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81.  月夜の願い/新難兄難弟 《ネタバレ》 
相変わらずタイトルだけ見ると何とも甘さの残る映画のようだけど、監督が「ラヴソング」と同じだけあって、上手い。話的には確かに「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ぽいけど、私は断然、こっちのが好きです。父と子、それも息子にとっての父親とは何か?てことを深く考えさせられる。父から見る息子と息子から見る父親、それぞれ違う一面をこの映画では笑いを交えて楽しく、時にはほろっとさせてくれる画き方がされていて、あの若き頃の父親に対してローラのどこに惚れたの?という問いに対するやりとり、「胸が大きい所に惚れた」って、いやはや、なんて男らしくて、解り易い。単純で良い。まるで男の本心をずばりと言われているようである意味、心が痛む。レオン・カーファイが子供達に「一人は皆の為に、皆は一人の為に」と問うのを聞いていて、それを見て馬鹿にしたように笑うトニー・レオンも面白い。美しき女性相手に発する眼からのビームなんて普通有り得ないけれど、実際に有り得ないことを見せてくれるのもこれまた映画としての面白さ、良さであったりする訳で、過去の世界から現実の世界へと戻ってきた息子がベッドで横たわる年老いた両親と抱き合うシーン、それを病室の外で見て泣いている医者、最高です。この映画は父と息子の関係は親子であって、それ以上に友達であるような存在だというのを思い出させてくれるそんな映画です。
[ビデオ(邦画)] 8点(2010-06-05 10:47:41)(良:2票)
82.  ツーリスト 《ネタバレ》 
ん?評判悪いなあ!でも、私はこの映画、確かに荒を探せば幾らでも出てくるけど、それよりもまずは美しいベニスの街並み、タイトルにあるように観光旅行にでも行ったような気分を味わうことは出来たし、それに最近流行りのCGだけらけの映画よりはずっと良い。昔のハリウッド映画のような味わいを感じさせる映画作り、ストーリーよりも雰囲気を味わう映画として観れば楽しめるし、それに二枚目と美女との絡み、絡みと言っても舌を絡めるというようなけして、嫌らしい絡みではなく、まあ、そういうシーンもあることはあるが、そんなことよりもジョニー・デップが犯罪に巻き込まれる。しかも、アンジェリーナ・ジョリーの美女に人違いされ、気に入られ、殺し屋に殺されそうになりながらと、とにかく二枚目と美女の二人が美しいベニスで犯罪に巻き込まれる。それを観て楽しむ。それで良いんじゃないか?美女が犯罪に関わる。絡んでくるというのはやはり観ていて楽しいものがある。ジョニー・デップはやはり二枚目であることが男からしても解るし、かっこ良い。殺し屋に狙われて、パジャマ姿でも何故か絵になる。ところで列車で出会った男を好きになるという癖を持つというアンジェリーナ・ジョリー演じる女、男からしたらそんな女に一度ぐらいは会ってみたいものである。但し、これも相手がジョニー・デップだからであって、そこらにいる普通の男ではこうはならないと思う。勿論、私なんぞ相手にされっこない。でも、その分、犯罪に巻き込まれないで済むというのは助かる。そう考えると二枚目は辛いなあ!いやあ、二枚目でなくて私は良かった。良かったと何だかそんな気持ちにさせられる映画でもあるという意味でも以外と楽しむことも出来た。この映画は二枚目じゃない私のような男にとっては救いの映画であると勝手に解釈しつつ、この映画についての感想を終えたいと思います。
[映画館(字幕)] 7点(2011-03-08 22:03:20)(笑:1票) (良:1票)
83.  インビクタス/負けざる者たち 《ネタバレ》 
私自身、「グラン・トリノ」以前のクリント・イーストウッド監督作品は苦手なものが多かった。ところが、前作、そして、今作とまたしてもこの監督の視線の温かさ、人間賛歌と言える素晴らしさの前には完敗です。いや、乾杯です。モーガン・フリーマン演じるマンデラ大統領はかつて、自分を刑務所へと送り込んだ白人に対しても、けして、怒りというものを見せようとはしない。それどころか白人であれ、黒人と全く同じ立場、平等に扱おうとする。その姿にはこれが人間だとその心の広さ、大きさに心を打たれる。「復讐はいけない」「復讐からは何も生まれはしない」「例え敵であれ、同じ人間である」「心を一つにして国を作ろう」と訴える。ラクビーというスポーツの素晴らしさ、チームワークの大切さと人間としての心を忘れてはならない。そういうものが何一つ手抜き無しにきちんと描かれている所がこの映画の素晴らしいところである。国を挙げて母国を応援することの素晴らしさ、大統領も一般人も関係ない。皆が心を一つにして生まれる感動、ラクビーシーンの迫力、カメラワークにしても上手く映し出されていると私は思います。選手たちが動く、躍動感、スタジアムでの観客の動き、表情から感じられるスポーツて素晴らしい。そう思わずにはいられなくなる映画です。この映画を通して人間の持つ心の広さ、誰かを怨んで生きることよりも人に対して同じ気持ちで接することの方がどれだけ素晴らしいことか、人種を超えたこれぞ正しく人間賛歌と言うべき傑作です。本当は満点でもと思ったものの、そうしなかった唯一の不満は日本がニュージランド相手に145対7と記録的大敗したニュースを語ってしまったことで、それだけは日本人としては見せて欲しくなかった。それでもこの映画は間違いなく傑作であることは私の中では変わらない。
[映画館(字幕)] 9点(2010-02-11 20:40:37)(良:2票)
84.  博奕打ち 総長賭博 《ネタバレ》 
これは本当に凄い。今まで見てきた任侠映画の中でも文句なしの最高傑作!これを超える任侠映画はない。二度と作られることはないであろう!とにかく全てにおいて完璧である。この映画は任侠映画ではあるけど、単なる任侠ものではない任侠映画の枠を超えた素晴らしい人間ドラマだ!やくざ社会に生きる男と男を影で支える女の哀しくも切ないドラマである。今まで幾つもの任侠映画を見てきたが、任侠映画を見てここまで泣いたのは初めてです。鶴田浩二と若山冨三郎の兄弟の杯を交わした二人が跡目問題で悩み、苦しみ、挙句の果ては鶴田浩二が弟分である若山冨三郎を自らの手で葬るという悲劇、これは悲劇を置いて他には考えられない。中井(鶴田浩二)の苦悩、松田(若山冨三郎)の兄と慕う中井に対する気持ち、兄貴分である中井にだけは解って欲しい(欲しかった)その哀しさと二代目としての責任を全うし、自分が良いように利用されても最後までその責任を貫いた上に殺される石戸(名和宏)の苦しみ、そして、誰も書かれてないのは何故?何故みんな音吉のことを書かないんですか?男の私としてはあの音吉に思い切り感情移入させられてしまった。雨の中、鶴田浩二に向って土下座する音吉、中井と松田の二人の仲を何とかしようとする音吉、そんな音吉が身体を張って中井に殺される場面、「これで俺も姉さんの所に行ける」というあの台詞に込められたその思い、音吉の男としての苦しみも私にはどうしようもなく泣けてばかった。そうそう、男社会の中にあって哀しくも自らの手で命を絶った女を演じてみせた桜町弘子のことも忘れてはならない。桜町弘子のつや子姉さんのことを思うとこれまた泣けてくる。この映画は最初にも書いたように単なる任侠映画ではない人としての生き様、男と男、男と女、様々な葛藤、苦しみを格調高く美しく描いてみせた素晴らしい人間ドラマだ!文句なし満点!
[DVD(邦画)] 10点(2008-06-27 21:30:02)(良:2票)
85.  ライムライト 《ネタバレ》 
チャップリンにとってのカルヴェロはチャップリンそのもの、彼自身であってけして誰の者でもなく、そこに描かれている世界は正しくチャップリンの世界であり、この映画の中でチャップリンが残したものは永遠に残るでしょう!とにかくチャップリンにとってこの映画が本当の意味での最後のチャップリン映画であって、その後の「ニューヨークの王様」や「伯爵夫人」はチャップリンにとっては自分を追放したアメリカに対する怒りで作っただけの映画であり本来のチャップリンの持っている優しさが感じられない別の物と思う。そんなチャップリンとバスター・キートンの夢の競演など見所いっぱいのこの映画、とにかくチャップリン映画としては最後の名作だと思います。
[DVD(字幕)] 9点(2005-06-12 10:31:11)(良:2票)
86.  青い珊瑚礁(1980)
十代の若い男女の姿、眼を通して性とは何か?愛とは何か?親になることとはどういうことなのか?とまあ、色々と深いテーマを美しい海、景色によって描かれている。そして、扱っているテーマこそ重たい上に一歩間違えれば嫌らしくなりそうな所をそうは全く感じさせない雰囲気で描いている点がこの映画の素晴らしさであって、ラストシーンのを観ると幸せだった二人のその後のことを思うと何だか切なくなってくるほどこの映画の最後は何とも哀しい。面白いとかつまらないとかいうような映画なんかではないけど、凄く印象に残る映画になっているのは主演の二人の初々しさあればこそであり、特にこの映画の中で若くして母親となる運命を演じているブルック・シールズのあどけなさ、美しさはこれから何年時が経とうが絶対に失われることはないと思う。この映画一本でブルック・シールズという女優を忘れられなくなった映画ファンが果してどれぐらいいることか?私もそんな中の一人です。
[DVD(字幕)] 8点(2012-06-09 21:11:02)(良:2票)
87.  禁断の惑星 《ネタバレ》 
いやあ、確かに「禁断の惑星」だ!地球上ではあんな短いスカートで男の嘘に騙され、キスされたり、抱きつかれたりする場面なんてそうは考えられない。ミニスカ姿で馬鹿な男どもの要求?いや、欲求と言う方が正しいかもしれない?この惑星ではキスすることが習慣であるとばかり騙されて男達とキスするアン・フランシス演じる若い美女、それを見て、何だか良いなあ!怖いけどあんなミニスカ姿の美女とキスできたり、抱き合っても文句の1つも言われないのなら一度ぐらいは行ってみたい。なんてお馬鹿な妄想を描きたてられる。男が男らしくある為の教育的な映画という見方も間違ってない?いや、それは絶対にお前がおかしいという答えが返ってきそうで怖い。怖いと言えばとにかくこの映画不気味です。音楽が物凄く恐い。恐怖という意味で考えればイドの怪物もその登場シーンの見せ方の不気味さ、恐さ、SF映画としてもホラー映画としても見られる映画になっている。それにしてもやっぱり羨ましい。この映画というよりこの惑星の男達はスケベの固まりである。そんなスケベだらけの男と女、更にロボット、怪物、映像的には古臭いけど、昨今のCGだけが売りのような大作にはない人間ドラマ的なものと手作り感によって感じられる映画製作というものの有り方についても考えさせられる。
[DVD(字幕)] 8点(2012-02-28 21:36:23)(良:2票)
88.  ジュリア 《ネタバレ》 
よくある女同士の友情もの、お涙頂戴的な感じとは全く違う雰囲気を感じさせる。そこがまずは良い。強引な泣かせモードに持っていこうというような狙いがないのに泣ける。ジュリアのまさかという暗殺、殺されたジュリアとその娘のリリーのことを真剣に考えて行動するヘルマン(ジェーン・フォンダ)の美しい涙、列車に乗り込む場面とその後のスリリングな展開、ジュリアとの回想シーンの挿入も自然的な流れで違和感がなく、観ていて女同士の友情って男同士の友情とは何か違うけど、それも良いなあと思わせてくれる映画である。冒頭とラストが同じボートの上での場面、ここでの美しい夕焼けの空の色が忘れられないほどに心に焼き付いて離れません。ところでこの映画、山田洋次監督は絶対に好きなはずです。ジュリアの娘の名前、リリー、山田洋次ファン、いや、もっと限定的に言えば寅さんファンにとってはリリーて名前を聞くだけでつい、反応してしまいます。女同士の友情にナチスドイツ軍の影、スパイものとしての面白さも見せてくれる映画として秀作の名に相応しい映画だと思いました。
[映画館(字幕)] 8点(2011-08-13 21:51:31)(良:2票)
89.  かぐや姫の物語 《ネタバレ》 
この映画はストーリーを楽しむというよりは映像を見て凄い。美しく幻想的な世界観を見て楽しむ映画である。まるで本当に竹取物語の世界の中へ入り込む様だと思うぐらいの美しい映像に圧倒させられる。その美しい映像は初めて溝口健二監督の映画を見た時の様な驚きと一緒で、ただただその美しい映像を見て、凄い。凄いと見るのが正しい。高畑勲監督の作品全てに共通する人間だけでなく動物、昆虫に対しても優しさを感じることができる。空を飛ぶ鳥、木の枝に舞う蜂、かぐや姫が嬉しそうに桜の木の下で身体全体で喜びを表現して踊る姿は人間の感情のが全てを見せてくれている。捨丸が殴られているのを見て、泣きくずれるかぐや姫の切なさ、人間の生命、生まれてきた以上は必ず向かえる死、別れ、日本人なら誰でも知っている竹取物語、かぐや姫の姿を通して訴え掛ける作品として見応え十分です。高畑勲監督、もっと評価されていいし、評価されるべきだと声に出して言いたい。最後にもう少しだけ!宮本信子のナレーションを聞いてると、あまちゃんが見たくなる。
[DVD(邦画)] 8点(2018-04-08 10:52:30)(良:2票)
90.  紙屋悦子の青春 《ネタバレ》 
最近、作られる戦争(反戦)映画の多くはリアルな戦闘シーン、人が撃たれ、血だらけになったり、首が吹っ飛んだり、手足は取られたりと、やたらリアルな映像ばかりで、観ていても辛い。ハリウッドがよくやるそういう惨酷なシーン満載の戦争ものの真似ばかりしている映画が最近の日本の映画にも多い気がしてならない。その点、この映画にはそういうリアルな戦闘シーンは全く出てきません。まずはその点で私はこの映画が凄く気に入りました。好感も持てます。特別に何かあるわけでもない。戦闘シーンを描くことなく、それでいて戦争反対だとやたら叫び、声に出して言うわけでもなく、ただただ静かに静かに描いている。戦争というテーマが映画の背景にあるものの、この映画では戦争映画ではあるけど、どこにでもいるような一般の家庭、庶民の日常における生活、所々入ってくるユーモア溢れる会話とやりとりが観ていて気持ちの良いそんな映画になっている。何だか観ていて小津監督の映画にある会話、フレーズの楽しさ、特に原田知世演じる悦子におはぎは好きですか?と尋ねられたのに「私は、初めて貴方とお会いした時からあなたのことが好きでした。」と、とんちんかんな事を言う永瀬正敏演じる永与少尉には笑わせてもらいました。またその他の出演者、脇を固める俳優陣にしても皆、良い。人と人の心温まるそんな素晴らしい映画です。こういう映画こそもっと多くの人に観て欲しいし、こういう映画こそ単館扱いなんかではなくて、大きな劇場で公開するべきだと声に出して言いたい。黒木和雄監督、遺作にして素晴らしい映画を撮ってくれたことに心から感謝したい。これを機に他の黒木和雄監督作品も観たいと思う。
[DVD(邦画)] 9点(2007-07-29 11:42:57)(良:2票)
91.  霧の中の風景
テオ・アンゲロプロス監督作品はこの作品しか観たことないけど、これは間違いなく傑作だと言えるそんな素晴らしい映画です。この映画まず何よりもどのシーンにしても台詞は少なくても映像だけで迫ってくる。それも今のアメリカ映画的な大騒ぎ的な映像とは全く違う落ち着きのあるそして、美しい構図の中で繰り広げられる物語!長回しというカメラワークを巧みに使って、一度観ただけで絶対に忘れることの出来ないほどの素晴らしいショットを撮って見せた。霧の中の風景という正にタイトルにぴったしの素晴らしい映像!霧の中から映し出される二人の姉と弟の並び立つシーンやそして、やはり圧巻はあのラストシーン!何もかもが本当に美しく撮られていて素晴らしい!映画本来の持っている映画でしか観られない。映画だからこそ可能なこれぞ映像のマジックとでも言うべき傑作の一本です。
[ビデオ(字幕)] 9点(2006-02-19 22:47:08)(良:2票)
92.  テキサスの五人の仲間 《ネタバレ》 
やられた。まんまと騙された。ヘンリー・フォンダが倒れ、急遽駆けつけた医者、そして、奥さん、更には銀行の頭取までもが全員、グルで他のポーカーの相手全員騙す。その騙し方が何とも爽快である。あの亭主も亭主なら奥さんも亭主以上のやり手だ。ポーカーのルールさえも全く知らないなんてとんだ大嘘である。結局どんな手で勝ったのか?見せないけれど、そこは見せなくて正解です。見せないことで観る側の立場から考えれば想像することの楽しさというものも面白さであり、またこの映画、ヘンリー・フォンダ以外のポーカーの相手もそれぞれが個性的であり面白い。更に西部劇好きにとってはあの西部の街並み、セット、そういう雰囲気を楽しむだけでも良いのに、そこに来てこの騙す者と騙される者とのやりとり、最後まで騙されたままでいることすら知らないでいる男達の事を思えばそれもまた面白い。とにかくこの映画は最近の下手な大作なんかじゃ絶対に味わえない面白い駆け引きが見られるのも良い。映画は脚本の力でどれだけ面白く撮られるかってことを見せ付けられる映画でもある。
[DVD(字幕)] 9点(2012-01-04 10:23:27)(良:2票)
93.  Wの悲劇 《ネタバレ》 
うっ!なんで?なんで?皆さん、えらい辛口ですね。これ、良いよ。良いなんてもんじゃない。凄く良いです。何年ぶりかなあ?もう10年以上は経つけど久しぶりに見返して見たらこんなにも良いとは前に見た時よりも良かった。薬師丸ひろ子と言えば今時の若い人のほとんどはテレビに出ている彼女だったり、映画では最近の作品ではやたらどこを見ても好評の(私は全然駄目)のあの三丁目映画での彼女だったりするかもしれない?しかし、違うんだなあ!おそらくこの映画についてコメントしている人のほとんどは三十代か若しくはそれ以上かもしれない?三十過ぎの人、特に男にとっての薬師丸ひろ子という存在はただのアイドルなんかではない。最近の日本の若手、アイドルとは一線をおく、全く違う存在だろう!この頃の彼女は映画一筋、テレビドラマで観ることはほとんどなかった。そんな彼女の最高に輝いている作品は誰が何と言おうとこれです。劇中で使われる名台詞の数々も忘れられない。脇を固める俳優陣もそれぞれ素晴らしく、三田佳子の凄さ、何と言う恐ろしさだ!自分のスキャンダルを知られるのを恐れ、研究生である薬師丸ひろ子演じる静香に押し付け、スキャンダルの張本人となる身代わりに主役を与える凄さ、二人の犠牲者となり主役を降ろされる役を演じている高木美保も忘れることは出来ない。そして、そして、これはもう、男の立場から言わせて貰うと世良公則のかっこ良さに泣ける。愛する者の為に身体を張って静香(薬師丸ひろ子)を助ける姿と最後の拍手!そこに男の中の男を見ることが出来る。二人の最後の選択する道もある意味、悲劇かもしれない。薬師丸ひろ子のラストの表情こそ本物の映画女優の姿だと感じることが出来る。これを見ないで薬師丸ひろこという女優を語ることは出来ません。
[ビデオ(邦画)] 9点(2007-08-20 22:17:21)(良:2票)
94.   《ネタバレ》 
フェリーニという人の描く世界、見つめる視線の先には人間とは如何に惨酷な生き物、運命には逆らえない。この映画の主人公三人の悪人達、社会から完全にはみ出してしまったどうしようもない人たち、人を騙し金を奪うことを商売にしている奴ら、そんな奴らの苦悩、悲しみ、そんな中で三人のうち、一人の男、アウグストが別れた妻と娘との再会、その瞬間に見せる彼の一人の父親としての娘との幸福感、更に小児麻痺の一人の少女との出会いによって、今までの自分のしてきたことへの償いの意味を込めての仲間との別れ、純粋な少女の優しさ、会話の中で生まれる本当の人間愛、この映画が描いているその人間愛こそフェリーニ監督の持ち味、人間の心の中にある悲哀、人間の弱さというものを感じられずにはいられない張り詰めた空気、最後の最後に良心を見せて死んでいったアウグストを演じて見せたブロデリック・クロフォードの名演技に誠意と意地を感じることが出来る。
[DVD(字幕)] 8点(2008-04-13 21:21:18)(良:2票)
95.  ヘルプ 心がつなぐストーリー 《ネタバレ》 
まず最初に日本じゃ絶対にこういう映画は作れないであろう!二つの人種、白人と黒人が同じ国の中で同じように1つの家の中で生活する。アメリカだからこそより強く感じられる人種差別問題と人種を超えた友情、そういうものが丁寧に描かれていて感心させられた。タイトルにある「ヘルプ」という本を書くことになる白人女性、ヒステリーな白人女性と金髪姿に巨乳を意識させるかのような馬鹿女全開の白人女性、いずれも全くタイプの異なる3人の白人女性の存在があるからこそそれとは対照的な黒人のメイド達の白人女性に対する接し方の難しさというものを大きく感じられる上にこの映画、白人にも黒人にもそれぞれ共感出来るようにきちんと描かれているのがこの映画の良い所である。黒人だというだけで白人の警察官に逮捕されてしまうエイビリーン、そんな中でもめげずに頑張ろうとする姿、そして、無事に帰ってきたエイビリーを優しく向かえる同じ黒人達大勢の姿に仲間意識、仲間を思いやることの素晴らしさを教えてくれる。色んな意味で考えさせられる映画になっていて見応え十分!ほとんど女性の視点的な雰囲気の映画ではあるけれど、男諸君も見て損のない映画である。それにしても見ている間、やたらと腹が減ってきて困った。そういう意味でも「ヘルプ」な映画でした。暗くなりがちなテーマなのに笑える部分もあったりと単なる暗いだけの人種問題映画になってないという意味でも評価したい。
[映画館(字幕)] 8点(2012-04-06 21:44:51)(良:2票)
96.  キングコングの逆襲 《ネタバレ》 
キングコングが恐竜と戦ってるシーンの看護婦スーザンの眼差し、手の平に乗せられてるスーザンのねえ、離してよ!キングコングが手から離す気持ちは男なら解り過ぎる。揺らさないでと言われ、スーザンの願いを受け入れるキングコング、私を連れてかないで、やめてよ!ねえ!何だかエッチなビデオでも観ている様な不思議な気持ちにさせられる。キングコングが怪獣だけど人間的、しかも男らしい優しさにキングコングが好きになられずにはいられなくなる。あんな悩ましい姿の看護婦なら私も一度で良いから手の中で握り締めたくなります。マダムとドクターフーのやり取りも面白い。確かに昨今の怪獣映画に比べたらスケール感は無いかもしれない。それを補う俳優陣の魅力と会話を楽しむ作品として見る作品です。それにしてもやっぱり、あの看護婦ですよ。私がもしも、キングゴングだったら同じようなやめてよと言われたらやめるし、逃がしてよと言われたら逃がします。終盤の東京タワーでのゴング同士の攻防、ドクターフーを裏切るマダムピラニア、ドクターフーの仲間の一人にウルトラマンを演じる俳優も居て、ウルトラマンに変身して助けに来るのではないか?なんて想像してしまったり、色々楽しませる為の仕掛けがあちらこちらでもあります。がんばれ!スーザンの為にキングコング!最後までキングコングを応援して観ました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2018-06-23 17:38:45)(良:2票)
97.  奥さまは魔女(2005) 《ネタバレ》 
何だ。意外と面白いじゃん。ここでの点数の低さから全く期待せずに見たからかもしれないけど思っていたよりも楽しめたのはやはりニコール・キッドマンが可愛い。美しい上に文句無く可愛い。そして、面白い。眼をきょろきょろ動かす仕草、鼻をぴくぴく動かす仕草もどっちも本当に可愛い。この映画を見てやっぱり思った。ニコール・キッドマンには文芸作品よりも例え出来栄えは滅茶苦茶であってもコメディの方が圧倒的に似合うし、可愛く見える。もっともっとコメディ映画に出て欲しい。そんなニコール・キッドマンが魔法の世界よりも地球上で恋がしたいと願うのに対して馬鹿馬鹿しいと怒る父親のマイケル・ケインの可笑しさ、更にあのシャーリー・マクレーンの老婆も笑える。ニコール・キッドマンが直ぐに来て、電話に出てと頼んでいる後ろでくっついて動くシャーリー・マクレーンとの二人の馬鹿馬鹿しいやりとり、ストーリーはもう滅茶苦茶だけどニコール・キッドマンの魅力的な可愛さだけでつい半分の点数挙げてしまいくなる。雰囲気に酔いしれる為の映画だと思う。だからその雰囲気が私は楽しめたのでこんな高い点数にしてしまった。この映画の残念な点に関しては相手役だが、どう見ても猿にしか見えない。あんな猿野郎が俺のニコール・ギッドマンとあんな良い思いしやがってと嘆く男達がどれだけいただろう?
[DVD(字幕)] 7点(2011-11-23 17:57:30)(良:2票)
98.  座頭市物語
やっぱり座頭市は勝新に限ります。そんな勝新座頭市の記念すべき最初の作品として完成度の高さもさることながら何度観ても面白い!勝新の持つオーラ、存在感、全てにおいてたけしの座頭市よりも上です。白黒の画面から伝わってくる勝新のパワーの凄さを存分に味わえる傑作です。
[DVD(字幕)] 9点(2005-06-02 22:57:47)(良:2票)
99.  セロ弾きのゴーシュ(1982) 《ネタバレ》 
宮沢賢治の原作通り、イメージする世界を上手く表現しています。高畑勲監督が動物、特に猫好きなのがよく分かります。先生の奏でる音楽に合わせて踊る猫の動きの見事さ、その他鳥の音楽への憧れやら歌声等、動物の表情の巧みさ、鳥の声が何とスネ夫だよと思ったり、声を聞いてるだけ色々な楽しみを感じることができる。小さいネズミの親子、狸に対する優しさ、宮沢賢治大好きな私の世界観を忠実に描いて見せてくれてありがとうございますと言いたい。ありがとうと言えばアルプスの少女ハイジ、赤毛のアン、母をたずねて三千里、じゃりン子チエといった名作アニメ、映画でも沢山の素晴らしい作品を私たち映画ファンに見せてくれた事、一生忘れません。本当に心からありがとうございましたと言わせてください。
[DVD(邦画)] 8点(2018-04-06 16:30:13)(良:2票)
100.  ガス人間第一号 《ネタバレ》 
ガス人間?何やタイトルだけ見ると下手なB級SFホラーものかと思うが、とんでもない。これは明らかに恋愛映画だ!それもそこらの生温い恋愛ものなんかとは全く違う。人間の持っている矛盾、身勝手さが描かれている。あの博士の自己満足の為だけに犠牲にされてガス人間となってしまった水野(土屋嘉男)の怒り、その怒りの先が自分をこのようなガス人間へと変貌させてしまった博士を殺し、そして、自分をまるで何かの見世物のような眼でしか見ることの出来ない周りの者への怒り、その怒りが観ていてもよく解るし、誰だって、水野と同じ立場になったとしたらきっとそうする筈です。そんな中で出会った一人の女性、八千草薫演じる藤千代との恋、自分がもう普通の人間でないことを知り、それを藤千代にもばらすあの牢屋の場面、藤千代の水野に対する思いが伝わる最後の能の場面、観客の汚い野次にも屈することなくガス人間である水野の為に藤千代が踊りを見せる場面、そんな踊りの横で黙々と太鼓を鳴らす左卜全の老人の姿もやたらと悲しい。例え、恋する相手がガス人間だろうと最後の最後まで踊りを辞めずに死んでいった藤千代こそ本物の人間とてしの愛情を感じることが出来る。タイトルだけでつまらない作品だと決め付けて見ない人がいるのではないかと思いますが、これは間違いなく人間ドラマとして、また恋愛ものとして見応え十分の作品です。個人的感想としては出来ることなら藤千代とあの老人の二人だけでも最後は助けて欲しかった。いや、ガス人間となってしまった水野も元の普通の人間に戻って藤千代と目出度く結ばれてくれたらと願うし、心からあの二人が結ばれることを望んで見ていた。その点が残念ではあるが、それでも素晴らしい映画に間違いはないと思う。最後にもう少しだけ言わせてもらうと、あの歌舞伎の場面、能の音楽を聞いてたら川島雄三監督の「しとやかな獣」が観たくなってしまった。
[DVD(邦画)] 8点(2008-02-17 13:26:45)(良:2票)

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