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 > かたゆき さんの口コミ一覧
かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1888
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順12
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1.  キル・ユア・ダーリン 《ネタバレ》 
自分の好きなものを葬り去れ!これまでの退屈な詩や小説なんか全て切り裂いてしまえ!その向こうにこそ新たな文学の地平が拓けるんだ――。1943年、偉大な詩人を父に持つ若き学生アラン・ギンズバーグは、旧時代の体制や芸術などに反抗的な目を向ける青年ルシアンと出合う。彼を取り巻く芸術家や作家志望の若者たちと、酒やドラッグに溺れる刹那的な日々へと身を投じるアラン。いつしか同性愛にも似た友情を育んでゆく2人だったが、ある日、突発的な悲劇が訪れるのだった……。実話を基に、戦後アメリカ文学の一翼を担うことになる作家たちの若かりし日の破滅的な友情と挫折をドラマティックに描いた青春群像劇。僕が今もっとも注目している若手俳優ディン・デハーン君と、大ヒット作であるハリポタシリーズも終わってただいまちょっぴり迷走気味(?)のラドクリフ君が競演ということで、今回鑑賞してみました。なんですが、いやー、つまんなかったですね~、これ。とにかく何がやりたいのかさっっっぱり分からない登場人物たちが繰り広げる、何が言いたいのかさっっっぱり分からないストーリーに終始睡魔が……。特に、図書館に忍び込むシーンの意味不明っぷりにはびっくりです。挙句、最後に表示される「彼らはこの後、こんなにも大活躍したのだよ」と言わんばかりのテロップを読んで僕は「知らんがな!!」と思わず叫びそうになっちゃいました(笑)。この作品に携わった全てのスタッフたちに一言忠告して差し上げたい、「既存の映画という枠組みを葬り去ってやる!と意気込むのもいいけど、その前にもっと映画作りの基本もちゃんと勉強してください!!」。野獣のように鋭い目つきのデハーン君の相変わらずの格好良さに免じて+1点!
[DVD(字幕)] 4点(2024-05-18 15:17:33)(良:1票)
2.  キャリー(2013) 《ネタバレ》 
「ねえ、ママ、どうして生理のこと教えてくれなかったの?あたし、みんなに笑われたんだよ。それとママがいくら反対したって、あたし、絶対にプロムに行くわ。たとえ、どんな目に遭おうとも」――。狂信的なまでに保守的で厳格な母親に大事に大事に育てられた大人しい少女キャリー。クラスメイトとうまく打ち解けることが出来ない彼女は、周りからの理不尽なイジメにずっと耐える苦しい生活を強いられていた。だが、まだ誰も知らない。キャリーには人智を越えた恐ろしい力が備わっていたことを。プロムの夜、いじめっ子が軽い気持ちでやった些細ないたずらがキャリーを追い詰める。それが恐ろしい惨劇を招くことも知らずに……。スティーブン・キングのデビュー作をブライアン・デ・パルマが映画化した名作の誉れ高い作品を、人気若手女優クロエ・グレース・モレッツ主演で現代風にリメイクした青春モダンホラー。デパルマ版の過去作はずっと昔に観たという記憶はあるのだけど、僕の好みにいまいち嵌らなかったのか、その内容はほとんど憶えていない状態でこの度鑑賞。うーん、観終わってすぐの率直な感想を言わせてもらえば、「ザ・無難」という言葉に尽きると思います。ストーリーの盛り上げ方も、映像の見せ方もキャラクターの描き方も全てが予想の範囲内の及第点クラスなんですよね。だから、クライマックスのキャリーの暴走もカタルシスがあってけっこう見応えあるし青春ドラマとしてもなかなかセンスを感じるし決してつまらなくはないんだけど、こうもう一つ何かが足りないという印象。あのジュリアン・ムーア演じるお母さんがもっとぶっ壊れてて一度見たら忘れられないくらい強烈なキャラクターだったりだとか、クライマックスの惨劇ももっとやり過ぎなくらい血みどろグチャグチャにしちゃうとか、そんなデパルマ版を少しでも追い越そうというようなエッジの利いた演出があればもっと良かったと思うんですけどね。クロエちゃんも頑張っていましたが、彼女はもっと元気もりもりキャラを演じたほうがその魅力を発揮できると思います。という訳で、まあぼちぼち面白かったかなって感じですね。うん、6点!
[DVD(字幕)] 6点(2024-05-18 15:12:21)
3.  キリングゲーム(2013) 《ネタバレ》 
18年間、ずっと捜したよ、血眼になってな。ようやく奴の尻尾を捉まえることが出来た。これからどうするかだって?決まってる、ハンティングに行くのさ――。1990年代、泥沼の民族紛争が続いたボスニア・ヘルツェゴビナ。そんな狂気の戦場に従軍したフォード大佐は、心に深い傷を負ってアメリカへと帰って来る。以来、大自然に囲まれた山奥の山荘でひっそりとした生活を営む彼の元に、〝あの男〟がやって来るのだった。そう、ボスニアの戦場でフォード大佐と因縁浅からぬ関係にあったあの男が……。鬱蒼と茂る森を舞台に、ボスニア紛争に端を発する2人の男のそんな命を懸けた“キリング・ゲーム”をスリリングに描いたネイチャー・アクション。ロバート・デ・ニーロ&ジョン・トラボルタの夢の競演ということで今回鑑賞してみたのだけど、いやー、なんなんですか、このショボい出来上がりは(笑)。だいたいこの2人ってボスニアで何があったんですか?最後まで観たのに、いまいちよく分からなかったんですけど!!核となる部分がこれなので肝心の物語が盛り上がるわけもなく、その後の2人の森の中での決死の追跡劇もけっこうトホホな理由で立場が入れ代わったりするものだから、もう自分は苦笑するしかなかったです。だって、トラボルタとか相手が狙っているのを分かっていながらワインを取りにノコノコ姿を見せて、案の定脚を弓矢で射抜かれたりするんですよ!対するデ・ニーロもせっかく相手を捕まえて机に縛り上げたのに、自分で斧を打ち下ろして間違ってその縄を切っちゃうってどんなけアホやね~~~ん(笑)。脚の傷にロープを通してそれで木に吊るしたり両頬に矢を貫通させたりといった、無駄にグロいシーンが多いのにも辟易です。挙句、最後は中途半端に薄っぺらい反戦メッセージを残して終わり…。うーん、何年かに一本、こういうネイチャー系鬼ごっこ映画が出て来ますが、その中でもかなりレベルの低い作品でございました。
[DVD(字幕)] 3点(2023-11-06 06:39:39)
4.  記憶探偵と鍵のかかった少女 《ネタバレ》 
記憶探偵――。それは他人の記憶の中に入り込み、その人にしか知り得ない無意識下の真実を探り出すことによって、世の中に溢れる様々な難事件を解決へと導き出す特殊な職業だ。業界最大手の一流企業、マインドスケープ社に所属するジョンもそんな記憶探偵の一人。ところが2年前に妻を亡くしたショックから、彼は長いスランプに陥っていた。このままでは妻の思い出が沢山詰まった家まで売り払わないと明日にも破産してしまう。ジョンは上司に掛け合って、記憶探偵としての仕事を何とか廻してもらうのだった。「大富豪の一人娘がもう1週間も飯を喰ってない。きっと過去のトラウマが原因だ。ジョン、どうだ?簡単な仕事だろう。すぐに向かってくれ」。藁にも縋る思いですぐにその大富豪の邸宅へと向かうジョン。そこには謎めいた言動を繰り返す16歳の美しい少女、アナが待っていたのだった。彼女のトラウマの原因を探るため、ジョンはすぐさま彼女の記憶の中へと潜り込んでいくのだったが……。他人の記憶の中に自在に入ることが出来る特殊な能力を持った探偵が彷徨い込んだ、そんな一人の少女の深層意識という名の迷宮を濃厚に描き出すダーク・ミステリー。クリストファー・ノーランが生んだ傑作『インセプション』が公開されてから、こういう人の深層意識の中へと潜り込んでいく系の作品がやたらと流行ってますね~。でも、その多くは『インセプション』とは比べるべくもない駄作ばかり。本作もその例に漏れず、『インセプション』のような世界観を頑張って構築しようとして(主人公の妻が記憶の世界に留まり続けて鬱状態から自死へといたったという設定なんて、そのまんまですやん笑)、見事なまでにお話が破綻しちゃってます。クライマックスで種明かしされる事件の真相も「いやいやそんな馬鹿な」と呆れるようなもので、僕は思わず失笑しちゃいました。ラストのハッピーエンドなんて、無理やり捻り出した感が半端ない。そして、こういう作品の一番の肝となるのはやはり主人公が彷徨い込む精神世界をいかにセンスよく映像化しうるかどうか。確かに、監督がゴシック趣味全開の少女ワールドを濃密に描き出そうと頑張っているのは分かるのだけど、うーん、残念ながら僕はそんなにセンスを感じませんでした。こういうのを観るといかにクリストファー・ノーランが天才かがよく分かりますね。記憶の中に入り込まれるアナという少女を演じた子がなかなかの美少女で、そんな彼女が太ももムチムチのホットパンツ姿を惜しげもなく披露してくれたことを考慮して+1点しときます。
[DVD(字幕)] 5点(2023-08-15 09:22:40)
5.  ギリシャに消えた嘘 《ネタバレ》 
1962年、ギリシャ。3度目の結婚を果たし、新たな若い妻と新婚旅行でこの地を訪れた初老の証券マン、チェスター。その正体は本国アメリカで詐欺まがいの取引によって多くの被害者を生んだ証券詐欺師だ。ある夜、高級ホテルに泊まっていた彼らの部屋に怪しげな男が訪れる。どんな手を使ってでも金を取り戻したいと言う投資家に雇われたという彼に、チェスターはいきなり拳銃を突きつけられるのだった。だが、チェスターは思わず反撃し彼を殺してしまう。さらに間の悪いことに、数日前に知り合った怪しげな現地の観光ガイドにそれを見られてしまう。「あなたとあなたの奥さんを助けてあげてもいい」。何故かそう訴えるその若い観光ガイドの名はライダル。その日から、証券詐欺師とその若く美しい妻、そして彼女に熱い視線を向ける観光ガイドという3人の危険な逃避行が始まったのだった…。風光明媚な観光地ギリシャを舞台に、嫉妬と愛情、そして犯罪が渦巻く男女の逃避行をミステリアスに描き出すサスペンス・スリラー。ヴィゴ・モーテンセンとキルスティン・ダンストという実力派俳優2人が、そんな刹那的な逃避行を続ける夫婦を艶かしく演じていると言うことで今回鑑賞してみました。夫婦に何故か現地の貧しい若い男が割り込み、アテネからクレタ島へと逃走を続けていくうちに、彼らに何だか三角関係的な葛藤が芽生えていく様を本作はスリリングに描き出していきます。確かにこの最後まで続くねっとりとした緊迫感はなかなかのもの。歴史や文化に彩られた60年代ギリシャの風景もとても美しく、そんな3人のミステリアスな関係を盛り上げるのに一役買ってます。そこらへんは素直に楽しめました。ただ、演出的に爪の甘さが目立つのが本作の弱点ですね。特に、簡単に人が死んでしまうのは如何なものか。冒頭、私立探偵がホテルにたった一人でやって来て主人公ともみ合ううちに浴室に頭を打って呆気なく死んでしまうというのは、さすがに物語の導入としては弱いと言わざるを得ません。他にも、若い観光ガイドが何故か主人公たちの逃避行についてくる理由付けや主人公の妻が辿る運命など、色んなところに粗さが目立ちます。3人の男女の嘘と嫉妬が交錯する怪しげな雰囲気は凄くよかっただけに、そこらへんが残念な作品でありました。6点。
[DVD(字幕)] 6点(2023-07-28 12:43:57)
6.  キャロル(2015) 《ネタバレ》 
私の天使、天から落ちたひと――。1950年代のニューヨーク、まだ同性愛に厳しい保守的な思想が色濃く残っていたこの時代。デパート店員として平凡な日々を過ごしていたテレーズはある日、運命の人と出逢ってしまうのだった。相手の名は、キャロル。愛のない結婚生活に終止符を打ち、かけがえのない一人娘とともに新たな生活に踏み出そうとしていた美しい女性だった。人目を忍んで何度も逢瀬を重ねた二人は、ある夜、重大な決断を下す。「このまま何もかもを捨てて二人で旅に出ましょう。気の赴くまま、どこまでも西へと……」。離婚するなら娘の親権は渡さないと強硬な態度に出る夫、どうせすぐに自分の元へと戻ってくると言い張る横柄な彼氏。面倒なしがらみを一切捨てて、ただ運命の赴くまま西へと逃避行を続けてゆくキャロルとテレーズ。やがて、二人は女同士の友情を遥かに超えた運命の恋という名の美酒に溶けてゆく……。同性愛者でもあった人気ミステリー作家が別名義で発表した恋愛小説を詩情豊かに映像化した大人のラブストーリー。この映画の最大の美点は主役を演じた、ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラの二人の魅力に尽きると思います。社会の理不尽な仕打ちに抗うためプライドと美意識で必死に武装するキャロル、かたや自分の感情に常に忠実であろうとする若く美しい女性テレーズ。正反対であるがゆえ、またどちらも社会の中で生まれついてのマイノリティであるがゆえに、お互いの魅力に強く惹かれ合ってゆく二人。極めて純粋で情熱的な愛の形をこれほどまでに美しく演じた彼女たちの奇跡の共演に、最大限の賛辞を贈りたい。特に、二人が初めて身体を重ね合わせるシーン、僕がこれまで観たすべての映画の中でも比肩しうるもののない、もっとも官能的で美しいベッドシーンでした。もちろんそんな二人の複雑な心理を繊細に紡いだ、監督の演出力の高さも忘れてはなりません。女と女という狭い枠を超越する普遍的な愛の物語。至高の映画体験をさせてもらいました。8点。
[DVD(字幕)] 8点(2023-03-27 13:18:22)
7.  キュア ~禁断の隔離病棟~ 《ネタバレ》 
ニューヨークの大手金融機関に勤めるエリートサラリーマン、ロックハート。順風満帆な生活を送っていた彼だったが、ある日、過去の不正行為が明らかとなり窮地に追い込まれてしまう。事実を知った会社はそんな彼にあるペナルティを課す。それは一通の手紙だけを残しスイスの療養所へと入所してしまった社長を速やかに連れ戻してくるというもの。選択の余地などないロックハートはすぐさま荷物をまとめ、スイスの人里離れた山奥にあるというその療養施設へと旅立つのだった――。19世紀の古城を改装したというその施設へとようやく辿り着いたロックハート。そこは世界中の富豪老人たちが集まり、地下水を利用した独特の療法が行われていた。ところが、面会時間を過ぎているという理由で彼は門前払いさせられてしまう。仕方なく引き返すことにしたロックハート。直後、彼の乗った車が事故を起こし、意識不明となった彼はそのまま施設へと入院させられてしまう。やがて目覚めた彼はすぐに知ることになるのだった。この施設に隠された恐るべき闇の部分を……。ハリウッドのヒットメーカー、ゴア・ヴァービンスキーの最新作はそんな怪しげな雰囲気が全編に漂うサスペンス・スリラーでした。うん、なかなか面白かったですね、これ。禍々しい空気に支配された美麗な映像がとにかく素晴らしい。一見掃除が行き届いた清廉潔白な施設のように見せかけて、お話の進行とともに少しずつ闇の部分があらわになっていくところなど見せ方が凄く巧い。随所に差し挟まれる黒いウナギのような生物が暗い水の中で蠢く映像なども悪夢的で強烈。何日も不眠に悩まされ目の下に隈を作りながら、そんな悪夢のような世界を彷徨う主人公を演じた若手俳優ディン・デハーンもまさに嵌まり役。何処かカフカや阿部公房を髣髴させるこの不条理な世界観は見応え充分でした。ただ、本作には致命的な欠点が一つ。とにかく長い!この内容で2時間20分はさすがに長すぎます。明らかに無駄なシーンが何か所かあり、そこら辺を削れば絶対2時間以内に収まったはず。最後、急にオカルトテイストになったのもちょっと唐突で違和感が拭い切れませんでした。この美しい悪夢とも呼ぶべき独特の世界観はすこぶる好みだっただけに惜しい。あと、決して美少女では無いもののヒロインを演じたミア・ゴスの存在感は抜群でした。彼女がウナギだらけのお風呂に入ったり施設長におっぱい揉まれたりとなかなか体当たりで頑張ってたのも良かったです♡。
[DVD(字幕)] 6点(2022-11-28 11:33:41)
8.  キングスマン: ゴールデン・サークル 《ネタバレ》 
世界を密かに?救ってきた謎の英国紳士たちのぶっ飛び大活躍を、お下品&エログロアウトぎりぎりのセンス溢れる映像で描いたスパイ・アクション第2弾。いやー、相変わらず面白かったです!ほんとにこのおバカな世界観をひたすら真面目に追及するマシュー・ボーンのキレッキレの演出力は今回も冴え渡ってましたね~。ただ、さすがに前作のインパクトが強烈だっただけに、今回はそこまでの衝撃はなかったですかね。悪役のジュリアン・ムーアがいまいち弾けきれてないないような?まあ普通に面白かったですけど、前作ほどではなかったってことで7点!
[DVD(字幕)] 7点(2022-11-18 12:43:14)
9.  キング・ホステージ 《ネタバレ》 
ここはアメリカのとある地方都市。貧しい家庭に生まれながらも幼いころからずっと力を合わせて生きてきたマイキーとJPは、世界一仲のいい兄弟。特別な絆で結ばれた彼らだったが、その後の人生はまるで正反対なものだった。街のギャングたちのボス、エディ・キングに見入られた兄マイキーはクスリがらみのチンピラとしてずっと日陰の世界を生き、実業家として成功の足掛かりを得た弟JPは愛する妻とともに充実した毎日を送っていた。だが、そんなJPの元にある日、予期せぬ手紙が届けられる。コカイン取引に失敗した兄が誘拐され、三日以内に35万ドル払わなければ命の保証はないというのだ。犯人は間違いなくエディ・キングだったが、確実な証拠は何もない。知り合いの刑事に相談しても親身になってくれるどころか、兄の偽装誘拐まで疑われる始末。もはや頼れるのは自分だけ。JPはたった一人の兄を救うため、自ら行動を起こすのだった――。毎度おなじみニコラス・ケイジがイカれたギャング役を演じた本作、あまり期待せずに今回鑑賞してみました。正直、さっぱり面白くなかったんですけど!なんかこれ、脚本がテキトーすぎません?だいたいこのどうしようもない兄をそこまで慕う主人公にさっぱり感情移入できません。なのでまあ物語が盛り上がらない盛り上がらない。悪役であるギャングのボスもイカれてるというよりただ単純に頭が悪いだけだし、ジョン・キューザック演じる刑事なんて最後まで何もせずぐだぐだ文句を言うだけで居る意味がほぼ皆無。また、ただでさえストーリーのテンポが悪いのに、要所要所に差し挟まれるスローモーションがそれに拍車を掛けています。だいたいこのスローモーションを多用した映像も見にくいだけでセンスが欠片も感じられない。挙句、取って付けたような薄っぺらいハッピーエンドで終わるとこなんてもう目も当てられません。最近のニコケイ映画の中でもかなり出来の悪い駄作でありました。3点。
[DVD(字幕)] 3点(2022-10-26 12:00:22)(良:1票)
10.  君の名前で僕を呼んで 《ネタバレ》 
イタリアの避暑地で出会った青年たちの男同士の恋愛を濃厚な映像で描いたラブロマンス。とにかく若い男たちの引き締まった肉体美が素晴らしいですね。滴り落ちる汗の匂いがこちらにまで漂ってきそうで、何とも官能的でいい。なんだか昔読んだ三島由紀夫の小説を思い出しました。この昔のヨーロッパ映画のような古風な作風が個人的にそこまで嵌まらなかったですけど、いい映画だったと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2022-09-16 08:51:03)
11.  THE GUILTY ギルティ(2018) 《ネタバレ》 
「私の名は、イーベン。今、元夫の車に拉致され何処かへと向かっている。私、このままじゃ殺される、お願い、助けて」――。ある日、緊急通報センターに掛かってきた、そんな一本の電話。通報を受けたのは、少し前にここに配属されたばかりのオペレーター、アスガーだった。追い詰められたような彼女の口調に緊急性の高い案件であると直感した彼は、すぐさま警察と連携を取り、発信元である高速道路にパトカーを向かわせる。だが、正確な位置も車両ナンバーも分からないため、パトカーはその車を発見することは出来なかった。事態は一刻の猶予もないと判断したアスガーは、携帯の登録情報を元に彼女の実家へと電話を掛けてみる。電話に出たのは、イーベンの長男である幼い子供だった。詳しく話を訊いてみても、血だらけの自分のママが父親に連れ去られたと泣き叫ぶだけ。どう考えても異常な事態。居ても立ってもいられなくなったアスガーは、警察とは別に独自の行動を取るのだが……。緊急通報センターの狭い一室を舞台に、拉致監禁事件へと巻き込まれた一人の女性を救うために孤軍奮闘するオペレーターの姿を描いたサスペンス。登場人物はほぼ主人公であるこのオペレーター一人のみ、あとは電話の向こうにいる幾人かの人々とのやり取りのみで描くという挑戦的なスタイルで描かれた本作、これがなかなか緊迫感に溢れたサスペンス・ドラマの佳品に仕上がっていたと思います。同じような設定の作品はすでにハル・ベリー主演の過去作にあったのですが、あちらは設定こそ秀逸だったものの後半はかなり残念な仕上がりになっていたことを思うと、本作の後半の展開はけっこう考え抜かれていて素直に面白かったですね。何より、驚愕の展開を見せるクライマックスはこちらの予想を遥かに上回ってきました。「まさか、そう来るか」という感じです。そこに主人公の過去に起こした罪を絡めてくるところなんかも巧い。こんなにも地味でこんなにもお金が掛かっていないのに、ここまで面白いドラマを創れるんですから、この監督の才能はなかなかのものなんじゃないかと思います。まあここまでオペレーターが好き勝手に電話できるのかという脚本の突っ込みどころはありますが、それも僕的には許容範囲内。ハリウッド・リメイクも決定したということで、今からそちらも楽しみな逸品でありました。
[DVD(字幕)] 7点(2022-06-16 10:07:35)
12.  CURED キュアード 《ネタバレ》 
人間を狂暴化させる新型ウィルスが爆発的に蔓延し、大混乱へと陥ってしまったヨーロッパ。感染した者たちは見境なく人々を襲い、そしてその肉を喰らうという常軌を逸した行動へと走るようになるのだった。自らの親や子供、友人たちを容赦なく襲う感染者たち。世の中がそんな地獄絵図へと化す中、ここ、アイルランドも例外ではなく、社会は壊滅的な打撃を受けてしまう――。だが、人々はその後、治療法を開発し、感染者の七割以上が無事に回復するまでになっていた。残りの回復しない感染者をどうするのかという問題に直面するなか、回復した元感染者たちの社会復帰が開始される。ここでもう一つの問題が浮き彫りとなる。回復した元感染者たちは皆、狂暴化していたときの記憶を何一つ失ってはいなかったのだ。無事に日常生活へと戻ってきた元感染者であるセナンもまた、狂暴化していた時期の自らの記憶により、心に深い傷を負っていて……。パンデミック後の混乱した社会に生きる人々の苦悩を、とある一人の男の姿を通して描いたサバイバル・スリラー。という内容を聞いて、もっとエンタメ寄りの作品だと思って今回鑑賞してみたのですが、意外にもこれって社会派寄りのシリアスなドラマだったのですね。だとしたら、いまいち深みが足らないように僕は感じてしまいました。貧富の格差や移民問題、それによって拡がる社会の分断のメタファーとしてゾンビを扱うというアイデア自体は悪くないんです。異物を排除しようとする社会的多数派と暴力によって自らの主張を認めさせようとする社会的マイノリティ、そしていつまで経っても反社会性を失わない者どもを密かに抹殺しようという権力の暴走……。911から続くそんな深刻な社会状況をゾンビという分かりやすい要素で捉えようというのは非常に興味深い試みだったとは思うんですよ。更生したテロリストたちの社会復帰という問題もメタファーとしてよく効いている。ただ残念ながら彼らの思想的対立がいつまで経っても深まっていかず、ただ淡々と物語が進んでゆくので僕は正直中盤から退屈に感じてしまいました。エンタメ映画として観るには圧倒的に娯楽性に欠けるし、社会派映画として観るにはいかんせん深みに欠けるという、なんとも中途半端な作品でございました。
[DVD(字幕)] 5点(2021-07-29 05:24:05)
13.  キャッツ 《ネタバレ》 
初回上演から現在まで、ロングランヒットを続けるミュージカルの名作を映画化したもの。原作舞台に特に思い入れがあるわけでもなく、有名な劇団四季による日本公演なども未見でしたが、何かと話題だったので今回鑑賞してみました。ネット上でも話題沸騰の、あの猫のリアルな擬人化具合は確かに気持ち悪かったですね~~~。普通に考えて彼らは服を着ていないわけですから、もちろん性器も肛門も丸出しなわけじゃないですか。それなのにお股をおっぴろげにしちゃうとことか、あまりにもハレンチでもう見てられなかったですね。普通に服を着ている猫も居たんで、より彼らの全裸感が強調されるという謎のダメ押し具合(笑)。さらに呆気にとられたのは、ゴキブリたちまで擬人化されて歌って踊りまくるところ。キッチンで行列作ってケーキに群がってたと思ったら、最後は猫に食べられちゃうという普通に考えて悪夢としか言いようのないシーンをご陽気に見せられた日にゃもう苦笑いするしかありませんでした。歌って踊ってる人も特殊効果した人も振り付け担当の人ももちろん観客もいったい誰得なんでしょー(笑)。肝心の内容の方も、好きな人には申し訳ないですけど、ここまで内容のないお話を見せられて、正直、僕は最後まで一切楽しめませんでした。うーん、自分には何がいいのかさっぱり分からなかったです。
[DVD(字幕)] 3点(2021-05-12 02:05:44)
14.  9人の翻訳家 囚われたベストセラー 《ネタバレ》 
フランスのとある地方都市に建つ一軒の古い洋館。何処にでもあるようなその大きな建物には、強固なセキュリティに守られた広い地下室が備えられていた。持ち主は、世界的なベストセラーを幾つも手掛けてきた大手出版社のCEO。そこにある日、世界各国から選ばれた九人の男女が集められる。目的はなんと、その出版社が扱う世界的ベストセラー作家の人気シリーズ『テダリュス』の最新刊をこの地下室で約二カ月かけて、集中的に翻訳作業を行うためだった――。事前の情報流出を防ぎつつも世界同時発売を実現するため、期間中彼らは外部との接触は一切禁止、外出することも許されない。作業は一日の初めにちょうど20ページ分の原稿を渡され、翻訳が終わると全て回収される。完璧なシステムのはずだった。だが、翻訳作業が開始された直後、何者かによってネット上にその極秘のはずの原稿の冒頭部が公開されるのだった。しかも犯人はCEOの携帯に直接連絡をよこし、原稿の全文を公開されたくなければ、多額の現金を払えと要求してくる。犯人は確実に、この九人の翻訳家の中の誰か。果たして原稿を盗み、ネット上に公開したのは誰なのか?ベストセラーを翻訳するために集められた、そんな九人の男女に交錯する動揺と疑心暗鬼をスタイリッシュに描いたサスペンス・ミステリー。という、今までありそうでなかった設定に惹かれ、今回鑑賞してみました。なのですが、僕はさっぱり嵌まらなかったですね、これ。とにかく物語の見せ方が恐ろしく稚拙。完全隔離されたこの地下室から誰がどのような方法でこの原稿を流出させたのかというのが物語の焦点となるのですが、ここら辺の詰めが非常に甘く、サスペンスとしていまいち盛り上がらない。もっと脚本を整理してすっきり分かりやすくみせてくださいよ。それに、この九人の翻訳家のキャラの描き分けもイマイチで、誰一人魅力的な人物がいないのも致命傷でした。しかも彼らのうち主人公が誰なのかもかなり曖昧なので、観客が誰に感情移入して観ればいいのか分からないのも難点。唯一盛り上がったのが、中盤の原稿強奪シーン。ここはベタですけど、サスペンスフルでなかなか面白かった。でも、それも最後のオチで全て意味がなかったとする謎の自己破壊(笑)。こうなってくると、この設定を思いついたアイデアのみが唯一の長所かなと思ったら、それもなんとダン・ブラウンのラングドン教授シリーズ出版の際に実際に行われた翻訳手法とのこと。うん、見事に誉めるべきところがなくなっちゃいました(笑)。なんとなく知的でミステリアスな雰囲気に4点。
[DVD(字幕)] 4点(2021-02-09 02:30:57)(笑:1票) (良:2票)
15.  キャプテン・マーベル 《ネタバレ》 
記憶を無くしたうら若きスーパーヒロイン、キャプテン・マーベルが地球を舞台に宇宙を揺るがす陰謀と戦うアクション・エンタメ。僕の個人的に苦手とするマーベル・スーパーヒーローものの一作なのですが、この監督の出世作?である、ドラッグ中毒の中学教師を描いたヒューマン・ドラマ『ハーフネルソン』が思いのほか良かったのと、最近の僕のお気に入りの若手女優ブリー・ラーソンが主演を務めているということで今回鑑賞してみました。なんですが、やっぱり僕はこのシリーズとはつくづく相性が悪いのか、最後まで全然嵌まれませんでしたね。なんだろう、このあまりにもノーてんきなノリがいまいち好きになれないからかな。それにストーリーもごちゃごちゃしててよく分かんなかったですし。んでも全編を彩る、90年代カルチャーへの惜しみない愛は個人的にツボでした。ニルヴァーナの「カム・アズ・ユーアー」が突然流れたときは思わずテンション上がっちゃいましたわ。それに主人公が着ている服が、何気にナイン・インチ・ネイルズのTシャツだったりとかね。あと、猫ちゃんも可愛かった!ま、そんなとこです、はい。
[DVD(字幕)] 5点(2020-08-16 00:29:00)
16.  キング(2019) 《ネタバレ》 
15世紀のイギリスを舞台に、若くしてイングランド王となったヘンリー五世が様々な苦難を乗り越えて〝立派な〟王となってゆくまでを重厚に描いた歴史スペクタクル。野心家だった父王との確執を抱え、最後まで王となることを望まなかったヘンリー五世役には今を時めく人気若手俳優ティモシー・シャラメ、新王を献身的に支える側近役に最近監督業にも熱心なジョエル・エドガートン。彼が脚本も務めたという本作、これがなかなか見応えのある歴史ドラマの佳品に仕上がっていたと思います。物凄くオーソドックスでベタな内容ながら、最後までちゃんと観ていられたのはやはり丁寧な脚本の力なのでしょう。特に血と汗の匂いがこちらにまで漂ってきそうなリアルな戦場描写はなかなかの迫力。平和を愛し、争いごとを嫌っていたはずの若き王が、いつしか捕虜を皆殺しにするような残虐な王となるまでも説得力があり、権坊術数渦巻く宮廷劇としても見応え充分でした。ただ、自分はこういう最後までずっと真面目な展開が続く歴史ドラマが幾分か苦手と言うこともあり、そこまで嵌まれなかったというのが正直な感想ですかね。もう少し遊びの部分があっても良かったような気がしなくもない。あと、明らかに長いっす!クライマックスの戦いが終わってからのくだりはもう少しスマートに出来たのでは?ここらへん、ちょっと蛇足感がありました。それにしても、若き王を貫禄たっぷりに演じたティモシー・シャラメの存在感は凄いですね。男の僕からみても惚れ惚れするぐらいセクシーでカッコよくて、将来が楽しみな役者さんの一人です。彼のファンや、中世ヨーロッパの歴史ものが好きな方なら充分楽しめると思います。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-06-18 17:20:57)(良:1票)
17.  記者たち 衝撃と畏怖の真実 《ネタバレ》 
イラクに大量破壊兵器は存在するのか――。2002年、911同時多発テロによって始まったアメリカの対テロ戦争は、アフガニスタンを制圧するといつしかイラクへとその照準を向け始めていた。作戦を主導するのは、当時政権の中枢にいたブッシュ大統領をはじめとするアメリカのネオコンたち。大義名分となったのは、彼らが主張する、サダム・フセインによる大量破壊兵器開発疑惑だ。NYタイムズやワシントン・ポストといったアメリカの主要メディアも政権側の主張を鵜呑みにし、イラク攻撃もやむなしという論調へと傾く中、とある小さな新聞社が疑問を抱く。ナイト・リッダー社のベテラン、ジョナサン・ランデーを中心とする〝記者たち〟は地道で綿密な取材を重ね、やがて独自の結論を導き出すのだった。政権側は重大な嘘をついている――。だが、愛国心が最高潮に高まっていた当時のアメリカは、後戻りできないイラク攻撃へと踏み込んでゆく…。時代の空気に左右されず、イラク戦争の裏に隠された真実を地道に追求し続けた記者たちの姿を実話を基に描いた政治サスペンス。監督を務めるのは、ハリウッドの名匠として名高いロブ・ライナー。キャストには前作でもタッグを組んだウディ・ハレルソンを筆頭に、ミラ・ジョボビッチやトミー・リー・ジョーンズと言った有名俳優が名を連ねております。綿密な取材や確かな時代考証に基づいたであろうドラマは手堅く作り込まれており、作品としてある一定の水準には達していたと思います。ともすれば退屈になりかねない題材を、随所にユーモラスな演出を差し挟むことで最後まで観客を引き込む工夫を凝らしていたのも好感持てました。ただ、これはこの監督の持ち味と言ってしまえばそれまでなんですけど、作品に漂う空気はなんとものんびりしております。こういう政治サスペンスにもっとも必要であるはずの、ひりひりとした緊迫感やぐったりするような重厚感と言ったものが欠けていたのが、僕的にはちょっと物足りなかったかな。事実を追うことに拘り過ぎたのか、誰に感情移入して観ればいいのか最後まで分からない作りになっていたのもどうかと思います。結論。知られざる真実に触れるという点においては観て良かったと思うんですけど、映画としては幾分か物足りなさの残る作品でありました。
[DVD(字幕)] 5点(2020-03-31 21:41:11)
18.  キラー・メイズ 《ネタバレ》 
ヒマを持て余した今年で30歳になろうという無職のダメ男が、何を思ったか自宅のリビングに段ボールで迷路を作り始めたことがそもそもの始まりだった。もともと凝り性だったせいもあり、出来上がったそれはなんと作った本人ですら三日も出てこれないほどの超大作に。迷い込んで出られなくなったという彼を救うため、同棲中の恋人や腐れ縁の友人たちが一致団結。半信半疑に入口を潜ってみるとそこには本当に広大な迷路が拡がっていた!しかも、内部には随所に危険な罠が仕掛けられていたのだった。さらには危険な悪の化身ミノタウロスまで登場し、獲物を求めて辺りを徘徊し始める。果たして彼らは無事にこの殺人迷路から抜け出すことが出来るのか?アイデア一発勝負で撮られた、完全に低予算のそんな本作、あまり期待せずに今回鑑賞してみました。舞台となる、全て段ボールで手造りされたであろうこのセットは確かにチープなんですけど、これがけっこう細かいところにまで独特のセンスや拘りが感じられて意外に最後まで観ていられる作品になってましたね、これ。まあ一言で言い表すなら、エッジの効いたNHK教育の子供番組みたいな感じで、折り紙の鶴や虫がそこら中にわさわさ動き回っていたり、ピアノの鍵盤が何処までも続く部屋があったりとなかなかに独創的。首を刎ねられた女性から噴き出す血が色鮮やかな紙吹雪なとこなんて、けっこうセンスを感じました。他にも遠近法を使ったビックリハウス的な部屋や、入った者が全員チープな段ボール製パペットになっちゃう部屋など視覚的に飽きさせない工夫が施されているのもポイント高いです。学生たちが自主製作で創ったようなノリで観たら、意外とセンス良かったみたいな感じかな。とはいえ、脚本が同じくらいチープなのはいただけませんけど。全く中身がないうえに、さして笑えないギャグが全編に渡って繰り返されるのがかなり寒い。致命的なのは、こんな殺人迷路が何故出来上がってしまったのか、その根本的な原因を曖昧なままに終わらせてしまったこと。とまあ、お話的には完全にナシだけど、この監督のヴィジュアル・センスにはほんのちょっとだけ将来性を感じました。
[DVD(字幕)] 5点(2020-02-26 13:57:11)
19.  キラーズ・セッション 《ネタバレ》 
キラー・アノニマス――。それは生まれついての殺人鬼たちがマンションの一室に集まり、互いの経験や悩みを全て話し合うことで更生を図るという秘密の共助組織だ。心の中の暗い衝動を抑えきれない生来の殺人者たちは、今夜も秘密のセッションを行うため椅子を並べ始める。ところがその日、アメリカの次期大統領候補が狙撃されるという大事件が発生、街はほぼ戒厳令とも言える物々しい雰囲気に包まれていた。そして偶然にもこの日に初参加することになった新人殺人者。だが、メンバーの一人が彼女こそその暗殺未遂事件に関与しているのではないかと疑問を抱き始める。次第に疑心暗鬼に包まれ、不穏な空気が漂い始めるマンションの一室。近くのマンションの屋上で全てを見守る謎の男も加わって、事態は意外な方向へと転がり始める。果たして殺人者たちは無事にこのセッションをやり遂げることが出来るのか?猟奇殺人鬼たちのグループ・セラピーというエキセントリックな設定で描かれるクライム・サスペンス。ジェシカ・アルバ&ゲイリー・オールドマン共演ということで今回鑑賞してみましたが、これがまあ酷い出来の作品でした。明らかにタランティーノを意識して撮られたであろう作品なのですが、正直完成度としては雲泥の差。奇を衒っただけの意味不明な設定に何が言いたいのかさっぱり分からないストーリー、魅力に乏しい登場人物がひたすら議論する中盤なんか眠いったらありゃしない。むちゃくちゃしてやるぜと言わんばかりのクライマックスなんて、監督の独り善がりもいいところ。どうしてこんな程度の低い作品に、名優オールドマンが出ているのかさっぱり理解不能です。率直な結論を述べさせてもらうと、観るだけ時間の無駄の凡作というほかありません。
[DVD(字幕)] 2点(2020-01-01 01:20:32)
20.  狂人ドクター 《ネタバレ》 
19世紀に実在した、悪徳精神科病棟の狂気の世界を描いたサイコ・スリラー。あまりにも直接的なタイトルと実力派俳優ジェームズ・フランコが監督・主演を務めているということで今回鑑賞してみました。感想は……、鬼のようにつまらない映画でありました。それ以上でもそれ以下でもありません。主演女優さんのキレイなおっぱいに+1点!!
[DVD(字幕)] 2点(2019-11-10 23:18:47)
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