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よしのぶさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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41.  悪名(1961) 《ネタバレ》 
主人公の朝吉は自分の本来の生き方、有り余る力の発散の仕方がわからず、もがいている若者だ。仕事はせず、昼間から賭け事にふけり、女にちょっかいを出す。青白い遊び人とは違い、度胸があり、腕っぷしはめっぽう強い。最大の特徴は頼まれた事は決してあとに引かない男気を持っている事。それで男からも女からもモテる。◆朝吉のやることは矛盾だらけ。ヤクザが嫌いといいながら、やることはヤクザと同じ。軍鶏を盗み、賭け事をし、ヤクザの客分となったり盃を受け取ったり。惚れた芸者を足抜けさせる算段の最中に、堅気の女と婚約する。偽の拳銃でヤクザを騙すが、人妻の嘘の妊娠話には騙されてしまう。色事には強いが酒は弱い。博打でインチキは嫌いといいながらインチキをする。完全無欠のヒーロー像とはほど遠い。その稚気愛すべきといったところ。本質的に「強きをくじき、弱きを助ける」ヒーローでありながら、その容姿、振る舞いはアンチヒーロー。従来のヤクザ映画に当てはまらない新鮮味がある。◆それが最も表れている所はラストシーン。朝吉はバカ正直に芸者を島抜けにさせた因島に戻り、女親分の折檻を受ける。「わいが死んでも、わいのド根性は死なへんわい!」折檻に根を上げない根性を示すことで、借りを返そうとする。女親分もその心意気に惚れ、朝吉を許す。通常のヤクザ映画では、親分の子分らと大立ち回りを演じるところだ。画面から飛び出しそうな朝吉と弟分の貞暴れぶりが魅力。◆だが他の登場人物はステレオタイプで魅力が薄く、脚本もご都合主義。不幸な芸者はいつも小ざっぱりして不幸に見えない。朝吉と妻になる女との恋愛パートはお茶を濁した程度。見せ場である喧嘩も今一つ吹っ切れていない。◆唯一意外に思ったのは駆け落ちする人妻お千代。朝吉には人妻であることを黙っていて近づき、妊娠したと嘘をつき駆け落ちを迫る。駆け落ち先では温泉芸者になりきって客と情事を結ぶ。まさに毒婦だ。その女が中盤で再会すると一変、女を助け出すためと知りながら、協力を申し出て、結果的に資金と拳銃を提供する。朝吉に惚れているための行動だが、男を手玉にとる一種女神のような振る舞いが心憎い。この女性を主人公にして映画ができると思う。ここで得た資金が終盤につながらないのは残念。拳銃は役に立つが、敵より強い武器を持つことになり、ヒーロー度を下げてしまう。◆結局は女に振り回されてばかりいる男の話。
[DVD(邦画)] 6点(2011-09-09 14:06:28)
42.  天城越え(1983) 《ネタバレ》 
劇中「紀元二千六百年」の歌が流れるので時は昭和15年。少年は誰しも女性に対してあこがれと思慕の念を抱くが、劇中の少年は女性に対して屈折した感情を抱いていた。母親とその義弟とが男女の関係にあることを知っていたからだ。少年には父親がおらず、鍛冶屋という稼業を嫌悪していることもあり、ある日いたたまれず家を飛び出した。少年は山中で遭遇した美しくも妖艶な遊女に魅かれる。年上の女性に対する純粋な憧憬と愛慕の気持ちが生起したのだろう。だが途中で別れ、遊女と土工の性交を目撃するに至り、母親へのどす黒い感情がフラッシュバックとなって押し寄せ、発作的に土工を殺害してしまう。少年には神聖な女性を凌辱する男の存在が許せなかったのだ。これは動機として成り立つ。 ◆宿の主人は浮浪者同然の土工を憐れに思い、紙幣を恵んでやり、万が一男が行き倒れになった場合に備え、紙幣に「此人を宜敷」と書き添えていた。これが重要な証拠品となるのだが、どうして他人にそんなに親切にするのか疑問である。ちなみにそばが15銭の時代で、1円は現在の三千円程度の価値。 ◆少年が氷小屋で一夜を明かすが、濡れたおがくずの上に板を敷いて寝る、そういう知恵をどうやってつけたのか。 ◆あらかじめ遊女が犯人と決め付けた上で、自白を迫る強引な取り調べ。これは現代でもあるが、戦前では猶の事あったのだろう。冤罪は無くなりそうもない。「はばかりに行かせて!」と叫ぶ遊女を刑事が床に投げつけるシーンがあるが、あれは人形を投げている。刑事の遊女に対する贖罪の気持ちがさほど描かれていないのは減点。あればもっと悲劇が盛り上がった。 ◆遊女は犯人が少年と知っていた。そして少年を許した。少年は遊女からもらったマッチを生涯お守りにしていた。そして40年後遊女が拘置所で亡くなったことを知る。かくも儚い恋を他に知らない。 ◆田中裕子の演技は素晴らしい。彼女を美しく撮ったカメラワークは賞賛もの。本作品でモントリオール世界映画祭主演女優賞を受賞したのもうなずける。当時28才で、連続テレビ小説『おしん』で主役を演じていた頃だ。一方で貞女、一方で娼婦を演じ分ける。女優として最も脂の乗っていた時期。一方で老人に見えない刑事には失笑する他はない。
[DVD(邦画)] 6点(2011-07-25 12:26:28)
43.  アリス・イン・ワンダーランド 《ネタバレ》 
原作はナンセンスが持ち味。ナンセンス詩やギャグが満載。登場人物がみなおかしい。女王が頭でっかち、兵隊がトランプ、猫が笑って消える。読む人を煙に巻く内容。映画では「その後のアリス(A)」を描く意欲作。結婚という親の引いたレールに乗るかどうか迷うAが、ワンダーランドを再訪。Aはワンダーランドは夢だと思っていたが、実在することを知り子供時代の冒険心を取り戻す。現実に戻り進むべき道を発見する。作品の意図はわかります。 ナンセンスはそこそこあり笑えます「机と鴉が似ているのは何故」「首をはねてくれ、(さもないと)殺される」「朝飯前に6つのMで始まる問題を考える」など。ただ弾けるほどではない。イカレ帽子屋、ヤマネ、青虫、双子などサブキャラは十分な働きをしている。正義感の強いヤマネ、青虫の教訓、帽子屋の「自由の舞」など。赤女王が仰向けになったブタで足を休めるところがツボだった。素晴らしいセンスだ。欲を言えば、もっと「場」やストーリーをかき乱すキャラ(トリックスター)がいれば楽しくなっただろう。混乱してあらぬ方へ行けば行くほど「沸騰」するはず。 キャラを善悪に分けて戦わせるのは問題あり。本来の持ち味である「おかしみ」が消えてしまう。兵隊なのに薄っぺらなトランプであるところが笑えるところ。本当に強そうに見えてはだめ。「首をはねろ」がギャグでなくなってしまう。訳のわからない連中が好き勝手なことをやっていて、理屈は通らず、それが楽しいのだ。 少年なら剣をもって龍と戦うこともあるだろうが、大人になったとはいえ少女Aのすることじゃない。理不尽や無理難題を言う相手に対して知性やウィットでやりこめるのが本来の姿。 預言書なる絵巻物は不要。Aが龍を倒すのが決まっているのならAの存在意義は薄れてしまう。Aがアイデンティティを確立するためには何らかの通過儀礼が必要で、予定調和では感情移入すべくもない。 独断専行の赤女王を懲らしめるのはいいが、白女王を君臨させることに意義が見つからない。白女王は何者も殺さないと誓っている点が美徳だが、どこか怪しい雰囲気がある。そういう意味ですっきりしないのだ。もうひとつヒロインに魅力が無いことも指摘しておこう。年増に見える。 蛇足だが、貴族の求婚を大勢の前で行う慣習があるのだろうか?それも花嫁だけは内緒にして。大恥をかきたいのか?それとも断られることは考えられないのか。
[映画館(字幕)] 6点(2010-06-17 17:07:55)
44.  アビス/完全版 《ネタバレ》 
海底エイリアンとの遭遇は取ってつけたようなもので、メインは、おバカ軍人の核弾頭に対する異常な行動とロシア人がいると勘違いしている海底への核攻撃の後始末。全くありえない話で、物語にのめり込めない。後半から海上の人間の様子が全く映らなくなり、ドラマに深みがない。サイド・ストーリーの離婚危機にある中年夫婦が愛を取り戻す話は、人間が描けてなく薄っぺら。「脚本入門」に書かれてあるような典型的な話で、退屈だ。クライマックスはいくつかある。最初は嵐でクレーンが落下する場面。次にリンジーが仮死状態から蘇生するところ。そしてバッドが深海に潜り、核弾頭処理をするところ。四つ目は海底エイリアンの都市に入るところ。五つ目は津波の場面。最後に海底都市が浮上する場面。いろいろありすぎて散漫になっている。エイリアンとのコンタクトに焦点を絞るならば愚かな軍人などいらないのだ。エイリアンの立場で考えてみる。彼らは人間が核実験するのに対して怒り、戦争を繰り返す人間性に失望した。そして原子力潜水艦を襲い、沈没させた。さらに嵐を起こし、核回収作業を邪魔した。最後に大津波を発生させたが、これは人類への警告の意味で、途中で止めた。止めたのはバッドとリンジーの愛のやり取りに感動し、人類を見直したから。彼らの本質は愛のようだ。だはなぜ潜水艦を襲ったのか?核弾頭を始末しないのか?謎が残る。影像はそこそこ見せるのだが、主題が古くて、陳腐で、どうしようもない。感動させるものがないのだ。リンジーが蘇生するところは心動かされるが、それは人間の命が戻ることへの感動であり、映画の感動ではない。バッドの自己犠牲も、深海3000メートルの核弾頭を解除する意味がよくわからないので、感動できない。放っておいてさして問題ではないだろう。危機に瀕しているとは思えないのだ。リンジーのキャラが魅力的ではないのも欠点。彼女がもっと超人的な活躍をしたり、夫を奇跡的に助けるのであればよくなっただろう。彼女は、わざわざ嵐の中をやって来た意味のだから、それなりに活躍の場がほしかった。観客は、主人公が悪党を懲らしめたり、危機から脱出するのに感動するわけで、愚かな行為の知り拭いや意味不明の核処理などには感動はしない。それにエド・ハリスの恋愛を誰が見たいか?冒険ものとしても、アクションものとしても失格。アビス(深淵)からは浮き上がれない映画だ。
[DVD(字幕)] 6点(2009-11-08 02:55:37)
45.  雨の朝巴里に死す 《ネタバレ》 
フィッツジェラルドの短編小説「バビロン再訪」が原作。長く続いた戦争が終り、勝利に酔いしれる巴里。長く抑圧されてきた反動で、民衆の欲望が噴き出て、享楽を肯定するような時代がしばらく続く。これが時代背景。従軍記者チャーリーは、終戦の日美女ヘレンと会い、たちまち恋に落ちる。ヘレンは学校を放校になるなど奔放な性格。「戦争はもういや。毎日が最後の日と思って楽しく生きたいの。最後の日だけの人生。でも本当の最後の日は訪れなくていい」彼女の人生観である。二人は結婚して子供にも恵まれる。が、共に浪費家で、チャーリーは金策に苦労する。彼は通信社に勤めながら、小説をいくつか書き上げるが出版にまで至らない。そんなとき、ヘレンの父の土地から石油が出て金持ちになる。ヘレンは夜な夜な遊び呆ける一方で、彼は小説に専念する。ヘレンは夫の才能を信じて応援してくれるが、やはり出版されない。自分の才能にヤケを起こし、享楽に溺れるてゆくチャーリー。酒、カーレース、浮気で浪費される日々。ヘレンもテニス選手と不倫の関係に。愛しあいながらもすれ違う二人。ある日のパーティで二人は諍いをし、チャーリーは先に帰り、玄関に鍵をかけ酔って寝てしまう。ヘレンは家に入れず、雨に濡れて妹の家に行くが、病気になってしまう。やがて娘を夫に託して逝去。チャーリーは娘を妹夫婦に預け、アメリカに帰る。二年後作家として成功し、巴里を再訪。娘を引き取ろうとするが、義妹が許さない。義妹は姉を見殺しにし、自分の愛も受け入れてくれなかった彼を憎んでいるのだ。だが夫に諭され、彼に娘を引き合わせる。抱き合う父と娘。人生の崩壊寸前に追い込まれながら、何とか踏みとどまり、人間らしい生活を取り戻せた男の物語。二人の放蕩ぶりが中途半端にしか描かれていないので、底の浅い人生ドラマになってしまっている。二人の空虚感、疎外感、絶望感が深ければ深いほど、悲劇が盛り上がり、そこから立ち直ったときのカタルシスが大きいのだ。元来山師的な義父を物分りがよく陽気な性格にしたのも失敗の原因だろう。奇妙に明るい家庭に見えてしまうのだ。
[DVD(字幕)] 6点(2009-10-05 07:17:50)(良:1票)
46.  愛と追憶の日々 《ネタバレ》 
どこにでもある平凡な家庭の母と娘の愛情物語。だが、それがテーマと分かったのが開始1時間も経ってから。エマは赤ん坊から結婚まで一足飛び。スカートがまくれてパンツが見えていたり、結婚前日にマリファナ吸ってはしゃぐ姿が強烈で、おバカキャラとしか思えず、旦那と不和になろうが、エマが浮気しようが、病気になろうが感情移入できませんでした。旦那はいい人なんですが、オーロラには嫌われる。オーロラは娘を奪われたくなかったのでしょうか。いずれにせよ、二人っきりの母と娘の間に溝が出来、それが埋まったり、広がったりの展開。エマの子供たちはいつも悲しそうな顔。両親が不和の家庭の子供は不幸そのものです。興味深いのはオーロラの恋。五十路女の恋なんて想像もしていませんでしたが、隣人の宇宙飛行士ギャレットのぶっ飛びキャラが見ていて楽しい。砂浜でクレージーな車の運転シーンや、空港での風変わりな愛の告白など印象に残ります。平凡な家庭に持ち込まれた”非日常”。最大の見所ではないでしょうか。シャーリーもチャーミングでした。後半、エマが難病にかかってからは悲劇的要素が強くなります。前半のコメディっぽい展開から、まさか亡くなると思ってなかったのでびっくり。亡くなったからといってすべてが丸く収まったわけではなさそうです。子供は母を許してません。旦那は子供をオーロラに託し、生徒とロマンスを楽しむのでしょう。オーロラとギャレットは結婚で、ここはOK。エマに浮気をさせたのは脚本の最大の失敗。弱い女を演出したかったのでしょうが、旦那の浮気を責める資格がなくなり、子供たちに対する言動にも説得力が失われます。「母の恋」はいいですが、「母の浮気」はNGでしょう。
[DVD(字幕)] 6点(2009-10-04 10:29:57)
47.  アフリカの女王 《ネタバレ》 
脚本はよく出来てます。中年の牧師の妹が、飲んだくれのおんぼろ汽船の船長と、不可能と言われる激流くだりをなしとげ、魚雷で敵国ドイツ軍の砲艦ルイザを撃沈する。途中、あまたの障害、苦難に遭遇し、それに格闘し、打ち勝つうちに二人は恋に陥る。最後は失敗に終わったと思わせておいて、どんでん返しが待っています。障害の多彩さは見事です。小説なら最後まで退屈せず、楽しく読めたと思います。リメイクすれば、そこそこのヒットが見込める作品です。で、映画ですが。まず砲艦ルイザが小さくてがっかりしました。ドイツ人をお人よしのように描いたのは逆効果。あくまでも「巨悪に立ち向かう正義の二人」という路線を貫くべきでしょう。お人よしのドイツ人の乗る小さなルイザを爆発させても、カタルシスは得られません。オルナットのキャラですが、もっと酷い荒くれ男にすればより面白くなりました。女に従順すぎるのが欠点です。大好きなお酒を勝手に捨てられて、怒ることもできないんじゃ、だめ人間です。不可能な作戦にはもっと逆らいましょう。わがままで傲慢、まるで言うことの聞かない男を女がどうやってその気にさせるか、そこが見所になる筈です。ローズは敬虔なクリスチャンで、か弱い中年淑女ですが、死の激流下りを恐れるどころか、楽しむという勝気のところがあります。そのアンバランスが魅力なのですが、勝気さが中途半端にしか描かれず、感情移入しにくいです。いっそうのこと、ローズが冒険を通じて、自分らしさと自由を取り戻す「自分探しの旅」にすればよかったのです。ローズの心の成長をもっと見たかったです。それにしても牧師さん、あんなことで死ぬなんて…。
[DVD(字幕)] 6点(2009-09-11 02:37:53)
48.  アイ・アム・レジェンド 《ネタバレ》 
ネビル博士は人類で唯一の生存者。ダークシーカー化している人間を救うために血清を作り出そうと研究している。この設定だけでも疑問がいくつも出てくる。どうやって人類が滅亡していったのかがちゃんと描けていない。人類滅亡の過程を詳しく紹介すれば見せ場の一つになったのに。ネビルは銃と拳銃と犬を持ちながら、鹿狩もできない。車で追っかけてどうする。待ち伏せか、トラップを使え。知能がない凡庸な人間として描いてあるので設定と矛盾する。ダークシーカーの罠にひっかかるわけである。博士は自分に免疫力があるのを知っている。ならば、それで血清を作ればいいのである。ダークシーカーを救うためといいながら、彼らを車や銃で殺しまくっている。捕獲も麻酔銃ですればいいのに。 人類が滅亡しているのに電気、ガス、水道が完備しているのはどうして?ラジオ放送までできるではないか。 ネビルはどうしてニューヨークに残ったのか?これも描けていない。ウイルスを作ってしまった女博士を主人公にすれば感情移入できたのだ。自分の責任なのだから必死に研究するはずで、それが自然の流れである。 ダークシーカーは知能があり、統率も取れているのだが、何を食って生きているのだろうか?すでに人間はいないのだ。ゾンビ犬を飼いならしているのには苦笑するしかない。なに、紫外線に弱い?ちゃちい設定だ。UVカットの服を着たり、日焼けクリームを塗ればいいではないか。 人間、犬、ネズミは感染するが、鹿、ライオンは感染しないのだろうか?ゾンビライオンやゾンビ鹿を見てみたかったぞ。 犬との愛情物語はよかったが、人間が出てくると彼らとコミュニケーションがうまくとれない。男の子は何もしゃべらない。女は「すべては神の計画よ」「どこそこにサバイバル村がある。理由はないけど知っているの」などと完全に電波系である。ゾンビが出てきても震えているだけ。よく生き残ってこれたものだと口あんぐり。(それにしてもあの侵入ゾンビは、なぜ天井を破壊していたのか?下を探せよ) ラストシーン、ネビルは自爆する必要なし。シェルターに朝まで隠れていればOK、ハッピーエンド。
[DVD(字幕)] 6点(2009-02-03 01:26:03)(良:1票)
49.  あゝひめゆりの塔 《ネタバレ》 
低予算、短期間で制作された”重くない”反戦映画。モノクロでごまかしているが、全体的な手抜き、やっつけ仕事の印象はぬぐえない。サイパン陥落のとき、生徒の一人の兄がサイパン守備隊に行っている設定があるが、兵隊でさえ、船に乗って日本を出発してからも自分がどこに行くのか知らされなかった。サイパンにいるなどということが手紙に書けるわけもない。戦死の公報が来て初めて亡くなった場所を知る。対馬丸事件が描かれる。父兄の見送りは校庭までとなっているが、実際は港で見送った。出港は8月20日夕方6時半であり、夜ではない。予算の関係で対馬丸を見せられなかったので夜にしたのだ。見送りの人全員涙を流しているが、そんな姿は見せず、涙は袖に隠した。沈没場面も当然ながら省略。主人公の母が亡くなる重要場面なのに。責任をとって校長が自殺したことになっているが、その事実は確認できなかった。次に沖縄大空襲。借りてきた米軍実写フィルムの垂れ流し。実際にはやってきてないB29が大活躍。沖縄戦に突入。ここも実写フィルムで、やってきてないB29が大活躍。爆弾、銃弾はばんばん飛び交うのに、アメリカ兵は一人も出てこない。すぐおもちゃとわかる艦載機が時々映る。実機はグラマンらしき戦闘機二機と装甲車一台のみ。梶芽衣子が手榴弾で自爆するが、何故かピンを抜くと煙がもくもく。先生が手榴弾の箱を何故か食糧と勘違い。校長と浜田光夫が戦死する浜辺は、何の設備もなく、人の姿が見当たらないのに、滑稽なほど大量の爆撃、機関銃攻撃がされ続けている。艦砲射撃と思うが軍艦がない。そこを強硬突破しようとするのに無理がある。死体を収容するにしても夜を待てばよいものを明るいうちに飛び出すから、あんなことに。遮蔽物のない砂浜を匍匐前進しても意味はない。セット丸わかりの洞窟はご愛嬌として、洞窟からの脱出は夜に出発すればよいのに、朝出発するから、あんなことに。そして誰もいなくなった。主要出演者全員死亡という珍しい映画。辛酸な場面も多い。足を切断する手術とか、手足捨て場に爆弾が落ちて手足が飛び散るとか。「日本ももうおしまいだな」とつぶやいた先生を、女生徒が殴る場面がある。先生は直後、機銃掃射で蜂の巣。狂った女生徒が童謡を歌う場面がこの映画のリトマス紙。滑稽にしか映らなかったのは残念。
[DVD(邦画)] 5点(2012-07-13 22:16:48)
50.  ATOM 《ネタバレ》 
脚本が非常にちぐはぐで興行的に失敗したのも納得。物語は4つの要素で成立。①天満博士とアトムの親子愛。博士は息子を亡くした喪失感からアトムを産みだす。だが息子の代用にならないことを悟りアトムを拒絶する。戻ってきたアトムの優しい心に触れ(トビーになれなくて御免)、最終的にアトムを認め、和解する。特に問題はないが感動もない。②新エネルギー、ブルーコアをめぐる大統領の陰謀。ブルーコアは地上軍と戦うロボットの為に必要らしいが、地上軍は登場しないので詳細不明。天満博士が戻って来たアトムからブルーコアを取り出すが、大統領に渡すのを拒否し又戻す。その動機が不明。③ハムエッグのロボットに対する酷い仕打ち。ロボットは人間の奴隷と考える。天満博士を憎むあまり、アトムをデスマッチに参加させる。一方でロボットを修理したり、子供たちの親がわりになる優しい面がある。優しい人と見せて実は悪人という意外性を狙ったのだろうが失敗。キャラが確立していない。④アトムが成長して自己同一性を確立。人間でないことを知り、悩むが、最終的に人間、ロボットともに仲間ができる。天満博士にも受容される。自分の居場所を確立。極普通。◆世界観が描けていないのが最大の欠点。空中都市と地上との関係は?地上が汚れて空中都市を作ったにしても交流が全くないのは不自然。それに地上は緑豊かに見える。お金持ちしか空中都市にいけないという発言があったが、お金があれば住めるのか?廃棄ロボットはリサイクルすれば良いのに何故地上に捨てる?地上軍の存在の有無が不明。又何のために戦争するのか?結局両者の対比がうまくできていない。地上は自然と共生する素朴社会、空中都市は高度な文明などにすればよかった。デスマッチなどは空中都市の住民がすること。◆アトムは自己犠牲精神で、大統領ロボットとの相撃ち自爆を図るが、あれではロボットに握られた車中の子供や町が爆発に巻き込まれてしまう。思慮に欠ける行為である。それに町を破壊しすぎ。◆アトムは落下する空中都市を支えるが、あの小さな体ではどう考えても無理だし、都市の反対面(地上側)は全滅している。◆地上の少女が空中都市の両親と再会するが、どういう経緯ではぐれたのか不明。◆ロボット革命団は登場シーンが多いのに物語の本筋に絡まない。◆ロボットものは造詣が全て。かっこ悪いロボットばかりでげんなり。
[DVD(吹替)] 5点(2011-12-01 13:40:21)
51.  アンナ・カレニナ(1935) 《ネタバレ》 
アンナ(A)は夫カレーニン(K)、息子セルゲイ(S)と平穏に暮らしていた。軍人ヴロンスキー(V)がAに一目惚れ、人妻と知っても恋の炎は消えない。当惑していたAもいつしかVの愛情にほだされ、Aを愛していることを告白する。二人の関係は噂になり、最初は気にもかけなかったKだが、落馬したVを気遣うAを見て不貞を確信する。Kは妻を責めるが、妻の気持ちは変わらない。かえって仕事と世間体ばかり気にする夫を責める始末。二人の間にもともと愛情はなかったのだ。怒った夫は離婚は許さず、家を追い出し、息子に合わせないという。一方Vは将軍からこれ以上醜聞が続くと退役させるとの警告を受ける。Vは軍隊より愛を選び自主退役する。AとVは欧州へ旅行に出かける。自由と心の解放を感じていたAだったが、Sのことを考えると憐れでならない。二人は帰国する。AはSに会うが、Kに見つかり、出入り禁止となる。二人は社交界から締め出されていたが、Aが勝気なところをみせ、堂々と二人でオペラに出かける。Vは無為の暮らしに不満を覚え、義勇軍に参加し軍隊復帰する。それを聞いたAはVの心が自分から離れてしまったとのを嘆き自殺する。今は天国で安らいでいるだろうと慰める共に、「誰が知るだろうか」と自問する。 ◆Aの兄嫁の妹キチィはVとの結婚を夢みていた。しかしVがAに恋してしまったので、地方地主リョーヴィンの求愛を受ける。 ◆Aの兄スティーヴァは妻を愛しているが、女遊びがやめられない。妻を愛することと、愛人を愛することは別の事だと信じている。スティーヴァの妻は半ばあきらめ、泣き寝入りの日々を送っている。 【感想】原作では恋のため不貞を犯し悲劇的な死を迎えたAと望まぬ結婚をしたが子供に恵まれ幸福に暮らすキティを対比して描く。そして不倫は罪だが、享楽にふける世間(貴族)にAを責めることができるのかを問う。表情や感情表現に乏しい女優のせいで物語は盛り上がりもなく、淡々と進む。AがVの子供を産み、Vが苦しんで自殺を図るなどの挿話を省略しているのも響いている。Vは真実の恋を見つけたと信じ、Aもそう信じた。二人は世間体を気にせず、自分達の気持ちに正直に生きようと誓った。恋の炎を燃え上がらせる二人。だがそれは様々な苦悩を生み出す源泉ともなった。やがて二人の心は離れ、Aは自殺、Vも戦場へ赴く。そういった壮大なドラマの一端しか窺えない。 
[DVD(字幕)] 5点(2011-09-23 16:11:22)
52.  アニー(1982) 《ネタバレ》 
孤児のアニーと大金持ちのおじさんの友情物語。アニーは好奇心旺盛で、何度か脱走を試みるほど。明るく、気が強く、ケンカじゃ男の子にも負けない。そこを秘書に気に入られておじさんの屋敷へ。おじさんがアニーを気に入るようになる過程はすごくよかったと思います。子供が無邪気に自由に遊んで、自分の意見をずけずけ言うのを見ると癒されますからね。まして寝かしつけたりしてやったりすると親しみ倍増。おじさんの生育暦を考えると、養子にしたくなる気持ちはよくわかります。敵役はオバカキャラなのに、最後シリアスな展になってしまったのは残念。こういう子供向けミュージカルでは、困難に対しては子供達が知恵と勇気を振り絞って切り抜けるか、見事大人を出し抜くのが王道。アニーが「助けて、助けて!」と連呼するだけというのは芸が無いでしょう。アニーがおじさんを危機から救うぐらいの展開にしてほしかった。事実おじさんは過激派に殺されそうになる場面がありました。歌ですが「トゥモロー」は名曲ですが、あとはパッとしません。アニーを含めて、ほぼ全員歌はうまくないですね。ダンスもパンツが見えたりして品がありません。それにしても孤児院の生活ぶりがショックなほど悲惨で、当時の孤児院の子は惨めな生活を余儀なくされていたんだなあと悲しい気分になりました。もっと明るく描いて欲しかったです。アニーだけ幸福になっていいの?原作に忠実なだけなのでしょうが、現代に合うように脚色して欲しかったです。
[DVD(字幕)] 5点(2009-10-11 21:03:11)
53.  アサルト13 要塞警察 《ネタバレ》 
まあなんていうか、可もなく不可もなくといったところ。 完全武装のSWAT隊が簡単にやられすぎ。 単純に攻め込んでいっては、撃たれ負け。 どっちらけです。 催涙弾、閃光弾、手榴弾をどんどん投げ込んで、逃げてきたところを狙い撃ちすればOKです。 火をつければ外にでるしかないですし。 最後のおじさん警察官の裏切りは腑に落ちない。 囚人たちが心を合わせて悪徳警察官と対決するという構図をもっと 鮮明にだせばよかった。 でもまあ、そこそこの緊張感は持続してます。
[地上波(吹替)] 5点(2008-06-01 23:36:41)(良:1票)
54.  赤い影 《ネタバレ》 
怖くも面白くもなく、楽しめませんでした。ジョンとローラの夫婦の物語。赤い服を着た娘が、池で水死する。ジョンは教会の修復の仕事でベネチアに来ており、妻も同行。妻は盲目の霊媒師と出会い、亡き娘とのコンタクトに成功。霊の世界で元気にしていることを知り、娘の死のショックから立ち直る。霊媒師が言うには、ジョンに危険が迫っているのでベネチアから立ち去りなさいと亡き娘が警告しているとのこと。ジョンはそれを信じない。一方周囲で不思議なことが起る。赤い服の影が現れては消え、連続殺人が発生。寄宿学校の息子が怪我をして妻は帰国。ジョンは修復作業中、空中物見台から落下しそうになる。その後いない筈の妻が霊媒師と一緒にいるのを目撃。警察に依頼して探すが、結局人違いと判明。妻は戻ってくる。ジョンは警察にいた霊媒師に謝罪し、家まで送る。ジョンが帰ると霊媒師は急変し、「彼を行かせてはだめ」などと叫ぶ。そこへローラ登場。ジョンを探す。ジョンは赤い服を来た人物を発見し、追跡する。追い詰めるジョン。向き直った人物は気味悪い老婆の顔。刺殺。◆解釈。ジョンに自覚はないが、未来を見る能力があった。書斎でスライドに無い筈の血があるのを見て、娘の死を予感。その血は自らの死ともつながっていた。ではジョンを死に至らしめたものは何か?赤い服の人物の正体は?連続殺人と関係があるのか?妻の幻の意味は?何の説明もないまま物語は終る。細かいが、ジョンが赤い影追跡中、わざわざ門の鍵を閉めるシーンがある。これによって妻が追跡できなくなるのだが、どう解釈するか。無意識に妻を守ったのか、無意識に助けを遮断したのか。いずれにせよ妻は鍵を開けようと思えば開けれたわけだし、追跡の最中にわざわざ鍵をかけないだろうと揶揄する意見もある。ジョンは妻がいるのを知らなかったのだし。◆オカルトものとは知らずに観るとがっかり。霊媒師はフェイクで、牧師が連続殺人の黒幕と思っていた。演出は趣味が悪い。意味無く長いベッドシーンや水中から引き上げる死体然大音量と共にくどいフラッシュバックの大袈裟さ。登場人物をみな薄気味悪く見える。唯一良かったのはジョンが空中物見台にいるときに材木が落ちてきてぶつかるシーン。これは迫力があった。衝撃のラスト?一目で血糊と分るんですが。帰国せず、ベネチアで葬儀を上げるのも解せないなあ。
[DVD(字幕)] 4点(2011-02-13 00:18:11)
55.  アマルフィ 女神の報酬 《ネタバレ》 
大作気取りで内容が浅く外連味たっぷり。はくさい映画賞の最低脚本賞。真保裕一は脚本クレジットを拒否。導入部は謎めいており成功。見どころは営利目的誘拐が実はテロ目的、紗江子の友人の藤井が犯人だったこと。悪くない展開。最大の欠点は保安会社のシステムジャックのために紗江子に実行犯をやらせること。これは無理。犯人の女が潜入して映像加工までしているのだからその女がすればいい。監視映像見せるためだけに外部の人間を会社の中枢部に案内はしない。ビデオを渡せば済む。保安会社を疑わせるためにわざと監視カメラに映させるなんて笑っちゃう。計画は手が混んでいる割りに成功の見込みゼロ。テロの動機は大臣が外国で邦人の死を揉み消したこと。しかしそれは不可能。遺体があるのだし。具体的にどうしたのか?ツッコミ:①誘拐だが、子供がトイレに入ったのは偶然。他に人がいなかったのも偶然。犯人の掃除人も偶然居合わせたように見える。②子供の写真から、子供のいた部屋をすぐに特定できたはどうして?これも計画の内?③偽札が新聞紙。警察が用意するのだから本物に近いものの筈。④第三者に鞄を盗ませたが、どういう意図?混乱が目的?⑤題名の由来。英雄ヘラクレスが妖精アマルフィの死を悲しんで死体を埋め町を作った。凡人は悲しみを背負うしかない。凡人が英雄になろうとした。報酬=死なずに計画が成功したこと?⑥犯人は招待客に化けて潜入したが、安易すぎる。⑦黒田が藤井を説得するが内容が浅い。藤井はこの手の犯罪をするには高齢。⑧人間ドラマが希薄。藤井と紗江子の関係、黒田の人物像など。⑨警察はばればれの場所で見張っている。⑩藤井は何故紗江子を選んだ?外相の日程と紗江子の旅程が合ったのは偶然?⑪黒田はテロ対策要員とはいえ、表の顔は外交官。愛想がなさすぎる。どうして日本帰還を拒んだの。⑫紗江子は気が弱い看護師。天海はミスキャスト。看護師なのにたばこを吸う。彼女は黒田に日本に行く予定はないといわれたとき「やっぱり」と答えた。その心は?⑬イタリア刑事が黒田を部下になるよう誘うが、日本人がイタリア警官になれないと思う。⑭サラとイタリアの関係は?オペラ座はパリだけど。コンサート中に乱入する展開ならよかった。⑮アウトロが長い割に、藤井らの消息が不明。新人女が手袋を見つけてはめるけど、黒田の手袋?⑯EDで新年を祝い大喜びする群衆。ハッピーエンドではない筈。 
[DVD(邦画)] 4点(2010-06-15 00:34:04)(良:1票)
56.  相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿 《ネタバレ》 
相原は本当に刑事なのか?捜査のイロハがわかっていない。ただやみくもに怪しそうな人物にぶつかってゆくだけだ。熱血漢ではなく、愚か者です。したがって「推理物」としての魅力はない。さりとて、コメディでもないし、社会派ミステリーでもない。底の浅い、中途半端なものだ。犯罪が1つしか発生しないのが中だるみの原因です。米沢は言う。「物証がすべてですから」だが、やることは証拠を求めてビルに侵入すること。「羊頭狗肉」「言行不一致」とはお前のことだ、語るに落ちたな!と、言いたくなるほどの作品でもない。もともと思い入れがないので、期待値が低いわけです。ある意味得をしている映画かもしれません。で、侵入現場に課長が現れて、証拠品が見つかるという展開は、火サス以下の展開。二人は犯人を誤認しており、真犯人が口をすべらせたのは全くの偶然。犯人があの人だったとして、女が盗聴器を仕掛けますか?殺人を犯した犯人が、刑事が調べ手に来たとき、よけいなことペラペラしゃべりますか?「意外な犯人」を無理やり作った印象がぬぐえません。被害者の日記を保存しておいたのも不自然。税金の無駄遣い、天下り、セクハラなどが浮き彫りにされた青防協の課長や理事長の行く末は暗示されるにとどまっており、カタルシスを得られない。社会派ドラマとしても中途半端。異質の夫婦愛を描くのには成功していると思います。ただそれも顔がそっくりで、名前も同じ、元女房という「偶然」の上に成り立っているもので、安っぽいですね。やはり「あっと驚く物証」で勝負してほしかったです。
[映画館(邦画)] 4点(2010-05-08 04:14:54)
57.  アンドリューNDR114 《ネタバレ》 
この映画は「死」を大切に扱っているだろうか?不死だから人間とは認めず、死ぬなら人間と認める。愚かしい!じゃあ死ぬように改良しよう。もっと愚かしい!愛する人(ロボット)が死んだから自分も死ぬ。それでいいんですか?それもロボットに生命維持装置を切らせて。そんなこと自分でやってください。ロボット3原則があるんです。死を受容することと、死ぬことは別のこと。リトルミスが亡くなるとき、木馬を持っていた。木馬はロボットが始めて独創性を発揮したもの。ミスはロボットを好きになり、最後までロボットの思い出を大切にし、充実した気持ちで死んでいった。これこそが命の輝きであり愛でしょう。ロボットは愛するものが去るのは耐えられないという。死を受容できず、ミスの充実した人生を認められないのだ。死に耐えられず、改良してどんどん人間に近づくが、最終的に死を選ぶのは皮肉だ。ロボットは人間らしく生きただろうか?様々な葛藤の中に喜怒哀楽があり、生の充実感があり、その先に死がある。死があるから人間ではない。どう生きるかが大切だ。ロボットに生殖器があっても、快感を得る道具で、生殖機能はない。土台人間にはなれない。どうして法律にこだわる?人間らしく生きることにこだわるべきではないのか?ひたすら改良しまくるロボットに、人間らしい安らかな死が訪れたといえるのか。無いものねだりをしているだけ。ロボットの死とは何か?あのロボットは本当に死んだのか?電子頭脳を取り出して、別の個体に納めれば生き返りませんか?そもそも人間とロボットの恋愛がなじまない。鉄腕アトムの恋人はロボットでいい。同じ仲間だから。どうして異質なものになりきろうとするのか?人間を植物にするのと同様に不可能。せめて誰にも好かれそうな好青年顔なら感情移入できるのに、あのおやじ顔じゃ無理。単なる変態ロボット。ところで映画のテーマは人間になりたかったロボットですが、現実にロボットが感情と自由を得たら人間になりたいと思うでしょうか?そうは思えないです。ロボットのほうが完璧だし、容易に改良できるし、不死だから。独自の文化と共同体を築くと思います。蛇足ですが、真にすごいのはあの技術屋。たった一人で機械を人間そっくりに改造してしまうのですから。天才です。 又一人暮らしのロボットがいたら、盗まれると考えたのは僕だけでしょうか?
[DVD(字幕)] 4点(2009-05-05 05:15:13)
58.  穴(2001) 《ネタバレ》 
悪女の奸計と狡知により完全犯罪が成功したわけでなく、総て偶然ととっさの嘘の産物。こういう映画を作った関係者を付け上がらせてはいけません。どんどん突っ込みましょう。 ①リズはマイクに片思い。リズの親友フランキーとジェフはラブラブ。野外研究授業をさぼって四人でシェルターで三日間過ごす?あんな不気味なところ誰が行くか!野外授業の方が絶対楽しい。 ②リズが鍵を閉めたわけだが、そのことに誰も気づかない。自然に鍵が閉まるわけがないのに。 ③10日目にフランキーが食道の血管の破裂による心臓麻痺で死亡。それでも言い出さないリズ。水と食料がわずかで、死体と一緒に過ごす方を選択をする理由がわからん。 ④コーラを黙って飲もうとしたジェフをマイクが殴って過失致死。ちょっと不自然。 ⑤18日目リズが扉を開けると、真相を知ったマイクが激怒。リズを殴りにはしごを登って墜落死。マンガだね。 ⑥電燈が徐々に消えてゆき、トイレの水も流れなくなるけどどうして? ⑦警察に電話したときキャーと叫ぶのは芝居? ⑧警察に真相を言えないリズ。とりあえず男友達マーティンのせいにする。すぐにばれる嘘をつくな。 ⑨警察はリズに「どうやって出てこれたのか?」を追求すればよかったのに。誰かが鍵を開けたのは明白。身体検査をすれば鍵は発見できた。 ⑩マーティンは釈放されるとリズの家に。リズを糾弾するが逆襲に遭い殺される。鍵をポケットに入れてダムから川に投げ込まれる。弱い男だね。そもそもマーティンは警察に監視されていた筈だが。 ⑪警察はマーティンを自殺と判断するけど根拠がない。そもそもリズ発見の日にはマーティンは海外にいた。どうやって鍵を開けられる?また犯人だとして、いつまでも鍵を持ってないでしょ。捨てるでしょ。 ⑫精神科医にシェルターに行きたいと言い出すリズ。意味不明。勝手に中に入る二人。そこで真相をしゃべるリズ。不自然、不可解。 ⑬精神科医の同僚がやってきて「マーティンが自殺した。まずいことになったな」と精神科医を責めるが、なんでそうなるの?精神科医はマーティンとは接触してないのに。 ⑭「彼は年老いることも私を裏切ることもない、永久に。いつまでも理想の恋人のまま」勘違いも甚だしい。お前が殺したんだ! ⑮誰も手記を残すことを思いつかなかったのか。 ⑯扉の傍ならケータイつながるでしょ。
[DVD(字幕)] 3点(2011-01-25 07:44:16)
59.  赤い月 《ネタバレ》 
「満州で酒造りに成功した森田、その夫で自由奔放な性格の波子、波子の元恋人の大杉中佐、軍の諜報員の氷室の四つどもえの愛憎歴史群像」を描きたかったことがかろうじて分る作品。「愛」とか「生きる」とか観念的な言葉や教訓じみた理屈がやたら飛び交うが、言葉で説明されても困るのだ。人物の存在感、生き方、情熱などが伝わってこそ、初めて感動が伝わる。感動の要素が詰まっているのに感動が伝わらない典型的な映画。ある意味、こう作ってはいけないという他山の石の教材として鑑賞価値がある。 ◆満州鉄道が単線として描かれていることに違和感がある。車両数も少ない。CGによる機銃掃射、空爆場面は安っぽい。低予算なのだろう。 ◆昭和19年夏の森田の演説で「聞けば16機のB25が本土を襲い、戦局は予断を許さぬ状況」とあるが、それは昭和17年4月のドーリットル空襲のこと。監督も脚本家も歴史には疎いようだ。 ◆後半、波子と氷室の恋がメインとなる。が、氷室は氷のように冷たい諜報部員で、多くの中国人を殺し、ロシア人を拷問した上アヘン中毒にさせ、恋人のロシア人エレナの首を刎ねた人物である。この人物のどこが好きになるのかわからない。感情移入などもっての他だ。氷室は終戦になったとたんに、人が変わったように軍部批判や人生訓を口にする。お笑い草である。この人物が何をしゃべっても嘘っぽく感じる。人物が生きてないのだ。「あなたを愛していることが、今の俺を支えていてくれる」戦前の軍人がこんなことを言うだろうか。 ◆恋多き女、波子。子供がいるのに大杉と縒りを戻すことを考え、氷室とエレナの関係に嫉妬する。夫が亡くなって間もないのに氷室と昼間から愛しあう。「生きるためには愛する人が必要なの」ああそうですか、ご勝手に。主演女優に華がない。 ◆森田こそ悲劇の主人公なのだが、ぞんざいな描かれ方しかされていない。氷室のアヘン中毒の場面が無駄に長いので削って、その分森田を描くべきだった。 【ツッコミ】①エレナは子供たちに何を教えていたの?ロシア語?②おかゆを食べさせるのに口移しはないだろう。③スパイを捕まえた場合、すぐ殺したりしない。情報を引き出すことが重要だからだ。④大杉の漫画のような突撃死に苦笑。⑤森田は大杉と波子を引き合わせた。なのに波子が戻ってくると嫉妬のあまり小指を切断。
[DVD(邦画)] 3点(2010-11-20 01:27:44)
60.  相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン 《ネタバレ》 
あ、マラソンはほとんど関係ないです。ダミーの爆弾がしかけてあるのみ。 犯人は何故そんなことをしたのかは最後まで不明です。 犯人の目的は表彰式で拳銃を持って元首相に近づき、逮捕されることだからです。 相棒二人はマラソンが狙われていることを知りながら、何故か、たまきと美和子に出場させました。(愛情ないのかな) あ、岸谷吾郎が妙なところに出てきますが、これはご愛嬌。 右京が犯人とチェスの試合をして、その終了棋譜でマラソンコースを発見しますが、これは不可能です。(ちょっとやりすぎですね) 前半はネットの処刑リストによる連続殺人事件ですが、犯人が判明した後半はお涙頂戴ものになってゆきます。 主犯にどんな動機があるにせよ、三人を殺し、一人を殺人未遂し、実行犯を爆死させたあとでは、何を主張しても遅いです。 脚本家は、犯人が病死することでバランスが取れると考えたのでしょうか。 犯人の最終目的は裁判での外務省の機密文書の暴露ですが、それが一ジャーナリストの手によって簡単に入手されていまします。(ご都合主義な展開) 殺された三人は機密文書の存在を知らずにテレビで発言しただけですから、処刑される理由がありません。 主犯の動機と行動に整合性がないのが脚本の最大の欠点でしょう。 豪華出演者と演出がうまいのでうまくごまかされてしまうのでしょうね。 冷静に観ればだめだめ映画です。 最初の「無差別劇場型連続殺人事件路線」でゆけばよかったのです。  
[映画館(邦画)] 2点(2008-05-03 09:48:29)
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