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性別 女性

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141.  デューン/砂の惑星(1984)
見やすく分かりやすいTV版は悪くはない。でもあれを見ると逆にグロテスクで悪趣味なリンチ版が愛しくなる。陰謀渦巻く銀河中世世界での希少なスパイスとアクアに操られるかのような人々の弱さ、そして強さ。恐ろしげなナビゲーター、異形の宇宙船、腐臭漂わせるバロン・ハルコネンとは対照的に白い薔薇の固い蕾のようなアトレイデスの王子ポウル=カイル。温室育ちのプリンスは砂漠の風に吹かれ変貌を遂げていく。オレンジに染めた髪のフェイド=スティングも「クァドロフェニア」と同じく存在感だけを叩きつける。重苦しく鈍重な印象さえする作品だけれどもリンチ作品では一番好きかもしれない。ポウルをめぐるチャニやイルーラン皇女ら女性陣はS・ヤング、V・マドセンという美女を揃えているのに印象薄く、ここに関しては彼女らが生気を見せるTV版が優るように思えるが、公平を規すならば特別篇(未見)と比較すべきなのかも知れない。この版でのリンチの女性への視線はポウルの血族である母ジェシカや妹アリアにより強く注がれているように見えるのだ。F・ハーバートが生んだ数々の造語も異世界に引き込む力となって砂塵のなかに響く。
[映画館(字幕)] 8点(2006-04-29 17:19:50)(良:1票)
142.  わたしを離さないで 《ネタバレ》 
「オレンジと太陽」を暗部に持つ英国の、フィクションながら巧妙でシステマティックに構築された世界。 亜人間の発想は昔からあったが、現実感のある設定が目新しい。 字幕では意識的にある言葉を使わずにいるが、音声では聞こえるから隠しようもなく、へールシャム時代からあったある疑いが確信に変わるにすぎない。 主演はキャリー・マリガン、ルース役のキーラの「プライドと偏見」では妹の一人にすぎなかった彼女だけれども、こういうこともあるのだ。 子役も雰囲気が似ており青年期への移行も円滑。 タイトル"NEVER LET ME GO"はキャシーがカセットに入れた曲、「わたしを離さないで」というより「わたしを行(逝)かせないで」か。 意味もなく暗い映画は好みではないけれど、カズオ・イシグロらしく諦念に満ちた静謐な世界は嫌いではなく、繊細な映像も美しい。 「ぼくのエリ」よりも同情的になれるのも、彼らが奪う側ではなく奪われる側だから。 逃げようともしないのが異質でそこまで洗脳されているのが哀れであっても、「映画は希望に向かって走らなければならない」との考えもアメリカ映画に洗脳されているかもしれない。 この場合は、折角生を受けながら自分の体が自分のものでなく、自分の人生を生きることもできない人の心に入り込み、その気持ちを知ることができるだけでも十分じゃないかと思う。 嵐が目前に迫ったキャシーの投げかける疑問が、彼女にできるただ一つの抵抗なのだ。 かつてのユダヤ人差別にも思いおよび、校長シャーロット・ランプリングの冷徹な眼差しが効果的。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-07-08 07:00:03)(良:1票)
143.  007/スカイフォール 《ネタバレ》 
50周年の007は復讐劇と人事異動の二本立て。 映画会社の経営難などで間があいたけど、起死回生の意気込みが感じられて。 ハヴィエル・バルデムの金髪・白塗りのシルヴァのMへの屈折した思いは、「なぜ俺を愛してくれないんだ?」 同じ「ドラ息子」でもボンドは愛してもシルヴァは愛さなかったM(7度もボンドを支えたジュディ・デンチ)の受難。 ナショナル・ギャラリーの英国を代表する画家ターナーの絵の前で伝統を一蹴してみせる新Qは、自身も「ブライト・スター」の詩人キーツからPCおたくのQへの転身のベン・ウィショー。(愛想っ気なしのブレインズみたいだけど、ミラーロゴのVAIO使ってるから許す!) スカイフォールは「嵐が丘」のように荒野に立つ館、夜空をオレンジに染めて炎上するそれは「ジェーン・エア」を思わせ後半は英文学的。 20年前「嵐が丘」で主役デビューのレイフ・ファインズ(髪がサビしくはなっても、美声はヒースクリフと同じ)のマロリーが最初Mに「話」を持ちかける時には、観客の反感を買うように仕向けていて、「そんなことにはならねーよ」と思わせるのがうまい。 そのくせQだけ代わったのはなぜか、ボンドと行動を共にするイヴがチャーミングではあってもセクシーすぎないのはなぜか、と気にはなる。 Mの本名がエマといったり、マロリーの名もきっとイニシャルまで考えてのこと。 総じてよかったのだけど、クレイグ・ボンドはどれも一度しか見ておらず、作品としてはオチる40周年の「ダイ・アナザー・デイ」の方が(Qやマネーペニーの扱いふくめて)楽しかったのは、シリアス路線が続いて洒落っ気は希薄なので。 50年間キャラは変わらず俳優だけが入れかわり、時系列はあいまいなボンド・ワールドはまだまだ続く。
[映画館(字幕)] 7点(2013-01-01 07:00:06)(良:1票)
144.  アンドリューNDR114 《ネタバレ》 
古来人造人間は人間になることを渇望する人形として描かれるが、アンドリューも例外ではない。人間はロボットに憧れられるのが大好きなのだ。冒頭「われはロボット」のロビーのようであった彼が徐々に人間化していく過程はとても興味深い。でも途中から歯車が狂いはじめ、凝り固まった価値観に支配され、宗教じみた倫理さえ植えつけられてしまいそうになり辟易する。(A.I.同様少々しつこい!)人間様に人間様と裁判で認めてもらうことがそんなにも大事だろうか?それよりも大切なものはすでに得ているのに。
[映画館(字幕)] 5点(2006-01-15 16:12:07)(良:1票)
145.  奥さまは魔女(2005)
TVシリーズにもノーラ・エフロン作品にも思い入れが少ないせいか、悪くなかった。 変に複雑にした構成はよけいなお世話だけど、ストーリーより雰囲気を楽しむ映画? ヤマ場もないしバラッバラな気はするけれど、あまり不快な感じがしなかったんですよね。 冷たい感じが苦手だったニコールが可愛く、あのウィル・フェレルが大スター役なのもオモシロイ。 マイケル・ケイン&シャーリー・マクレーンも楽しい彩り。 最後にポリスの「マジック」(彼女がすることはみんな魔法)が流れるのも個人的にはい~んじゃないかと♪
[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-05-03 06:42:34)(良:1票)
146.  インモータルズ/神々の戦い
ターセム・シン作品が続けて見られるのはありがたいこと。 これやザック・スナイダーの「300/スリーハンドレッド」はアートや映像叙事詩として作られていると思うので、安易なドラマを期待しなくてもよいのでは。 「300」よりもさらに濃く塗りこめられた映像はそれだけで異様な迫力があり、スピードまで自在に操る神々とタイタン族の戦いは、今まで目にしたことがないようなちょっとした見もの。 俳優は主人公テセウス以下イギリスやカナダ中心で、神話ゆえあまり手垢のついていない人を使ったのかもしれず、若い頃から映画に出ているヘンリー・カヴィルは大人っぽくなり、来年はスナイダーの「マン・オブ・スティール」(スーパーマン)があります。 2人のゼウスは、ジョン・ハートが地上での姿の老師、「三銃士」のアラミス、ルーク・エヴァンスは今少し重厚さがあれば、という印象。 石岡瑛子のユニークな衣装をまとったアテナたち若き神々はこの世ならぬ姿を見せ、アメリカ代表のミッキー・ロークは不気味なハイペリオン、神秘的な巫女パイドラは監督と同じインドのフリーダ・ピント。 異界をかいくぐってきた気分が味わえ、映像詩人ターセム・シンの面目躍如、彼の作品としても「落下の王国」に並ぶものではと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-12-10 07:00:05)(良:1票)
147.  正義のゆくえ/I.C.E.特別捜査官
アメリカ移民の映画が複数あるのは、依然大きな社会問題であるから。 真摯だけれど堅苦しく質素な群像劇で、主演のハリソン・フォードにしてからが観察者・傍観者的であり、中心となって動くのは別の人物。 当局と不法滞在者のどちらに非があるかは、特に外国人の立場では皆目わからず、元々移民の国であっても現在ではテロなどで痛い目にあっているアメリカは積極的に入れたくはなさそうであり、一方貧しい移民たちは豊かな生活を求めて切りなくおしよせる。 監督はその移民経験者なので、移民側の作品として見るのが公平なのでは。 見逃してもらったあの少年は、その情けを心に刻んで生きていくのだろう。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-05-07 07:05:09)(良:1票)
148.  アバ/ザ・ムービー
「レッド・ツェッペリン/狂熱のライヴ」リバイバル時に併映となり、ZEPを2度見るために鑑賞を余儀なくされた本作であるが、予想外の拾い物でキラ星のごとくの名曲パフォーマンスに圧倒。一人のジャーナリストが独占インタビューを求めてメンバーを追うストーリーや音楽紙編集長の「・・・world WIDE!」の掛け声と共に画面比率を変えるアイディアもなかなか。傑出した作曲能力・歌唱力を持つ彼らは90年代を席巻したスウェディッシュ・ポップの先鞭でもあり、スクリーンでただ一度目にしたステージは実際のコンサートに近い感慨をもって鮮烈な印象を残す。アバはこの後ZEPの第9作録音時にポーラースタジオを貸与することとなり、あながち無関係でもなかった?ラッセ・ハルストレム作品というのも驚き。
[映画館(字幕)] 7点(2005-12-03 08:13:45)(良:1票)
149.  幸せはシャンソニア劇場から
「コーラス」は少し雑な感じもしましたが、その余勢を駆って作られたこの作品は細部まで神経が行き届いた成長ぶりが伺えました。 イタリア映画のようだった前作とちがい、古きよき時代のフランスの下町の魅力がたっぷりと。 どこの国の人が見ても親しみをもつであろう風貌のジュニョさん(ピゴワル役)は前作同様控えめだけど、これだけのキャラクターがいるとちょうどいい露出具合なのかも。 新人女優ノラ・アルネゼデールも華がある美しさと歌で役を地でいくヒロイン・ドゥース、前作でペピノ役だった子(ペランの息子)が演じるジョジョはアコーディオンが大好きな少年。 年老いた「ラジオ男」が昔の輝きを蘇らせるのは常道ともいえるけどやっぱり嬉しい。 「手紙隠し」など昔ながらの手も使い、ジョジョの義理のお父さんの寂しさなども慮られて、たくさんの思いが渦巻く世界。 往年のハリウッド風ミュージュカル・シーンもあってワクワクしますが、いいことばかりは続かない、セ・ラ・ヴィ。 第二次大戦を入れないかわりに衝撃的な事件がおこってしまい(古典映画的でもこゆトコが今の映画?)、哀感も漂わせるラストに余韻しみじみ。 こういう映画は雰囲気が好きかどうかだと思います。 これはホント「劇場」で見たかったですね♪
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-01-22 00:00:07)(良:1票)
150.  NINE(2009)
ミュージカルになった「グイドと女たち」。 細身のダニエル・デイ=ルイスのグイドは、マルチェロ・マストロヤンニとはまた違って、いいのか悪いのか。 元のイメージも部分部分で残されていますが、メインは今が旬の女優たちのステージ。 イチオシは愛人カルラのペネロペ・クルス、エロくても下品に見えないダンスは見応えあってセクシー♪ 「ロープが家にほしくなる」ほど練習しただけのことはあります。 マリオン・コティヤールは貞淑な妻ルイザから一転変貌して魅せ、新キャラのステファニーはケイト・ハドソン、「シネマ・イタリアーノ」は意外とよかったのですが、インパクトありすぎて「8 1/2」から遠のいた感じ。 ソフィア・ローレン&ジュディ・デンチの大御所2人は貫禄。 マーシャルの「シカゴ」よりは好きですが、オゾンの「8人の女たち」の方が華やかではあるかも。 「8 1/2」とは別物として楽しんだ方がよさそうだけれど、オリジナルの屋外セットが女たちを配置する立体的な舞台として活用されていたのは、いいアレンジじゃないかと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-04-09 07:00:03)(良:1票)
151.  サイドウェイ
売れない小説家マイルスの物語はちょっとシビア。 真面目なマイルスより身勝手なジャックが得をする理不尽。 マイルスも母親の誕生日には一応顔を出すけれど、出来合いの花束(バーコードつき)が彼のカサついた心をあらわす。 ポルノ雑誌の「新しい方」を買うのも古いのは持っていていつも買っているということ。 別れた妻への未練タラタラで仕事も順調とはいかず友人の挙動は最悪、と主人公を痛めつけるサディスティックさが辛辣。 ジアマッティの演技は巧いけれど彼だとリアルすぎて見ててツライ気がする。 エージェントから返事を聞いた後の暴挙は今までの鬱屈が爆発してヤケになったとはいえ、感じわるかった。 2人の女性も対照的でヴァージニア・マドセン演じるマヤは素敵、きれいであたたかく品があり。 「砂の惑星」(84)ではイルーラン王女だった彼女、この少しギスギスした世界で柔らかな光を放っていた。 リアリズムとロマンティシズムの融合が絶妙とはいかず過激で万人向きでもないけれど、あっさりめのラストが後味よし。 「苦あれば楽あり」
[DVD(字幕)] 7点(2011-09-07 07:00:01)(良:1票)
152.  灯台守の恋 《ネタバレ》 
海と陸の境に立ち闇に一条の光を投げかけるライトハウスには、自動化された現在でも独特の風情がある。 邦題には「恋」とあるが(「仕立て屋の恋」のサンドリーヌ・ボネール主演だからか?)、マベとアントワーヌのそれはこの映画の一部でしかない。 結果として彼らの情熱も無駄にはならないのだが、新旧の灯台守の交流や仕事ぶり、海上に屹立し荒波に洗われる灯台そのものに見応えがある。 土地柄から新入りのよそ者を冷遇する無骨なイヴォンの心を鷹揚なアントワーヌがほぐしていくのが心地よく、小柄なイヴォンのフィリップ・トレトンが演技を感じさせず、理由も意味もない疎外の愚かしさとそれより脱却する人間はいつ描かれてもいい。 出会ってすぐに惹かれあう男女の出会いは運命的といえるだろうがマベは夫との絆も忘れておらず、3人の思いがからんで生まれたカミーユの父は誰とはいえない。 イタリア人作曲家の音楽によりフランス映画にしては叙情性があり、「パリ空港の人々」の監督リオレの才気よりも誠意が感じられる作品。 ジュマン灯台に住みつく猫バンコが心をなごませ、祭りの日に灯台から放たれる花火が詩的な空間を生みだす。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-05-26 00:00:07)(良:1票)
153.  昼下りの情事
これね、キモチわるかったです。熟年プレイボーイとウブ嬢ちゃんの遍歴自慢合戦なのが。あの昼下がりの情事の時にアリアーヌがそんな手練れでないのはバレバレのはずだしね。大人に憧れて背のびしてるオードリーは可愛いいオバカさん。ワイルダーの品よさげで実はそうでもない艶笑ラブコメの中でも好かなくて、男性の願望映画に思えるのですけど。
[地上波(吹替)] 5点(2010-05-29 01:38:44)(笑:1票)
154.  ジョン・カーター
ターザンで有名なエドガー・ライス・バローズの火星シリーズ。 原作は100年前のスペース・オペラで、高校生の時「火星のプリンセス」読んだ時点ですでに古めかしい気はしましたが、映画も昔のSFアートの雰囲気でレトロ。 過去のSFファンタジー映画でイイトコドリされてるし新鮮味はありませんけど、原点を鑑賞するつもりで見ればいいんじゃないでしょうか。 巨費をかけながら、キャストもスターは緑色人サーク族の声優にまわり、顔出しで有名な人はマーク・ストロングくらいなのが不思議。 火星では重力の違いにより超人になるカーター(テイラー・キッチュ、映画もキッチュだね!)のジャスーム(地球)からバルスーム(火星)への移動は、本よりももっともらしく。 ヘリウムの王女デジャー・ソリスは、日本版の武部氏のカバーアート(紫の衣のデジャーが美麗)のイメージがあって、赤色人なのでネイティヴな感じのリン・コリンズになったのかもしれないけど、実写版ディズニーのお姫さまは個性派美女ばかり? 全11作を三部作にする気らしいですが、あまりパッとせずコケたのでできるのか不明。 ディズニーの実写映画って人畜無害であまり面白味は少ないし。 原作ではカーターは作者バローズの謎めいた知りあいということになっていますが、映画ではバローズは甥になり「スパイキッズ」の男の子が演じています。
[DVD(字幕)] 6点(2012-10-03 06:59:59)(良:1票)
155.  ディープ・インパクト(1998)
この作品の知名度が「アルマゲドン」よりも低いのは惜しまれる。同じ題材を扱っていても内容はこちらの方がはるかに上だし品がいい。俳優も錚々たるところを揃えているし、VFXもこれ見よがしでないのがよい。(古参ILMが分家デジタル・ドメインとの格の違いを見せる)監督がミミ・レダーなので「ER」の役者も顔を出している。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-07-05 01:28:21)(良:1票)
156.  恋の闇 愛の光
原題のレストレーションは英国の「王政復古」の意味でもありますが、堕落したメリヴェル(ロバート・ダウニー・Jr)の「復活」の意味も兼ねたダブルミーニングなのかもしれず。 優秀な医者でも女遊び好きな彼がチャールズ2世(サム・ニール)の寵愛を受ける前半「恋の闇」、真の医師として目覚める後半「愛の光」。 それぞれヒロインがおかれ、シリア(ポリー・ウォーカー)は赤い花、キャサリン(メグ・ライアン)は青い花。 親友ピアース(デヴィッド・シューリス)との友情もあり、小道具も巧く使われ、脇役にいたるまでいい役者(ヒュー・グラントやイアン・マッケラン、イアン・マクダーミドも)を揃えた歴史大作ではあろうけれど、以前見たのに忘れてたというのは印象が薄かったのかな? アカデミー賞ノミネートの美術や衣装は豪華でも、映像や演出には重みがなかったかも…
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-08-07 07:00:07)(良:1票)
157.  歌え!ロレッタ 愛のために
シシー・スペイセクはエイジレスで不思議な女優さん。 「キャリー」は26才、これは30才にして13才の幼な妻、ビヴァリー・ダンジェロとともに歌も聴かせる。 歌手ロレッタを生みだした夫トミー・リー・ジョーンズの粗野なようでいて抑制のきいた繊細な演技もよく、結婚早々父との約束を破り妻に手を上げてしまった時は「あ、やっちまった・・・」のがよくでていた。 山アリ谷アリの夫婦愛はベタな邦題とはウラハラに淡々としたシーンの積み重ねで画も美しく、冒頭のヤマの情景は味がある。 ツアーバスの正面に掲げられたCOALMINER(炭鉱夫)のプレートは早すぎる巣立ちを惜しんだ父への愛情と誇りが感じられて。 カントリー・ミュージックは得意ではないけれど、ロレッタ・リンの人生は実りあるもの。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-06-04 07:00:07)(良:1票)
158.  夏時間の庭
野趣のある緑の庭をかけまわる子どもたち。 親族が集うと生まれるにぎやかさに始まり、オルセーの企画作品ということでちょっと趣向のかわった映画、主役の半分は郊外の邸宅をふくめた美術品。 美術館というと建物のイメージだけれど美術品を愛する人たちの仕事も意味し、価値のある品々が散逸するよりは多くの人が見ることができる安全な場所で余生を送らせたい、という気持ちが強い人々なのだと思う。 個人蔵と違ってもう誰も使うことはできず、使われてこそ価値があるという考えも道理であるし、美術品のあるべき場所はここ、と謳ってはいない。 もし行き場に困ったら美術館という選択肢もありますよ、と囁いているようではあって、監督と美術館双方の思惑の間に微妙なジレンマも介在。 それとフランスの美術関係の映画を見ていて思うのは19 世紀に端を発した日本との美術交易が今も根強いことで、これにも極東の顧客への目配り。 金髪のビノシュは「嵐が丘」以来? 自分も男兄弟2人なのでちょっと親しみをおぼえる。 ふだん映画に出ることのないイーストウッドの息子(ミュージシャン)が出演しているのは、アート系の作品だからだろうか。 それぞれの人生を歩む彼らの選択は少しばかり世知辛くて寂しさも残るけれど、やさしい家政婦さんに価値を知らずにもらわれていった花瓶や修復されて美しさを取り戻した彫像、祖母の言葉をかみしめる孫娘の涙に、美しきものにことよせて人の心も映しだされる時間。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-07-01 07:00:00)(良:1票)
159.  怪盗グルーの月泥棒 《ネタバレ》 
コレ意外とよかった♪ 小さい子がゴネるアニメ(「モンスターズ・インク」とか)は少し苦手なんだけど3人の女の子がウザく感じないようセーブしてあるみたいで、グルーとママとの確執もベタでなくサラッとしてて適度にクールなのね。 末っ娘アグネスは「シュレック」の長靴猫と同じ技を使うスゴ腕の女の子。 人工生命体ミニオンたちの黄色い頭によくみると毛がポヤポヤ生えてるのがカワイ~☆ 青のオーバーオールもキュートで最初にミニオンありきで作られたのかと思うほどの存在感。 MINIONて「子分」かと思いますが、フランス語のMIGNON(ミニョン・かわいい)にも似ていて可愛いったらない。 それとあのお月さまを文字通り「手玉にとる」のがスゴイ! 基本的なストーリーは偏屈男が子供への愛に目覚める王道ですが、ともに愛情に恵まれなかった彼らの結びつきはやっぱりハッピーな気分になれる。 ブラックな味もあって陳腐な感じはしないし音楽の使い方もよく、ちょっと変わったセンスのあるアニメじゃないかなと思いました。 たまたま吹替版(オリジナルはスティーヴ・カレル)でしたが、鶴瓶さんの声もなれるとなじんでよかったです。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2011-12-02 07:00:03)(良:1票)
160.  コンスタンティン
シネマにある種の雰囲気を求める人には極上の作品。「ブレラン」さえ想起してしまう退廃美と優雅さ。主演男優も同じく節目の40才、役どころもヤサグレ異種ハンターで、プリスやバティを思わせなくもないギャビーやルシーも。監督もリド様と同じく映像畑出身でセンスが煌く映像は永くファンに愛されそうな予感。超小顔のティルダさんはオルランド同様人間離れした役がお似合いで、恋心もほのかに匂わせる程度なのが好感。
[映画館(字幕)] 8点(2005-11-05 15:54:52)(良:1票)

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