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なんのかんのさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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81.  あなたと私の合言葉 さようなら、今日は 《ネタバレ》 
これ監督名伏せて部分だけ見せられたら、増村保造と思ったかもしれない。乾いたタッチ・早口のテンポ、といった崑の特徴と思うもののうち、いくらかは大映に移籍後、この社のトーンに影響されて発展したものもあるのではないか。でも笑いの取りかたのしゃれてるところは崑ならでは。若尾文子の代理で結婚を断わりに行った京マチ子が、菅原謙二にホレてしまうのを無表情で演じ続けるあたり。菅原のとこの仏頂面の女事務員倉田マユミの使い方。菅原・船越英二・川口浩の三人が飲み屋で隣り合わせるおかしみ(船越はひたすらついてない役で笑わせる)、などなど。小津的ホームドラマではあるが、昭和30年代半ば、車社会へ向かう日本の、働く女性の面も具体的に提示されている。おせっかいな母をやらせると三好栄子の右に出るものはなく、新人田宮二郎は廊下で立ち話をしていた。
[映画館(邦画)] 7点(2007-12-23 12:20:29)
82.  the EYE 【アイ】 《ネタバレ》 
ただ不鮮明な映像という手だけでも、角膜手術後の視界という設定を重ねれば、ある程度不気味がらせることはできる。ぼんやり見えているものが、本当に向こうにあるものなのか、そうでない別のものなのか。また、この主人公が視力を失ったのは二歳の時で、手術後も視覚で認識するということになじめず、つい触覚に頼ろうとその不鮮明なものに手を伸ばしてしまう、という設定。鏡像は手で確認できないということでその設定はイキたが、怖がらせるのにもっと使い道があったような気もする。一番怖かったのは、エレベーターにいた背中向けてるじいさんだ。西洋のホラーでは力強いものが身をそらし爪を立てて襲ってくるが、こちら東洋では非力そうなじいさんがうつむいて怖がらせるのだ。
[DVD(字幕)] 7点(2007-10-27 12:16:12)(良:1票)
83.  明日へのチケット 《ネタバレ》 
キアロスタミ篇が好き。ずうずうしいおばさんとひたすら服従している若者の謎のカップルが乗車してくる。このずうずうしさぶりがやたらリアルで、こういう人、世界中の至るところにいるんだなあ、と思わせる。ここに若者の同郷の少女が絡んでくる。これがちょっとミステリアスな表情するかわいい子で、おばさんと彼女と、これでも同じ女性という種属なのか、と驚かされるほどの鮮やかな対比。後段でついに堪忍袋の緒を切って逃げた若者を追い、列車の中を探し回るおばさんの表情に少女のような不安が浮かんでくる。しょんぼり一人で下車したおばさんを見つめる少女の表情に、おばさんのような冷たさが浮かんでくる。本当はたぶんそういうテーマではないのだろうが、これ、女は不気味かつ不思議という話と私は見た。
[DVD(字幕)] 7点(2007-10-19 12:17:03)(良:1票)
84.  アゲイン/明日への誓い
サイゴンが主たる舞台だが、どこかで中国返還時の香港を重ねているような気がする。あるいはそう見てしまうのは、天安門事件後のあちらの映画にそう構えてしまうこちらのせいでもある。冒頭の学生デモシーンに異様に熱が入って感じられた。話の中身は男2・女1の友情と愛情の絡みにドンパチが重なるという、いつもの感じ。スローモーションはちょっと使い過ぎたが、窓から飛び出して看板を滑り落ちる、なんてのをもっとやってほしい。主人公たちと、悪の組織・軍・戦争などがうまくつながってないので「ドンパチごっこ」の感じがしちゃう。波瀾万丈のようでいて、印象は淡泊。穴を通した光があちこちに散る。最後、民衆を振り切ってヘリコプターに乗り込むところは凄味。
[映画館(字幕)] 6点(2014-03-14 09:53:09)
85.  明りを灯す人
ほのぼのした映画の線かと思っていた。たしかにおおむねそうなのだが、政治の混乱期のドラマなのだった。アカーエフ独裁政権が崩壊したあとのキルギス。当時一応日本でも報じられていた記憶はあるが、「独裁者」の風貌がモロに日本人だなあといった感想しか持たなかった。イラクは独裁者が消えたあと、混乱に突入した。こちらは都市部ではワイワイやってるようだが本作の舞台となった村ではのどか。電気のメーターを操作した罪で捕らえられていた主人公が、政権崩壊で釈放されたくらい。と思ってると、底のほうでは動いていた。やり手の男が村を牛耳りだし、親戚のおとなしい男(妻は赤旗なびかせたトラックに乗って出奔してしまう)を次の村長に押したて、中国の土地開発団を呼んだりしている。そういった動きの気配に合わないものを感じていく主人公の困惑、といった話で「ほのぼの」では終わらない。そしてこういう「転換か否か」という話は、変革期の国では(日本の幕末維新期もそうだったが)どこでも起こってきた。主人公は子どもがみな娘で息子がいないのを気に病んでいる昔風の男、でも電気技術者である彼を尊敬しているらしい男の子がいつもそばをチョロチョロしている。電信柱に乗っているときマッチを投げ上げてくれと頼むと、中に小石を入れて風に飛ばないように工夫してくれる賢い子。後にこの子が(だと思うんだけど、顔をよく識別できない)木に上って降りられなくなり主人公が助けにいく。山の向こうを見たかったと言う少年。この地方の希望がじんわい感じられるいいシーンだった。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-11-29 09:04:55)
86.  明日の記憶
やはり映画はどうしても三人称なのだ。それだって文章で読む一人称的な「当人」意識を映画で作ることは不可能だ。そこにキモがある原作を映画化するんだから、スターと時点で困難な計画だったのは分かってしまっていた。意外と良かったのは、及川光博の喋り方。患者が医者という測定者に抱く曖昧な畏れが感じられた。あとは渋谷で迷子になるあたりか。一人称の当事者感は出せなかったが、三人称の「彼」の話として身に迫った。退社でみんなが来るとこは(たしか原作にはなかった)、クサいなあと思いつつホロッとしてしまうのが悔しい。一人称でなくしたぶん、主婦の立場を加えられ、樋口可南子の泣き笑いっていいんだ。
[DVD(邦画)] 6点(2013-10-17 09:26:19)
87.  アンボンで何が裁かれたか
ジュネーブ条約ってのがそもそも変なものだと思うべきで、それは戦争ってものの「変」につながっている。将校は労役につかせてはいけない、なんて格差にこそ戦争の本質があるんじゃないか。『戦争にかける橋』も、けっこうそこにこだわってたし、欧米人にとっては日本の野蛮のポイントだったらしい。そしてそのしわ寄せが一般兵士に行っちゃう図式。自首してきたクリスチャンの好青年を裁かねばならなくなる不条理。ただ図式がきれいに浮かびすぎたきらいはありました。イケウチのふてぶてしさこそが、あちらの人が見る日本人の典型なんでしょう。やはり切腹は出ちゃいました。怨みつらみを述べずに従容と死についていく、あれも分かりやすい日本人の姿。うねりに欠けた作品だし、分かりやすく簡単に整理しすぎちゃった気もするが、理解しようとする姿勢は認めます。
[映画館(字幕)] 6点(2013-09-16 09:20:08)
88.  愛がこわれるとき 《ネタバレ》 
だんだんと旦那がパラノイアと分かってくるあたりがいい。いかにも楽しげな新婚生活。服の汚れを謝るのも微笑ましい。と思っていると、タオルの掛け方から缶詰の向きとか、潔癖の過剰さが露わになってくる。嫉妬狂を扱ったブニュエルの『エル』を思い出す。マニアっていいんだな。どうしても旦那のほうに肩入れして見てしまうんだけど「幻想交響曲」を流すってのはつまんなかった。ヒロインが海に消えてからは、視点が代わる。ここらへんからは旦那とヒロインとの知恵比べとなる。男装させたり舞台衣装つけて踊ったり、いささかプロモーションフィルム的でダラケた。愛する妻を見つけた夫が、タオルを揃えたり缶詰を整頓したりしてるとこを想像するとおかしい。何も殺さなくてもいいとおもいません? 愛ゆえの襲撃者は怖い。愛を捧げ尽くした男の物語。
[映画館(字幕)] 6点(2013-09-06 09:54:56)
89.  秋のミルク
ドイツ版「おしん」。でもドイツは厳しい。旦那の叔母さんてのが憎々しいいじめ役で、この人ラスト近くで「ごくろうさんだったね」という一言があって和解する感動の一幕が来るぞ、と思ってたら、なかった。旦那に追い出されて終わり。グリムに出てくる悪いおばあさんだった。ヒロインがだんだんたくましくなっていく物語。母の死を回想し、これからはお前が母親だ、という言葉を思い起こすと奮起する。ナチの高官にも食ってかかる。政治的反感ではなく、生活レベルでの・自分の人生を良くしようとする態度。これは強い。ナチズム下の一般大衆の描写。外に高官が来てみんなが敬礼しているときに主人公がケーキなんか食べてると、店のおばさんが非難がましくヒットラーの演説流してるラジオの音量を上げる。ドイツ農家の暮らしってのが分かって、男や老人が威張ってるのは日本「おしん」と似てる。カッコーワルツのひなびた味わい。ちょっと愚痴っぽかったけど、愚痴のない庶民の暮らしなんて古今東西なかっただろう。
[映画館(字幕)] 6点(2013-08-28 09:33:39)
90.  アンディ・ウォーホル/スーパースター
スーパースターってのは、ウォーホルの造語だったそうだ。なんか意味が違ってきてる。今はスターの中のスターって感じだけど、この人のは、スターを超えて、って感じ。ウォーホルのドキュメンタリー映画。この人の表情はヤク中だとばかり思ってたけど、ああいう表情で防御しなければならない立場に自分を追い詰めていった、って感じもある。自分から大衆=マスコミと関係を持ち続け、彼らがそうしてほしがる「微笑」の対極へ対極へ押されて行っちゃった、っていうのか。微笑も駄目だが奇人を装うことも陳腐になってしまう、そういう恐ろしい時代を、彼も加担して作ってしまったのだ。芸術家は奇人を装って大衆から隠れていればよかった、たとえばダリなんかの時代はまだ牧歌的だった。家族とファクトリーの連中とは会わせなかった、っていうとこ、なんか痛ましい。
[映画館(字幕)] 6点(2013-05-28 09:57:55)
91.  あかね雲
水上文学の世界ってのは微妙でして、演歌的な愚痴の詠嘆にもなり得る危険性があるが、正確に社会批評の部分を突いて映画化されると、いい画になるものを含んでいる。自分を利用する男に感謝し続けるヒロイン、後半にいくにつれ脱走兵・小杉と出会ったのは幸せだったのではないか、とふと思わされ、そこに貧困の問題が大きく浮かび上がってくるの。世間の良識としての小川真由美が存在して、この苦労を積んだ上での批評が、こちらのカップルを刺激し続ける。それが男社会の批評にもなっている。これに対応するように小杉さんも疚しさを感じ続けるのだけど。夕焼けだけ朱になる趣向。親から十円借りるあたりホロッときた。山崎努が缶詰のシールを貼っている薄暗さに、脱走兵の不安が重なる。脱走兵と女の物語は、後にもう一度水上文学の映画化『はなれ瞽女おりん』で美しく繰り返される。
[映画館(邦画)] 6点(2013-04-19 10:26:27)
92.  浅草の灯(1937)
人間模様もの。昭和初期が大正を回顧しているのを現在の私(昭和末期でしたが)が見るんだから、ちょっとややこしい。映画製作時の彼らが抱いた懐かしさと、映画製作時への私の興味が複合して。娯楽の中心が銀座へ移ってしまった時代に、大正の娯楽の中心だった浅草を描いてるの。もっと風俗が織り込まれてるかと思ったが、大震災で壊れた十二階の内部がセットで見られたぐらい。ちょっと乱歩っぽい。肺病男が、伝染るといけないからとひげをあたってもらうのを断わって皆に歌を歌ってくれと言うあたり、浅草の滅びそのものが重なっているのか。杉村春子が歌って踊ります。島津監督としてはほかの代表作より若干劣るかと見えたのは、単純に高峰三枝子がヒロインだったせいかもなあ。
[映画館(邦画)] 6点(2013-03-16 10:08:33)
93.  愛を殺さないで 《ネタバレ》 
『テルマ&ルイーズ』を陽とすれば、これは陰。男運の悪い二人組で、亭主よりも友人優先いう生き方。しょせん男なんで籤みたいなもの、確かなものは自分が生んだ子どもと、子ども時代からの友人よ、って感じ。このころまでは『ゴースト』とか、そういう無個性な正統ハリウッド女優狙いだったD・ムーアが、太い女と言うか、不貞腐れた女と言うか、少しG・クローズ系がはいって軌道修正し始めた作品か。遊園地へのドライヴの何か起こりそうな気配あたりが味。けっきょくこの二人の友情がきらめくという展開ではないので、スッキリした気分にはならない。駄目男でも亭主は亭主。当時の女房に頼まれたのかB・ウィリス出てるが、なんか人のよさが出ちゃって暴力亭主に見えない。そういうとこが好きでもあるけど。
[映画館(字幕)] 6点(2013-01-21 10:13:03)
94.  アイアン・メイズ/ピッツバーグの幻想 《ネタバレ》 
日本人がハリウッドで監督するってのに、わざわざまた「藪の中」を使うのは芸がないと思ってたんだけど、そう気にならなかった。もう「羅生門」型ってジャンルがあるってことか。これではみんなが誰かをかばって藪の中になっている。しかもアメリカ映画ですから結論が出ます。人によって見方は違う、ということを経て相互理解への道はある、って。滅んでいく町の人間の目に映る嫌味な金持ちの日本。このころは経済摩擦が問題化していて、コメディではよく扱われたが、この手のミステリー風のにまで登場したか、と思わされ、けっこう現地の雰囲気を出してたんじゃないか、よく知らないけど。彼が作ろうとしていた遊園地より、廃工場のほうが魅力的に見える。
[映画館(字幕)] 6点(2012-12-14 09:45:06)
95.  愛の選択
アメリカのメジャー系の映画で、撮影に対する興味だけで最後まで引きずられたのは珍しい体験。ファン・ルイス・アンシアってスペインの人? ライティングがいいの。だから室内シーン、病人の部屋の冷たさや窓からの黄色い光だけの隠れ家や、ラスト近くのパーティ会場でロウソクの合い間からJ・ロバーツをじっと見ながら歩いてたりするとこ、などに当然とさせられた。話は「同情は愛に変わる」で、暗い人生に諦めてた男が生きようと思う、っての。インテリの生命力枯渇男と労働階級の前向き女、いう対比がちょいと陳腐。このインテリがクリスマスに労働者男にクイズ出す嫌味なシーン、嫌味であることを止められなくなってしまうモルヒネ中毒シーンあたりに、陳腐な均衡を崩しかける力が見え隠れしたけれども。人生に希望を持ってしまうのが怖い、ってのはなんか分かりますなあ。
[映画館(字幕)] 6点(2012-12-04 09:46:57)
96.  愛と死の間で 《ネタバレ》 
新聞の見出しのみで事件の展開を見せるタイトルはいい感じ。ト音記号の門の印象のつけ方とか。で現代編に入っていき、ハサミのイメージが繰り返され、ラストのヒロインの部屋で花開くわけ。過去と現在とが少しずつ進行していき、ラストで解決編として重なる趣向。カラーと白黒とで。少年が絡んでくるあたりにイギリスの雰囲気がなくもない(映画の国籍はアメリカだけどね)。犯人が最後どもり出す、ああいうとこが好きだな。キャスティングは贅沢で、テレビ見てる母親が某有名ドイツ女優だったりする。『ヘンリー五世』を重厚にやった次にK・ブラナーがサスペンスミステリーに挑んだ、ってところが注目だったけど、純粋なミステリーじゃなく、中で起こる転生は本当だったりする。こういうところが平気なのが、アメリカと違い重い過去を持つヨーロッパ人の世界観なのか。
[映画館(字幕)] 6点(2012-08-19 09:41:14)
97.  アザー・ピープルズ・マネー
ダニー・デヴィートの六頭身ぶりは少々誇張してるのか、ほとんど畸形に見える。経済問題がらみの話だと必ず日本への言及があった時代だった(今なら中国か)。それがまた判で捺したように釣り合いが取れている。「そのうちクリスマスも買うんじゃないか」というジョークが一方にあれば、もう一方でやけに真面目な顔になって「見習うべきところは見習わねば」となる。この両論を立てるだけって姿勢はあんまり建設的ではない。そういう釣り合いがラストの演説でもあるわけ。でもこっちのほうは聴き応えがありましたな。グレゴリー・ペックが、伝統やら情やらに訴える演説をしたあとで、デヴィートが理に則ったのをする。善悪の対立でなくなっている。本当ならこの対立をタタキ台にして、そこからドラマを生んだほうが正しい道だった。
[映画館(字幕)] 6点(2012-08-09 09:40:48)
98.  嵐の中で輝いて
一本の作品としてのまとまりに欠けて、いっそマイケル・ダグラスなしで「シロウト女スパイ物語」にしたほうが良かった。前半のメロドラマ部分が、役者の魅力に乏しい。オペラ男と映画女。オペラはやがてベルリンでワーグナーになり、映画=チャップリンはヒットラーとなって姿を現わす。映画を参考にしてやっていくってのが面白さ。「アイルランドとユダヤの血」って言うと「おそろしい組み合わせだ」と返す。頑固って感じなのか。こういう民族ネタの冗談をサラリと言えるところもあるのね、あの国(でも考えてみればアメリカ映画ってのが、ユダヤからの資本とアイルランドからの監督という非プロテスタントの「最強の組み合わせ」で栄光を築いてきたわけで)。ヨーロッパに着いてから多少は面白い。ナチの赤い旗がダラーっと垂れてる風景ってのはなぜか嫌いじゃないし。でも細かいところで引っかかる。駅でジョン・ギールグッドは笑顔で迎えるべきで、スパイなんて単語を口にするとは思えない。危機を脱したあとに慌てふためいて帰ってきては駄目で、悠然と歩くべき。いくら時間がないからって、ナチの高官の子ども連れてユダヤ人が隠れてるとこに行くか? シロウトってことを強調し過ぎたのかもしれないけど、全体に不用心が気になり、ドイツ人を馬鹿にしてません? ナチが悪ならそこの従業員も平気で車で轢く鈍感さは、やっぱり戦争に勝った国のものなのかな。空襲のあと動物園から逃げたシマウマのシーンがいい。
[映画館(字幕)] 6点(2012-07-09 09:59:32)
99.  赤い手のグッピー 《ネタバレ》 
登場人物の関係を呑み込むまでが面倒なんだけど、なんとなく金田一ものの本家と分家みたいなものか、と勝手に納得して見た。そこに田舎とパリの対立も持ち込まれる。変に視線が絡みあって、互いに何かを秘密のうちに見てしまいあっちゃう世界。その雰囲気が楽しい。エンペラーと言われている106歳のおじいちゃんが、ここぞと言うところで笑わせてくれる。横溝からオドロオドロしさを抜き取ってある。焦点となる見せ場に欠けるのが物足りないか。あの深い井戸がラストに来るかと思っていたが、逆に上に、木に上りました。
[映画館(字幕)] 6点(2012-06-29 10:02:42)
100.  青い夜明け
アイルランドの田園風景、海岸なんかほとんど『ライアンの娘』のまんま。日傘の代わりに帽子が飛んだ。このヒロインのハッキリした眉毛に記憶があるんだけどなんだったかな(『おかえりなさい、リリアン』?)。ちょっと気の強い感じ。憧れのヒュー・グラントは伯母の評によると「美男だけど内容はカラッポ」で、気の毒だがハマってる。メイドがダニー・アイエロそっくりで笑える。平穏なときが終わる予感。やがてこの家も売られることになってて、こういう没落感に敏感なのがあちら英国の映画。そうなるとA・ホプキンスだ。革命家でありつつどこかウンザリしかけてるところもあって、投げやり。彼を通して、政治や暴力、圧政や民族主義やなんかがぶつかりあう、歴史がきしんでいる「現代」に出会っていくわけ。ちょっと人物の配置がはっきりし過ぎてたか。
[映画館(字幕)] 6点(2012-04-20 09:58:04)
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