1. キャスト・アウェイ
《ネタバレ》 トム・ハンクスのひとり芝居を堪能するための映画ですね。中盤の延々と続く孤島のシーン。バレーボール相手に孤独を慰める彼の演技を観ていて、最近のシリアスな演技ばかりのトム・ハンクスだけでなく、初期のスタンダップ・コメディアン時代を思いだした人も多いのではないでしょうか。冒頭のロシアでの彼は時間に追われる仕事人間であったのが、4年間の無人島生活を経て、自分の人生や生き方を見直して生まれ変わるという設定はありがちなものですが、映画を観るすべての人間に対して、「今の生き方をちょっと振り返ってみませんか?」と問いかけている気がします。ところで、珊瑚礁の環礁に波が砕ける音を、私は最初雷鳴と勘違いしておりました。ゼメキスの映画で雷鳴はつきものなので(笑)。また、何度も映される海中で血が流れるシーンは、どうしても「プライベート・ライアン」の冒頭を彷彿とさせるのは仕方ないでしょう(笑)。筏で脱出した後ウィルソンを失うシーンは、ありがちな設定で感動を呼ぼうとしていたけど、「その手には騙されないぞ」と思ってちょっと笑っていました。だって、ゼメキスならきっと何かの”回復策”を作ると思っていたから(その通りに、ラストに登場しますね(微笑))。この映画の間中、トム・ハンクスの目の演技に注目していたのですが、秀逸だったのは、歓迎パーティーのシーンで、ひとり残された彼が、無人島の生活を想い出しながらテーブルの上の品を物色するシーンです。着火用ライターを2回つけるのですが、2度目の点火の後に注目してください。あの目線で、様々なことを語っています。個人的にいちばんぐっときたのは、やはり、結婚してしまった恋人との再会シーンですね。雨の中のキスシーンは切なかったです。彼女が自ら望んで彼を捨てたのではなく、彼のことをずっと思っていたことを示すための、さまざまな捜索資料が山積みになった部屋を観たとき、私は感動してしまいました。そこまで思っていても一緒になれなかったことに人生の不条理と悲哀を感じます。 8点(2004-01-20 13:44:55)(良:3票) |
2. 菊次郎の夏
好い映画でしたね。何と言っても、菊次郎の人物像に自分を重ね合わせて観ていました。私もギャンブラーでヒモみたいなもんですから(苦笑)。友達の居ない少年が、夏休みに一念発起して母親に会いに行くというロードムービーですが、悲しく厳しい現実と、彼が出会う多彩なキャラクターが映画のストーリーを見事に演出しています。子供のようなキャラクターの菊次郎が巻き起こす騒動は、派手な暴力シーンもなく、好感が持てます(犯罪はいけないけどね(微笑))。この映画の3年と少し後に「座頭市」のモチーフとなるシーンがたくさんあったのも、新たな発見でした。喫茶店のウェイターがタップを踏むシーンや、バス停でつえをつくシーン、神社の天狗の踊りなど、そのまま使われているモチーフですね。少年が母と出会った後、一転して馬鹿をするきっかけになった台詞「一緒に遊びませんか。子供が可哀想でしょ」は、とても印象に残る、好いことばですね。母親を訪れた"大きな"子供、菊次郎の気持ちもほぐれることになる名台詞です。なかなか考えさせられる楽しい作品でした。 8点(2004-01-04 00:14:57)(良:3票) |
3. 銀河鉄道の夜(1985)
登場するのが猫になっているだけで、原作にほぼ忠実に作られたアニメですね。宮沢賢治の世界が好きな人なら楽しめるのではないでしょうか。淡々とした台詞回しとストーリー展開、そしてラストの哀しみ。原作で感動した人ならもう一度感動してみよう。 8点(2003-11-20 05:35:06) |
4. キッド(1921)
皆さんお書きの通り、子役が凄いです。孤児というテーマで、笑いあり、涙ありの作品に仕上がっていますね。 8点(2003-11-20 05:30:31) |
5. キューティ・ブロンド
面白かったです。こういう単純に楽しめる作品はいいですねえ。最初の教室のシーンでノートパソコンを皆が広げているのには、自分の頃の法学部とは時代が違うなあと実感させられましたし、あの派手なマック(真っ黒なノートパソコン軍団の中で、あれだけが浮いているのは面白かった)には笑っちゃいました。その前のハート形のノート(紙の)もウケたけどね(笑)。それにしても(←口癖(笑))、主人公エルの超ポジティヴ指向な生き方に元気づけられます(笑)。法律用語は英語でも難しいんだけれど、それを連発させるのではない方法で法廷を盛り上げるエルには拍手喝采です。ファッションの知識を活かした根多はニンマリしてしまいました(プラダの靴とか(笑))。リーズ・ウィザースプーンは濱田マリさんに似てませんか?ところで、ラクウェル・ウェルチが出ていたのには驚きでした。「恐竜100万年」の頃の見る影もなかった(苦笑)。年月の経過を感じます。 8点(2002-11-14 14:27:35) |
6. 恐怖の報酬(1953)
とにかく演出の出来が抜群です。昔の映画なのに、ハラハラドキドキを最後まで味わせてくれます。この手の映画の結末は、どんでん返しがあった方が面白いですが、この作品もあっといわせてくれます。このラストシーンを見たとき、私は「Uボート」のラストシーンを思い浮かべました。 8点(2002-07-15 08:25:47) |
7. キタキツネ物語
動物ものを作るとき、大きくふたつの方法があると思います。ひとつはドキュメンタリー色を強くしたもの。もうひとつは擬人化を強くしたもの。この作品は大木として岡田英次さんの声を語り手に据えたことで、その両方を表現することに成功したと思います。流氷に乗って現れる一匹のキツネ。やがて家族が増え別れが訪れる。人間の生活というものを自然の一端に抑えて描き、動物の側からの自然の厳しさを描いた傑作だと思います。小さい子供にとっては残酷なシーンもあるでしょうが、自然界というのはそもそも可愛いだけですむものではありません。淘汰という厳しい掟があるのだから。でもそれにうち勝ったものには希望もあります。ある程度自分で物事を考えられようになったら、この映画を観るのもいいと思います。そして自然について考えるのもいいと思います。余談ですが、あの歌を聴くとついついサングラスとニット帽を思い出してしまいます(笑)。 8点(2002-07-03 22:54:51) |
8. 疑惑(1982)
ワインをぶっかけるシーンが迫力満点ですね。北九州で実際に起きた保険金殺人事件をモチーフにしているわけですが、桃井かおりは絶対にやっているよね(微笑)。 7点(2003-12-01 08:46:20) |
9. 教祖誕生
宗教を金儲けに利用するために自分たちが育てた教祖が、やがて自分たちを追い出してしまうという悲喜劇ですね。たけしがいい加減な役を好演していたと思います。 7点(2003-12-01 08:42:59) |
10. 救命艇
ヒッチコックを捜せ!(笑) 絶海の小舟にどうやって登場するか。通りすがりの人や、バスに乗るような登場の仕方はできない。それをどう克服して出てくるのか。「ああ、ああいうやり方があったのか」とニヤリ。 7点(2003-12-01 08:41:15) |
11. キング・コング(1933)
映画ができた時代を考えれば、発想といい、ストーリーといい、かなり秀逸な作品ですよね。当時のアメリカの象徴エンパイアステートビルに昇るというのも面白いよね。ただ、残念ながら特撮技術などはやはり見劣りがします。 7点(2003-11-20 05:40:54) |
12. キング・オブ・デストロイヤー/コナンPART2
コナンの続編です。女戦士の迫力や、マコの魔術師などキャラの面白さはありますが、前作に比べてストーリーが今ひとつ。RPGのような楽しさはありますが、それにしてはラスボスが今ひとつ(苦笑)。まあ、そこそこ楽しめるので、観て損はないと思います。 7点(2003-11-20 05:38:27) |
13. 鬼畜
いかにも松本清張らしい作品です。観た当時、同時上映で「砂の器」をやっていたので、やはりあちらに比べると格落ちですが、サスペンスの小品として楽しめます。気の弱い印刷屋なのに隠し子がいたというのは笑ってしまいますが、その緒形拳が子供を捨ててしまうのがもの悲しいです。やたらみんな汗をかいて、その暑さが印象に残る映画ですね。 7点(2003-11-20 05:28:57)(良:1票) |
14. 奇跡の旅2/サンフランシスコの大冒険
声しか元気なマイケルに会えないのは残念だけれど、相変わらずやんちゃな犬を好演しています。皆さんお書きの通り、ラストにニヤリ。 7点(2003-11-20 05:23:16) |
15. 危険な情事
ああいうグレン・クローズはものすごく怖いですね。ラストはほとんどホラー映画のノリで、やっつけてもしつこく復活するのが恐ろしい(笑)。まあ自業自得なので、マイケル・ダグラスも反省しなさい!(笑) 7点(2003-11-20 05:21:37) |
16. 黄色いリボン
退役したと思ったら、まだ4時間あった。それをどう使うか。ジョン・ウェインならああするでしょうね。派手さはないけど、なかなか面白い作品だと思います。 7点(2003-11-20 05:19:25) |
17. 奇蹟の輝き
悲しくて死にたくなっちゃう奥さんの気持ちもわかるけど、やっぱり自殺を正当化したくはないなぁ。だからといって、ああいう状態になるのを放置しても可哀想だし、元旦那としては助けに行きたくなるのは仕方ないことだよね。マックス・フォン・シドーが重要な役どころをしていて、なかなか好い感じでしたね。前半の絵画のような世界も面白かったです。生まれ変わりというのは、あったら面白いね。ラストの出会いにニヤリとしました。 7点(2003-11-19 04:24:01) |
18. キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
クリストファー・ウォーケンが出ているとは知りませんでしたから、いきなり出てきてビックリでした。やっぱり好い味出してますね。ストーリーはそこそこ面白いと思いましたが、デカプリオが17歳というのも無理があるかも。 7点(2003-11-16 00:36:14) |
19. キャッチ22
立派な反戦映画ですね。こういう斜に構えた切り口というのは大好きです。 7点(2003-05-01 20:19:06) |
20. ギフト(2000)
まあまあ面白かったです。「インソムニア」ではあんなに輝いて見えた彼女があんなに生活にくたびれた女房になっちゃうんですね。役者の演技って凄いと思います。最後にバディが出てくるシーンで、物理的に攻撃を加えることに疑問を持つんですよね。それにハンカチを洗って返すというのも。"物理的"に不可能でしょ?(笑) でもそういうことを差し置いて、そこそこ楽しめる作品でした。ところであのチンピラ夫がキアヌ・リーブスである必然性はまったくないですよね? 7点(2003-04-19 10:14:41) |