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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2253
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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41.  96時間 リベンジ 《ネタバレ》 
前作でブライアンに殺された売春組織の一族郎党による“復讐戦”。同じく前作では誘拐され痛い目を見た娘にとっての“雪辱戦”。邦題『リベンジ』に偽りなし。前作が4日間のタイムリミットだったのに対し、本作は一刻の猶予も許されぬ時間との戦いです。捕まったが最後、何時殺されてもおかしくありません。カーチェイス・銃撃戦・マーシャルアーツと全方位アクションが小気味よく展開され、今回もリーアム・ニーソンが無敵の強さと驚異的な洞察力を見せつけます。敵役の親父が実に憎たらしいこと。「お前(ブライアン)が殺した者にも肉親がいるのだ」なんて、素敵なブーメランをかます狂人ぶり。決着の付け方も納得でした。温情を理解出来ない者に容赦は要りません。カタルシスは十分です。ただし、些か緊張感に欠けたかもしれません。その発端は、主人公が拘束されたシークエンスにあったと考えます。拘束具が、手錠でも鎖でもなく、結束バンドとは。敵が三流チンピラである証です。当然?難なく脱出してしまい脱力。せっかく娘を呼び寄せた価値が目減りしてしまいました。街中で手榴弾を投げまくり、列車に突っ込む無免許運転車。随分と大味な。娘が運転免許試験で合格する和やかなエピローグまで容易に予想出来てしまいました。つまり、シュワちゃん主演のアクション映画と同じ系統ということ。ですから、前作と同じシリアスサスペンスを期待すると落胆するかもしれません。なお、このフォーマットは魅力的ですが、続編は期待薄でしょう(ブライアンも口にしたように、復讐の連鎖はもう懲り懲りです)。よってパッケージだけ利用してスピンオフ扱いでコメディなんて如何でしょうか。題して『96時間・お父さんは心配症』脚本は岡田あーみん先生に依頼してください。
[レーザーディスク(吹替)] 7点(2013-08-28 18:57:27)
42.  恐怖ノ黒電話 《ネタバレ》 
裁判所の接触禁止命令という強力な武器があるのに、主人公はDV夫の言いなりでした。困難に立ち向かうのではなく、目を瞑り、耳を覆ってしまう。この性質は、おそらく夫からの暴力が原因。彼女は現実を直視出来ていません。見知らぬ相手に個人情報を漏らしてしまう不用意さも、実生活に現実感が無いから。大切な人を失い、大怪我を負わされてもなお、彼女から危機感が伝わって来ません。キチ婆を事故に巻き込む目論見は、今の彼女が行使できる唯一の対抗手段。にもかかわらず、その計画には周到さの欠片もありません。これでは助かるものも助かりません。多くのものを失った代わりに彼女は勇気を手に入れた…のであれば救いもありますが、残念ながら違います。一人殺すも二人殺すのも変わらないだけ。正当な手順を踏まぬ解決は、逃げと同じ。彼女はこれからも人生の障害から眼を逸らし続けるのでしょう。DV夫が消えても、彼女はその呪縛から逃れたわけではないのだと思います。良質なタイムパラドックスホラーサスペンス。圧倒的な“無力感”という名の恐怖を味わってみてください。『オーロラの彼方へ』と見比べてみるのも面白いかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-05-09 20:29:22)
43.  キンダガートン・コップ 《ネタバレ》 
アクション・コメディ・刑事もの・学園もの・ラブストーリー・ファミリー・サスペンス・シュワちゃんもの。まるで松花堂弁当のような多彩なジャンルを一度に味わえるお得な作品。とはいえ、高級料亭のそれではなく、コンビニのなんちゃって松花堂風弁当といったところでしょうか。各ジャンルとも万遍なくお安いつくりとなっております。子供の眼の前で毒親とはいえ肉親を撃ち殺しておいてハッピーエンドにもっていける力技(デリカシーの無さともいう)は、流石シュワちゃんものの面目躍如。松葉杖を持つ手も普通は逆じゃないかなと。なにせコンビニ弁当ですから過度な期待は禁物ですが、コンビニ弁当にはコンビニ弁当の強みがあります。ぶつ切り地上波TV放送にも耐えうる豊かな娯楽性は、素直に評価したいです。自宅で寝転がりながら気軽に観るにはうってつけの作品。
[地上波(吹替)] 6点(2013-04-27 20:57:17)
44.  恐怖新聞(2011) 《ネタバレ》 
恐怖新聞は呪殺プログラム?新聞配達人が鬼形と因縁浅からぬ同級生であった事から、まるで同級生が主人公を呪い殺そうとしている印象を受けます。「許さない」なんて恨み節まで吐いていますし。しかし呪いの主は同級生ではありません。そもそも10年程前の恨みを、今になって晴らす必然性がありません。新聞を送りつけている呪術主は、ラストカットで明かされます。主人公のバイト先、喫茶店すずらんのマスター。恐怖新聞の入った棚に、呪いの人形をしまう姿が示されています。何故、マスターは鬼形を呪う必要があったのでしょう。いや、何故恐怖新聞を送りつけたのでしょう。何十年も続いている喫茶店。そのマスターは年齢不詳。霊気探知機もマスターに反応していました。棚の数だけ恐怖新聞を送っているとしたら…奪った寿命でマスターは不死を手に入れていると推測されます。恐怖新聞は呪殺が目的ではなく、永遠の命を実現するためのシステムだった?!ちなみに、喫茶店名“すずらん”は毒草です。花言葉は幸福とのこと。なるほど。おそらく日刊は撒き餌。本命は号外で寿命を一挙に獲得すること。今回は上々の成果と言えるでしょう。童顔俳優の宮川一朗太をキャスティングしたのも道理というワケ。この設定は面白いと思いました。ただ、お楽しみの謎解きは淡泊過ぎて拍子抜け。主人公の“50年”の扱いもあまりに軽いと感じました。彼が命をなげうったのは“贖罪”のため?それとも愛する彼女を救うため?彼の葛藤はテーマの根本を成すもの。ドラマ処理が不十分でした。やはり映画で70分は短尺。もっともっと恐怖新聞の世界を楽しみたいと思いました。
[DVD(邦画)] 5点(2012-12-16 21:58:52)
45.  逆襲!スケ番☆ハンターズ ~地獄の決闘~ 《ネタバレ》 
『総括殴り込み作戦』よりも本作の方が、劇場公開が1週間早いとのこと。2作品のうちコチラから観る方が正解だったようですが、自分は『総括』の方を先に鑑賞しました。とはいえ両作品に物語上の連続性がある訳ではなく、アサミを中心とした緩いキャラクター設定と世界観を共有しているだけのようです。『総括』で不満だった超スキルにまつわるパワーバランスが調整されている点、またアサミVSアキラの対決を主軸に据えた分かり易い展開等、2作品を比較した場合、完成度は本作の方が上と感じました。オープニング&エンドクレジットのセンスも悪くなかったです。ただ、特訓シーンやクライマックスを観ても分かるように、ギャグで観客を笑わせたい意図があるならば、無用な殺生は避けるべきでした。いかにバイオレンス映画であったとしても、です。特に○○を殺したこと。文章にするのも憚られるので詳細は省きますが、これはいけません。アメリカ映画で犬は死なないというWEB記事を見かけましたが、同様に日本映画では(というかどの国の映画であっても)○○を殺してはいけないのです。暗黙の了解事項。戦争映画等、相当の必然性があれば納得も出来ますが、自分には単に悪趣味なだけに思えました。そもそも立ち退きに反対している者を殺して構わないのであれば、地上げの苦労は無い訳で、作話の考え方に問題があったと言わざるを得ません。馬鹿コメディという免罪符があれば、どんな展開でも容認されると思ったら間違いです。馬鹿映画ほど、周到な計算が必要なのかもしれません。前述のとおり長所もありましたが、致命的な短所が足を引っ張った印象です。禁忌を犯していなければ7点を進呈していました。
[DVD(邦画)] 3点(2012-01-16 18:57:14)
46.  96時間 《ネタバレ》 
シュワルツネッガー主演の『コマンドー』と同じフォーマットながら、かの作品がシュワの大味な演技とバカアクションで深刻さを打ち消してしていたのに対し、本作の方は至ってシリアスです。同じく娘を持つ父親として感情移入しまくりで、手掛かりが途切れそうになる度に胸が潰れる思いをしました。娘のためなら「エッフェル塔も壊す」と言い放つ主人公。その言葉に嘘偽りはありません。常軌を逸した行動をとり続けます。でも目には目を、違法には違法で対抗するしかないと思わせる脚本が上手いです。例えば元同僚の妻を撃つ件。彼女に非はありません。完全に遣り過ぎ。しかし元同僚は汚職について関知しないと言いました。家族のためなら金の出所は気にしないと。その理屈が通じるなら、主人公も娘を救うために手段を選ばずとも問題ない事になります。少なくとも元同僚は主人公を非難する資格がありません。彼の役名が、また気が利いていました。ジャン・クロード。言わずと知れたハリウッドアクションスターと同じ名前。窮地にヒーローは助けてくれないという皮肉。しかもあれだけの殺人を犯しておいて、主人公にお咎め無しとは。元同僚の罪滅ぼし?あるいは友情?いや保身のための事件隠蔽でしょう。悪のヒーローはとことん悪い。ご都合主義と揶揄されてもオカシクない展開の連続も、全ては主人公の実力と執念が起こした奇跡。納得出来ました。ハッピーエンド、万々歳です。エピローグは馬鹿親丸出しで、ちょっと苦笑い。でもこんな幸せな苦笑いなら、いくらでも!
[DVD(字幕)] 8点(2012-01-07 19:58:25)(良:1票)
47.  教祖誕生 《ネタバレ》 
原作ビートたけし。出演ビートたけし。強烈な“たけし色”を放つ作品ではあるものの、北野武監督作品とはまた赴きが異なるのが面白いです。準主役というオイシイ役どころの芸人たけしが、小悪党を嬉々として演じています。世間で言うところの“チョイワル”とは違う意味の“ちょっと悪い奴”がたけしは好きなのでしょう。下手を打ち教団を追われ、素寒貧で腐れ縁の偽教祖と出直し。そんな情けなさが、愛おしいのでは。たけしが小悪党だとすれば、岸部は中悪党。でもそれを上回るのが教祖様。この世の中で最強なのは、勘違いした馬鹿ということです。納得。世に数多実在する新興宗教団体の実態のほどは知りませんが、このような教団も存在するのではないかと思わせるリアリティが素敵です。
[DVD(邦画)] 7点(2011-10-28 19:50:51)(良:1票)
48.  恐怖(2009) 《ネタバレ》 
(ネタバレあります。未見の方はご注意ください。)終盤まで「とんでもないカルトムービーだ。訳わからん」と戸惑うばかりでしたが、ラスト2分で謎解きがありました。本作で展開される不条理な出来事は、練炭自殺を図った者たちが死ぬ間際に見た悪夢でありました。いや“願望”と言った方が近いかもしれません。潜在意識の中では“助けて欲しかった”ということ。エピソードのベースとなっているのは、みゆき(中村ゆり)の幼少期の体験(トラウマ)で、車中の蒸し暑さは“電気ストーブ”に、集団自殺呼び掛け人の割られた頭は“血生臭さ”として、夢に登場しています。自殺に至らしめた苦悩も同様に組み込まれているとすれば、“処女の懐妊”は性暴行の可能性を匂わせます。いずれにしても彼らは、苦しんで、苦しんで、苦しみ抜いて死んだ。ラストシーンは、風に飛ばされる白い粉。おそらく練炭の灰であり、遺骨の見立て。中から幽体離脱チップが出てくるかと目を凝らしましたが確認出来ず。やはり物語は悪夢であったということでしょう。“死んだら人は無になる”という台詞通りの結末と解します。ホラー漫画に似合いそうな役者を揃えましたが、中でも片平なぎさのハマリ具合は絶品。間違いなく一番怖かったのは片平の顔でした。物語の構成は目を惹くものの、結果的に残るものが無く、この点は本作の弱点と考えます。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-09-13 19:58:11)
49.  キック・アス
米国人にとってのアメコミヒーローって何なのでしょう。想像するに、日本人にとっての水戸黄門じゃないかと思う。あるいは桃太郎侍とか暴れん坊将軍とか。ソウルフードならぬソウルヒーロー。絶対正義、完全懲悪、国民の希望…。基本的に拍手喝采・大歓迎しますけど、全面支持ってワケでもない。さっさと印籠出せよ、なんてツッコミは当たり前。愛しているからね。甘えているからね。本作は、そういう映画だと感じました。倫理道徳的観点に立てば、少女の殺戮など許されない。力を持たぬキック・アスは役立たず。でも彼らが無性にカッコ良く見えてくる不思議。人間は、頭と心で相反する基準を持っていることが分かります。好きだけどキライ。批判したいけど認めてもいる。銃社会、ラブ&ピース。結局、アメリカ人はヒーローが大好きで、アメリカという国を愛しているのだと思います。もっとも、こんな分析をしたところで、本作の魅力は微塵も伝わらない。ていうか、これアメリカ映画って訳でもないのか?まあ、どっちでもいい。とにかく見てもらわないと。ヒットガールちゃんを!めくれた唇は瀬戸朝香より100倍魅惑的で、黒アイマスクの下のたれ目は萩本欽一を超えた。それに加えて見事なアサシンぶり。初登場シーンのインパクトは絶大で、BGMもキマッてた。ココロ鷲摑み状態です。バイオレンスアクションムービー史上、最強ではないが、最高のヒロインが誕生したと言い切ります。スプラッターやロリコン趣向は無かったはずなのに、面白すぎて涙を流した自分が怖くなる。名作、ヒット作へのオマージュ満載。クソ映画には違いない。それも超ド級のクソ映画。でも、感謝の言葉しか出てきません。ありがとう。心の底からありがとう。『シン・シティ』等の映画のネタバレがあったので1点引いておきますが、それでも10点です。
[映画館(字幕)] 10点(2011-01-22 17:29:15)(笑:1票) (良:2票)
50.  鬼畜 《ネタバレ》 
他人を殺すのは何故いけないのでしょう。それは、自分が殺されたくないからです。殺人を認めると、自分が殺されても文句が言えない。では、どうして親が子を殺すのはいけないのでしょう。それは不利益だからです。遺伝子を残す事を宿命付けられた生物にとって、その逆ベクトルの行為など論外です。他人を殺すのと、子を殺すのとでは、同じ殺人でも意味が違うと考えます。子を傷つけるのは、自らを傷つけるのと変わらない。親が子を愛するのは、自分自身を愛することと同じとも言える。ですから、血の繋がった息子を手にかけたとき、宗吉は自分自身を殺したのだと受け取りました。一命を取り留めた息子を前にして、土下座して詫びる父。その胸中に渦巻いたものは何か。泣いて詫びたとき、宗吉は初めて人の親になれた気がします。もっとも、もし本当に子供を殺す気ならば、あの状況で仕損じは在り得ない。やっぱり彼は息子を殺したくなかったのだと思います。いや、そう思いたい。先に述べたように、生き物は自らの遺伝子を残す事に貪欲です。その為になら何だってする。あまりに合理的。清々しささえ感じる厳格な規律。しかし人間だけはこのルールに縛られません。他人を殺さないのは、殺したくないから。血の繋がらぬ子だって我が子のように愛おしい。動物と人間に差があるとすれば、この部分だと思う。ほんの僅かの差です。善人だって皮を一枚剥けば鬼か畜生が隠れているのではないか。自分の中に宗吉やお梅は居ないか。この映画を観て自問します。わたしは人間だろうか。わたしは人間だろうか。自らを疑っていられるうちは、自分は人の皮を脱がないでいられる気がします。
[DVD(邦画)] 8点(2010-11-21 20:46:05)
51.  キャタピラー 《ネタバレ》 
手足と言葉を失った夫とその妻の介護生活。この構図自体は老親や乳児の世話とあまり変わりません。また戦争でなくとも、身体機能を失う事故は起こりうること。この夫婦の特殊性は、夫が軍神と崇められていること、彼が精神の拠り所を軍功に求めていることにあります。確かに介護する側は報われない。2人は心で繋がっていないのだから。問題の本質は、夫婦の人間関係が破綻している事にあります。戦争の罪を問いたいのならば、戦争が夫婦を引き裂いた、あるいは夫の心を変えてしまったという状況が必要です。しかし戦争が変えたのは彼の見た目。下劣な内面は出征前からのことでした。現地の女を暴行したトラウマも彼自身の責。問題の全てを戦争の責任に転嫁するのは筋違いです。戦争は憎むべきもの。その主張に異を唱える日本人は皆無でしょう。でも的外れな批判や論理のすり替えは、事の本質を見誤らせます。ラストも本筋とは直接関係のない原爆投下の映像と反戦歌でした。正直、反戦映画として質が良いとは思えません。ただ、大女優「寺島しのぶ」が汚れ役を演じ、国際映画祭で主演女優賞を受賞したという作品のネームバリューと付加価値は侮れません。大人は肩書きに弱いのです。成人向け反戦映画としてこれから有効利用されていくことでしょう。作品制作の経費等を考慮すれば、費用対効果は高いと言えそうです。結果的に監督の意図した効用のある映画になっているのかもしれない。でもね…。『おっぱいの出る映画に悪い映画はない』という個人的信条に照らし合わせ、今回は寺島しのぶの素敵なおしりに+1点進呈させていただきます。
[映画館(邦画)] 6点(2010-09-10 21:14:46)(良:2票)
52.  今日も僕は殺される 《ネタバレ》 
影のような悪霊はドラッグのメタファー。剣先のような腕は見たまんま注射針。主人公が見た悪夢は麻薬中毒による幻想との見方が一般的かと思います。再三再四その事を示唆する台詞や描写がありました。麻薬は日々自分自身を殺しているようなもの。止まる時計は、人生から奪われる貴重な時間を表しています。ラストはあのまま病院のベッドの上で…という方が物語として分かり易かったと思いました。物語の性質上仕方ないとはいえ、無限地獄を見せられるだけなので退屈してしまうのが難点。“何度も殺される”というアイデアの映画ならば、既出作品のほかに『Loop ループ』がオススメ。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2009-07-20 13:28:45)(良:1票)
53.  巨大毒蟲の館
久々に味わうこの脱力感!『北斗の拳』を鑑賞した時に極めて近い感覚です。ココが変、コレを直してと指摘する気が失せる凄まじさでした。ある意味パーフェクト。土台から、骨組みからして並みの映画とは違います。壁紙のセンスを問う前に、まず白アリを駆除しましょうというレベル。でもね、まるっきりアレな訳じゃない。おっぱいはちゃんと出てきた。おっぱいはイッパイ。貧乳率は異様に高いけど、顔は企画モノ女優っぽいけど、エロ日照りの時に文句を言う馬鹿はいません。それに「おっぱいが出てくる映画に悪い映画は無い」って誰かが言ってましたし。ちなみにDVD特典は本編鑑賞を省略できる完成度ですので、お忙しい方はそちらをどうそ。
[DVD(字幕)] 2点(2009-01-30 22:39:07)
54.  キャプティビティ 《ネタバレ》 
悪漢に襲われている女性を助けてみたい。行倒れになった女を介抱してみたい。病気で寝込んでいる女を看病したい。男にはそんな願望がある。う~ん言い過ぎでした。主語がデカ過ぎました。でも“弱っている女”というのは確かに魅力的だったりする。「持病の癪が…」なんて青白い顔でコンコンされたら…すみません、またまた妄想が過ぎました。つまり言いたいのは、弱っている女は男にとって格好の獲物だということ。普段は手の届かぬ高嶺の花でも、セール中なら思わず手がでちゃうもの。男はオオカミ、いやハイエナなのです。一般的に。でも前述のようなシチュエーション、現実には見た事ない。仮に遭遇したとしても、多分あたふたするのがオチです。全然オイシクありません。ならば、どうしたらいいのか。そう、手っ取り早いのが自作自演。意図的に女を弱らせればいい。コレはそういうお話でした。変態男のバカな妄想を具現化したもの。ただそれだけです。だから程度が低い。映画として提供するには、脚本にもう一工夫も二工夫もないと厳しいと感じました。
[DVD(字幕)] 4点(2008-09-03 19:57:24)
55.  巨乳をビジネスにした男 《ネタバレ》 
実録、イエローキャブ(現サンズ)野田社長物語。どこかで聞いたようなエピソードの積み重ねでしたが、それなりに興味を持って観ることができました。業界話、苦労話は面白いもの。社長が所属タレントから慕われている理由も分かった気がします。でも何か物足りない。もっと泥臭くて濃い“野田義治”を観たかったです。ちなみに、巨乳タレント(の水着)をわんさか拝めそうなタイトルですが、ほとんど無し。もっとも自分はこれっぽっちも期待していませんでしたので、ガッカリせずに済みました。本当に本当に良かったです。
[DVD(邦画)] 5点(2008-07-25 19:22:23)(笑:2票)
56.  キサラギ 《ネタバレ》 
アイドル如月ミキの一周忌に集まった5人の熱狂的ファンが導き出した『自殺事件』の真相に泣き笑い。心が温かくなりました。でもストレートに“良い話”と受け取るのは、もったいない気がします。劇中、小栗の台詞にもあったように、数多ある可能性の中のひとつに過ぎません。ここが最重要ポイントと考えます。その事を明確にするためにラストシーケンス(宍戸登場)があったのでしょうが、上手くない遣り方でした。直接的過ぎます。主役5人の背景を示唆することで伝えて欲しかった。オフ会はネット世界の延長。別人格を演じている可能性は否定できません。というか、“自称”マネージャーや恋人、父親の与太話を、額面どおりに受け取れというのが無理な話。エンドロールで一心不乱にオタ踊りをする姿にこそ真実がある気がしました。オタクたちが持ち寄った架空のキャラクターとエピソードが偶然“事故説”に辿り着いた。いや、アイドルを想う強い気持ちが“こうあって欲しい”という可能性を創造したと言うべきか。ファンタジーだと思います。ハッキリしたのは「如月ミキは愛されていた」ということだけだと思いました。“人を想う気持ちが産んだ良い話”でした。なお、如月ミキの顔出しについては艶消しもいいとこ。観客それぞれが心の中の如月ミキ(理想のアイドル)を思い描けばいい、そういう流れだったと思います。
[DVD(邦画)] 9点(2008-07-16 21:10:09)(良:4票)
57.  キャリー(1976) 《ネタバレ》 
(DVD特別編での鑑賞です。)血に塗れた少女キャリーの叫ぶ姿は、切なくも美しく見えました。このシーンのために本作は在るのだと感じます。それほどまでに魅力的なシーン。ただ其処へ結び付けるための強引さも感じました。クラスメイトたちの行動は完全に常軌を逸しています。あそこまで執拗にキャリーを虐める理由がみえ難い。また自身の能力をコントロールできるキャリーが、彼女に好意的な人間まで死に至らしめたのも理解に苦しむ。母親殺しにしてもそう。我が身を守るためだけなら、包丁1本だけ刺せばいい。意図的な殺人者と言われても仕方ないと感じます。もっとも、それだけ彼女は精神的に追い込まれていたということなのでしょう。祈りの小部屋で母と供に果てる姿は、憐れとしか言いようが無い。死してなお誹られるキャリー。彼女の母こそ罪深い。
[DVD(字幕)] 7点(2008-01-18 19:08:32)
58.  キャビン・フィーバー(2002) 《ネタバレ》 
奇天烈な展開は、「ナンセンス」の一言で片付けても問題無さそう。でも「意味がある」と考えたほうが面白い。以下自分なりの解釈です。本作を読み解くカギは、エンドロール後のワンカット。雑貨屋の爺さんが言う「やれやれ」という台詞。今回の騒ぎは初めてのことじゃない?そこへ考えが及ぶと、後は芋づる式に事件の真相へ辿り着けました。ズバリ“謎の伝染病の発端(オリジナル保菌者)は雑貨屋の少年”。これで不条理な展開全てが解決します。誰彼構わず噛み付く少年。なら、犬に噛み付いてもオカシクない。(現に雑貨屋の裏にいた犬の口元は赤かった。)父親は少年のことを「破傷風」と言っていましたが、それは違う。でも的外れでもない。破傷風はヒトにも動物にも感染します。謎の伝染病と類似している。最初に死んでいた犬は、少年から感染した。それが惨事の始まりです。しかも今回が初めてじゃない。雑貨屋に助けを求めにきた青年に対して父親が言っていた意味不明のもごもごした言葉も、かつてこの家族に同様の悲劇が起きたとすると頷ける。伝染病の疑いがあるのに、医師や警察がマスクひとつ付けていないのも、感染経路を熟知しているから。今回も町ぐるみで事件を隠蔽した。最も不可解な少年の行動も、「精神に異常をきたす」という特性がこの伝染病にあれば合点がいく。主人公が突如殺人鬼に変貌したこと、犬が好戦的な理由、主人公が病院で見た幻なども、全て説明出来ます。脚本はきちんと練られていると感じました。でも本作で大切なのはストーリーの解釈にあらず。キモはあくまで「パンケーキ」少年の拳法や仔鹿キック等のおバカ要素をどう受け取るか。このへんを楽しめると、結構イケるB級映画ではないかと。
[DVD(字幕)] 7点(2007-12-10 18:33:04)
59.  キンキーブーツ 《ネタバレ》 
経営危機を脱するために、老舗の紳士靴メーカーが打ち出した新たなビジネスプラン。それはドラッグクイーンのブーツの製作でした。180度(90度?)の方向転換。新しい試みは産みの苦しみ。また、異なる価値観を受け入れること。そういう感動のドラマだと思いました。最近の邦画でいえば『フラガール』に似ていると。でも観想を書こうと内容を整理していくうちに、『フラ』とは異なる価値観を持った映画であることに気付きました。国民性や資本主義に対する捉え方の違いに目が行きました。序盤の大量解雇。このエピソードで工場の経営状態の危機は、全体の共通認識になったものと思っていました。でも違った。解雇されなかった工員たちの意識は“自分がクビにならなくて良かった”という程度。危機意識はありません。それもそのはず。会社の経営は、自分とは関係のない話だから。定時になれば、仕事の途中でも帰ることが出来るのはそのため。労働者・資本家・経営者の明確な役割分担が、社会一般に浸透していることが見てとれます。そういえば、後にマネージャーとなる女性も「社長は皆とは違う」旨の発言をしていました。工員たちが態度を改めたのは、社長の家が抵当に入っている事実を知ったから。シチュエーション的には、先の大量解雇時とそんなに変わらない。少なくとも労働者にとっては。でも彼らは変わった。それは他でもない、社長の身を削った決断に心を動かされたからです。資本主義の原則からは外れるその決断に。でも結果“みんなが”幸せになれました。本作の靴工場の姿は、私たちが良く知る日本の中小企業の姿です。“愛社精神”とか“サービス残業”とかの世界。日本の資本主義は、欧米のそれとは別ものだと思います。労働者の意識のレベルでは特にそう。しかし今、物凄い勢いで変わりつつある。欧米の資本主義を目指そうとしています。勿論、今の日本の形態がベストだとは思いません。サービス残業なんてしたくないし。でも何でも欧米流が正しいのか?とも思う。その疑問に対する答えのヒントが本作には隠されている気がします。
[DVD(字幕)] 7点(2007-09-27 19:48:34)
60.  樹の海 《ネタバレ》 
学校の授業等で観るには丁度いいと思います。でもそれは、差し当って今の生活に困っていない人が「自殺はやっぱり良くない」と再確認するレベル。本当に切羽詰った人の心を動かすのは、厳しい気がしました。例えば電車内で痴漢にあった女子生徒。彼女のスカートに付いていたものから生々しさを排除しています。配慮はあってしかるべき。でも配慮が行き届き過ぎると、パンチ力を失うとも思います。それはどのエピソードにも言えること。ハッピーエンドは望むところです。でも最初から着地点が見えてしまっていては意味がありません。それは浅瀬で息継ぎをしているが如し。安心して観ていられます。これでは響きません。自殺に至る人は、深い海の底に身を沈めてしまった人。息継ぎをあきらめてしまった人。その人たちの心を動かすには、やはり同じように潜らないとダメだと思うのです。暗闇を潜り抜けないと、本当の希望は見えてきません。樹海の中にまで助けにきてくれる金融屋など、現実にははいないのです。自殺した人間を慮って、酒を飲み交わしてくれる赤の他人なんて存在しないのです。現実は現実として受け止めること。それがこのテーマを扱う上での覚悟だと考えます。「死ぬな」という言葉なら、誰でも言えます。問題はその想いが相手に届くかどうか。樹海の立て看板では心に響かなくとも、映画なら、より強いメッセージ送れるのではないかと。
[DVD(邦画)] 6点(2007-08-29 18:05:19)
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