61. ここに泉あり
今井正監督が描く、正統派人間ドラマ。 真面目な監督が、岡田英次と岸恵子といった安定した実力を持つ俳優陣を配し、無難にまとめ上げた作品だが、無難に楽しめる反面、真面目過ぎるきらいがあった。 ただし、小林桂樹は実に人間味あふれるキャラクターを演じており、まさに名演。 小林桂樹の演技の幅の広さを感じることができた。 又、音楽の素晴らしさ、音楽を聴くことによって得られる感動などが、150分の尺の中にぎっしりと詰まっており、その辺りも評価できる。 [ビデオ(邦画)] 6点(2009-11-19 00:13:07) |
62. 恋する花火
香港を舞台に多数の男女が織り成すエピソードが交錯する。 まるで、オムニバスの様な作品だが、むしろ分かりやすくオムニバス映画にしてしまった方がキレ味が上がったかもしれない。 いわゆる群像劇というスタイルをとっていて、多数の男女が複雑に交じり合う脚本は、なかなか巧くできている。 しかし、それぞれのエピソードに深みがないのが弱点。 そして、前半から中盤にかけて多用されるCGがしょぼくてうざったいので、作品の質感というか透明感を下げてしまっている。 楽しみ方としては、男ならば若くて個性的な女のコたちを堪能するのが正しいのか?! リクルートスーツばりのカチっとしたスーツに、ミニスカート。 これは勿論嬉しいし、女子高生が教師を誘惑する設定なんかも、興奮できる。 だけど、逆に言えば、それくらいしか楽しい要素がない。 個々のエピソードは詰めが甘く、それぞれが適当に都合よく終わってしまうのがマイナスポイントだ。 日本に勝るとも劣らない香港のファッション、そして香港の街並みなどは楽しめるので、それはそれで良かったのだが、それをもっとスタイリッシュな映像で見せてくれれば、もう少し印象も変わったに違いない。 [DVD(字幕)] 6点(2009-11-13 23:25:40) |
63. 故郷(1972)
山田洋次監督作品ではお馴染みの常連たちが活躍し、それを観ているだけでも楽しめてしまう。 高度成長期を生き、良くも悪くも時代の波に飲み込まれた家族の生活を、丁寧に描いており、好感が持てる。 そして、渥美清がかなり活躍していて、完全に主役を食う勢い! それにしても、井川比佐志はやっぱり主演を張るには地味すぎる。 もちろん、その地味なキャラがはまっている役柄ではあるのだが、穏やか過ぎる物語の進行と相乗効果をなし、正直、少し退屈する内容ではあった。 山田洋次監督作品の中では、突出した作品ではない。 しかしながら、山田洋次ワールドをじっくりと楽しめる作品ではある。 [ビデオ(邦画)] 6点(2009-11-07 20:45:17) |
64. 獄門帳
《ネタバレ》 主人殺しをしたのは誰か?という問いかけの下に、ミステリー風味で進行する時代劇。 鶴田浩二が主人(岡田英次)殺しをしたとして、引き回し&はりつけの刑をくらうことになるが、それをどうも不審だと感じた牢屋の奉行(笠智衆)は、鶴田浩二が無罪として問い詰めていく。 実は、岡田英次の妻(香川京子)が犯人だったと分かるのだが、時代劇でありながら、まるでミステリー小説を読み解く様なその味わいは、独特のものがあった。 香川京子は、実に和装が合っていて、その美しさたるは際立ちを見せていた。 香川京子は、やはり現代劇より和装を着こなした時代劇の方が美しさを発揮するように感じる。 しかし、実質的には笠智衆が主役の内容で、鶴田浩二や香川京子はどうも存在感が薄い。 笠智衆は、他の作品でよくみかける「穏やかな老人役」ではなく、芯の通った強気な老人役を演じており、これには新鮮味を感じた。 話はやや長いのがネックだが、その内容はなかなか充実しており、見応えのある異色時代劇であった。 [ビデオ(邦画)] 6点(2009-11-05 16:37:26) |
65. 恋のエチュード
明らかに『突然炎のごとく』と似た作風である。 『突然炎のごとく』は感情移入が全くできず、数多く観てきたトリュフォー作品の中でも苦手な作品となってしまったが、本作はそれほど違和感は感じなかった。 しかし主人公が、ここまで姉妹にこだわり続ける男にしては、かなり軽薄であり、その辺も腑におちない。 そしてまた、ジャン=ピエール・レオは名優だが、この作品の主人公としては適役でない気がする。 彼にはもっとガキっぽくて、舌っ足らずな少年(風)が似合うからだ。 卒のないストーリー運びと、尺の長さから、かなり王道なフランス恋愛映画と感じはしたが、トリュフォーにはもっと別の魅力があると思う。 それは、“遊び”を使った軽妙な喜劇、もしくはヌーヴェルヴァーグ全開の馬鹿げた恋愛こばなしとか。 本作のような、王道をいくフランス恋愛映画のような作品では、トリュフォーの魅力は十分には感じることはできなかった。 それと、トリュフォーならではの、体のパーツ、もっと具体的に言えば「足」に対するこだわりが影を潜めてしまっている。 どこか偏執的でマニアックな感じのする捻じ曲がった恋愛映画なんかを撮らせると、天才的な力を発揮する監督だけに、こういった重厚な音楽が背景に流れるような、美しさが前面に出た恋愛映画は向いてないんじゃなかろうか。 トリュフォー作品の鑑賞数も22本となり、未見の作品はほとんどなくなった。 トリュフォーは、男女を描きつつも、多様な作品に挑戦した監督であった。 トリュフォーを好きな映画ファンが、一番好きなトリュフォー作品を挙げると、それぞれが結構違った作品を挙げたりすることが多いが、それだけトリュフォーという映画作家が、奥行きが広く、チャレンジ精神が旺盛な監督だったということを、伺い知ることができよう。 [DVD(字幕)] 6点(2009-08-31 22:15:15) |
66. ゴジラ(1954)
特撮映画は、子供向け映画という印象を持っていたので、超有名な作品ながら、今回やっと観る運びとなった。 ところがところが、スタッフからして超一流ではないか! 超一流のスタッフたちが、大人の真剣味を見せて創り上げた力作だった。 ただし、恐竜が口からジェット噴射するってのは、苦笑いさせられた。 あれはないだろう・・・ それにしてもいいネ! “オキシデン(ト)・デストロイヤー”。 水中の酸素を壊滅させ、全ての生物を骨と化してしまう最終兵器“オキシデン・デストロイヤー”! 音楽も突出して素晴らしいのは言うまでもないが、この最終兵器のネーミングセンスが良い。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2009-02-15 08:18:26) |
67. 小間使の日記(1963)
ブーツフェチ老人や片っ端から下女を孕ませる主人、そして少女を強姦する男など、変態男たちが幾人か登場する。 彼らはいずれも地位も金もある男達で、社会的に立派な立場にいるのだが、その裏には、性的倒錯や性癖を隠し持っている。 それらの欲求を、立場を悪用して強要する男達に対し、ジャンヌ・モロー演じる小間使は、至極冷静に受け流す。 その態度は、それらの男達を嘲笑するかのような態度であり、魅力ある女性の前には、社会的力はあっても、男はいかに無力であるかを表現しているようだ。 しかし、全体的に間接的な描写や、遠まわしな表現が多いので、決して解りやすい作品には仕上がっていない。 それが災いしてか、どうもストレートに楽しむことができなかった。 フランス映画的ではあるが、もう少し表現するべきところははっきりと表現し、メリハリの利いた、スキャンダラスな問題作に仕上げてくれると、もっと楽しめたように思う。 [ビデオ(字幕)] 6点(2008-06-18 23:13:52) |
68. 五月のミル
フランスってこんなんなの?!と、ちょっとしたカルチャーショックを受けた作品でした。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-10-15 12:28:07) |
69. 殺しのドレス
美術館における尾行シーンが出色。 [DVD(字幕)] 6点(2007-10-13 10:00:23) |
70. 殺しが静かにやって来る
衝撃のラストというフレコミで観たもんだから、エンドロールが消えるまで何が起きたか理解できなかった。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-10-13 00:25:39) |
71. こわれゆく女
さすがに鬼気迫るジーナ・ローランズにパワー負けしました。 やれやれ・・・ [ビデオ(字幕)] 6点(2007-10-08 14:58:53) |
72. ゴッドファーザー PART Ⅲ
久しぶりに、あの『ゴッドファーザー』を撮ってくれただけで、もう感激ですね! [ビデオ(字幕)] 6点(2007-10-08 14:55:12) |
73. ゴッドファーザー PART Ⅱ
PARTⅠほどではないが、十分楽しめた。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-10-08 14:54:20) |
74. コーヒー&シガレッツ
まず、題名からしていいですね! 大人の香りを感じます。 モノクロ映像も素敵だし、山椒の様にピリっと効く短篇の数々に酔いしれました。 [映画館(字幕)] 6点(2007-10-08 14:47:10) |
75. ゴースト・ドッグ
“苦笑”という言葉がとても似合う作品。 ジャームッシュは大好きだが、本作は、まぁ普通かなぁ・・・ [DVD(字幕)] 6点(2007-10-08 14:45:44) |
76. 恋人たち(1958)
映像と音楽に魅了された。いかにもフランスの恋愛映画という感じ。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-09-03 16:23:44) |
77. 極道恐怖大劇場 牛頭(ごず)<OV>
かなり前から三池作品の中では見たいリストの最上位に上がっていた。 がしかし、最寄りのツタヤにはなく、近隣の5店舗を探した。 返却の面倒さをかえりみず、借りてしまった。 見る前にワクワクする、久しぶりの作品となった。 そして本日視聴を・・・ まあ、結論から言っちゃうと、ホラーの要素はかなり薄い。 かと言ってシリアスドラマでもないし、コメディでもないし、ヒューマンドラマでもないし、サスペンスでもない・・・ でも逆に言えば、ホラーでもあり、シリアスドラマでもあり、コメディでもあり(ヒューマンはないな)サスペンスでもあるのだ。 しかもこの作品、あのカンヌで上映されたというから驚き! この作品をカンヌでってのは、かなり強烈だ。 少し長すぎの感はあったし、さすがに途中で苦笑モード入るシーンもあったが、結構楽しめた。 途中思わず吹き出したくなる程、笑えるシーンもあり、三池ワールド全開である。 これに味をしめ、次はビジターQを見るつもり。 [ビデオ(邦画)] 6点(2007-08-31 00:18:09) |
78. 此の糸
《ネタバレ》 ラストの公園、私の家の近くの公園だった! 生まれ育った我が町。 話の内容とは関係のないところで驚き、そして感激! 今泉監督を身近に感じられました。 今泉作品を見てきて思うのは、今泉監督はぜったいに西武新宿線が好きなんだろなー(ほとんどの方々にとっては、どうでもいい情報ですね) 見事なまでの三角関係。 こんな事って、実際にあるのかな? あまりに身近なところで好きになり過ぎだろ、と思ってしまうのだが、ずっと近くにいたからこそ、好きになったのかもしれないね! [インターネット(邦画)] 5点(2022-08-14 19:00:52) |
79. コンドル(1939)
《ネタバレ》 ずっと続く色恋物語には退屈していたが、ラストの飛行は俄然、面白かった。 ラストの飛行で大活躍をしたリチャード・バーセルメスが、とにかくかっこよかった! [インターネット(字幕)] 5点(2021-08-05 21:50:54)(良:1票) |
80. コウノトリの歌
《ネタバレ》 アメリカ側からベトナム戦争を描いた作品は多数あるが、本作はベトナム側からベトナム戦争を描いた作品であり、希少な作品だ。 戦争の爪痕は戦争が終わった後も、心の傷として残る。 戦争はあってはならないと見る者に語りかけ、この物語は終わる。 アメリカのベトナム映画だと、大抵はベトコンが得体の知れない不気味な存在として描かれる事が多い気がする。 それに対し、本作はベトコンを血の通った、ごく普通の人間として描いている。 むしろこれは至極当たり前の事なのだが、アメリカ映画ばかり見ていると、こんな当たり前の事すら分からなくなってしまうから恐ろしい。 ベトコンにも愛する人と家族があり、その人達との別離を悲しみ、そして戦争を誤ったものと感じている。 この当たり前の事を理解できただけでも、本作を見た意味はあったと感じる。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2021-07-13 16:51:29) |