトでしたら万人受けしただろうにと、その点は本当に惜しいと思いました。  ラストも綺麗にまとまっていてなかなか完成度の高いハードSFといえます。若干の説明不足感や各シーンのぶつ切り感はありますが、冗長になりがちな説明シーンを省いてくれたおかげでスピード感と緊張感を保った素晴らしい編集になっています。宇宙が大好き、SFにロマンを求める、哲学的な映画が大好きという方には強くお勧めできる映画です。ノーラン監督のインターステラーとは対極にあるようなハードSFの名作といって良いでしょう、個人的には最高のSF映画でした!!
[インターネット(字幕)] 9点(2020-02-27 12:55:01)
6.  悪の法則 《ネタバレ》 
評価が低いので驚きました。絶妙なバランスの大人向けクライムサスペンスアクション。妙なこじつけや予定調和もなし、CGアクションも無いのに予想外によくまとまったストーリー展開は素晴らしいの一言でした。監督と脚本、キャストが高次元で融合していると感じます。  この作品を一言で表現するならば「不条理」でしょうか。淡々と静かに、、野うさぎであるカウンセラーが捕食(破滅)されてゆきますが、描かれていない部分をあれこれ詮索して「意味がわからない」というのはナンセンスです。あえて詮索しないのが正解であり、映像特典では監督自身も人物像の背景や人間形成上何があったのかは知らないなどと発言していますから、一つのシーンを見て前後を想像するのが正しい見方です。 そもそも、カウンセラーは一流なので自分に自信があり、何度も遭遇する説教じみた会話も軽くスルーする描写は反面教師の典型例です。そして予想通り、気が付いた時には「時すでに遅し」というシンプルな流れがリアル過ぎて本当に素晴らしかった。また、随所で見られる無駄話は一見無駄なようですが、相手の価値観を知る為の腹の探り合いという意味では非常に重要です。根本的にタランティーノのそれとは異なり、ブラピとの緊張感あるやり取りなどは生々しく色んな意味でゾクゾクします。  これほど贅沢な配役と救いのないマジ結末な映画も珍しいです。ある程度自分でイメージを膨らませ、様々な状況を脳内で想像できる方でしたら高評価ではないかと思います。強いてマイナス点を書くならば、ほぼ全ての演者が哲学を長々しゃべるのには少々違和感を覚えました。何名かサッパリした人物を混ぜておけばよりリアルだったと思うのでその点は少し残念でした。 あと、拡大版と劇場版を比較しましたが、追加された人体欠損表現やバイカーのしゃべりなんかはなくても良かったと思います。しかしトラックのドアを直すシーンだけは拡大版のほうがずっと判り易かったですね。  一見さんお断りの雰囲気も含めて、リドリー・スコットの切れまくった演出が最高に素晴らしい作品でした。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2014-08-13 18:57:05)(良:2票)
7.  プラトーン 《ネタバレ》 
オリヴァー・ストーン監督が自身の辛い戦争体験を元に10年の歳月をかけて脚本を練り上げ、アカデミー作品賞を受賞した本作。もう何度見返したか忘れるほどです。地獄の黙示録などと比較すると本作はかなりライトな仕上がりになっていますが、今見返しても本作を超えるリアルなベトナム戦争の映画は他に無いように思います。余談ですがご存知の通り、地獄の黙示録のマーティン・シーン(ウィラード大尉)の息子がプラトーンのチャーリー・シーン(クリス・テイラー二等兵)であり、親子でベトナム戦争の名作で結果を残したのはやはりDNAでしょうか。  主人公(新米兵士=クリス・テイラー二等兵=チャーリー・シーン)の目線で物語が進みますが、くだらない会話や低俗な差別のオンパレードで、戦争の愚かさがてんこ盛りです。また重装備で亜熱帯のジャングルを歩く辛さも非常によく描かれていて、主人公がぶっ倒れるシーンはコント調ですが実際新人が歩くとああなるだろうなというリアリティがありました。また、序盤から出てくる南ベトナム解放民族戦線(通称=ベトコン)がやたらと強く不気味で、神出鬼没のチャーリーに恐怖しているアメリカ軍という図式が他の映画には見られない流れで印象的です。そして極めつけは映画終盤の北ベトナム軍の異様な強さは本当にすさまじいものがあり、アメリカ軍はほぼ全滅といっていいくらいに叩きのめされるのも意外でした。  公開当時は「本当に襲った」ともいわれ物議をかもした村を襲うシーンですが、今見ても子供に銃を向けるシーンなどはやはり衝撃的で凄い緊張感が漂っています。(トム・べレンジャーのボコボコ顔がリアル過ぎて本物だと信じていた私は軽いトラウマorz) また若い時に見たせいもあってか、戦争=カッコいいなんて思っていた愚かな私ですが、実際今見てもエリアス・グローディン軍曹(ウィレム・デフォー)がライトを持ってトーチカ探索に出る流れや、バーンズ軍曹(トム・べレンジャー)との対決シーンなど、全編に渡っていちいちカッコいいシーンが多いです。中二病を患っていた若い世代には無理もないことだと改めて痛感します。  オリヴァー・ストーン監督が見た真実とエンタメ性をウマく融合させた素晴らしい映画に仕上がっています。現代人が見るべき戦争映画の一つなのは間違いないと思われます。名作。
[DVD(字幕)] 9点(2014-07-22 18:42:32)
8.  バリー・リンドン 《ネタバレ》 
バリーという男はどうしようもないクズ男ですが、人懐っこい性格からかトントン拍子に人生が進みます。ジョークだろ?と思える従姉妹との濡れ場、森の強盗団とのやり取り、ホモの逢引、行きずりの人妻etc、下手な演技と軽い雰囲気のナレーションも相まってコメディとも思える無駄な展開が続きますが、実はロウソクの光でいかに美しく映像を記録するか新開発のカメラで試行錯誤したり、時代考証や衣装を徹底したりとリアリティのほうもかなり追求された真面目な映画だったりもします。  コメディタッチ&無駄な展開も多いですが、随所でターニングポイントとなる出会いもしっかり描かれています。グローガン大尉との再会、ポツドルフ大尉との意図しない出会い、シュバリエとの突然の絆、そしてレディリンドンとの出会い、人生は人との出会いが大切だと痛感します。 決闘に始まり決闘で終わるバッドな脚本も素晴らしく、やはり人生は忖度ではなく心の声に従ったほうが悔いが無いという教訓なのでしょうか。せっかくの出会いをぞんざいに扱う場合と丁寧に扱う場合など様々ですが、人生とはこうもドラマチックで残酷なものなのかと痛感させられる展開は見ていて飽きません。  全編にわたって取り留めないエピソードの寄せ集めですが不思議とそれらが上手く融合していて、正しく計算されつくしたキューブリックの芸術映画の最高峰と感じます。他のキューブリック作品は苦手ですが唯一この映画だけは古典として絶対に外せない至高の作品だと思います。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2014-04-11 16:42:52)
9.  007/ダイ・アナザー・デイ 《ネタバレ》 
ピアース版ボンドが大好きな私ですが今作はイマイチ。まずちょっとシリアス過ぎる点が面白くないしSFが過剰な点もマイナスです。そして最大のイマイチポイントはパーフェクトストレンジャーのハリー・ベリー(ジンクス役)が魅力的に見えない点です。ついでに書くとCIAのお偉いさん役のマイケル・マドセンもどう見てもレザボア・ドッグスにしか見えない点も微妙でした。北のザオ(リック・ユーン)もマジもんにキモいし、今回は全体的にキャスティングが合ってないという印象が強かったです。(オープニングの曲もイマイチ)  唯一、ミランダ・フロスト(ロザムンド・パイク)当時23歳が最高に可愛くてついヨダレが出てしまいました。ツンデレ設定なのもソソるし、前作のソフィー・マルソーと並んで「借金してでも一晩お願いしたい女」の称号を与えたい女性です。(あの人と遊びで一夜なんて、ボンドに殺意が湧くわ~) 失笑もんのストーリーにはあまり触れませんが、色々と超絶SF設定が酷いです。ボンドカーがアストンに戻ったと思ったら透明で見えませんか(笑)黒幕が北のお坊ちゃん設定もかなり無理があるし、そのお坊ちゃんがイーロンマスク級の人間に成り代わることが可能なのかも色々と議論の余地があります。衛星は誰が上げたのか?オープンカーで氷上チェイスはどうなの?とか、色々凄すぎてツッコミ処は多めです。  カマトト風で超絶可愛いルックスで、なおかつツンデレという過去最強のロザムンド・パイク嬢に全てを捧げて異例の8点献上。(嬢が出てなかったら4点)
[地上波(字幕)] 8点(2023-09-23 13:54:47)
10.  007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 《ネタバレ》 
レビュアーさんの点数が思いのほか低くて驚きます。ピアース版のボンドの中では脚本は結構良い出来だし、序盤のボートチェイスから印象深くて非常に良い回だったと感じています。確かに少々”らしくない”演出も多く、Mがアッサリ捕まるところやまるでモデルのようなエロい科学者(クリスマス・ジョーンズ博士=デニス・リチャーズ=少々大根役者だった)とか多少強引な点もチラホラあります。まあでもボンドといえば昔からこんなもんですからその辺はあえて触れないのが正解でしょうか。  もちろんエレクトラ役のソフィー・マルソーは最高、公開当時33歳だと思いますが拷問椅子のエロさったらもうね・・ 一生に一度だけでもお願いしたい女ナンバーワンの称号を与えたい女性です。  ストーリーのほうはなかなかよく練ってあって、ソフィー・マルソーが難しい役どころを上手く演じています。映画内では「ストックホルム症候群」としていましたが、愁いを含んだ可哀そうな女ではなくもっと悪女です。しかし脚本・演出が悪くて判り難くなっていました。確かにキッカケはレナード(ロバート・カーライル)だったのは事実ですが、女の武器でレナードを虜にしてテロリストを操っていたのはエレクトラのほう。更に彼女はMとMI6を信頼しているフリをしつつ、父を葬り去るというかなり高度な悪に徹しています。ボンドもまんまと騙されましたが。Mがしゃしゃりでて来たせいで何となく”らしくない”展開になってしまったのは少し意外でした。ソフィーの退場の仕方も”らしくない”印象ですが、あの撃ち方は個人的には非常に良かったです。  確かに全体的に”らしくない”異例な感じはありましたが、スケール感も結構大きくて話も綺麗にまとまっていたので好きです。少々甘めの点数で。
[地上波(字幕)] 8点(2023-09-18 14:07:00)
11.  落下の王国 《ネタバレ》 
TV録画を字幕版で見ました。かなり素敵な映画ですが、、色んな意味で非常に惜しい作品でもありました。  皆さんがおっしゃるようにターセム・シン×石岡瑛子×ベートーベンは素晴らしいです。とにかくいちいち映像が美しい。前作ザ・セル同様の砂漠は凄いし、前作にはなかった突き抜けた明るい描写も多くて美しい映画とはまさに本作のことです。現実世界である病院での描写も素晴らしく、少女の肩の骨の折れ方や少女が左右の眼をつぶって指先が移動する表現なども素晴らしい。現実とおとぎ話のダブルキャストの面々も素敵で、5歳の子供の心理が本当に上手く表現されています。  何から何まで本当に素敵な映画なのですが何が惜しいかというと、リー・ペイス扮するロイ/黒山賊/パパの行動です。あまりにも大人げなさすぎて萎えるほどです。いいぇもちろん心の中で自殺願望が強いのは全然OKですし、子供を手なずけて薬を取ってこさせるのも全く問題ありません。大人げないのは自分の願望を5歳の女の子に全力でぶつけてしまったことです。その結果、終盤になるともう5歳の女の子の無垢で芯の強い心だけを原動力にこの映画は結末を迎えてしまいます。傍観している観客としては見ていてちょっと痛々し過ぎるし残酷過ぎました。 日本人的なのかもしれませんが、自分のせいで怪我をしてしまった女の子、ダメ人間の自分を父親のように慕ってくれる5歳の子、この無垢な女の子のために自分の葛藤を犠牲にしてでも素敵な話を紡いでいただきたかったですね。その過程で、女の子に悟られることなく自分の心が再生されるお話が見たかったです。(というか、女の子を号泣させて懇願させるのは色んな意味でズルいです)  この致命的な問題を除けばおとぎ話も面白いし現実世界の話も面白い、プロットも面白いしもちろんダブルキャストや「落ちる」に掛けた様々な伏線も素晴らしかったです。(邦題の”落下の王国”は違うと思いましたが) 心底惜しい作品なので少々甘めの点数ですが、念のためにもう一度見返してみようと思います。  追伸 見返しました。この映画の完成度の高さ、これほど素晴らしいオープニングも珍しい!と、この映画の良さを再確認しましたが、それと当時に、どうしてもラストのロイが5歳の女の子をイジメてるような構図が納得できませんでした。集中治療室で目覚めた5歳の女の子にする仕打ちじゃないですよねアレ。。
[地上波(字幕)] 8点(2023-07-31 11:45:42)
12.  ダウントン・アビー
ゴージャスな同窓会!正しくこの言葉がぴったりの作品でした。もちろん私は全シーズン鑑賞済みでダウントン・アビーの大ファンです。出演陣も欠けることなく(ローズ=リリー・ジェームズが居なかったけど元々ゲスト的な扱いでしたし)、エピソード詰め込みまくり&役者大量投入&120分という制約があったにもかかわらず、優雅に時が過ぎていく演出とストーリーは本当に素敵でした。  バロー(ロブ・ジェームズ=コリアー)の過去の顛末を考えると、彼も一応それなりに幸せな着地点を見せましたし、バイオレット(マギー・スミス)もある意味正しい着地点を見つけたようです。メアリー(ミシェル・ドッカリー)がちょっと年食っちゃっててチト残念だったのですが、それはまあラストシーズン前くらいから気になっていた点ですのでしょうがないでしょうか。。(この映画の撮影時まだ38歳なんですよねぇ・・) 本作ではトム・ブランソン(アレン・リーチ)が大活躍で、今後彼が中心となって話が回っていきそうな予感がします。あ、もちろんイーディス(ローラ・カーマイケル)は全くお変わりなく安定の美しさでうっとりさせられました。彼女が天真爛漫に活躍しそうだったラストシーズンを考えると、これから羽ばたく可能性は残っていますね。。  映画版の第二弾(「Downton Abbey: A New Era(ダウントン・アビー 新たなる時代へ)」もまもなく公開されますし、本作で宙ぶらりんだった問題も綺麗に収めていただきたいですね!というか、これくらいノリノリ&たくさんの俳優さんが前向きに考えてらっしゃるのでしたら、まだまだドラマ版が作れそうです。淡い期待を込めて甘めの点数です!
[インターネット(字幕)] 8点(2022-09-08 15:55:03)
13.  アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル 《ネタバレ》 
正直なところマーゴット・ロビー(トーニャ役)はあまり好きな女優ではありません。でも本作の彼女はとてもよくハマっていて、ほとんど本人に見えるくらい同化していました。今思い返すと「ナンシー・ケリガン襲撃事件」の当時の私はハタチくらいで、オリンピックも襲撃事件も軽く流す程度でした。大分叩かれまくっていたトーニャご本人ですが、同年代ということもあってか「普通に可愛いんだよなあ」といった印象が今も残っています。映画ではどこまでが真実でどこまでが作り物なのかはよく判りませんが、エンディングでのリアル映像を見比べると関係者全員非常に良く似ていますね。  この映画を見て最初に感じたことは「やっぱり教育が全てだよなぁ」ということです。もちろん母(アリソン・ジャネイ)の育て方は間違っていますが愛が無かった訳ではなさそうです。旦那のジェフ(セバスチャン・スタン)も同様。全ての登場人物にいえる問題は「教育が行き届いていなかった」ということに尽きます。教育がゆきとどいていない人間が母になり、そして実子を教育しようとしたことが全ての元凶で、当時、もし3歳のトーニャをコーチ(ジュリアンヌ・ニコルソン)に委ねておけば、もしかしたらもっとまともな人間に育ったかもしれません。  映画の展開は本当に素晴らしかったです。ストーリーの展開のさせ方も素晴らしいのですが、最初から貫くインタビュー形式の構成は最高でした。たまにあるカメラ目線やセリフも素晴らしいし、何よりリアル本人と雰囲気がそっくりなほどの完成度の高さです。襲撃の緊張感、その後犯行が見つかるかもしれない緊張感を保ちつつほころびが広がる感じも上手くて、トーニャだけが「またオリンピックに出られるわ♪」と喜んでいるいびつな構図もよく観客に伝わっていました。何度も見たい映画ではありませんがボクシングのシーンも含めて〆も文句なし!私は恥ずかしながら存じ上げておりませんでしたが、、グレイグ・ギレスピー監督は本当に素晴らしい仕事をしたと思います。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-09-08 14:54:55)(良:1票)
14.  ラブリーボーン 《ネタバレ》 
酷評が多いですね。私もビデオ化された当時非常に楽しみにしていた作品でしたが、、鑑賞してみるとイメージと異なっていてチョット落胆した記憶があります。十数年ぶりに再鑑賞してみましたが、落ち着いて見てみるとなかなか奥深くよく考えられた作品だったと思います。もっと世に広く認知されるべき、高評価に値する作品ではないかと考えを改めました。  世間の不評を買っている最大の理由がラストのアレと金庫が沈んでしまう点でしょうか。おそらく私も当時は「あり得ん」と切り捨てた記憶がありますが、10年の時を経て、今改めて見返してみると、誰の視点で物語に入り込むべきなのか?これが最も重要であったことに気が付きます。本来、観客は無意識のうちに第三者視点になっていて、客観的視点から勧善懲悪の物語を望むものです。でもこの作品は違うのです。オープニングで語られている通り、スージーの視点から見たスージーの物語。彼女がどう考えたのか?彼女がどうしたかったのか?これがこの映画の全てです。 あの年代の無垢な少女というのは、自分の気持ちを支配している脳内全ての事柄がラブリーでキラキラしたものだったハズです。14歳の少女といえばまだまだ子供だし恋愛や綺麗なことが人生の全てだったハズ。そしてスージーが今最も気になっているのが初恋の相手とのファーストキス。彼女にとってはこれが一番素敵な出来事だったハズなのです。そんな素敵で理想的な物語が叶わなかった無垢なスージー。これがこの映画の全てといっても良いでしょう。  ボトルの帆船が割れる描写、ろうそくの灯が別々に揺らぐ描写、その他多数の不穏な描写の数々が哀れにも素敵すぎました。しかしスージーがとどまっていたあの悪夢のような雰囲気は辛かったです。死んでからあの底冷えがするような不気味な感情を乗り越えて天国に行かねばならないのかと思うと、やはり穏やかに死にたいものです。  ギレルモ・デル・トロも関わっていますし、制作サイドとしてはバッドエンドにしたかったのは明らかです。あくまでモヤモヤしたままで終わらせたかったのでしょう。大人になって見返してみると、金庫が沈むからこそ良かったと思います。観客感情に配慮して”一応”ラストに犯人の転落死の描写を入れてありますが、明らかにアレは蛇足です。遺体は見つからないし犯人も見つからない。だけど家族は前を向いて生きていくしかないし、被害少女たちも昇天するしかないのです。どうにもならないこともあるのです。 成長した妹がノートを見せるか否か一瞬戸惑いますが、あの感情が全てを物語っています。残された最愛の家族の気持ち考えると、今更蒸し返すのが正しいのかどうか。。つまりはスージーは、これで良かったのです。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-09-02 12:29:10)
15.  プルートで朝食を 《ネタバレ》 
「プルートで朝食を(Breakfast on Pluto)」この素敵な響きからもっと別の物語を予想していましたが、まさかの「キトゥン」の映画でした。しかしパトリック‘キトゥン’・ブレイデン(キリアン・マーフィ)の演技が上手すぎるので、ただのオカマ映画にならず彼女(彼)の自叙伝としてきちんと芸術作品に昇華しているのは流石でした。  章立てでかなり細切れな演出ですが、これのせいでちょっと集中力を削いでしまっていますが、キトゥンの半生を足早に説明するには仕方がなかったのかもしれません。オープニングの乳母車のシーンから映画に一気に引き込まれますが、その流れが理解できるのはほとんどラストになってからです。途中途中にも沢山の素敵なシーンはありますが特に終盤、ブランコに乗っている彼女(彼)にマジックミラー越しに両親の秘密が明かされるシーンは素晴らしい。本来なら告解を聞く側のリーアム神父(リーアム)がマジックミラー越しに息子に対して告解を行うシーンは素晴らしいとしかいいようがありません。  また、彼女(彼)のライフワークであった”母を探す”旅が終る時も感慨深い。彼女(彼)が保守的で女性的なオシャレをして母に会いに行くシーンには泣かされます。ラストは笑顔も涙もないのですが、母に自分の正体を明かさなかったのは良い選択で、何だか凄く清々しく綺麗にまとまっていたと思います。そう何度も見たい映画ではありませんが、映画好きなら一度は見ておいたほうが良い素敵で意味深い作品でした。
[地上波(字幕)] 8点(2022-06-24 20:50:24)
16.  アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場
すごい映画を見た。それしか書けないくらいの衝撃でした。セリフが浅いというレビューが見られますが、私は全く正反対の印象を持ちました。いちいちセリフや表情がリアルで自分のことのように感じた1時間40分でした。極めて微妙な判断の連続で、安全な場所で戦争に参加することの代償を見たような気がします。 アメリカンスナイパーなども良くできた映画でしたが主義主張の押し付けなどがあったように思います。本作ではとにかく無駄な主義主張がなく淡々と事実だけを描いているように感じました。結局は利己的でこちら側に都合が良い方向へ物語は進みますが、それでも案外ニュートラルな印象で、そのおかげで変な先入観を持たずにラストまで見やすい作品に仕上がっていると思います。とにかく、、凄いとしかいいようがない、今年見た映画の中ではTOP3に入りそうな勢いでした。  ただし、 現実世界での現代戦争では民間人への誤射・誤爆はかなり多く、それらへの配慮や言及は一切ありません。一応、ラストのセリフにそれらしい配慮(自分たちの擁護か?)はありますが、現代戦争の現実を知っている人にとってはこの映画は茶番でしかないのが真実なのだと思います。そういう見方をしてしまうと途端に安っぽいフィクションに成り下がってしまう危うさのある作品なのもまた事実です。(私など素人目線で見ると、本当に素晴らしい作品でしたが・・)
[インターネット(字幕)] 8点(2017-08-16 23:16:51)
17.  オデッセイ(2015)
リドリー・スコットらしい宇宙の映画だったと思います。彼の映画の中では少し地味なほうですが、「プロメテウス」の悲劇を考えたら今回の方向性で正解だったと思います。宇宙遊泳シーンも「グラビティ」より良かったように思います。ただ、明らかに不必要であろう中国事情を無理やりねじ込んである点と、そして「インター・ステラー」のようなドラマチックな展開が少なかった点など、若干エンターテイメント性に乏しいのが惜しい気もしました。(ドキュメンタリー風の良さもありますが)  この映画は火星でのサバイバルがリアルに展開されますが、明るいキャラ設定のおかげであまり重苦しくなく進みます。このライトな雰囲気をどう考えるかで評価が変わりそうですが、実際問題として、究極の状況に陥った時には楽天家でないと乗り切れないと感じますので、これはこれで正解だったと思います。 特典映像で「適性検査」などが紹介されていて、宇宙飛行士各自の人間性や性格が紹介されています。できれば前述の中国のくだりをカットして宇宙飛行士としての資質などがわかり易く導入されていたら、楽天的である必要性などがより深く理解できて良かったように思います。 最後に、他の方と同様に日本名「オデッセイ」はまったく合わないと思います。どう考えても火星の人「The Martian」原題そのままのほうがシックリきます。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-02-02 00:59:52)(良:3票)
18.  月に囚われた男
プロット・展開・表現(見せ方)・監督の価値観、どれも素晴らしいものでしたが、、なんだか地味。派手なだけのバカ映画が氾濫する昨今、本作のような大人向け映画は非常に貴重で、確かにホンモノの香りがする作品なのは事実ですがやはり多少の派手さも必要なんだなと改めて感じました。馬鹿っぽさとは違う、何かこう、ワクワクさせる派手なシーンが一つでも差し込まれていたらもっと高得点だったかもしれません。 ストーリー自体はかなりよく練られていて、目立った破綻はありません。”設定がザル”という意見も見られますが、確かにルナ産業的には完全犯罪を行うならもっと月を完全隔離するくらいの勢いで周到に周りを固めるべきでしたが、まあ周到に固めたとしてもほころびは出るもんです。  ガーディ役のケヴィン・スペイシーが作品の出来を見てから後半合流だったそうですが、声がアフレコで単独録りだったのかが気になりました。アフレコ&単独録りでこの雰囲気を醸し出していたとすれば、作品をかなり深く理解している証拠です。地味に凄い。また、特典映像で確認できますが、サム・ベル役のサム・ロックウェルの演技も何気に凄い。仕組みとしては一人二役を別撮りで合成している訳ですが、演技から合成した感じが全く感じ取れない。監督が凄いのか、撮影技術者が凄いのか、サムが凄いのかよく判らないくらいに凄いですが、おそらくサムがかなりシビアにタイミングを合わせながら演技したものと思われます。とにかく違和感が全くなくて自然なのは賞賛に値します。  救いのないストーリー展開と結末が許容できれば名作認定できると思いますが、、なかなか人には勧めにくい映画でもあります。二度目の鑑賞でより深く理解できましたので少し点数をアップすることにしました。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2015-01-02 13:45:52)(良:1票)
19.  ターミネーター
当時、中学生だったと思いますがTVで観た時のインパクトは凄かったです。話が堂々巡りで難解ではありましたが、シュワちゃん(T-800)のパワーで一気に持っていった映画でした。最近見直す機会がありましたが今見ても破綻の無い脚本が素晴らしい。 子供心ながら、裸でやってきた化け物級の大男に凄いインパクトを感じたし、最終的に未来からきた男性と結ばれて、未来の指導者を身ごもるという意味が判らないラストにゾクゾクしました。カイル・リース(マイケル・ビーン)が全く印象に残っていませんが、未来から死ぬ気で助けに来てくれた彼を好きになる気持ちは大いに理解できたし、その彼が死んでしまうのも悲しい余韻があって印象的でした。  序盤からダーク&スタイリッシュですが、80年代特有のドギツイ感覚もチラホラ見られます。さすがに映像的には全体的に古さが目立ちますが、T-800(アーノルド・シュワルツェネッガー)の若くギラギラした雰囲気で一気に持って行きます。反面、サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)がどう頑張っても19歳の女子大生に見えないのがイタイです。当時リアルで25歳前後でアクションもこなせる女優が居なかったので仕方ないとは思いますが、まあ、その後40年もこの設定を引っ張ることを考えたら結果的にはこれで正解だったと思います。(まだデビュー前ですが、同年代でいうとティルダ・スウィントンTilda Swintonあたりが似合っていたと思いますねー)  スキンが剥がれる終盤のT-800のグロさったら凄まじい。どこまでいっても止まらないこの殺人マシーン、当時はマジで夢に出てきそうな勢いでした。どうやって撮ったのかもすごく不思議で、映画のロマンが全て詰まった素敵な作品でした。今考えると本作はなかなかの低予算映画で、やはり映画は脚本だよなということをまざまざと見せつけられた作品でした。重要な作品としてアメリカでは保存されているという話も納得の名作。
[地上波(吹替)] 8点(2014-10-20 11:43:08)
20.  エイリアン
パート1の計器類、装置類、装備類など今見るとかなり古臭さを感じます。また現代映画と比較すると脚本も映像も随分と粗い感じです。タバコぶかぶか吸って危機管理もグダグダ、おまけに洋服の着こなしも古臭くてどう考えても未来には見えません。そもそもプロメテウスなんて作らず、、素直に一作目をリメイクしたほうがずっと良かったのかもしれません。  昔はよくTV放送していましたが当時感じた怖さや緊迫感はちっとも色褪せていなのは幸いです。今や伝説であるエイリアン初登場シーン(胸から出るアレ)も本当に素晴らしくて、まさにフィルム時代の名シーンの一つでしょう。また、逃げ回る怖さがあった前半と攻めに出る後半との対比も素晴らしく、おかげで映画の進行が全くダレておらず、終盤のフラッシュライトの対決へとスムーズにつながっています。まさに手に汗握る映画体験といえばコレでしょう。  この映画のヒットで歴史的ヒロインとなったリプリーさんですが、彼女がパート1からパート4まで全てに出演してくれているのも素晴らしいです。このシリーズは珍しいことに各話ごと監督が異なりますが、シリーズ全体の流れもスムーズで話のトーンも破綻しておらず、完成度が高いシリーズへと昇華しています。これは明らかにリプリーという女性のけん引力で、結果論ですがこの歴史的シリーズが成功した要因の一つになっています。そういった意味でもリドリースコットの一作目は、まさに歴史的一作目、リプリーとエイリアン、リドリーに感謝したい、本当に素晴らしい作品です!
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-09-06 17:42:29)
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