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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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21.  キサラギ 《ネタバレ》 
この映画を再見しようと思ったキッカケは何だっただろうか。 脚本の古橋良太なら「三丁目の夕日」で感動し、 監督の佐藤祐市ならカーリング映画「シムソンズ」の面白さに心打たれた事がキッカケだった。 それに「シムソンズ」でも佐藤祐市と組んだカメラマン川村明弘の仕事振りに心を揺さぶられたからなのです。  「キサラギ」の窮屈さが苦手という人にも開放的な「シムソンズ」をオススメしたいし、心の中をさらけ出しつくす「キサラギ」か人間の善良さを信じ抜く「シムソンズ」か。好みが分れるのも無理はないだろう。 いずれも“嘘”をひっぺがして“真実”をさらけあう面白さ。  俺はこの映画に対して散々罵ってきた。あなた方は「一貫性がない」とか「手のひら返し」とか、散々に私を罵る事でしょう。 それを覚悟で、俺はこの映画を見直し素直に面白いと思えた感動のもと、この映画のレビューを再び書いていきたいと思うのです。  エレベーターでふと現れた独りの男。何もない屋上、回る鉄の音、室内の異様な“暗さ”。 その暗い理由も、クライマックスで“真実を語る”ように煌く星々を際立たせるための漆黒だった。  匿名掲示板という偽りの自分、直接顔を合わせる時も“仮面”を被ったまま。一人、また一人集まるアイドル(偶像)に魂を奪われた人々。 クールを装う男、流される男、話に置いてきぼりをくらう男、明るすぎる男、何かを押し殺しているような男たち。  織田裕二「いいじゃないですか~」 「踊る大捜査線」では「真下正義」として活躍したユースケ・サンタマリアの鉄仮面。  パーティー気分だった主催者に対して、他の人間は真面目に追悼。でも何処か冷めた様子。 その理由も伏線。泣く男と冷めた男たちの違い。初見時の俺は、その辺の巧さを見逃し、完全に忘却していたらしい。 この映画は脚本の映画だ。確かに再見して映画的演出が冴え渡っているシーンが多いのがよく解ったが、やはりクライマックスの“あの瞬間”を盛り上げるために脚本が頑張っているのです、セリフの一つ一つで頑張っている映画です。  その一つ一つをより鋭く効かせる映画的演出の数々。  カチューシャという遺品、コレクションという火種、出入りは自由だが“ある瞬間”には閉ざされ密室を作り上げる。窓の外の雨、一触即発の緊張。 ド突き合い、ナイフ、右手に輝る切っ先、指紋でベッタベタになる遺品たち。 それに中々ハッキリ写されないアイドルの顔。 「シムソンズ」もまた主人公が憧れるアイドル的存在に影響を受ける作品だった。 あの映画は最初から顔や行動をハッキリと映していたが、この映画は“あの瞬間まで”徹底的に顔を映さない。  腹痛のせいで事情を中々掴めず除け者にされる塚地。この映画の“デブ”は最初憎悪の対象として描かれる。 あの頃の俺「貴方ちょっと黙ってて!」 初見時の俺は、その空気に犯されていたらしい。何故あれほど塚地に殺意がわいていたのか何となく理解できた。 だって農家なのに腐ったりんごパイ食って腹下すの?なんて思ったりしてさ。  本当にウザかったのは真下正義の方だったのにね。 あと警察仕事しろ。  今は後半で“化けの皮を引っぺがして”大活躍する塚地の演技力を賞賛したい気分だ。 「嘘だっー!!!!」と思わず叫び「何でもいいや」と諦めながら。  ほらおまえらヌード(幼女)だぞ喜べ。  回想を語るアニメーションは「シムソンズ」の頃から登場。  散乱する食い物、手紙、ストーカー、モヒカン、クッキー、エロムードになる照明、ダンボール、キャンドル、椅子を掴んでぐるぐる。  ここまでセリフばかりだなあと思っていると、あのクライマックスの素晴らしさで一気にもっていかれる。 黄色いクッションが“スイッチ”になり、満点の“星空”が語る真実!!彼等は嘘をついていなかった。 俺は何故このシーンを見逃していた!?おおおあの頃の俺のクソ馬鹿野郎があっ!!  そんな俺のように初見時と再見時で印象がガラリと変わったという体験がある貴方。 ラストの如月ミキと一緒に踊って嫌な気分を発散してしまいましょう。
[DVD(邦画)] 9点(2014-09-07 19:55:57)
22.  キック・アス 《ネタバレ》 
再見。  雲を突き抜けるようなオープニング、男の回想・赤いマントをまとい、ヘルメットを被り、地にダイブする。タクシー「解せぬ」。 ある男が叶えられなかった夢、誰もが抱えているかもしれない夢に挑戦したいという想い。  この「KICK-ASS」は、そんな夢に向かって拳を血に染めていく男たちの闘いを描いていく。とにかくぶっ飛ばせ!  ご機嫌な音楽とは対照的な冴えない男子友達が二人いるだけでも充分やで、辛いことはオナッて忘れる、熟女でイケるとかレベる高すぎだろおまえ、ゴミ箱は息子を発射する捌け口に。  民族wwあるある。  あこがれの女性、僕は普通の人間さ。 スパイダーマン「おう」 第9地区「せやな」  突然すぎる死、車が横切るように変わるカット、物騒なオッサンがいるから話もできない、カツアゲ、見て見ぬフリ…そんな自分に腹が立つ!生まれ変わりたい!  ネットで誰でもコスチュームを買え、ヒーローの「真似」はできる時代。彼はそんな時代にちょっとした冒険に出る決意をかためる。  そしていきなりマフィアが小指をペンチで潰されようとしている尋問、友達になりたくても親のせいでなれない。  凶暴なツインテール少女の逆襲。ダーティ・ロリー。 秘密兵器、マスクが幼い少女と青年に勇気をくれる。おっかない銃を構える強面のオッサン連中に殴り込める勇気を!好きなこと(銃殺)。 弾丸、拳銃、鉄拳、健脚、包丁をブチ込みまくる!  暗闇で炸裂する銃撃戦、死を乗り越えて受け継がれる復讐の意志、闘う決意。たった一人で二挺拳銃と鋼の拳で殴り込む大乱闘!高らかに鳴り響く「荒野の用心棒」の音楽!  「何も問題ありません(だからバズーカ貸して)」 「こんばんわー(バルカン砲)」  男女平等キック!男女平等首絞め!男女平等机に叩き付け!男女平等パンチ!男女平等バズーカシュートオオオォォォッ!!!汚ねえ花火だ。これ絶対入ってるよね。  絶体絶命の危機に駆けつける“戦士”の一撃。ジョン・フォード「捜索者」の如く命を抱きかかえ家に帰ろう。  初めての学校は鉄拳でご挨拶。  「俺の出番を待ってろよ!」
[DVD(字幕)] 9点(2014-08-24 08:18:36)
23.  恐怖の報酬(1953) 《ネタバレ》 
クルーゾーは「悪魔のような女」の方が好きだが、この作品も傑作。ねっとりした恐怖を味わうアンリ=ジョルジュ・クルーゾーの問題作。 ストーリーは至極単純、職にあぶれた男たちが「金のためならなんだってやる」という映画。 金も無く餓死するくらいなら、死んでもいいから一時の金と食事にありつける仕事を引き受ける。それがこの街の男たちだ。 ファーストシーンから素晴らしく汚い(褒め言葉)出だし。虫の群れにそれで遊ぶチ●コ丸出しの子供。 一瞬「これ別の映画?」と戸惑ってしばらくすると、おっぱいの飛び出そうな女の子が酒場の床を拭いているではないか! よかった!フランス映画だった!!(安心するところがおかしい)  最初1時間はひたすら登場人物の掘り下げ。 この丁寧すぎる掘り下げが後の恐怖を盛り立て、尚且つ酒場での緊迫したやり取りや燃え盛る油田の描写など退屈させてくれない。 毒蜘蛛?そんなもん足で殺っちまいな!  そして残り1時間30分に渡る恐怖の大仕事。 油田の火災にはニトログリセリンの大爆破が一番(どういう事なの) わずかな振動でも全てを吹き飛ばす悪魔の液体ニトログリセリン。 時限爆弾はまだ猶予があるが、今度の爆弾は何時でも運び屋を皆殺しに出来る。常に体にまとわりつくような粘っこい戦慄。 “橋”のスリリングな出来事からマリオとジョーのコミカルなやり取りで癒された。 もう完全にヒロインですジョーのおっちゃん。 仕事を受けた運び屋は二組、ニトログリセリンという爆弾は人の心も破壊するのか? しかしニトログリセリンは岩も破壊すれば、人の心の壁も破壊し、一時の安息も破壊する・・・恐怖を味わう間も与えずに。 爆風で吹き飛ぶ巻煙草、焼け焦げた爆発の跡の生々しさ、屍人の骸が眠る黒い沼、ぶらんぶらんの足、そして踏ん張る杭。 それでも男たちは仕事をやり遂げる。たとえ最後の一人になろうとも。 ただ一つ言えるのは、爆弾が人を殺すのでも、車が人を殺すのでもない。 それを扱う人間が一番の殺人者なのだから。 ・・・でも正直言わせてくれ。あんな終わり方したら恐怖を通り越して笑っちまうよ。だからこれだけは言わせて欲しい「クソワロタ」と。 何だったんだよ今までのカッコイイ主人公は。俺も思わず卒倒したくなったわ。俺の涙を返してくれ。 そんなワケで、俺はウィリアム・フリードキンの「恐怖の報酬」の方が好きです。
[DVD(字幕)] 9点(2014-06-07 23:48:18)(良:1票)
24.  恐怖の報酬(1977) 《ネタバレ》 
ウィリアム・フリードキンの映画で唯一面白いと思えたのが、皮肉にも世間での評価が低いクルーゾー版「恐怖の報酬」だったとは。 いや、この作品こそ俺が求めていたウィリアム・フリードキンの映画だったのだろう。  それに、俺はクルーゾー版の「恐怖の報酬」におけるラストに大きな不満があった。 最初から最後まで退屈する暇も無いくらい最高の映画だったのに、あの幕引きだけは納得いかなかった。  あとどうでもいいんだけどさ、クルーゾー版のピチピチタンクトップにマフラーだけの格好が好きじゃない。熱いのは解るが、上半身まっぱの方が涼しいよな?中途半端に肌にくっついてて気持ち悪くないの?何て事を思ってしまった。 モチロン「悪魔のような女」は文句なしの大傑作です。  登場人物の掘り下げはクルーゾー版は人間ドラマしての面白さがあったし、フリードキン版はドキュメンタリー風の味わい。 他のフリードキン作品は、そのリアルタッチが真面目すぎてちょっと退屈に感じてしまった。けど、今回はダルむ事無く終始退屈する事が出来なかったんだ。  淡々とポンコツのトラックをチェーンナップする描写。爆弾を運ぶトラックは、下手をすれば運び屋の棺桶となる。その棺桶になるかも知れないトラックを黙々と整備していく様子に痺れる。 命にかえてもやり遂げなきゃならない事がある。金のため、夢のために。 そこにはジャン=ピエール・メルヴィル作品のようなプロフェッショナル集団しかいない。  嵐の中の渡橋シーンのスリル。橋が崩れ落ちるか落ちないか、渡り切れるのか渡りきれないのか。嵐のように吹きすさぶ風と猛烈な雨が、彼らの集中力や体力も奪っていく。、  クルーゾーは徹底的に渇いた砂、風、重油のねっとりした緊張。 フリードキンは湿り気というか、肥沃なジャングルや雨風、流れる血、濡れた刃が心臓を刺すような怖さ。正にクルーゾー版とは水と油。  例えば、中盤の渇いたニトログリセリンから流れる湿った部分。濡れた部分が「パンッ」と爆発する瞬間。クルーゾー版では固形とか液体といった部分にまで立ち入らなかった。 徹底的に渇ききった環境で液状なのは容器に入れられたニトログリセリンであり、重油であり、それに恐怖して流される汗だけ。それがクルーゾーの映画。 一方、クルーゾー版は散々濡れまくった後に渇いた大地を駆け抜ける。   最後の最後、クルーゾー版とは違う結末に俺は惹かれる。 未だに追われる不安と行く宛も定まらない者。受け取った“手紙”がその者の行き先を決める。そして現れる“追う者”たち。 主人公の運命は・・・暗示される未来は生か死か。そんな感じのラストが気に入っている。
[DVD(字幕)] 9点(2014-06-07 22:36:22)(笑:1票) (良:3票)
25.  キング・オブ・コメディ(1982) 《ネタバレ》 
「タクシードライバー」は嫌いだけど、この映画はとにかく素晴らしい。スコセッシの映画の中でも一番好きだ。  「タクシードライバー」を超えた内に潜む凶暴性を描く。 メディア社会、強いてはアメリカン・ドリームという名の理想と現実へのアンチテーゼを主題にしている。 それを世間に投げつけ痛烈に笑い飛ばす。  デ・ニーロの怪演も癖になる。 「タクシードライバー」のような肉体的な強さではなく、転んでもタダでは起きない心の強さ。 それをユーモアを交えて見事に演じきった。クレジット見るまで誰か解んなかったもん。 本当凄い役者だよこの人は。 やってる事は狂気の沙汰、ただ彼の演技からは狂気をまるで感じない。 子供がドタバタはしゃぎまわっているような自然な面白味があるからだ。 ルパートだけじゃない。 異常な愛を見せたマーシャ役のサンドラ・バーンハードの狂演、 地のキャラを最大限に発揮したジェリー・ルイス。「底抜けいいカモ」や「画家とモデル」等でも楽しませてくれた偉大なコメディアンだ。 声だけ出演の監督のお母さんキャサリン・スコセッシも「名役者」だね。 そしてあの時代には当たり前にいたユニークな市民像。 個性に富み夢と希望に満ちていたあの時代。 そんな時代と人々は今も生き続けているのだろうか? いないのだろうか? そんな事も語りかけてくれる作品だ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-06-04 18:48:55)
26.  キングコング対ゴジラ 《ネタバレ》 
個人的初期ゴジラシリーズ最高傑作。  あのキングコングとのドリームマッチが見られるだけでも最高の映画。  ゴジラとコングが取っ組み合って海に落ちていくシーンがあるだけでも満足。 どちらが勝つでもなく共倒れってところが良い。  ちなみに、二大怪獣のスーツアクターを務めた広瀬正一(キングコング)と中島春雄(ゴジラ)。黒澤明の「七人の侍」で野武士の一員として戦いに参加していたりする。どうでもいいけど、二人ともバリバリの武道の達人なのでキレも凄い。怪獣が一本背負いだのトンボ切りだのすんだぜ?二大怪獣と戦っていたのか七人の侍たちは・・・。
[DVD(字幕)] 9点(2014-05-26 16:13:34)(良:1票)
27.  キンスキー、我が最愛の敵 《ネタバレ》 
ヴェルナー・ヘルツォーク入門&ヘルツォークをもっと好きになる傑作。 「殺したいほど愛している」なんて話はざらに聞くが、まさかそんな話を映画にしてしまう人がいるのだから困ったものだ。 監督と役者は主従である前に対等な存在だ。 「俺が監督してやっいてんだ!!」ま 「俺様が演じてやっているんだ!!!」という対立は苛烈になればなるほど現場を凍りつかせ、引き締める。そのピリピリしたものが、そのまま映画の緊張感に+されるのだ。  ヘルツォークの出世作ともなった「アギーレ/神の怒り」では、狂信的な英雄像をキンスキーが演じた。 二人の憎悪と愛情の表裏一体の関係の中は、数々の傑作を立て続けに生んでいく。  あの野郎を殺してやりたい、あの野郎を俺のものにしたい・・・!役者の狂気に、監督の狂気が応えていく。  ドイツが産んだ二人の野獣をもっと好きになる映画だ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-05-18 15:16:03)
28.  キートンのセブン・チャンス 《ネタバレ》 
恋愛とシュールなギャグ、そしてラストにかけての凄まじい逃走劇! 「バスター」の名に恥じない疾走感と破壊力、そして本物の愛について考えさせられるキートン映画の傑作の一つ。 金融ブローカーの仕事に失敗して破産寸前のキートン。 そこに舞い込んだ父の遺言。喉から手が出るほどの莫大な遺産、期限までに結婚しなければその宝の山も手に入らない。 財産欲しさに女性という女性をナンパしては惨敗を期していくキートン。 人を金で買えても心までは買えない。 愛ではなく金のために動くキートンに心から振り向く女性なぞいないのだ。 ただ一人キートンの中身に惹かれ愛していた女性の心も理解できずに。 笑わない、泣かないの感情の起伏に乏しいキートンだが、彼は体の動きで豊かな感情を伝えてくれる不器用なパフォーマーでもある。 顔も背もコンプレックスの塊だが、それを個性として武器にして戦うその精神力。 チャップリンがユーモアと愛情、ロイドが勇気、キートンはアクション! 俊敏な運動神経だからこそ成せるアクションの連続で魅せる俳優なのだ。 人間の本能に動きで語りかける、キートン映画の醍醐味ここにあり。  とうとう最終手段として新聞広告で結婚相手を募集する事にしたキートン。 その邪さがキートンに悲劇となって降り掛かる。 数百人にも集まった大量の女性、女性、女性!老若美人、貴婦人、醜女とよりどりみどりの大津波。キートンも流石に怖くなって脱走。それを追う烏合のレディース。 群衆の力強さと恐ろしさをまざまざと見せつけるスピードと破壊力! キートンも全力疾走! クレーン車に中ずり、荒い地形を高速で駆け下り岩まで追ってくるなど、キートンのポテンシャルの高さが成せる命懸けの走りだ。 その過酷さを肉体だけで表現するその役者魂、震えるね。 大量の岩に追われて逃げてるんだけど、最終的にはそれを逃げるんじゃなくて避けるという発想!逃げてばかりじゃ勝てない、正面から見切ってやるぞという心の強さが良い。もう金のためじゃないよ。自分を愛してくれる人の気持ちをやっと理解して、やっと自分の愛を告白するんだと必死。時間までにたどり着かなきゃ、彼女を失うも同然。服もボロボロで息を切らして愛する女性の元へとたどり着く。金なんてどうでもいい、ただ愛が欲しい。そして迎える大団円。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-05 10:08:14)(良:1票)
29.  キートンの蒸気船 《ネタバレ》 
これはね、もうアレですよ。終盤の台風が直撃するクライマックスはキートン映画最強の部類。 キートンがあんなにカッコ良く見えたのは久々だぜ。 「蒸気船関係無いやん!」と思っていたらビックリ。なるほど取って置きの切り札として船を利用するアイデアが秀逸。 そんでもって最後の最後まで海に飛び込むキートンはカッコ良かったぜ。最高。 これに匹敵する蒸気船映画はジョン・フォードの「周遊する蒸気船」だけやね。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-05 10:05:34)(良:1票)
30.  キートンの恋愛三代記 《ネタバレ》 
D.W.グリフィスの「イントレランス」に対する尊敬か嫌がらせか、キートン流のパロディ映画。 チャップリンもセシル・B・デミルの「カルメン」に対して「珍カルメン」でパロディやってたね。やっぱり喜劇王がやるパロディは洗練されてるぜ。 でも流石に「原始時代」は遡り過ぎだ。 「ベン・ハー」は犬かよ。 恐竜と像が一緒にいる時点で色々おかしい。 まあ、もしキートンが現代に生きていたとしても其の辺の矛盾を全部ひっくるめて面白おかしくしてくれるだろうよ。 しかし“三代”で終わりかあ・・・。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-05 10:02:41)
31.  キートンのラスト・ラウンド 《ネタバレ》 
他のキートン映画にしては全体的に物足りなさを感じるかも知れない。ただ、ラストの「ブチ切れる」キートンのシーンは必見だ。 今まで人を殴ることもできなかった気弱な青年が、愛する女性のため、自分のために獰猛な拳闘屋に豹変する瞬間の顔つき。 笑わない、滅多に怒らない人間が怒った時は怖いもんだぜ。そんな映画です。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-05 10:00:42)
32.  キートンの酋長 《ネタバレ》 
サイレント時代は同時に西部劇の始まりであり、エドウィン・S・ポーターの「大列車強盗」の登場以後、様々な西部劇がスクリーンに登場した。 D.W.グリフィスがあらゆるジャンルの映画を開拓していったように、チャールズ・チャップリンは「黄金狂時代」や「偽牧師」で、そしてバスター・キートンは「ファッティのアウトウェスト」や本作「白人酋長」で西部劇に挑んだと言えよう。 当時の西部劇はインディアンを友好的に捉えた作品が多く、むしろ英雄視さえしていた。そんな温かみのある視線がこの作品にはあった。 モーリス・トゥールヌールの「モヒカン族の最後」もまた、インディアンと白人の結ばれぬ悲しき物語を描いた。 本作はたった20分の短い内容だが、キートンのコメディはそんなインディアンと白人の交流を面白おかしく描いてくれた。実に良い映画だ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-05 09:57:57)
33.  キートンの警官騒動 《ネタバレ》 
再見。 キートンのアクションが思う存分炸裂する最初の作品の一つ。  刑務所?と思ったら屋敷の門、落とした財布を中身を確認して拾ってあげたのに「余計なことを!」、引き返して財布をとる、財布だけ、入れ替わりにキートンが車に。このスピーディーかつ流れるような展開。  それを見ていた男、引越し中の家族、男の一計、ちゃっかり半分貰う、馬車、なれゆきで家族の引越しの手伝いをすることに、中々入らないカバン、ビン割りやがった、手紙捨てんな、通りがかりに犬に噛まれる、グローブでガード、即席パンチマシーン、警官ぼっこぼこ、運転中に寝ないでください、馬に直接電話、馬に直接喋れよ、馬が中々進まないのでしまいにはみずから馬になって引っ張り出す。  獣医に診せたら馬が元気よく飛び出して来てさっきから笑いっぱなしだ。  ところ変わって夥しい警官、警官、警官たちが駆け抜ける大スペクタクルへ! 群れが無尽蔵に増殖して追いかけてくる恐怖と笑いはキートン映画の名物。  パレード、行進に迷い込んでしまう、爆弾テロリスト(最古のテロリストを描いた作品の一つ)、導火線で煙草に火を、爆弾と知らず投げ落としてしまう、ブチ切れた警官隊が猛然と迫りくる!水道管が破裂だ!荷馬車は置き去りにされグシャグシャに踏み荒らされる。  壮大なおにごっこ、のらりくらりと警官隊をかわす、明かされる真実、ネクタイ、髭、車に飛び乗る!  木の板でシーソー、彼女、扉を開けた途端…唐突に締めくくられる結末。墓石!
[DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2014-04-05 09:55:27)
34.  キートンのマイホーム(文化生活一週間)
最近のツマラン映画よりも、名作とか言われる古ぼけた作品よりも、キートンのコメディはいつの時代も破壊力があって面白い。ネタを知ってたって、まさかここまでやるとは思わなかった。スゲーよ。 新婚したてのキートン夫妻が、夢のマイホームを買い、夢もろとも粉々に砕け散っていくという何とも酷い話だ。 奇抜な外装になった家、欠陥だらけの家。冒頭のアクションが霞んでしまうほど家の粉砕振りがたまらん(それと若妻の入浴シーン(見せられないよ!)。 腹筋崩壊の数十分だった。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-05 09:42:57)
35.  Kids Return キッズ・リターン 《ネタバレ》 
北野武のヤクザ映画は余り好きじゃないけど、「あの夏、一番静かな海」と「キッズ・リターン」は大好き。  少年から青年になっていく子供たちの多感な時期を描いた青春ドラマ。  この映画には色んな「あの頃の自分」がいるんだよな。  授業サボッてた奴、 真面目だった奴、 カツアゲされた奴、 されなかった奴、 見て見ぬフリをしていた奴、 スポーツやってた奴、 恋をする奴、 学校辞めた奴・・・色んな「自分」が見え隠れしている。  登場人物は一目見ただけじゃ印象に残らない奴も多い。 それを毎日会って話している内に馴染みになるように、じんわりと染み込ませてくれる。  大人になろうと一生懸命背伸びして、馬鹿やって、何をやっても長続きしない。 ただ、報われないだけが人生じゃない。 失敗から学んで別の成功をする奴だっているし、努力を続けて報われる奴だっている。  時折出てくるあの漫才コンビは良い例だね。 馬鹿にされてもプラス思考でコツコツ頑張り、夢を叶えた。 自分のために、誰かの夢になるために。 この漫才コンビはたけし自身を表現したものだと思う。  この話の下敷きは漫才師になった「たけし」自身と、 たけしが以前ボクシングに打ち込み始めた頃に東洋フェザー級チャンピオンとして活躍していた「関 徳光」のエピソード。  漫才師になった自分と、ボクシングに打ち込んだ関光徳。  そっからこんな爽やかな良い映画が生まれた。  「もう終わっちまったのかなぁ?」   「バカヤロウ、まだ 始まってねぇよ!」
[DVD(邦画)] 9点(2014-03-23 21:17:24)(良:2票)
36.  キッスで殺せ! 《ネタバレ》 
「Remember Me(私を忘れないで)」だって?忘れたくても忘れらんねえよって傑作。 ロバート・アルドリッチはフィルム・ノワールでも多くの傑作があるが、コレは「何がジェーンに起ったか?」と並んで最高傑作の一つ。 ファースト・シーン、初っ端から路上を走る女。 ワケ有り女を拾って車が走り出すと同時にクレジットがズラズラ画面を上っていく。強烈なオープニングだ。 女の荒い吐息は、まるで性向でよがるような荒さすらある。  ミッキー・スピレインの原作「燃える接吻を」のセックスと暴力を盛り込んだハードボイルドの世界観を、アルドリッチ流の“えげつなさ”で描かれる。 SF的な要素を持ったフィル・ノワールは「アルファビル」や「ブレードランナー」等も該当するだろうか。 とにかくこの映画はよく壊す、よく歌う(クラシック)、よく叫ぶ、よく殴る(後ビンタ)、よく死ぬ。取り合えず酔ったまま運転すんなよ。 ヒッチコックの「汚名」も酔いどれイングリッド・バーグマンがぶっ飛ばしてたな。 「三つ数えろ」張りに女性がウジャウジャ出てくる。ドイツもコイツも謎を秘めて。 女性じゃないけど“va-va-voom(ババブーン)”ことニックのオッチャンも癒し。 そんな女たちを主人公のマイク・ハマーは、常に冷めた眼で見届けていく。 ハマーは「Remember Me」というメッセージだけを頼りに黙々と仕事に取り掛かる。だが、たらしだ。 探偵の武器は銃弾の代わりに鉄拳が飛ぶ。 ポップコーンと鉄拳を3発打ち込む、階段での“追い討ち”は本当えげつない。 地道な調査の影でうごめく暗殺者たち。  次々に“人生から”ノックアウトされていく敵や知人、そしてハマーが追う“ヤバ過ぎる”探し物。 ボクシング場に立ち寄るシーンすら、この映画の鉄拳の飛びようを象徴する。 浜辺でのシーンは「アハハ待てよコイツ~(バキドカ)」という風にしか見えねえ。あーあ手錠にしないから・・・片手で何したんだよハマー。 ベッドでのやり取りは最高だったぜ。だから悲鳴(爆) ところであの“黙秘”のシーンも笑っちまったよ。 終盤の演出は完全にホラー映画というか、SFというかとにかく怖い。そんな場面すら冷めた眼差しで見届けられるハマーは何なんだよ。 ともあれ、衝撃的なクライマックスが拝める映画だった。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-21 18:03:02)
37.  ギャンブラー
雪の西部劇。大博打で大惨事。 リチャード・ブルックスの「最後の銃撃」を思い出すような演出が多い。 ラストシーンの壮絶さはアンドレ・ド・トスの「無法の拳銃」を思い出す。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 18:15:16)
38.  吸血鬼ドラキュラ
吸血鬼映画というと退屈だったり、ストーリーが破綻したりとロクな作品に巡り会えなかった。 ところがこのテレンス・フィッシャーの傑作は面白かった。  ストーリーは基本的にブラム・ストーカーの原作に沿った形だが、ジョナサン・ハーカーがドラキュラに出会う前にヘルシングに出会っている事、 ヘルシングの教えによって自ら吸血鬼を退治してしまうという大活躍だ。 そのヴァン・ヘルシング教授も眼鏡に老骨どころかバリバリに若い青年。 まるでブラム・ストーカー版のエピローグとも言うべき若さに満ち溢れている。 ピーター・カッシングのキビキビしたエネルギー、クリストファー・リーの不気味な闇を徐々に見せていく様子。 初対面はいかにも吸血鬼というオーラが無い。 何処にでもいそうな平凡な顔何だよな。 ところが「血」を前にするとその恐ろしき本能を剥き出しにしてくる。 見事な演技だ。 気品に溢れた仕草と演技、イギリスを代表する紳士の中の紳士です。  少女もレディもマダムも揃い踏み。 血の演出も過剰じゃないし、程よい血の気。 輸血のシーンや狼狽えるメイドの演技も光る。裏助演女優かも。 グロてすくな描写も極力避けるなど、こんなに上品な吸血鬼映画はトッド・ブラウニングの「ドラキュラ」以来だ。 ゴシックテイストの美しさ、能動的でテンポの良いストーリー。  グラナダTVの「シャーロック・ホームズの冒険」といい、派手さが無い変わりに丁寧で上品な作品作りがイギリスの素晴らしさ。  正しく俺の待ち望んだ「ドラキュラ」だ。  ラストの畳み掛けも凄い。 逃げるドラキュラ、そんな奴にはもれなく十字架のプレゼント(棺桶に)。 馬車は急ぐ! おっさん涙目。 逃げ場の無くなったドラキュラ、挙句にはミナを生き埋めにしようとする。 教授と伯爵の一騎打ち。 燭台のクロスがカッコイイ。 灰燼の中に埋もれる指輪が何とも言えない・・・あっという間の1時間20分。堪能させて貰った。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-17 08:07:44)
39.  奇跡の丘 《ネタバレ》 
パゾリーニはフェリーニの「カビリアの夜」で素晴らしいシナリオを残しているが、コイツの映画だけは無理です。 ゲドゲドとかクソミソとかそんなレベルじゃない。もう吐くものが無えよ。俺を殺す気か。 が、そんなパゾリーニも物凄くまともな映画を残していたようだ。 「奇跡の丘」はキリストの受難を描いた典型的な聖書ものらしいが、パゾリーニ特有と言える謎の神々しさ。 「ソドムの市」まで行くと禍々しというか、おぞましいオーラになってしまうがこの「奇跡の丘」はイエス=キリストという神に近い人間の物語だ。 神に近いと言っても、神じゃない。普通に血を流す人間なのだ。 かといって、その教えは同じ人間から邪道視察され抹殺されようとする。そんな男の苦悩、地面を歩み続ける姿が出す眩しさというべきか。 案外このキリストはパゾリーニ本人なのかもな。 他者とは違う境地を見出し、それが受け入れられず抹殺されようとする・・・パゾリーニの人生を思うとちょっと切なくな・・・いやなるようでなんねえな。だってパゾリーニだし。 パゾリーニのクソ野郎は大嫌いだが、「奇跡の丘」は別だ。オススメです。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-17 07:58:14)
40.  霧の中の風景 《ネタバレ》 
「旅芸人の記録」より好きな作品。一切退屈しなかった。 初期の短編「放送」を思わせる軽快な部分も多いし、同時に地平線の彼方に消えてしまいそうな儚さも肌身に感じさせる。ロングショットとクローズアップの構成もほど良い。 冒頭、幼い姉弟が濡れたアスファルトの夜道を駆けて来る。 どうやら二人は先を急ぐらしく、電車に向かって駆けていく。電車の前で人々が通り中々向こうに行けず、ようやく行けると思ったらドアは無情にも閉じられる。 姉のヴーラは、しょんぼりして駅を後にする電車を見つめている。 ヴーラ1人ならともかく、弟のアレクサンドロスの事を思うと無理に人の群れを掻き分けるのは危険に思えたのだろう。実に弟想いな姉ちゃんだ。 二人は、顔も知らない父を探しにあてのない旅に出ようとしている。 2度目は電車に乗る事に成功するが、切符を買う金も満足にない二人は無賃乗車で列車から降ろされてしまう。 バスの兄ちゃんが凄く良い兄貴でさ。ヴーラは、その優しさと疲れた弟を思ってバスに乗り込む。 浜辺での360度パンが美しい。旅芸人の人々と交流し、バイク青年とヴーラたちは一旦別れる。 その次に出会うトラックの運転手の野郎がロリコンクソ野郎で。 布一枚でしきられた荷台、ヴーラの髪は乱れ、手に付いた血が情事を物語る。ヴーラは、女の子から“女”になってしまう。それでも、彼女は静かに涙を流し黙って耐えるのみ。髪は下ろしたままだが、以前のように髪を結ぶのは止め、帽子を被って“隠す”事を選ぶ。どれほどの苦痛が彼女にあった事だろう。 誰にも頼らず、誰にも訴えず。いや、少なくともアレクを守ろうとしているのと同時に、アレク、そしてバイク青年を心の支えにして彼女は耐えたのだろう。 劇的な再会、そしてヴーラが心を開き、青年の胸の中で声を出して泣きじゃくる場面、バイク青年からの想いを断りハイウェイで別れるシーンは何度見ても切ない。 ヴーラも覚悟を決め、弟のために切符代を盗んでまで再び電車へと乗り込む。 夜の川辺で、サーチライトが照らす中を潜り抜ける二人。一瞬響く銃声が、緊張を奔らせる。 霧がたち込める朝方。霧の晴れた先に待つものは・・・本当に素晴らしい映画だった。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-17 07:55:23)(良:1票)
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