1. いちばんきれいな水
《ネタバレ》 設定自体はまるっきりファンタジーなのにも拘らず、筋自体が割りと現実的でファンタジーに徹しきれていないのが痛手を負っていますね。しかし純粋無垢な少女、メランコリックなボサノヴァ、ジャズ、そして美しい水といった要素にどこか合いまみえるところがあると日頃から認識していた者としてはこの取り合わせは大いにツボに入るところでした。特に終盤、浮遊感溢れるジャズナンバーをバッグに主役の二人が思うがままに綺麗な水のせせらぎに身を委ねるシーンの透明感は凄い。思うに監督はこのシーンを撮るだけに全精力を注いでしまったのではないか?そう思えてしまうほどにクライマックスに登場する水の美しさは圧巻でした。まあ正直なところ、“何か素敵な物語”を期待する向きに応えてくれるクオリティではないのでしょうが、私としてはこのシーンを見ただけでも一定の満足感と清涼感を得ることは出来ましたね。 [DVD(邦画)] 6点(2009-11-26 23:10:08) |
2. ICHIGEKI 一撃
「沈黙はついに破られた!」そもそも沈黙って何?映画はヨーロッパから資金を出していることからも分かるようにかなり安上がり。5.1chDTSが意味を成さないぐらい地味な内容でクライマックスの剣を使ったファイザルとの対決もあっけなさ過ぎ。監督・殺陣師が香港映画出身ってことで仄かに期待していたのにこの体たらくぶりは解せなかったです。 [DVD(字幕)] 2点(2005-08-26 15:37:59) |
3. イースタン・コンドル
《ネタバレ》 中国戯劇七小福トリオ作品のなかでも、とりわけ出血量・死体の数・残酷シーンが多い作品を作るサモ・ハンがゲリラ戦に題材を採ったということもあってか、ナンセンスギャグは少なめで、結構陰惨なシーンも多いです。 しかし、迫力の爆発シーンやユエン・ウーピンの非常に珍しい熱演(コーリー・ユンとのツーショットは貴重)。名優ハイン・S・ニョールの知的障害役というかなりアブナイ役どころや自分の妻の腕を豪快にぶった切るサモ・ハン等々…チト違うようなものも混じっているような気がしますが(笑)、とにかく見所満載です。 忘れてはならないのが、本作で敵の親玉という大役を得たユン・ワーの存在感。 激闘を傍から見ているだけで、挙句倒れた仲間の顔を足で踏み「ヒヒヒヒヒ」と笑い(なんと腹の立つ奴!)、常にハンカチで顔を拭いている、このいかにも弱っちそうな細身の男。 しかし、いざ戦ってみるとこれが強い強い! 怪しげな拳法でユン・ピョウを絶体絶命にまで追い込み、加勢に駆けつけたサモ・ハンまでも苦戦に追いやるそのキャラクターの凄まじさは一度見たら忘れられません。 見た目の貧相さゆえに、それまで大した役をもらえなかったと嘆くユン・ワーの風貌を逆手に取ったサモ・ハンの目論みは見事で、自身の代表的役柄というのも頷けます。 自分の足をわざと相手に打たせて注意をそらし、瞬時に相手に打撃を食らわすという目にも止まらぬ早業が見もののサモ・ハンVSビリー・チョウも短いながらなかなかの完成度。 唯一、倉田師匠の扱いが勿体無かったかな? 全体的にテンポ良く見れる良作です。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-08-24 17:09:17) |
4. インビンシブル<TVM>
《ネタバレ》 四元素の戦いとか発想は面白いと思うけれどね。一重に物語や作品の根底に流れるテーマを成すプロットが足りない気もするし、 足りないならその分アクションシーンで補えば良いと思うけど そこも腹五分で終わっているという感じ。せっかく四元素の戦士それぞれの鍛錬を行ったにも関わらず、それぞれの個性の切り分けもできてないしね。敵を多大な愛を与えて救うという爽やかなクライマックスはハリウッド製アクション映画にはあまり見れれない要素でこの東洋の武道哲学にも通じる考えはジェット・リーが影響しているのかなぁと思ったり。 [DVD(字幕)] 4点(2005-07-27 14:16:46) |
5. 黄龍 イエロードラゴン
《ネタバレ》 ストーリーも困ったモノですが、それ以上に困ったのはイエロードラゴンなる劇薬の抗体を巡る登場人物たちの因果関係が非常に掴み難いという事です。「敵か味方かよく見極めろ!」とは劇中で倉田師匠が放つセリフでありますが、これは観客である私達にとっても全くその通りでして、なぜあの子供が殺されなければならないの?昔倉田先生に何があったの?何で倉田さんがイエロードラゴンの抗体持っているの?といった肝要な部分がイマイチ理解できないまま物語は突き進み、終わってしまいます。しかし、そんな粗は差し置いても、フィリップ・コクの指導によるアクロバティックな空手アクションは流石に圧巻であります。跳躍どころではなく殆ど空中滑空化してしまっているワイヤーワークや安っぽく垢抜けないCGが阻害してしまっているのは些か残念ではありますが、「老いてますますお盛んなのねん」と褒めてあげたくなるようなカッチョイイ倉田先生の勇姿に免じてOKとしましょう。また出番は少なめながら、往年のクンフースター、チャーリー・チャンが友情出演しており、オールドファンには感涙モノではないでしょうか。でも、ガチンコ無しで銃撃戦かよ!…う~む、体動かなかったのかなぁ…? [ビデオ(字幕)] 6点(2005-04-15 17:26:23) |