21. サテリコン
歴史物だが現代に通ずるものがある。欲望、快楽、退廃、こういった要素はいつの時代にも必ずあるものだし、異色作に観られがちだがフェリーニ作品の根底に流れるものは変わらないと思った。特に、宴のグロテスクさ、派手さは快楽の象徴のようであった。フェリーニのインスピレーションに敬意を表したい。 9点(2004-01-20 19:43:35)(良:1票) |
22. ひまわり(1970)
なんとも悲しく切ない映画なんでしょうか。戦争に翻弄された男女の悲しすぎる物語を、ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニの最強コンビが熱演している。また、音楽もまたこの映画の切なさを助長しており、実に素晴らしい。映画を観ていくとどうしてもソフィア・ローレンに感情移入してしまうが、ロシアでマルチェロ・マストロヤンニを介抱した女性も人間的に素晴らしい。しかし、マルチェロ・マストロヤンニのことでどちらかが不幸にならなければならないわけで、観てる側としては二人の女性どちらも幸せになってほしいと思う分、それだけ戦争がもたらす不幸が浮き彫りになり、怒り、悲しみを覚えさせてしまうこの作品は傑作だ。感動をハリウッド的ないやらしさがないので素晴らしい。 10点(2004-01-07 20:04:50) |
23. 甘い生活
冒頭のヘリの映像から圧倒されっぱなしになってしまった。それほどこの映画には魔力があるということだろうか。それはやはり、皆さんが書かれているように宗教の退廃、人間生活の墜落といったテーマをリアルな描写とフェリーニの精神世界の幻想の映像化という対比する二つの映像表現によって強烈に描いている点にあると思った。ニーノ・ロータの切ない音楽、そして、マルチェロ・マストロヤンニの無鉄砲で華のある演技がこの世界の創造に最大の貢献をしていると感じた。 それに、「甘い生活」という題名自体が皮肉たっぷりだ。甘くない、逆に辛いと感じてしまう。 フェリーニは「私は映画だ。」と言っていたがまさしくその通りだと思わせてしまう大傑作だと素直に思う。 10点(2004-01-07 19:51:59)(良:1票) |
24. ルートヴィヒ(1972)
これでもかっていうぐらいのビスコンティの映像芸術を感じることはできました。 ヘルムート・バーガーの演技はやばい。貴族階級の退廃を美しく官能的に描けるのはビスコンティが貴族階級出身だからだろう。 8点(2003-12-27 21:30:33) |
25. カビリアの夜
神の慈悲の効果もなく出会った男に次々に捨てられてしまうカビリア やっと掴んだかにみえた恋も現実とはならなかった。 話としては悲しすぎるが映画全体に流れる雰囲気と最後のカビリアの笑顔に救われた気がした。 9点(2003-12-25 16:06:27) |
26. フェリーニのローマ
フェリーニのインスピレーションは凄い。監督の心にあるローマの形を高い創造性で見事に作り上げている。最後のバイクが走るシーンは様々な文化や思想を発信してきたローマの時の流れを走っているかのごとく感じた。 8点(2003-12-22 22:21:31)(良:1票) |
27. 家族の肖像
教授の孤独感がヒシヒシと伝わってくる一方で、コンラッドに精神的血縁関係を見出し、部屋に匿うところに教授の心境の変化を感じ興味深かった。それとともに家族とは何か、そして、家族と相反するはずの孤独とは何か、ということを考えさせられた結果、その対立する二つは実は表裏一体のものではないかとを感じた。 9点(2003-12-16 17:56:40) |
28. 地獄に堕ちた勇者ども
表面の豪華さと深層の退廃という激しい対比がデカダンスそのものだといえるのではないか。宴の後に残酷に殺される突撃隊、結婚式という華々しい行事に死を迎えるソフィとフリードリッヒの結婚はまさに葬式となってしまっているなど この残酷すぎる対立がまさに圧巻だ。一人では何もできずアッシェンバッハの操り人形となってしまったマルチン そして死化粧で結婚式に出席するソフィが鉄鋼一家の終末を暗示しており、権力に取り付かれてしまった者の精神的退廃と官能性が気持悪いほど伝わってくる。貴族階級出身のビスコンティだからこそできる神業だ 10点(2003-12-13 23:40:55)(良:1票) |
29. 去年マリエンバートで
何が現実で何が夢なのか、全てが現実かもしれないし、全てが過去かもしれない謎に包まれた映画ですが映画そのものが一種の小 宇宙を形成しており、直ちにこの独特の異空間に吸い込まれてしまった。感覚が高鳴る映画であることは間違いないと思う。 9点(2003-11-29 23:11:14)(良:1票) |
30. 豚小屋
人間の欲望ってこんなに激しいのか?しかし、だれでも欲に身を委ねればこうなってしまうということか。 6点(2003-11-23 22:48:13) |
31. 8 1/2
オープンニングの幻想的な奇跡の映像からはじまり、夢と現実を交錯させながら監督自身の苦悩を描き、そして圧巻であるラストと、本当に素晴らしいです。脳ミソで描くイメージを限りなく現実の映像で表現しているのではないかと思います。まさに究極です。 10点(2003-11-10 22:00:23) |
32. サンタ・サングレ/聖なる血
エル・トポやホーリーマウンテンに比べたらホドロフスキーらしさが半減するがいい意味では見やすいかなー。親父が妻の両腕ぶった切るシーン危なくてはかなり笑えたぜ。しかし、ホドロフスキーの教育観って一体何でしょうか、実の子供使ってるし、かなり問題あるな。 8点(2003-11-05 23:00:48) |
33. サスペリア(1977)
初めはなんか雰囲気がよくてドキドキしたが話が進むにつれてだるくなってしまいました。 5点(2003-10-26 22:36:03) |
34. グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版
海大好きのおれにとってはかなりきつい映画だ、だっていまにでもにでも小笠原や八重山あたりいきたくなってしまうからな。 6点(2003-10-21 22:31:37) |
35. 気狂いピエロ
不可解な言葉など、疑問は残るがアーティスティックな映画であり成功している思う。映像はやはり素晴らしいし、ベルモンドが醸し出す雰囲気が最高だ。私としてはとても好きな映画である。 9点(2003-10-19 21:46:22) |
36. イル・ポスティーノ
イタリアの島がいい感じで撮れてる。あののんびりした美しい映像とマッシモ・トロイージの最高の演技が映画のよさを格段に上げている。 8点(2003-10-13 21:28:49) |
37. アポロンの地獄
パゾリーニのこの映画は好きだ。独特すぎるアイデアと解釈にはやられてしまった。預言者のババアの笑い方が怖い。 8点(2003-10-13 20:35:05) |
38. ソドムの市(1975)
うーん、何なんでしょう。糞くったり耳切ったりやってることはパゾリーニの自己満足なのかい?ホドロフスキーのエルトポは好きだがこの作品はちょっとなー、しかし、奴隷の絶望の顔には恐れ入ったのでこれぐらいの点数で。 4点(2003-09-26 22:56:07) |
39. 道(1954)
ザンパノが人間へとなっていく姿に感動!いなくなってはじめてわかる愛 なんかわかる気がするなー 10点(2003-09-24 23:21:23) |
40. 自転車泥棒
辛すぎるよ。これがネオリアリズムか。親父のやることどんどん裏目に出て、子供がそれを見てる。あー 切ないなー。当時のイタリアってやっぱ貧富の差激しかったことを考えると親父のしたことに同情してしまうぜ。 10点(2003-09-24 23:02:35) |