201. アウトロー(1976)
《ネタバレ》 中途半端にロードムービーっぽくなっているのが、作品の締まりをなくしている。いろいろと順不同に積み重ねていったら、予定調和的にラストで敵を討ち果たしました、という感じ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-06-08 02:30:51) |
202. 明日に向って撃て!
筋立て自体はほかにも類作がいろいろあると思うが、この作品を際立たせているのは、名手コンラッド・L・ホールのカメラワーク。遠景とミドルとアップを存分に使い分け、大平原の雄大さと登場人物の細かい心理状態を同時に印象づけることに成功している。光と影と闇の使い方も印象的で、単なる脳天気逃亡作品に陥ることを防止し、哀感と寂寥感をあふれ出させることに貢献している。 [DVD(字幕)] 6点(2010-05-16 00:29:44) |
203. 荒鷲の要塞
イーストウッドはこの種のアクション軍人役は全然似合わない、とよく分かったのが唯一の収穫でした。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-05-15 01:29:36) |
204. 熱いトタン屋根の猫
同じ家の中での家族喧嘩をひたすら延々と見せつけられても・・・表現手法としての映画の長所が、全然生かされていません。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-05-02 23:52:03) |
205. アップタウン・ガールズ
《ネタバレ》 特に新鮮味も何もない、最初の設定からほとんど予想できるとおりの内容。ラストの盛り上がりで何とか形になったような感じ。ただし、"Molly Smiles"は良い曲だと思います。 [DVD(字幕)] 4点(2010-05-01 01:02:13) |
206. あるいは裏切りという名の犬
フランスにもこんな作品があったんですね。何も考えずに見てたら、日本か香港の作品かと思ってしまいそうなほどの見事なじめじめっぷり(←ほめ言葉)です。中心の2人とも、終始ああだこうだああだこうだと悩み続けていて、爽快さとか前向きな意欲とかが全然ありません。それはそれで一貫していてよいのですが、そういったじめじめ系の表現ということになると、やはりアジアの方が上です。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-04-07 04:13:18) |
207. ある愛の風景
《ネタバレ》 筋立ては単純ながらもなかなか示唆的で奥が深そうなのだが、終始画質が暗くてどんよりとしているのには参った。これでは、穏やかに希望を感じさせるはずのラストも、希望を感じることができません。コニー・ニールセンの意外な存在感は印象的でした。 [DVD(字幕)] 5点(2010-03-22 23:22:15) |
208. RV
《ネタバレ》 久々に、腹が立つほどつまらない作品。そもそも、設定の前提として、本当はちゃんとしたお父さんが家族に誤解されたり嫌われたりするからこそおかしさが発生するのであって、この主人公は本当にただダメ男であるだけだから、コメディとして成立していない。子供2人もただ小生意気なだけで、ラストもとってつけた感じ。ウ○コネタであそこまで引っ張るってのも、発想の貧困さしか感じさせない。しかし、ロビン・ウィリアムスが06年にもなってこんなしょうもない作品に出ているとは・・・。 [DVD(字幕)] 1点(2010-03-18 00:46:13) |
209. 阿弥陀堂だより
《ネタバレ》 前提となるべき主人公のパニック障害というものがどういうものであって、それがどのような影響を与えたのか、という点がほとんど描かれてない時点で失格。ストーリーはいきなりその辺をすっ飛ばして、信州の風景と周りの「いい人たち」先にありきでどんどん先に進んでしまう。つまり、設定によりかかっているだけの内容になってしまっているのである。これではいくら風景が美しくても意味がありません。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2010-03-08 01:29:24) |
210. アバウト・シュミット
《ネタバレ》 導入部分は、見知らぬ子供への援助という善行と手紙で愚痴や雑言をこぼしまくる内容のギャップがよかったのに、それはいつの間にかどこかに行っている。次に、娘から来訪を拒否されて、そこで人生のポイントをめぐって行くのかと思ったら、それもあっさり切り上げてすぐに娘のところに着いている。また、妻との関係でも、娘や婚約者との関係でも、どこが問題でどう整理されたのかが不明。つまり、すべてが中途半端なのです。なので、ラストのニコルソンのアップも、予定調和にしか見えません。手紙に切れて妻の衣服を処分したりとか、招待されたキャンピングカーからすたこら逃げ出したりとか、そういう小市民的な混乱・破綻は面白かったので、そこで押してほしいところでした。 [DVD(字幕)] 5点(2010-01-04 03:22:12) |
211. アバター(2009)
《ネタバレ》 ジェームズ・キャメロンが偉いのは、3Dという使いやすい宣伝文句を前面に押し出しながら、その中で一貫して「自分のやりたいこと」をやっているということである。勧善懲悪、強い女性キャラの登場、最後は一大決戦ですかっと決着。80年代から愚直なほど手法が変わってないのには感心する。それと、見ていて終始嬉しかったのは、特殊映像と効果音の洪水に紛れて、ジェームズ・ホーナーがここぞとばかりにやりたい放題コテコテスコアを炸裂させまくっていること。笑みが止まりませんでした。私にとっての見所はその2点。 [映画館(字幕)] 6点(2009-12-30 03:02:44) |
212. アンネ・フランク<TVM>
青春時代から隠れ家生活を経て強制収容所まで、日常生活の何気ない部分までじっくりと撮られた誠実な作品。ラストまで見てから再び最初の方の平和な生活の部分を見返すと、その落差に胸が痛くなる。ただし、隠れ家では本来物音もあまり立てられない、外にも出られない生活であったはずで、その辺の緊迫感や閉塞感が希薄であるのと、あと日記がどのように書かれていたのかという描写にはもう少し気を配ってほしかった。 [DVD(字幕)] 6点(2009-12-20 00:51:57) |
213. アトランティスのこころ
完全に雰囲気だけで作ってしまったような感じで、中身にも乏しく、何が表現したかったのか分かりません。肝心の主人公の子役に演技力がないのも難点。ホプキンスは明らかにどう演技していいのか困っている。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-10-12 23:50:53) |
214. アメリカンパスタイム 俺たちの星条旗
《ネタバレ》 2000年代も後半になって中村雅俊とジュディ・オング主演の作品が見られるとは、これだけで低い点はつけられません。第二次大戦中の収容所での在米日系人の生活を描いたものですが、前半は、突っ込みは浅いながらも素朴で明快な描写がなされています。ただ、肝心の野球の試合自体が、漫画でもドラマでも過去に山ほど見たようなそのまんまの展開で、底浅く着地してしまったのが残念でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-08-19 23:23:39) |
215. 朝な夕なに
《ネタバレ》 主人公が凜として颯爽と登場したので、これはそれに憧れる生徒との間でロマンス的発展があるんだろうと期待したら、そっちはほとんど何もなくて、というか生徒たちはひたすら鍛えられるだけでした。とはいえ、主人公の一つ一つの行動は明確にその意図が定まっており、キャラクターとして魅力があります。ラストはかなり唐突で、「そんなんありか?」状態でしたけどね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-08-10 23:35:15) |
216. 哀愁
《ネタバレ》 恋に落ちたときの2人の歓びの表情と、礼儀正しく心遣いに満ちた会話、深い愛情から発する一直線の行動。それを素朴に素直に撮りきっているからこそ、一言でもまとめられるようなありがちなストーリーでも、生き生きとしたドラマになる。それどころか、男の母や上官が最後まで優しく誠実であるなんてのは、かえって今から見ると「意表を突いた展開」ですらあると思う(今だったら絶対にこの辺に障壁を入れてひねろうとしてくるはず)。単純な進行に見えてよく見ると不要な部分やなくてもすむ部分はばっさり切っている調理の技も、今見ても参考になります。そうそう、「生活に窮していた2人が何をしていたか」ということも、台詞で正面から説明されてもいなければ、そのシーンそのものを出してもいないんですよね。この奥床しさ、そして美学。●最後のリーのアップと車両が交互に映される場面、一つだけ、「橋の上にいる実際のリー」ではないリーのショットがあって、しかもそれはよく見ると涙を流していて、そして物凄く怖いのですが。あれは心象表現? [DVD(字幕)] 8点(2009-07-20 02:59:40)(良:1票) |
217. 愛と喝采の日々
マクレーンとバンクロフトという二大女優の激突が堪能できるかと思いきや、意外なほどドラマ部分は見せ場がありません。バレエを引退して家庭に入った側と、バレエを続けてトップスターになった側の対比という設定だけで止まってしまって、その先のキャラクターや人物背景の掘り下げがないからです。時折目を引くシーンはすべてバレエのシーンであり、バレエそのものに作品が寄りかかってしまったのも痛い。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-07-06 00:26:43) |
218. 愛を読むひと
《ネタバレ》 前半部分だけでも、年上のお姉さんと少年の一夏の想い出的ロマンスとして十分成り立っているし、そこだけで作品にすることも可能なボリュームがあるのですが、「その後」「さらにその後」までしっかりと一つの世界にしてくれているのが嬉しいではないですか。同じ監督・脚本の「めぐりあう時間たち」同様、余韻と間を大切にする演出と、一つ一つの言葉に意味を込めている脚本が、それを支えています。また、各シーンを的確に彩っている照明のセンスも印象的で、特に、最後のファインズとレナ・オリンの対面の場面の希望に満ちた明るさは、物語自体はアンハッピーエンドであるにもかかわらず、未来への拡がりを感じさせてくれます。 [映画館(字幕)] 7点(2009-07-06 00:09:14)(良:1票) |
219. アレックス
逆回転構成は、事件後と事件前との対比の強調という点においてある程度成功していると思うが、そのような凝った構成を採る割に中身自体がなさすぎだと思う。時間軸通りにやれば40分で終わる話ではないか? [DVD(字幕)] 5点(2009-06-09 02:01:44) |
220. あるスキャンダルの覚え書き
《ネタバレ》 人格造形的な部分のどろどろに比べ、作品全体の作りはイギリスらしくあっさり風味なのだが、ケイト・ブランシェットの凜とした美しさは実に強烈。彼女の出演作でも、美人強調度(?)においてはトップに位置するのではないだろうか。これではどんな男子学生でもクラクラしてしまいます。私にとってはむしろそっちがメインであって、後半のジュディ・デンチとのガチンコ対決は割とどうでもよかったりする。 [DVD(字幕)] 6点(2009-05-29 01:50:48) |