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プロフィール
コメント数 2001
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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241.  コレクター(1965) 《ネタバレ》 
テレンス・スタンプのサイコっぷりが今の時代になっても通用する(?)リアルさ。表情が、なんか変なんですよ。いつキレるか、観てるこちらはずーっと冷や冷やしている気持ちの悪さ。ラストにはたまげた。死んだら次、ってホントに蝶扱いなんだ、生身の女も。後味の悪いことったらこの上なく、なんでかと考えるにこんな奴が実社会で事件を起こしてニュースになっている世の中だからか。
[地上波(字幕)] 7点(2012-09-08 16:50:20)(良:1票)
242.  クーパー家の晩餐会 《ネタバレ》 
ちょっと出来の悪い群像劇ですねえ。各人物の担うパートの内容が浅すぎです。何故妻は夫を、娘は母を、妹は姉を嫌うのか、そこが描かれない。「仲が悪いです」という設定のみが提示され、片方が不機嫌に怒っている様子だけ見せられるのです。ダイアン・キートンはそんなに悪い妻にも母にも見えないですよ、こちらにしてみれば。 各人の思いが収斂してゆく様が群像劇の醍醐味なのに、何考えてんのかいまいち伝わらないキャラ達のせいでディナーの集まりの席も今ひとつ盛り上がらない。 あろうことか、各者の「わだかまり」が終盤にいきなり融和する、というほぼ破綻に近い脚本には非常に驚かされました。なぜダイアン・キートンは突然アフリカ行きに賛成したの?40年も反対してたのに。ティーンエイジの孫は労せずして彼女が出来、爺さんの惚れたウェイトレスはバツ一中年息子と良い雰囲気に、って一体なんでそうなるんだ。徹頭徹尾、物語に説得力が無い。 オリヴィア・ワイルドが新恋人を追って廊下を走る場面。蹴散らかしたバラがスローで散るあそこ、あれはドラマチックな演出のつもりなのでしょうか。人様のお見舞いの花束だろう、あの花は。この作り手のセンス、どうなんだ。公衆の面前で押し倒すほどのべったりキスシーンが多いのにも辟易させられました。そこ、病院の待合室だよなあ?どうなのこれ。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2018-02-23 00:44:57)(笑:1票)
243.  オーケストラ! 《ネタバレ》 
映画が紙の媒体と決定的に違うのは音を伝えられる、ということ。クライマックスの演奏会は圧倒的。音楽の凄みに何度観ても泣く。アンヌ・マリーが(額に怒マークをはりつけて)ソロパートを奏でるその音色が金色の一筋となってするすると天上に昇ってゆく。彼女の音に叱咤され鼓舞されて、ダメ団員たちの音楽家魂に火がついてついには太く力強い音の奔流になってほとばしる、この瞬間は肌が粟立つほど。N・キンスキーの再来と見紛うような、神々しいまでのM・ロランの立ち姿と合わせて永久保存したい位の美しい舞台だった。前半から中盤にかけての、すったもんだな喜劇っぷりも好き。ネタは定石なれど、団員フルばっくれは予想できなかったなー。旧共産党の栄光の残滓もなにやら切なく、圧政のもと起こった悲劇も織り交ぜて話に奥行きも持たせている。笑って、やきもきして、戦慄して、うっとりして、泣いた。感情のほぼ八割方を喚起させられたこの映画、私にとっては満点。
[DVD(字幕)] 10点(2011-09-28 00:25:50)(良:1票)
244.  ハッピー・デス・デイ 2U 《ネタバレ》 
続編はパワーダウン、という定説を覆す実に立派な2作目。B級だからとは決して侮れません。むしろ2作目3作目とコケていくA級大作よりずっと上等と言えるでしょう。 前作に盛り切れなかったディテールをより練り上げてきているのが感心です。というか前作がまるごと伏線です。1作目のエンドロールを見ながら「ところでなぜにタイムループするの?まあいいけど」とちらっと思ったのですが、まさか冒頭から物語の基盤である謎が氷解するとは。ちゃんと用意していたんだ。丁寧な仕事だなあ。 パラレルワールドの解釈も分かりやすいです。今度は時間軸プラス空間もズレる、その中でヒロインが成長する図は前作同様ですが描き方がより洗練されました。母親とのエピソードには不覚にも涙腺が緩みました。ハッピー・デス・デイでまさか泣くとは。 死の描写がキツイと思う向きもたくさんいるでしょうけど、‶爽やかさ”まで獲得した稀有なホラー続編の本作。自信をもっておすすめです。あ、1作目から観てね。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-12-04 23:23:48)(良:1票)
245.  ナイト ミュージアム
博物館の展示物が夜になると動き出したら楽しいね、という発想も現代の映像技術では難なくクリアできちゃうのですね。先人たちは苦労しながら特撮をやっていたのになあ。ぜいたくに慣れちゃってありがたみが少なくてなんか寂しい。なめらかに動くティラノザウルスの標本を観ながらそんなことを思ってしまった。 でも、”技術”はあくまで作品にとって黒子の役割だと思うんだ。大事なのは脚本で、私は、どんなお話を聞かせてくれるのかなと映画を観るときにはいつでもそこんとこを楽しみにしている客なのだが、本作は設定以上の話の広がりを持たせられなくてやや退屈でした。
[DVD(字幕)] 5点(2016-07-29 00:00:48)(良:1票)
246.  96時間 《ネタバレ》 
決して筋肉アクション派ではないリーアム・ニーソンがオヤジ・アクションものでスマッシュヒットを放つとはねえ。 まずブライアン・ミルズのキャラクターを度を越えた親バカに設定したのが効きました。世の親は多かれ少なかれ我が子に対して親バカですから、彼が娘を救うために何をしようと客の承認は得たも同然。なのでブライアンがもう虐殺レベルな暴れっぷりを披露しても眉根を寄せる客はいない。敵に電気ショックをかまそうが、元同僚のヨメを撃とうが、「まあ仕方あるまい」と思わせちゃうのがミルズ親父の人徳か。人身売買組織に情けをかける必要も全然ないし、と思わせる脚本も念が入っている。 電話越しに聞かされる娘の大ピンチ、足元だけ映す暴漢らの気配。この場面のスリリングな怖さはベッソンの十八番。導入からラストのカタルシスへと一気に見せます。ノッてるベッソンはこれくらいできるのですな。
[DVD(字幕)] 7点(2018-06-24 23:29:37)(良:1票)
247.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 
“映画を観る”という行為において、これまでに必要としてきた見る・聴く・考える、といった感覚のほかに、運動神経まで使わなくてはいけないという全く新しい体験をした。G・クルーニーとS・ブロックと共に宇宙に、無重力空間に投げ出されたワタシ。映画感で観てたら宇宙酔いしただろう。もの凄い映像技術だ。 圧倒されるのは、眼前に繰り広がる光景だけでなく、“常に絶体絶命”のシチュエーションによりもたらされる著しい緊迫感。ああー苦しい、息苦しい~~で90分が過ぎ、登場人物がわずか二人だけだった、ということにエンドロールでやっと気付く。はあはあ。 恐ろしくて、生き延びるのに必死で、正直サンドラの幼くして亡くなった娘さんのエピソードとか、咀嚼するような余裕はありませんでした、はい。
[DVD(字幕)] 8点(2014-09-20 23:09:46)(良:1票)
248.  ワイルド・スピード/SKY MISSION 《ネタバレ》 
7作目にして、予算はふんだんに下りて爆薬もスタントの人件費も惜しみなく注ぎ込んだ堂々の娯楽大作となりました。個人的には、チンピラもどきのストリートレーサーだった頃の方がキャラとしては好きだったですが。でっかい公的機関の後ろ盾でミッションインポッシブル並みの大活躍、なんでこうなった。 私的な不満は置いておくとして、洗練された映像技術はあり得ないアクションにリアルなハラハラどきどき感を与えて、見ごたえは充分です。館内「おおー」と静かにどよめくこと多々。あまりにあまりなドバイ編が一番好きです。埴輪的なのを並べていた中国展みたいなあそこは何のパーティ会場だ。 そして、最後の姿となってしまったポール・ウォーカーについて触れねばなりますまい。華のある佇まいと、車大好きな最高の笑顔でシリーズを盛り上げてくれた。ラストシーンでは、ファンのみならずスタッフにも愛されていたことが伝わって、嬉しくてそして悲しかった。ポール、“Fast & Furious"シリーズ 楽しかったよ。ありがとう。
[映画館(吹替)] 7点(2015-05-03 00:50:50)(良:1票)
249.  ビッグ・リボウスキ 《ネタバレ》 
おお点数の分布が満遍ない。良いですね。私には直球ストライクです。 いやあ、もう馬鹿。馬鹿と変態と自分勝手ばっかりじゃないか。まだしも健常値に近いJ・ブリッジスが、とんだ巻き込まれ事件の中で翻弄されっぱなし。こんなええ仕事してたんだあ、彼。ベトナムのPTSDでややこしいことになってる友人のJ・グッドマンをはじめ、他のそうそうたる面子もいいボケをしちゃってる、もう顔からですもん。見てるだけでなんか腹立つわあ。特筆すべきはP・S・ホフマン、やる気満々の渾身のボケやってます。(哀悼) 出てる奴らの恐るべき社会的有用性の無さ。なんという無駄。しかし人間社会には絶対に必要なアソビの部分を担ってる彼ら。大好きだあ。 ああ、大好きなS・ブシェミが灰になってコーヒー缶(!)からジェフにふりかかる最後の場面なんてさ、何度目かの「馬鹿かーっ」を叫びながら私の視界はぼやけてにじんだ。金はなくとも、愛はあるのだ この世には。 
[CS・衛星(字幕)] 10点(2014-09-26 00:32:37)(良:1票)
250.  THE FIRST SLAM DUNK 《ネタバレ》 
今また大好きな湘北高校のみんなに会えるとは。原作者の井上氏が手がけているとあっては見逃すわけにはいきますまい。 驚いたのはアニメーション技術の進化。その洗練されていること。特筆すべきは試合のシーンで、動きの自然なことはアニメを観ていることを忘れそうになるほどです。 原作の漫画作品が画力もコマ割りのセンスも大変高いので、読み手としては脳内でキャラクターを容易に動かすことができていました。でも実際この目で動く彼らの山王戦を観ることができたのは、想像よりも一層の迫力を伴ってもう圧倒的。幸せな体験でした。 宮城リョータのエピソードを深掘りしてきたのにも驚きました。りょーちんは花道と気の合う一つ上の良き先輩でコミカルパート担当のイメージだったので、こんなにずっしりした背景を持たせたのは意外に感じました。でも、そうだ彼は背の小ささを抱えながらも有能なPGとして健気に務めを果たして来たんだった。それだけのバスケへの愛着を抱いていたのは何故か、種明かしにもなっているのですね。 試合が途切れる度、リョータのエピソードが挿入され桜木や流川にしわよせ(?)がきて出番が少なめ。花道流川好きには物足りないかも。この二人の丁々発止の関係がずーっとあったからこそ最後の得点シーンが生きるので、そこはちょっと残念。
[映画館(邦画)] 9点(2023-03-07 23:44:43)(良:1票)
251.  アレクサンドリア 《ネタバレ》 
壮麗な古都のセットとレイチェル・ワイズの賢美なこと。見事な美術の中で展開されるのは人間が繰り返し起こしてきた宗教戦争の、うんと初めの物語。 他宗教に不寛容で、暴力を伴う諍いは二千年経った今でもそっくり同じことが起きている。聖典の言葉を都合よく解釈し、人類の財産である知や建築を破壊するその行為へ抱く憤りの感情は現在にも通じるものだ。 女性研究者として名を残したヒュパティア。R・ワイズが彼女のひたむきに真理を追究する姿をこれ以上のキャスティングは無いと思うほどに好演。”人権”の概念が無い時代ゆえ、彼女もまた奴隷を人間の男として見なしていない当時の支配層の感覚もきちんと描かれていて、歴史を扱ううえで公平な感覚を持った監督だと思った。 奴隷だったダオスのヒュパティアに抱く恋心も横糸として機能しており、最後に彼の想いは究極のやり方で彼女の魂を救う。フィクションではあろうけど、実に悲劇的なラブストーリーでもあり、この場面には切なくなった。 絶命間際にヒュパティアの瞳に映った天空。その刹那、求め続けた宇宙の真理が彼女の中に降り立ったのだと思いたい。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-05-23 00:37:25)(良:1票)
252.  ザ・ベイ 《ネタバレ》 
POV形式のパニック・ムービーものとしては、今まで観た中でも出色の出来。「手ブレ」もそこそこ抑えられてるし、各映像の繋ぎ方もなめらかで話がブツ切れにならず展開する。これって結構技量が要るんじゃないのかな。 いや怖かったです。寄生物のグロテスクなシーンも多い。海洋汚染と海水ろ過装置の不完全さ。鶏糞に含まれるステロイドによる異常発育とか、ノンフィクションとはいえ妙に説得力のあるワードが並び、ワタシは膝を抱えてがたがた震えました。 こういうディザスターものは幽霊ホラーと違って「こういうことが起こったらどうする?」と突きつけてくるので答えがみつからない限り動揺してしまう。竜巻とか大雪とかは自分なりに切り抜ける手段を見出しているけど(ほんまかいな)水はなあ。どうしよう怖いよう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-02-23 00:24:46)(笑:1票)
253.  アメリカン・ギャングスター
個人的にマフィアものに欲する要素が色々欠けているように感じて物足りなかったです。「物語」が足りない。裏社会でのし上がろうという気迫も少ない。闇社会で生きる哀切もなければ必然も感じられない。まるでビジネスマンかのような風体のD・ワシントンの役作り上の責任は大きいと思うな。汚職警官に腹は立てていたようだけど、その怒りすら伝わってこないよ。ラッセル・クロウも取りたてて見るべき仕事はしていないけど、組織のボス感がはなはだしく薄いデンゼルには違和感しかなかった。この人はやっぱり優等生に(だけ)向いているのでは。 それに60~70年代が舞台にしては明るくこざっぱりで、画がどうしたって2000年代の作品なんですよ。クルマはちゃんと昔の型を走らせてるけど、街の空気感とか街角の汚れ具合がリアルに70年代に撮った作品群とは全然違う。そこまで映画に要求するのは無理なのかな。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-01-06 17:15:21)(良:1票)
254.  8mm 《ネタバレ》 
スナッフ・フィルムという題材のショッキングなどぎつさで観る者の耳目を惹いてるけれど、意外とグロばかりを執拗に描写するタイプの作品ではなかった。フィルムの凄惨な場面ではカメラをずらして、ニコラスとホアキンの表情を映して間接的に描写したり。ビビるホアキンが可愛げあり。 幼い娘のいるニコラスの、その怒り苦しみは娘を持つ全父親のそれである。ただならぬ形相のN・ケイジの渾身の演技がこの作品の屋台骨。残酷さを好む人間の業を結局どうすべきか処理しきれてない脚本は物足りないし、マシーンの正体の明かされ方はわかりづらいことこの上ないしで、一級品ではないけど前述のN・ケイジのふんばりに免じての点数です。
[DVD(字幕)] 6点(2014-08-23 00:26:22)(良:1票)
255.  バイス 《ネタバレ》 
結局この映画を一本見てもディック・チェイニーという人間はよく分からなかったなあ。冒頭でわざわざ断っている通り、米国政治家の中でも秘密主義な男だったのだろうな。 政治手腕は非情で辣腕、一方で家庭人としては申し分のない良き夫、父親である描き方です。娘らからも愛されているところをみると、レーガン家とはだいぶ違うのな などと関係ないけど頭をよぎりました。 タッチとしてはリベラルではありますが、コメディなのかもう少し真面目な風刺なのかあるいはもっと熱を込めて官僚的な副大統領の越権とも思える行為を糾弾したいのか、その辺の立ち位置がはっきりしない描き方です。なので観ているこちらはむしろハイレベルの‶そっくりさん大集合”に目を奪われます。ライスからパウエルから、ハリウッドの人材の豊富なことったら。ブッシュ(息子)に似ていると思ったこともないサム・ロックウェルの擬似ぶりにはその内面の演技も含めて感心しましたねえ。ブッシュ(息子)っていつもこんな描き方(阿呆っぽい・わかってない・器じゃない等)されるなあ。きわめて真実なんだろうなあ。 そして圧巻はやはりカメレオンC・ベール。もうこの俳優が元々はどんな顔カタチだったか忘れてしまいました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-02-22 23:57:55)(良:1票)
256.  タワーリング・インフェルノ
まさしく問答無用のパニック映画の金字塔、初見の時は本当に手に汗握ったものです。高層ビルが火事を出すとはどういうことか、冒頭の消防士さんの台詞「煙突だよ」が全てを説明しています。恐ろしいです。人物たちのドラマも丁寧に描き込まれているのも娯楽作としての完成度を上げています。マックィーンかっこいいーと叫び、炎と煙の猛威にひいーとビビり、まあ鑑賞中は忙しい。テレビで放送された際には、そのとき在宅していた全員がいつのまにか集まっていて(お正月かなにかで親戚もいたりする)、みんな一度は観たことあるので「あ、この人は助かるはず」とか「ゴンドラ、これ落ちるんじゃなかった?」とか不確かな記憶を披露しながらわあわあと観賞するはめに。あーおっかなかったなあ、という感想とともに、消防士さんの尊い仕事につくづく敬意を表したくもなるのでした。
[地上波(吹替)] 9点(2013-07-04 00:53:03)(笑:1票)
257.  沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇 《ネタバレ》 
原作ファンとしては、主人公の家政婦にはキャシー・ベイツしか考えられないと思ってきたのでまずソフィーの見た目があまりにかけ離れているのに不満。華奢で若くて、観る者の同情を買いそうなキャスティングの結果、やはり原作にあったえもいわれぬおぞましさや不快感を喚起させる迫力が削がれてしまった。だけど、サイドを務める郵便局の女、イザベルのスレた不愉快キャラが原作よりも際立っている。この女の放つ反社会的なパルスがソフィーの心の奥底と共鳴して犯罪に突き進んでゆく、二人の関係の描き方に説得力がある。原作は家政婦の性質を丹念に不気味に描写していて怖いのだけど、この相方との仲についてはやや語りが弱かった印象がある。“嫌な女”二人を紡ぎ直して映画化、それなりに成功しています。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-12-06 23:36:16)(良:1票)
258.  都会のアリス 《ネタバレ》 
よく並べられて語られる“ペーパームーン”と“アリス”だけど、“ペーパー”が大人の男と少女が並列なのに比べて、"アリス”は男の、少女への依存度ぐっと高いのですよね。警察からアリスが逃げてきたときの嬉しそうな顔。"この子に選ばれた”、自らの内面を放浪していた彼にとってこのことがもう決定的な指針となったはず。そんな微妙な心の内を「どういうことっ?」と怒るお巡りさんに説明するのは難しい。最初から最後までテンション高く突っ走る"ペーパー”と違い、こちらは徐々に人間関係が熟成されてゆく感じ。どちらも好きです。
[ビデオ(字幕)] 7点(2013-01-26 16:39:41)(良:1票)
259.  道(1954) 《ネタバレ》 
ザンパノとジェルソミーナ。この辛く労しい二人。雑で横暴なザンパノ、お前なんか、お前なんか。こういう男は厄介だ。こんなダメ男を捨てられないジェルソミーナの造形を軽い知恵遅れにしたフェリーニの鋭いこと。泥棒で人殺しで自分勝手でああこんな奴を肯定してたまるか。ジェルソミーナが警察の前で待ってたからってほっとするんじゃない。彼女が錯乱から一時的に回復したそのときに安堵した表情を浮かべるなあっ ヒキョーだぞっ。海辺で号泣だ?お前なんかのために泣かないぞ。泣くもんか。ぐすっ。
[ビデオ(字幕)] 9点(2012-10-22 00:02:43)(良:1票)
260.  ニノチカ 《ネタバレ》 
80年も前の作品なのに古臭さを感じさせない、卓越したセンス。台詞も笑わせ方もおしゃれです。脚本にビリー・ワイルダーが入ってるのか・・納得です。 クールな美貌のグレタ・ガルボは初めのうちの共産党の申し子みたいなカッチコチのキャラがハマってて、ここら辺が一番面白かったな。恋をしてどんどん柔らかくなってゆく彼女を見るのも楽しかったけど。 旧ソ連への批判も、笑いを削がないよう絶妙な匙加減に留めていて上手いですね。みんなとパリの歌を歌ってたら、つかつかと他人が横切って行ってしーん、となる場面とか。本来ならおっかないシチュエーションなのかもですが、笑っちゃいますよね。 ラストシーン、名前の電飾切れに抗議するやり方が共産圏のデモそのもの。最後までくすっとさせてくれました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-01-02 16:27:24)(良:1票)

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