Menu
 > レビュワー
 > かっぱ堰 さんの口コミ一覧。2ページ目
かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1252
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順12
投稿日付順12
変更日付順12
>> カレンダー表示
>> 通常表示
21.  海賊とよばれた男 《ネタバレ》 
何の予備知識もなくほとんど偶発的に見たので、どういう映画かわからないまま最後はどうなるのかと思いながら見ていたが、エンドロールに実在の社名が出てやっと何のことかわかった。原作は長編小説とのことだが映画としてはダイジェスト感が強く、特に登場人物については観客側の自主的補完にかなり頼っている気がする。 また全体として石油元売会社の社史なのか、創業者の一代記なのかが不明瞭である。実在する会社の沿革であれば「日章丸事件」(劇中では日承丸)で意気を上げたところで切り上げてもいいはずで、その後の後日談の意味がよくわからない。原作のどこを取り上げて構成するかの問題だろうが、少なくともこの映画ではせっかくの女優陣(綾瀬はるかと黒木華)が半端な登場人物に終わっていたようで残念である。  ところで個人的に「日章丸事件」のことは知らなかったが、これは憶えておいてもいい話だという気がした。巨大資本の脅しに一歩も引かず、また映像的な誇張はあるにせよ、横暴なイギリス海軍を相手に真っ向勝負というのは非常に痛快だった(単純に気分がいいだけでなく歴史的意義もあったようだが)。昨年は日本が関わる国際的美談の映画が同時に2つ公開されて両方とも微妙な印象だったが、今回のこれは日本人の心意気を示した点が素直に心地いい。 また個人的には船の映像が多いのがよかった。手漕ぎの舟から発動機船、復員輸送艦(駆逐艦神風)、大型タンカーに英軍艦(ベイ級フリゲート?)が映り、タンカーの進水式もそれらしい感じを出していた。どこまで特殊効果かわからないが素人的には出来に文句をいう気にならず、こういった映像面での印象が映画の価値を高めていた気がする。 ちなみに主演俳優の老け顔には特に違和感がなく、これはこういう男だ、という雰囲気は出ていたように思う。  追記:社歌の背景に必ずBGMが入って邪魔していたのは確かにわけがわからない。これはサントラCDを買って聞けということか。
[映画館(邦画)] 7点(2016-12-24 09:45:08)
22.  帰ってきた手裏剣戦隊ニンニンジャー ニンニンガールズvsボーイズ FINAL WARS<OV> 《ネタバレ》 
TVシリーズ終了後の特別編Vシネマとのことで、劇場公開の場合の時間的制約がないということなのか、サイズ的に55分もあって内容が充実している。序盤のニンニンガールズの大活躍がいきなり爽快で、なぜか突然アニメ化する場面もあったが個人的には実写の方がかわいく見えた。 今回はゲストが豪華なようで、中山忍という人は戦隊ヒーローの母親役にはさすがに若すぎる気がしなくもないが、もしかすると名前でキャスティングされたということか。またミドニンジャーの人は戦隊ヒロインとしては明らかに違和感があって笑いを誘うが、本編を見ていた人々にとっては声優の顔出し出演ということになるらしい。もう一人、敵方のおふくろさん役の声優も顔見せしていたようである。 今回も当然ながら視聴者を楽しませようという意図が前面に出ていたようだが、物語に込められた一応のメッセージとしては、夢は誰のものでもなく自分のものだからその気で頑張れ、ということらしく、そういうことなら番組終了後(いわば卒業後)の後日談にふさわしい。かすみ姉(個人的にファン)には自分としても研究者の道でがんばってもらいたいが、今回は可愛いアイドル姿を見せてもらって大変よかった。 ラストで「冠婚葬祭の時」にまた集まるようなことを言っていたのは現代日本の生活感が出ているが、シリーズはこれで本当に終わりということらしい。エンディングでの御礼と年少の視聴者への励ましを見ていると、自分は対象外だと思いながらも嬉しくなる。
[DVD(邦画)] 6点(2016-11-10 20:34:28)
23.  海難1890 《ネタバレ》 
まず前半では、海難と遊興の対比が意味不明だとか、悪人が突然転向して本当はいい人だったことになるといったマイナス要素が何かと多いが、そういうのも感動物語に紛れて見過ごしにしてしまう面がなくはない。一ついいと思ったのは、日本人は相手に頭を下げられると頭を下げ返さずにはいられない人々だというのを映像化していた場面だった。 しかし素朴な疑問として、両国の民に共通のメロディがスコットランド民謡(誰かさんと誰かさんが麦畑)だったというのは実話なのか。2013年の別の映画でも似たような場面があったが、それは当の相手国の歌であり(蛍の光/Auld Lang Syne)、かつ原歌詞がその場面に合っていたからこそ感動的だったのであって、トルコ人相手に同じことをしても違和感しかない。表層的な文化は違っても、人の心は間違いなく通じたというだけでいいのではないのか。 また劇中の海難救助が「村人たちにとって当たり前のことなんだ」というのは紀伊大島に限らずその通りと思うが、それなら助けられた当人を相手にして、これでもかこれでもかと恩を着せるようなことを言うものではない。トルコ人は船が難破すると生存者を殺して財物を奪う民だとでも言いたいのか。自分の善行を強調しすぎて相手を貶めている。  後半に関していえば、日本人も陸路で逃げればいいのでは、という素朴な疑問を解消しようともしないまま、トルコ人の一部を排除してまで日本人が割り込んだ形になっていたのは非常に抵抗感がある。助けられたのは事実であるから感謝しなければならないが、そもそも日本国政府とナショナルフラッグキャリアの尻拭いを他国にやらせておいて、それは恩返しだから当然だ、というような映画を作ったのは日本側として恥ずかしくないか。そんな根性でよくも前半では偉そうに説教などしたものだ。 加えて、緊急時に怒鳴るばかりで妻子を危険にさらすような男を、よりによって真っ先に助けるなどという展開は全く受容できない。男児が泣いていたのは父親が激高していたのが原因だろうが。自分だけ残って死ね馬鹿が。  以上、ネット動画で見ていればいいものをまともに映画化などするような話か、というのが正直な感想だった。点数は日本人とトルコ人の友情のために入れておく。ちなみに個人的には自室の壁にトルコの青い目玉の魔除けを3個も飾ったりして親トルコ派のつもりだが、最近は何かと物騒な国になってしまったのが悲しい。
[DVD(邦画)] 5点(2016-07-30 21:40:59)
24.  カルト 《ネタバレ》 
この監督のフェイクドキュメンタリー路線の一作かも知れないが、今回は本人役の芸能人を主要人物として出したことで、初めから作り物と割り切って見られるものになっている。途中からフィクションの印象がさらに強くなり、後半になって登場する霊能者は明らかに役者が演じていた感じだが、今度は逆に最初からいた芸能人が現実との接点を残す形になってフェイクドキュメンタリー風味が持続する。序盤では見知った芸能人のユーモラスな会話が面白いが、後半はあからさまにマンガっぽい人格を役者が白々しく演じるのが可笑しいなど、笑いの種類でも前後半に違いがあったように見える。 またストーリーとしては、最初から最後まで一応筋が通っているようでいて、途中で微妙な齟齬が生じていた気がしなくもない。最後が唐突に打ち切りになるだけでなく、途中段階で基本設定を変えながら延長していく(話も次第に大きくなっていく)といった点でも他ジャンルのパロディになっていたかも知れない。 他の同種映画と比較すると、例えば「オカルト」が純正フェイクドキュメンタリーホラー、「シロメ」がフェイクドキュメンタリーホラー風アイドル映画だったとすれば、これはフェイクドキュメンタリー風のホラーコメディ(マンガの実写化風)というところか。複合的でなかなか整理が難しいが、さまざまなエンタメ趣向を盛り込んだサービス満載の映画と思えばいいかも知れない。 ただし最後はちょっと何とかしてくれという感じで、ここまでに一応ホラー映画の体裁ができているのだから、これはさすがに少しおふざけが過ぎる印象があった。そういうものにどこまで乗れるかという問題もあって、個人的充足感としては「シロメ」に負けているという結果だった。
[DVD(邦画)] 5点(2016-06-23 19:44:59)
25.  渇き。(2014) 《ネタバレ》 
オープニングがマンガじみたハードボイルド調で、昔の刑事ドラマのような大都会に沈む夕陽の映像も出ていたが、その大都会が新宿副都心などではなく、さいたま新都心というのは微妙な滑稽さを出していたかも知れない(現地感がないので想像)。本編では相手構わず喧嘩を売りながら暴走する主人公が痛快で、劇中世界が異常なだけでなく本人からしてかなり非道な輩に見える。しかし鑑賞者の倫理基準の隙間をくぐるような展開のため、善悪がどうとか言わずにとりあえず面白がって見ているか、という気にはなる。妻夫木聡のぶっ飛び方が非常にいい。 しかし最後は雪山の場面でクールダウンさせられてしまい、また観客の感情移入先を元担任の方に振り替えたような形で終わるため、結局は一般人の常識的な世界に回帰したような印象もあった。考えてみれば劇中人物の全員が異常だったのではなく、元担任のほかに高校の同級生(橋本愛)など、意外にまともな面を見せる人間もいたのだが、それが異常な劇中世界に見えたのは、主人公の目で歪められた世界がそのまま映像化されていたせいかも知れない。こういう異常な人間につき合っていると自分も変になってしまうということだ。 現実世界でも未成年者がヤクとかウリとかいうものに関わる機会は多くなっているのだろうが、だからといってそれが当たり前でも普通でもないわけである。やはり善良な市民としては、煽情的な報道や下劣な映画などに惑わされることなく、一般常識をしっかり持って平和な社会を維持するよう努めなければならない。そういうメッセージをこの映画が発していたかどうか不明だが、自分としては勝手にそのように受け取った。非常に陳腐な感想だが。  ところで主人公の娘は本当に死んだということでよかったのか。劇中では2つの時間系列が並行していたこともあり、どこに出るのか出ないのかわからないバケモノのような印象を生んでいた。死んでも殺してもしつこくまた出て来そうで、貞子とか「富江」のように扱えばホラーシリーズ化するのではないか(富江のイメージに近い)。この人物だけはそもそも人間扱いする気にならなかった。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-29 08:34:01)
26.  かぐらめ 《ネタバレ》 
冒頭で「都留市制60周年 協賛映画」と表示されるからにはご当地映画だろうが、そのわりに地元PRの意図はほとんど感じられない。それ自体はいいことだと思うが、あまりに欲がなさすぎのようで、さすがにもう少し都留市というのがどういうところか見えるようにした方がよかったのではと言いたくなる。 ストーリーとしては納得できない部分が非常に多く、また素人ながら神事というものの扱いが本当にこれでいいのかという疑問もあって、素直にいい映画だったとは全くいえないのが残念である。しかし生真面目な印象があることも間違いなく、見る人によって共感できる部分も多いだろうとは想像する。エンディングの雰囲気(テーマ曲)はかなりよかった。 キャスティングとしてもいい役者を揃えたようで、決して見どころのない映画ではないだろう。主演の武田梨奈という人はこれまで知らなかったが(「ワカコ酒」という言葉だけ知っていた)感じのいい女優で、この映画では笑顔があまり見えなかったのは惜しいかも知れない。ちなみにご当地映画としても、もう少し楽しい場面があってよかった気がする(うちの地元の映画で、あまりにシリアスな内容だけのため怒ったことがある)。 なお疑問点として、陽子という人が神楽の後に一人で去ったのはどういう意味だったのか。これで本当に父娘のもとから消えてしまったのならこの人が哀れであり、またこの先にあるべき家族の再生というようなことを見通す上でも不足が生じる気がする。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-12 20:02:10)
27.  ガールズ・ステップ 《ネタバレ》 
原作をそのまま映画化すると「幕が上がる」(2015)との違いが出なかったかも知れないが、映画ではより一般向けにアレンジして、多くの若年者が共感できる青春物語にしたように見える。少なくとも序盤は普通にほのぼのして可笑しく、フェスティバル出演のあたりまでは素直に楽しめる。「××JK」のJKはいわば職名のようなものだろうが一定の敬意も感じられて面白い。 しかし屈託ないのは前半のうちだけで、あとは意外にも重い話が続く。何で女子高生の話となると妊娠事件など出さなければ気が済まないかと思うが、主人公もまたすぐそこに答えが見えているのに気づかないのが非常にもどかしく、八方美人という設定らしいが強者に媚びているだけのようで説得力がない。また片思いの問題がどのように処理されたのかも不明瞭だった。 しかし全編の何か所かに感動ポイントが設けてあって泣かされるのも間違いない。「…自分のダンスを踊れ…」というのは万人向けの処方箋ではないだろうが、劇中人物のようにつぶれそうになっている連中がいるなら自分としてもそのように言ってやりたくなる。その上でみんなのためにということも考えればいいだろう。  ところで登場人物のうちメインのJKは原作でも5人だが、映画では劇中人物というより女優5人がそれぞれ存在感を出せる形で補正したようにも見える。 まず秋月三佳さんは予想を裏切らない感じだが、小芝風花さんはついこの前は可愛らしい魔女役だったのに今回はかなりシビアな役柄で、見せ場での渾身の(多分)演技には泣かされた。小野花梨さんは南極料理人のわがまま娘よりも大人になって個性がより前面に出ており、この人の見せ場にも泣かされる。上原実矩さんはヤンキー女子ぶりがベタだが「暗殺教室」とのギャップはかなり大きかったりする。また主演の石井杏奈という人は、ダンスはこの中で第一人者だろうが容貌としてはけっこう普通の(普通に可愛らしい)女子に見え、こういうと失礼だろうが他のキャストから突出して見えないのが全体の調和に貢献している。ちゃんと一人ひとりが主役になれそうな感じの映画なのは嬉しいことだった。 なお終盤でコーチを見送りに来ておいて、一度そのまま帰ろうとした場面は笑った。若いので対人関係の取り方がいい加減とも取れるが、若いからこそドライに心機一転して次のステージを目指すラストへも素直につながるように見えた。
[DVD(邦画)] 6点(2016-03-27 00:25:14)
28.  神さまの言うとおり 《ネタバレ》 
個々のエピソードを面白く映像化するのが主眼とすれば見られなくはない。「悪の教典」よりはよほどましに見える。個人的には登場人物の心理が結果を左右する白熊が一番面白かった。ここで主人公が自分の好き嫌いを言われた反応は少し可笑しい。 登場人物についてはヒロインを含めて別にどうなろうが構わないと思うような連中ばかりだったが、唯一かわいそうだったのは一応のドラマを背負った形の高瀬翔子だった。これが終盤の年少者向け教育的メッセージにつながった形のようだが、そういう教訓的なものはあまり真面目に受け取る気にならない。 そのほか原作由来の背景設定や登場人物を意味不明なままで出すのが目障りだというのは同感である。これがないと納得しない原作ファンがいるということなのか、あるいは続編があるのか。
[DVD(邦画)] 5点(2016-01-11 22:36:22)
29.  がじまる食堂の恋 《ネタバレ》 
どうやら性別で観客を選ぶ映画のようである。内容としては登場人物の繊細な心理描写がなされているということらしく、日頃こういうものに親しんでいる人ならこれでいいのだろうが、自分が見る限りは面倒くさくてたまらない。嘘と秘密と不意打ちのせいですれ違うばかりで、「わかるかよ」と怒鳴って終わりにしたくなる。 また四角関係の中で恋愛関係に発展した2人以外は切り捨てられた感じになっていたが、うち男1人は自分で身を引いたのでいいとしても、謎の美女の方は完全に捨て石のようになってしまったのが哀れである(帰りの飛行機では泣きどおしで客室乗務員に呆れられただろう)。そもそもこの人は企業経営者の婚約者というにはあまりに女の子じみており、もしかすると同性の観客からは排除されることが期待されるタイプであって、最初から脱落するのが目に見えていたということか。どうも登場人物の取扱いが非情である。 そういうことで基本的には共感できない映画のはずだが、しかしラストシーンはなぜかそれなりに感動的で、そこからエンドロールにつながる流れもいい。最終的には何となく見てよかったという感慨を残したのは意外だったが、監督はもともと恋愛映画を得意とする人物とのことで、この辺はやはり上手いということなのかも知れない。  なお主演女優は、近年では「潔く柔く」(2013)で個性的な美女役だったのを見たことがあるが(過去にもっといろいろ出ていたが)、この映画ではいかにも不器用で健気で側にいてやりたいが少し面倒くさい人物像を好演していたように思われる。外見的には目が印象的なわけだが、また序盤で敬語を使うのが「かもめ食堂」(2005)の小林聡美のように聞こえたのは意識していたのかどうか。 そのほか今まさに時の人のような感じの名護市長が映っていたのは少し驚いたが、この映画自体は基地建設の是非について特に見解を示していなかったようである。当然だが。
[DVD(邦画)] 6点(2015-06-21 19:20:28)(良:1票)
30.  がんばっぺ フラガール! ~フクシマに生きる。彼女たちのいま~ 《ネタバレ》 
先日、いわき市の人々とたまたまお会いする機会があったので書いておく。書いて何かの役に立つわけでもないが。  まず題名の印象からすると終始ダンシングチームに密着取材かと思うわけだが、実際には2011年春~秋の浜通りに生きる人々のドキュメント、といった印象が強くなっている。中で圧巻だったのは双葉町民の一時帰宅に同行して現地に行く場面であり、これは地元民の解説も付いて非常に臨場感のある映像になっている。ウシはいるわダチョウはいるわで大変だが、自宅周辺から発電所の一部が直接見えているのはさすがに慄然とした。 ただしそういったことで誰かを声高に非難するようなものではなく、また悲劇性ばかりを強調するわけでもなく、映像に出ている人々がみな穏やかに自然体で前向きなのが清々しい。ドキュメンタリーにしても意図的にそのように作ってはいるのだろうが、それでわざとらしいと思えることもなく、特に中心人物として登場するサブリーダーが おっとりした感じで気の優しい人に見えるのは心和むものがあった。   また全体構成としては、最初が全国公演で始まって、最後は2011.10.1の部分オープン時のステージショーの時点で終わっているが、これは当然ながら「フラガール」(2006)を意識していたと思われ、映画で描かれていた出発点をここでまた再現したようで、見ている側としても感無量といったところだった。このステージショーの場面を見ていると、ここまでこぎつけた関係者の尽力はもちろん、お客の方もまだ半年でよくこれだけ集まったものだと感心するが、大変な時だから歌舞音曲は停止などといわずにお客自身が楽しむことで、ダンシングチームの人々や会社にも元気になってもらうのが本当の支援ということを納得させられる。 現在でもダンサーはほとんどが地元出身者とのことで、最初から今まで地元貢献ということで一貫しているらしい。こういう困難な時期であればこそ、初心に帰って地元と共存共栄しようとする事業者がいてくれることは地元にとって何よりの財産であり、このことで個人的には いわき市というところが何とも羨ましく思われた。
[DVD(邦画)] 8点(2014-10-01 23:57:34)
31.  仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダー THE MOVIE 超・電王トリロジー EPISODE YELLOW お宝DEエンド・パイレーツ 《ネタバレ》 
最近の仮面ライダーは設定が複雑なため、突然これだけ見ても何が何だかわからないだろうと思っていたが、実際見るとお話自体はわかりやすい。劇中の嫌味な男にとっては何がお宝だったのか、というような話はベタだが嫌いでなく、映像に出る手紙の文章や文字の感じが微妙に泣けたりする。 ただし主人公がなぜか少年であり、また着ぐるみキャラ4人がバカばっかりで(全員バカでもないらしいが)ギャグを飛ばしまくるため、笑えるのはいいが対象年齢は明らかに低くなって見える。自分としてはこういうのを見るとヒロイン役について一言書かなければと思うわけだが、この映画では小学校高学年くらいに見える少女がそうだったのか。なかなか活発なお嬢ちゃんで大変結構でした。かわいいです。 そのほか大人の観点からは、母親役で出ていた人が個人的に好きな女優さんなので、こんな東映特撮などに出ていても一応ふさわしい役をやっているのは嬉しい。この人も可愛いお母さんでした。
[DVD(邦画)] 6点(2014-08-04 20:05:43)
32.  仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ 《ネタバレ》 
仮面ライダーWの劇場版は「ビギンズナイト」に続いて2つ目だが、話の内容としては特別面白いというわけでもなく普通に見える。劇中世界が破滅に瀕していたようだが、そもそも一都市限定の話なのでスケール感はあまりない。さすがにアクションは派手でけっこう力が入っているように見えるが、これで現代の標準ということなのかも知れない。 また登場人物について、TV版は見ていないので劇中の照井竜と鳴海亜樹子が親密になる過程は自分的には飛んでいるが、これを見る限りほのぼのと幸せそうで結構なことである。またラストでの主人公2人のやり取りなど聞いていても、何より主要人物がみな愛すべきキャラクターだということがこのシリーズの魅力だったろうと想像する。ほか今回は敵方のオネエキャラの存在が光っていた。  ところで今回も個人的には園咲若菜という人物が目当てで見ていたわけだが、前作よりは画面に出る時間が少し長いものの、終始同じ撮影現場で変化がないので面白くない。微妙に表情をつけたりもしている(ちっ、というのもあった)が、ストーリー展開には寄与していないように見えるのは残念だった。 なお映画そのものとは無関係だが、この若菜姫のラジオ番組「園咲若菜のヒーリングプリンセス」は、現時点でもインターネットラジオのサイトが存続しており、聞けば非常に心癒されるものがある。4年も前のものということになるが、これが現在もなおこの番組のファン拡大に寄与し続けているのかも知れない。
[DVD(邦画)] 5点(2014-07-24 20:24:58)
33.  GIRL ガール(2012) 《ネタバレ》 
映画の趣旨としては、要は女性としての特性を維持したまま堂々と生きていけばいい、ということかと思われる。 その具体的な中身が何かということについては、まず序盤で母から娘に受け継がれた認識自体を否定するつもりはなく、それが人生を活性化するのであれば自分の裁量の範囲でいくらでもやればいいだろうと思う。ただその際は、自己表現と同時に外部からの視点で自己検証しようとする気持ちだけは持ってもらいたいと切に願うばかりである。 また感性を売りにするのはわかるとしても、感性的に相手を取り込もうとする態度までが常に通用するとは限らない。広告代理店社員とデパート社員のエピソードでは、最後のトラブルの際に理性的な説得を試みたのがかろうじて成功し、その結果として感性面でも共感できた、というのが原作由来のオチだろうが、それがわかるようにできていたかどうか。 そもそもこの映画では女性向けに閉じられた世界を作っているようなので部外者が突っ込むのも野暮だろうが、実際のところ働く女性を現実的に励ますというよりも、観客をいい気分にさせる方が優先のように見えており、特に劇中の男連中がみなストーリーにとって都合のいい人ばかりなのはかなりファンタジックに感じられる。素直にいい話と思うのは一児の母くらいのもので、新任課長についても言いたいことは少し(かなり)ある。また原作との違いを並べ立てるのも野暮だろうが、新人社員の指導係に関してだけは、いい人そうに見えた山本さんがその後どうなったのか聞きたいところである。原作短編集ではこの話が一番笑って泣けるのだが。  そういうことで自分としては全面的に肯定するような内容では全くないが、しかし見た後の印象はそれほど悪くない。娯楽映画として単純に可笑しい場面も結構あり、また主要人物の4人以外にもいろんな女優が登場して映像的にも華やかさがある。さらにラストのナレーションで「おとぎ話は嘘じゃなくて心のギフト」とまで念を押されてしまうと、まああえて騙されるのも仕方ないかと苦笑する気分になるので、これはこれでうまく作ってあるのかも知れない。
[DVD(邦画)] 4点(2014-02-03 19:50:43)
34.  風切羽~かざきりば~ 《ネタバレ》 
公式サイトに経過が書かれているが、もともと後半のロードムービー部分を先に制作し、後に前半部分を追加して長編にしたとのことである。撮影自体は2012年だが、序盤で出ていた震災関連のニュースは2011年のものであり(4/17日曜日、気仙沼の朝市)、自分としては現実世界のこの時期に、春の明るい陽射しと裏腹に感じていた内心の不安を呼び覚まされる気がしたが、これは意図されたものかどうかわからない。  映画のテーマは“親に愛されない子ども”ということらしいが、劇中の出来事自体は個人的知見から想像しうる範囲に収まっていて特に目新しいものはないように見える。しかし改めてこのように見せられるとやはり心穏やかではなく、劇中の少女が弛緩したような荒んだ感じを全身で出しているのも痛々しい(4月中旬にこの格好では寒いだろう)。まるで世の中にまともな大人がいないように見えるのは同じ大人としてつらいものがあるが、逆に少女の境遇が周囲をこういう連中ばかりにしていると解すべきか。 今回の件で、この少女としても何かふっ切れたものがあったようではあるが、しかし少年と違って閉じられた円環からは抜け出せず、元の場所に回帰しただけのようにも見えている。劇中で生じた現世的トラブルは残されたままであり、携帯を使う営業からも簡単に抜け出せるのか怪しい気がするが、まあ根本的な解決は劇中人物というよりも、現実世界での対策如何によるというのが映画の趣旨だろう。  ところで主演女優に関しては、舞台挨拶で「あたし走るのが本当に下手で…」と言っていたが本当に下手である。自分としてはこの人をよく知っているわけではないが、よく知っている人が持つイメージとはかけ離れた役をやっているのは間違いない。前髪を下ろしたことでも雰囲気がかなり違っているが、特にこの人の顔で特徴的な目が、いつもと同じはずだが全く違う目のように見えており、冒頭では視点の定まらないうつろな表情がいきなり印象的だった。公式サイトを見れば、オーディション時にこの人がとりわけ努力家だったことも記されている。 そういったことから私情にはなるが、評点はこの人のために若干加点しておく。
[DVD(邦画)] 7点(2013-12-22 17:45:39)(良:1票)
35.  仮面ライダーフォーゼ THE MOVIE みんなで宇宙キターッ! 《ネタバレ》 
仮面ライダーというものを最後に見てから40年近くにもなる。2011年9月からのTV放送は見ていなかったので劇場版としてどうかという評価はできないが、とりあえず70年代と比べれば映像もアクションも派手で隔世の感があり、これでも比較的安上がりに撮ってはいるのだろうが、基礎的な技術が向上しているということを実感する。 また基本設定もかなり複雑らしく劇場版だけではほとんど理解できないが、ただし主人公が「ダチになる」ことを基本方針にしているのは大変よくわかった。口では言っていても無理と思えばサッと諦めるようなのは柔軟だが、気持ちが通じるとわかればまたいきなり本気になるらしく、その心意気は泣かせるものがある。これはなかなかいい奴だ。 この主人公が最後に「次は、おまえたち全員と友達だぜ!」と言っていたのはどういう年齢層に向けた発言なのかわからないが、自分にも言ってくれたと思えば微妙にうれしくなったりする。この男を含め全体としても陽性の雰囲気で、企画意図のとおり震災後の日本を元気にしようとする番組(映画)と感じられた。   ところでゲスト出演の女優にデカイエローの人が出ているのは劇場版としてのサービスだろうが、そのほか何気にハリケンブルーの人も最初から準レギュラーで出ていたらしい。ほか死んだ博士役の西田健氏は、自分の年代だと「帰ってきたウルトラマン」(1971-1972)の印象が強いわけだが(お元気そうで何より)、この映画としてはやはりハリケンジャーとの関係だろうか。 そのほか、40個のスイッチを同時に押すために友情出演が30人も出ており、これはTV番組の方に出ていた人々を揃えたとのことで壮観ともいえる。前作の劇場版でもこういう趣向があったようだが、どうやって(いつ)撮影したのか。
[DVD(邦画)] 6点(2013-11-18 19:54:36)
36.  借りぐらしのアリエッティ 《ネタバレ》 
東京都の多摩地域に住んでいる小人が外人名前で外人顔で(材木にくっついて来た外来種?)、それでいてひらがなも読めるのが何とも荒唐無稽だが、ストーリーとしてはそれほど悪くない。劇中の少年がまだ若いのに、自分の生命などたかだか67億分の1(今だと70億分の1)でしかないと悟ってしまっているのは切ない気がするが、そのことで一方的に共感を寄せた相手には厳しくはねつけられてしまったわけで、この辺はさすが生命力豊かなジブリのヒロインだと思う。 ただ、少年の方が勇気をもらったのはいいとしても、少女の種族の未来はやはり先細りという予感しかなく、最後の小川の場面で、個人的にはターミネーター(1984)のラストシーンが思い出されたのはつらいものがあった。  ところで、この映画では家政婦の存在が非常に不快なわけだが(母親も相当不快だがまあいいとして)、実はああいう素質をかなりの人間が持っており、だからこそ彼らは絶滅しかけているという想定なのだろう。子どもの頃なら昆虫や小動物を虐殺するのはよくあることで、姿が人間に似ていれば余計に虐待のしがいがあるはずだ。大人はさすがにそういうことをしないのが普通だが、あの家政婦はもともと性質が自然人に近いため、虐待衝動がモロに出てしまっただけだと思われる。ここは家政婦を罵って終わりにするのでなく、人類すべてが自戒すべきということなのだろう。 しかし、今回の件であの家政婦を解雇したりすれば、近隣に悪口雑言をふりまいて嫌がらせの限りを尽くすのではないかと考えると、やはり出来が雑な人間はどうしようもないと思ったりする。まあ世間も人を見ているので、全部が全部真に受けるわけでもないだろうが。 そのように考えていると次第に話がそれてしまうが、とにかく最終的にはそれなりに面白いという印象が残ったのでそれなりの評価にしておく。
[地上波(邦画)] 5点(2012-02-18 22:39:36)(良:1票)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS