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プロフィール
コメント数 2255
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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401.  サンキュー・スモーキング 《ネタバレ》 
タバコ業界への世間の風当たりは相当強い。もはや“喫煙=悪”は社会のコンセンサスです。圧倒的に不利な情勢の中、広報担当者である主人公の手腕が問われます。それが物語前半の“フリ”。広報戦略やディベートの面白さ。黒を白と言い換えるマジック。そこへ観客の興味を誘導します。ところが後半に入って様相は変わる。その仕事ゆえ世間から疎まれる父と、それでも尊敬する息子との絆を描くファミリードラマへシフト。勿論そういう展開もアリだと思います。ただ、フリに対してのオチは欲しい。それはラストシーケンス、ドクロマーク法案の公聴会でやってきます。法案推進派の大物議員VSタバコ業界を代表する主人公の論戦。どんなロジックで主人公は法案阻止を図るのか。それが前フリに対するオチ。さらに父としての尊厳を示す場でもあります。まさにクライマックス。議員の意地悪な質問「あなたは子供にタバコを勧めますか?」に対する主人公の答は「子供の自主性に任せます」主人公の上司は、ヤッター!言い負かしぞ!と興奮ぎみ。議員は「痛いところを付かれた」的なリアクション。でも自分はあっけに取られました。逆襲の一撃でも何でもない。至極真っ当な受答えに思えるから。おそらく自由を勝ち取った意識のあるアメリカ人と、そうでない日本人とでは、主人公の主張する“自由”に対する認識が違うのでしょう。ただ、いずれにしても自分には物足りなかった。サプライズが欲しいと思いました。さらに主人公は結局タバコ業界を離れるという。これまた平凡な着地点に思えます。フリは良かったのに、オチはイマイチ。何だか煙にまかれた気分です。タバコだけにね。お後がよろしいようで。いやよろしくないか(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2007-11-20 18:47:12)(良:1票)
402.  のぼうの城 《ネタバレ》 
一言でいうなら、野村萬斎による野村萬斎のための映画。今この役を演じられるのは野村だけでしょう。狂言で培った技能を存分に活かして、オイシイ役どころを手堅く演じました。一方、配役で気になったのは山口智充です。おそらく注文通りの演技プランで、彼に非はありません。しかし、同じ外連味溢れる芝居でも2人のバックボーンの違いか、山口の方には違和感が。もう一人か二人俳優以外の芸達者を入れて、全体のバランスを取っても良かったかもしれません。一昔、いや二昔前なら、型通りの殺陣で許された合戦シーンも、今やCGを使って血飛沫を飛ばすのが当たり前。現代時代劇は迫力やリアリティと引き換えに、チャンバラの様式美を失ったように思います。ある程度は仕方がない時代の流れ。本作のように娯楽時代劇の場合、リアリティは無用の長物ですが、無視する訳にもいきません。足りない娯楽性を補う意味が芸人山口のオーバーアクトにあったと考えます。石田軍2万に相対する成田軍はわずか五百。戦うという事は、すなわち死んでくれという意味です。配下の武将は兎も角も、百姓にとっては迷惑な話。それなのに彼らは自ら進んで槍を取りました。仕様が無い殿様だと笑って許してくれました。如何に長親が領民から慕われていたかが分かります。絶対の勝ち戦で水攻めなどという下策を用いる敵大将には望めないもの。人望は武器です。死んでくれる部下の気持ちに報いるには、自らも命を捨てなければなりません。そう、田楽の目的は撃たれる事でした。水攻めで落ちた味方の士気を弔い合戦の名目で奮起させ、堤防作りに携わった農民に反旗を翻すことを促すのが狙い。決死の舞です。“でくのぼう”なんてとんでもない。立派に大将の器でした。果たして、莫大な犠牲と引き換えに彼らが手に入れたのは、後の世にまで語り継がれる名誉。命に代えてまで得る価値があったかどうかは判断が難しい問題。しかし、当人たちが納得している以上誰も口を挟めないでしょう。それにしても成田長親のリーダー像には胸を打たれました。愛されるのは、努力を伴う立派な才能です。ももクロの百田夏菜子も同じタイプのリーダー。いい仕事は、仲間の、働き手の、心を動かすことから始まります。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-09-09 18:28:02)(良:1票)
403.  ズーランダー NO.2 《ネタバレ》 
前作『ズーランダー』から実に15年の歳月を要したファン待望の(?)続編。カメオ出演のセレブの悪ノリと、心底クダラナイギャグのみで構成された、毒になっても決して薬にはならないお下劣お馬鹿コメディは、ファンの期待に違わぬ、待ち焦がれた「懐かしの味」でありました。個人的にツボだったのは、一瞬の油断が生んだ悲劇の自動車事故。その激しすぎるカークラッシュは前作のガススタンド爆破シーンを彷彿とさせる「やり過ぎ感」に溢れており、某ラーメン○郎の如き狂った(演出の)さじ加減に腹を抱えました。ジャスティン・ビーバーに打ち込まれた銃弾の数然り。ジャック・バウワーの無駄な存在感然り。一度ハマってしまえば、どのギャグもイチイチ面白いのがアメリカンコメディの強みかと。とはいえ、本作で真に感銘を受けたのは、ペネロペ・クルスの異次元の美しさであり(作品登録要望を出すまでアン・ハサゥエイだと本気で勘違いしていたのは内緒だ!)、ベン・スティーラーは監督特権で乳を揉んだに違いありません。
[DVD(吹替)] 7点(2016-11-30 19:28:16)(笑:1票)
404.  教祖誕生 《ネタバレ》 
原作ビートたけし。出演ビートたけし。強烈な“たけし色”を放つ作品ではあるものの、北野武監督作品とはまた赴きが異なるのが面白いです。準主役というオイシイ役どころの芸人たけしが、小悪党を嬉々として演じています。世間で言うところの“チョイワル”とは違う意味の“ちょっと悪い奴”がたけしは好きなのでしょう。下手を打ち教団を追われ、素寒貧で腐れ縁の偽教祖と出直し。そんな情けなさが、愛おしいのでは。たけしが小悪党だとすれば、岸部は中悪党。でもそれを上回るのが教祖様。この世の中で最強なのは、勘違いした馬鹿ということです。納得。世に数多実在する新興宗教団体の実態のほどは知りませんが、このような教団も存在するのではないかと思わせるリアリティが素敵です。
[DVD(邦画)] 7点(2011-10-28 19:50:51)(良:1票)
405.  青い春 《ネタバレ》 
“親友であるためには対等でなくてはならない”青木はそう思ったのでしょう。でも九條と自分では格が違いました。見ている世界が違うのです。それが悲しかったし、許せなかったのだと感じました。同じ世界を共有するために彼がしたこと。髪形も変えました。悪もやってみました。でも足掻けば足掻くほど、あいつとの違いに打ちのめされます。九條と肩を並べるための最後の、そして唯一の方法が、あの“結末”だったのだと思います。夜通し身動ぎもせずに考え抜いて決意したこと。九條より多く手を叩くことに意味はありません。九條と同じ境地「今ここで終わっていい」に辿り着かなければ意味がありません。青木は覚悟の自殺を遂げたのだと思います。絶対に彼は間違っています。親友の意味も履き違えています。でもそんな風に間違えてしまう青春も確かにあります。マメ山田先生は言いました。「花は咲くためにある」「枯れてもまた咲けばいい」でもそれは、根っこが生きていればこそ。根こそぎ摘んでしまった芽は、決して花をつける事はありません。青木の青春は無様で最低でした。ただし個人的には、汗と涙の爽やかな青春像より、こちらの方が百倍しっくりきます。
[DVD(邦画)] 7点(2008-03-07 18:51:31)(良:1票)
406.  ロスト・ハイウェイ
誰にでもわかる作品は素晴らしい。誰にもわからない作品に価値は無い。本作は後者に近いと思います。しかし、「わかるかもしれない」「わかりたい」と思わせる魅力があります。これは重要です。ある人が松本人志の笑いを「俺にしかわからないと思わせる誰にでもわかる笑い」と称していました。これは凄い褒め言葉です。デヴィッド・リンチ作品も同じだと思います。『マルホランドドライブ』はそのさじ加減が絶妙で、本作は行き過ぎていただけのことです。たまに観返して、ワケわかんなくなりたい。
[DVD(字幕)] 7点(2006-05-03 12:08:10)(良:1票)
407.  HOME 愛しの座敷わらし 《ネタバレ》 
水谷は懸命にお得意先に頭を下げましたが、上司にキレて台無し。安田は自治会の仕事を引き受け、息子君や娘ちゃんは積極的に仲間に溶け込もうとしましたが、これくらいは誰でもやっている事。屋敷の前住人と違い、大らかに座敷童子を受け入れた点は水谷ファミリーの手柄と言えますが、棚ボタ感は否めません。言わば宝くじで当てた幸せ。努力がツキや奇跡を呼び込んだ成功ならば、ご都合主義でも受け入れられますが、宝くじ当選者の体験談を聞かされても感慨はありません。家に憑くはずの座敷童子が水谷家族と一緒に引っ越した結末は興醒めですが、幸福が水谷ファミリーの力で勝ち取ったものでない以上、この結末しか無かったとも言えます。豊かな自然と雰囲気たっぷりの古民家等ロケーションは抜群で癒し効果はありそうです。ファンタジーとして“緩く”楽しむ分には悪くありませんが、感動を望むのは厳しいと感じました。 
[地上波(邦画)] 5点(2013-08-16 18:27:22)(良:1票)
408.  北のカナリアたち 《ネタバレ》 
『白雪姫と7人のこびと』ならぬ『小百合姫と6人の若手俳優』。微塵もエロスを感じさせないキスシーン、罪悪感ゼロの不貞行為。泥臭く熱演する若手俳優陣に対し、吉永小百合だけ纏う空気が違いました。吉永が持つ“透明感”や“処女性”は、女優としての武器と考えますが、シリアスドラマでは足枷になる場合があるようです。例えるならモデルルームで繰り広げられる貧乏家族物語のような違和感。ハイライトで流れるBGMの旋律が殊更煩わしいと感じたのも、主人公が人間力で対抗出来ていなかったからかもしれません。原作は未読ですが、ストーリー自体は自分の好み。出来れば寺島しのぶ主演でリメイクしていただけると在り難いです。サユリストの皆様、ごめんなさい。
[地上波(邦画)] 6点(2013-12-18 18:57:13)(良:1票)
409.  ザ・ファブル
『桃太郎侍』や『水戸黄門』の殺陣にリアリティが無いと注文をつける人はいません。それはファンタジーと一般認知されているからです。お茶の間TV時代劇は、リアリティを捨て去った代わりに、様式美という自遊空間を手に入れました。本作にもおそらく同じ事が言えます。タイトル『ファブル』(=寓話)からも、そのスタンスが伺い知れますし、劇中では「ジャッキーチェンかよ」という台詞まで出てきます。エンタメアクションに特化した制作姿勢は大変心地よいもので、アニメ活劇を観ているかのような心持ちでした(クライマックス。狭い工場内を上階へ向かいながら繰り広げられるアクションは、カリオストロの城へのオマージュに思えました。)コメディとしても上出来で、主演を務めた岡田准一が果たした役割は大きいと感じます。桃太郎侍の高橋英樹と同じような『役者顔』とでも言いましょうか、ナチュラルさが売りの俳優さん(例えば瑛太とか西島秀俊)では出せない『濃さ』がエンタメの様式美にハマっていたと思います。そういう意味では、柳楽優弥は上手すぎて様式美からはみ出していたような。同タイプでも、北村一輝の『濃さ』なら上手く寓話にマッチしたのではないかと思います。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-04-21 19:58:33)(良:1票)
410.  幻の湖 《ネタバレ》 
長尺&奇天烈な場面転換にクラッシックを噛ませることで、得も言われぬカルト臭を放っている作品。しかし決して難解ではありません。それもそのはず。重要な事は全て台詞で説明してくれています。シーンキャプションも必要以上。解らないのは、監督のセンスということ。まるで奇書『ドグラマグラ』のチャカポコチャカポコの如く、延々と続くマラソンマッチに息も絶え絶えになっている観客に突きつけられるのは、大気圏から飛び出し琵琶湖の上に笛を置く驚愕のラスト。何のこっちゃ。そりゃア然として当然です。抽象的なタイトルで芸術作品を装うのではなく、ストーレートに『メンヘラトルコ嬢の仇討マラソン~ヤッパ付きやねん~』で明確にブラックコメディであることを宣言した方が得策であったと思います。BGMはザ・プロディジーのテクノ(Breatheなんかこの映画のためにあるような楽曲!でも残念、こちらが後発でした)でお願いしたいところ。それにしても南條玲子は素晴らしかったです。演技力はさておいても、それを補うお顔が100点満点。正面からのアップで際立つ、大きさの違う左右の瞳。アシンメトリーが放つ居心地の悪さが、彼女の狂気を雄弁に物語っていたと思います。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-01-16 18:27:14)(良:1票)
411.  太陽の坐る場所 《ネタバレ》 
クラスの天照大御神を自認する高校生・高間響子が、その高すぎる自意識故に挫折して精神的に引き籠るに至った“理由は何だったのか?”を探るミステリー。とはいえ、謎解きの面白さに重きを置いた物語ではありません。主要キャラクター4人の置かれた状況と心の機微を、丁寧に、でも決して説明過多に陥らずに綴るのが本作の流儀。私たちが所属するコミュニティの有様を浮き彫りにする仕組みとなっています。やはり、集団の中での立ち位置を自尊心の拠り所としてしまうのは、大変危うい行為という事が分かります。集団はさらに大きな集団に包括され、また別の集団とも重なり合うのが道理。そんな“あやふやな”地盤に自己存在価値を組み立てるなど、湿地にマイホームを建てるが如き無謀な行為。でもお手軽なので、きっと多くの人が似たような失敗を経験していることでしょう。もっとも、マイホームはどうしても必要なワケで、沼地だろうと氷の張った池だろうと、とりあえずは家を建てなければいけません。若いうちに沢山家を住み替えて、素敵なマイホームを手に入れる事が肝要なのですね。皆さまのお家は、大丈夫でしょうか?本作で特筆すべきは、キャスティングの素晴らしさ。高校生時代と大人時代の変化に全く違和感が無いのは拍手もの。この辺りが雑だと結構なストレスになるので、好感が持てました。やや大仰な台詞回しは、好みが分かれるところかもしれません。
[DVD(邦画)] 7点(2015-07-04 22:36:02)(良:1票)
412.  JUNK HEAD 《ネタバレ》 
輪廻転生を描きながら、生きる意味を問う物語。と見せかけて、実は全然違うのかもしれません。監督の狙いは別にあるのかも。説明不足を自分勝手に脳内補完している可能性も否定できません。そういう意味では、映画の完成度は決して高くないと思います。無駄な描写が多いですし、ストーリーテーリングも上手くありません。必要以上にグロテスクですし、結末も尻切れトンボ。しかしながら、本作の訴えかける力はズバ抜けていました。画面の端々から謎の迫力が溢れていました。全ての芸術作品の使命は観客に何かを感じさせる事。その観点で本作は(私にとって)満点に違いなく、もう諸手を挙げて賞賛したいです。映画の出来の良し悪し等とは、また別次元の話。こういう映画こそ傑作と呼びたい。こんな気持ちになったのは、湯浅政明監督の『MIND GAME』、内田けんじ監督の『運命じゃない人』を観た時以来であります。
[インターネット(邦画)] 10点(2022-02-21 19:16:10)(良:1票)
413.  TRICK トリック 劇場版2
TV2時間枠で十分な作品だと思います。でもたまには映画館で好きなドラマを観てみたいもの。家のご飯もいいけれど、外食はちょっとワクワクする。そんな感覚がテレビドラマの映画化作品にはあります。フランス料理のフルコースには手が出ない。でもラーメンでいいんです。いつもの馴染みの味がいい。何より安いし。それは、肩肘張らずに楽しめるということ。そういう意味では、極めて真っ当な、期待通りの作品でした。すっかり大物になった仲間のオトボケぶりや、上田教授との掛け合いが見られればOK。くだらなさ全開のトリックもどきに笑えればいい。欲を言えば、矢部刑事コンビをもっと見たかったです。おそらく6点満点の作品。で6点です。
[DVD(邦画)] 6点(2007-09-10 20:11:49)(良:1票)
414.  電車男 《ネタバレ》 
原作本未読。映画より先にTV版を観ています。中谷エルメスは年齢的にはキツイけど、伊東エルメスより品がある。そして母性が強い。個人的には断然中谷派です。それにしてもエルメスがありえないくらい良い娘。実際、こんな娘いないだろうなあ…(遠い目)。それはさておき、何気に名台詞が多い。「あれ実はカマかけてたんです」「少なくとも私にはモテモテですよ」「エルメスさんち行きのチケットはJTBじゃ売ってくれないんだよ!」「スキっていったらもっとスキになっちゃいました」クサイ台詞ですけど、グッときますね。掲示板の住人を反対側プラットホームに登場させた場面はニクイ。この距離感がネット上のつながりなんですね。決して触れ合うことはない。でもそこにいるんだよという。嫌な人間が出てこないのも○。ファンタジーとして割り切って観られます。ただ、音楽のセンスがイマイチ。最後にTV版コンビを出したのも、やりすぎ。“誰でも電車男になれるんだよ”という意味かもしれないが、商売気が見えすぎです。
[地上波(邦画)] 7点(2006-09-17 11:51:39)(良:1票)
415.  バイバイ、ママ 《ネタバレ》 
わが子には苦労させたくない。誰からも虐められることなく、純粋な心で真っ直ぐ育って欲しい。母親は子を社会から隔離する道を選びます。何故なら、他人は息子を傷つける存在だから。息子を愛してやれるのは自分だけ。それが息子への愛だと信じています。でも勘違いだと思う。愛しているのは息子ではなく、彼女自身だったのではないか。母親は自分が傷つくことを恐れているだけだと感じました。それほどまでに、少女期に負った心の傷は重症だったのでしょう。傷を治療せずに大人になってしまったのが、悲劇の始まり。確かに人は人を傷つける。でも、かけがえの無い財産を与えてくれる存在でもある。きっと彼女も受け取ってきたと思う。(じゃなきゃ、大人になれない。)でも心の傷が忘れさせてしまったのでしょうか。忌み嫌ったであろう両親と同じ道を辿る母親。やるせない結末です。母親から教わった素敵なことは財産にして、息子には強く生きていって欲しいと願うばかりです。子供を強く育てたいなら、まず親が強くなること。子供の何倍も泣く覚悟がないと、親にはなれないのだと思いました。
[DVD(字幕)] 7点(2008-01-13 19:56:15)(良:1票)
416.  劇場版 鬼滅の刃 無限列車編 《ネタバレ》 
ももクロちゃんのライブ映像作品以外で予約してブルーレイを購入するのは久しぶり。これは、新型コロナの影響で本作劇場公開時についぞや映画館へ足を運ぶことが叶わなかったからです。鬼滅の刃ファンの二女には劇場鑑賞を約束していたのに。正直スマンかった(健介の口調で)。円盤が擦り切れるまで観るがよろしい。 さて、私はTVシリーズ鑑賞済み、原作漫画も読了済みの立場ですが、客観的に評価するなら本作が歴代興行収益記録を塗り替えるほど“特別な出来栄えだった”とは思いません。スペシャルだったのは“コロナ禍”なり“鬼滅の刃ブーム”なり外的要因の方。勿論、映画自体に魅力がなければ、こんな大記録は打ち立てられない訳で、TVシリーズや原作ファンを満足させるクオリティがあり、かつファン以外の観客にも分かりやすく、そして良い感じに“刺さりやすい”内容だったのは間違いないと考えます。 ブームを検証して『それらしい理由』が見つかったとしても、踏襲して同じブームを巻き起こすのは不可能です。『風が吹けば桶屋が儲かる』あるいは『カオス理論』か何か知りませんが、様々な要因と偶然が重なりあって大爆発が起きるのが『社会現象』というヤツかと。この先当分は塗り替えられないであろう金字塔に、リアルタイムで立ち会えたのは幸運だったと思います。でもやっぱり映画館で観たかったな。
[ブルーレイ(邦画)] 7点(2021-06-19 23:57:00)(良:1票)
417.  幼獣マメシバ 《ネタバレ》 
小動物をアイテムにしたゆる~い癒し系物語を予想していましたが、いい意味で裏切られました。それなりに真剣な引き篭もり脱出(救出)大作戦。現代版オリエンテーリング式“母を訪ねて三千里”でありました(だから母子再会の地はアルゼンチンじゃなきゃいけない)。お目当ては佐藤二朗の怪演。コチラは存分に堪能しました。爆笑こそありませんが、終始ニヤニヤしっ放し。シリアスにも、コメディにも寄り過ぎない絶妙な距離感を楽しみました。主な難点は2箇所。ひとつは役者の声が聞き取り辛いこと。自宅DVD鑑賞だったのですが、ずっとボリューム全開。そもそも佐藤のクセのある発音自体が聞き取り辛い側面はあるものの、そういう事で片付けたらいけない。他作品ではストレスなく佐藤の言葉は聞き取れる訳ですから。演技指導と録音の技術力でなんとでもなると感じます。物語的な不満は、もう一歩踏み出した結末でも良かったという点。あのエンディングでは、子はまだお釈迦様、いやママンの手のひらの内。「じゃあ、ぼくはもう行くでござる、うん」の一言があれば、尚良かった。
[DVD(邦画)] 7点(2010-07-18 19:41:06)(良:1票)
418.  ダーク・ウォーター 《ネタバレ》 
『ザ・リング』や『JUON』等の丸パクリメイクに比べて、本作は日本版を消化した上で再構築しています。リメイクとして、正しい姿勢だと思います。これは好印象。日本版の不可解とも取れる“母(黒木瞳)の決断”を、きちんと整理したところが最大の変更点。今まさに娘の命が奪われようとしている。だから娘を助ける代わりに、自分(母)の命を差し出す。交換条件が明確です。また、母のトラウマを強調した部分も上手い。“妄想”の可能性を残したことで、物語に幅が出ました。テーマはより鮮明に、ストーリーはより納得できるものに仕上がっています。ただ、“余白”をそぎ落としたために、味わいが薄れてしまったように感じました。本作の母の決断には、あの選択肢しかなかった。考える暇もありません。“急かされて契約書にサインをした”ように見えてしまう。日本版には他の選択肢も、考える時間もありました。その僅かな“間”から汲み取れるのが“母の強さ”であり、“大きな母性”でした。管理人に責任を取らせたのも、霊と母が去っていくシーンを入れたのも、スッキリはしますが几帳面すぎたかと。早々にネタバレしてしまう日本版と比べると、つくりは本作のほうが遥かに上質です。本作には感動がある。でも自分は日本版の情緒を好みます。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-05-11 18:52:47)(良:1票)
419.  やさしい嘘 《ネタバレ》 
3世代にわたる母と娘の心情を繊細なタッチで描いています。生きてきた時代が違うから価値観も違う。旧ソビエト時代、社会主義のウソの中に浸かってきたおばあちゃん。その幻想を打ち砕かれた母。そして今、新たな民主主義のウソの中を生きる娘。それぞれの時代背景が心に及ぼす影響は大きいようです。“息子の死はおばあちゃんには辛すぎる”そう母は判断しました。「真実を知って悲しむくらいなら、ずっと嘘に包まれていたほうが幸せだ」それは、現在の生活に対する母の想いとも見て取れます。その嘘に嘘で答えるおばあちゃん。自分の事を気遣ってくれた娘と孫に対するせめてもの思いやりです。誰も傷つけたくない。知らないほうが幸せな事もある。その気持ちの奥にも、おばあちゃんの生きてきた時代が垣間見えます。ラスト娘はウソをついて旅立ちます。それはおばあちゃんや母親の祖国、そして今まで生きてきた時代との別れでもある。笑顔ひとつ無い娘の旅立ちは、今のグルジアが置かれている状況を表しているのでしょうか。やさしい嘘。それは相手を思いやる暖かい心。一概に否定する気はありません。でも結局はみんなが傷ついてしまった。嘘で逃げきるのは至難の業。やはり傷つくことを怖れてはいけないのだと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2006-06-01 17:44:14)(良:1票)
420.  最終絶叫計画
本家の知名度。それがパロディ作品の成否(興行上の成功)に大きく関わってくると思います。主たる元ネタは『ラストサマー』と『スクリーム』。ホラー映画好きなら必須ですが、『13日の金曜日』や『ゾンビ』ほど、一般層に浸透している作品ではありません。つまり一般ではなく映画ファン、それも一部のホラーマニアを対象とした守備範囲の狭いパロディだと思いました。一般ウケはそもそも無理な話。でも『ラストサマー』を“楽しめた”人なら、本作も楽しめる可能性は大です。自分もそう。かの作品はこれっぽっちも面白いと思わないけど、“楽しめた”クチではあります。バカ映画が嫌いじゃなくて、下ネタを嫌悪しなければ本作も多分イケるでしょう。そもそも、エログロと笑いの関係は密接ですし。ただマニアックな作品ながらハマリ度はイマイチでした。元ネタにパワーが無いからかな。こればかりは如何ともし難い。最後に本編で出てきた名台詞を紹介しておきます。「小さなトンカチだって上手く使えば釘は打てるんだよ!」この言葉に感銘を受けた野郎にだけお薦めします(泣)。
[DVD(吹替)] 6点(2008-11-05 18:54:19)(笑:1票)

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