21. キタキツネ物語
はじめて見たキツネの映画。動物映画としても音楽映画としても魅力があったと思います。主役のキツネは犬くらいの大きさに見えますが、本物はとても小さい。そんな彼らを見つけるだけでも大変なことで、1本のドラマ仕立ての映画にするまでには何度も監督の交代があったとか。人間は自然や野生動物を脅かす存在であることを表現するためにキツネにストレスになることもなされていますが、長時間待つことを強いられる動物写真家や動物映画製作者の仕事は本当に動物が好きでないと出来ません。フレップやレイラやこどもたちの歌がそれぞれあり、サントラが今でも出されているのはいい曲が多いからでしょう。黄金色のキツネの住む国には彼らを愛する人がいます。 [映画館(邦画)] 7点(2010-02-04 07:12:34) |
22. きつねと私の12か月
ドキュメンタリーの「皇帝ペンギン」と違い、少女リラの描写はメルヘンチック、きつねテトゥはドキュメンタリータッチの不思議なブレンド。シニカルな評価もきかれる作品ですが、それもわからないではない。クギをさしているとはいえ本来好ましくない行為であるはずのリラの行動をこんなに楽しそうに描くのは。「きつね(野生動物)は可愛いけれど飼いならそうとしちゃいけないよ、会いたくなったらこの映画をみてね」ってことかな。それでも誰もが親しみをもてそうな、きつねのような赤い毛でそばかす(この素朴なルックスが作品をしっかりガード!)のリラが名の色の服をきて美しい自然の中を歩き回る1年につきあうのは無意味な時間ではないと思います。少し加工されていますが、本物の自然の映像は貴重。この国のサイトはもう閉じていたのでフランスのサイトから壁紙をもらってきました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-02-03 10:44:19) |
23. キング・アーサー(2004)
「アーサー王」をこんな魅力のない映画にするなんてどうかと思います。いくらキリスト教義ドップリで面白味が少なくてキャラの魅力が薄くても、代表的な騎士物語ですから。 [映画館(字幕)] 5点(2009-11-08 09:31:57) |
24. きのうの夜は・・・
このデミが一番自然かもしれない。恋する女の子のアンビバレンス。他の3人もいいし、80年代的な作りではあるが悪くはない。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-10-07 05:52:37)(良:1票) |
25. キング・コング(2005)
《ネタバレ》 ヒロインの生贄台まで五輪の聖火台なみに派手な、ピーター・ジャクソンのワンマンショー。ナオミ・ワッツの2代目アン・ダロウは不死身の肉体と母性愛を併せ持つが、どこか存在感が薄い。ジャック・ブラックはここでもマイペース。恐竜や巨大昆虫にも力を注いだためコングの特殊性が薄れ、重力を考えれば身のこなしも軽すぎる。エンパイアステートビルの空中戦は上空の空気感さえ感じさせ、大都会の唯一の自然である大空の描写はコングの存在の小ささも強調し哀しいほど美しい。コングの落下後すぐジャックの出番!ていうのは旧作にならっているのであっても醒めるし、オリジンに忠誠を誓ったデナムの台詞も両刃の剣。「33年版はコングとアンの心の触れ合いがあったが76年版にはなかった」って…ホラ吹くんじゃないっ!製作費2億700万ドル。 [映画館(字幕)] 7点(2009-08-15 06:56:17) |
26. キング・コング(1933)
さらった小人ガリバーを手に屋根の上に登る巨人の国の大猿がモチーフともいわれる初代コングは、20世紀前半のセンス・オブ・ワンダーに溢れ、「メトロポリス」と並び圧倒的な完成度を誇る。だがカール・デナムに言わせる「美女が野獣を殺した」との台詞には疑問を覚えるし、フェイ・レイの悲鳴に後半飽き、コングの顔も怖すぎる。製作費43万ドル。 [ビデオ(字幕)] 7点(2009-08-15 06:44:28) |
27. キングコング(1976)
《ネタバレ》 ユニヴァーサル作品ではないこともあり他の2作とは扱いの違う2代目だが、わが最愛の巨猿はモデル・アニメーションとCGにはさまれ、いささか分の悪いこの着ぐるみコング。新たにドワンの名を得たヒロイン、ジェシカ・ラングのコケットリー、滝やタンカーのシークエンス、今はなきワールドトレードセンタービル登攀と70年代的なアレンジがされ、ジェフ・ブリッジスとチャールズ・グローディンの白黒対決も明快。コングを死に至らしめる人物を自業自得に消し去り、ラストの無慈悲なセリフを省いたのも正解。「私をはなさないで!」が胸をつく。製作費2370万ドル。 [映画館(字幕)] 8点(2009-08-15 06:19:33) |
28. 恐竜伝説ベイビー
これもそんなに悪くないんだけど、すっかり埋もれちゃってますね。正統派特殊効果ファンには無視されてそうな作品ではありますから。ウィリアム・カットとショーン・ヤング主演ということだけでも、かなり価値があると思うんだけどな。あの映画の前なので、子恐竜(象さん足がカワイイ!)はライブ・アクション、親恐竜(大きいです…)はメカニカル・エフェクトです。 [映画館(字幕)] 6点(2009-06-17 01:28:37) |
29. キングダム・オブ・ヘブン
「グラディエーター」は素晴らしかったが、どこかR・スコットらしくないと感じた。大方が感動できるようにきっちりと抜かりなく作られていたせいか。これはそういう意味でははるかにスコットらしく放縦といえる。主人公バリアンのアバウトさも感動など強要しているわけではないし、矛盾をはらんだ彼は実に人間臭い。戦闘シーンの描写はますます芸術的といってもいいほどだが、それにかぶさる音楽は勇壮ではなくまるで鎮魂歌。虚無と寂寥が漂う。常に雲が輝く空も天の王国という具象を思わせ、かつてS・ヤングを最高に美しく撮ったように、美女E・グリーンをレンズにとらえるさまは監督の深い悦びが感じられる。クルセイドを題材にしても歴史絵巻的なものにはならず、スコットの美意識に貫かれた、それだけに脆弱さも内包する作品ではあるが。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-04-29 18:02:05) |
30. キューティ・ブロンド
彼女のポジティヴィティはけして否定されるべきものじゃないんだけど…猫型ブリジットとは正反対な犬型のエルもあんまり得意じゃない。ELLE(彼女)って名前は好きです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-07-15 14:43:39) |
31. ギャラクシー・クエスト
《ネタバレ》 「スクール・オブ・ロック」と同様に、既成のカルチャー(?)をバックボーンとして内包するギャラクエ。お笑いを期待しつつ駆けつけたが、夢破れるマセザー&クエレック絶命に思わずボロ泣け。しぼんだハートしか持たぬアーシアンたちが徐々に生気を取り戻す様も観客に希望と勇気を与えずにはおかない。オタクとピュアネスの際どい境目をあえて縫い合わせる2本柱の脚本に抜かりなく、ツワモノを揃えたメインキャスティングも値千金。J・ゴールドスミスのSTのテーマをライト+キッチュにアレンジした「GQのテーマ」がコスミックに鳴り響く。 [映画館(字幕)] 8点(2006-06-10 14:08:11) |
32. 木靴の樹
ゴッホやミレーの絵でしか見たことのない、過ぎ去りし時代の貧しき農民の生活。蝋燭の光だけで撮られた夜の小屋のうちに、素朴に日々の暮らしを営む人々の姿がほのかに浮かび上がる。二つのベッドを括り付け設えられた新婚の新床。贅沢なものは何ひとつなくても、土と寄り添う彼らが不幸せとは思えぬのである。履く靴のなかった少年ミネクがことのほか愛らしい。 [映画館(字幕)] 7点(2006-02-27 21:44:35)(良:1票) |