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TANTOさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 900
性別 男性
年齢 42歳
自己紹介 最近になってまた映画を観る習慣が出来ました。
前はほとんど観なかった邦画をたくさん観るようになり
新しい映画ライフが充実しています。

昔ほど数はこなせませんが
趣味と生活のバランスをうまく保ちながら
なるべくたくさんの映画を観て、
なるべく読み応えのあるレビューを続けていきたいと思います。

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1.  最強のふたり 《ネタバレ》 
金持ち、貧乏、障害者、健常者。世間ではそういった要素ごとにバリア(障壁)があることが普通で、「人類みな平等」と世間では謳われているものの現実はそう言葉通りにいくわけではない。が、この二人の関係は見ていて心地良い。介護者と被介護者という関係でありながらお互いに気を使ってるようなところがなく、良くも悪くも明け透けに振る舞う。周りが聞いていてヒヤヒヤするような発言も二人の間ではストレートに届き、それを見ていた周囲も段々二人の相互理解を理解していく。そんな感じでした。  なぜこの二人はここまで「つながった」のでしょうか。それだけが最後までわからなかった。ドリスがフィリップのプライベートを垣間見たり、一緒に夜の散歩に出たり、段々と関係を積み重ねていって親密になっていったのはわかるんですが、「これ!」っていう出来事はなかったように思う。実話に基づいているということで、本当に映画で見たエピソードしかなかったのかもしれないし、実はもっと何かあったのかもしれない。車ぶっ飛ばして捕まったら「病院に急いでるんだよ!」はなんだか笑ってしまいましたが。でもあれ実際あったらたまったもんじゃないですね笑  結局フィリップが求めていたものはただ自分の世話をしていうことを聞いてくれる介護者ではなく、嫌がってるのに無理矢理文通相手と電話させたり、オーケストラを呼ぶような誕生日会でアースウィンドファイアーで踊り出すような「友人」だったんですね。ドリスの後に入った介護者の人が気の毒なくらい塩対応されてましたが、結局そういうことなんですよね。  世の中には肉体的・経済的・人間的な差が必ずあり、人と人は決して「平等」たりえないなと改めて思いましたが、人と人が「対等」になることは充分できるんじゃないか、そう思わせてくれた作品でした。
[インターネット(字幕)] 9点(2021-06-14 22:17:04)(良:3票)
2.  サマーウォーズ 《ネタバレ》 
「ご飯食べよ」   この台詞が強烈に刺さりました。むちゃくちゃいい映画です。  実は最近TVで撮り貯めた細田アニメを観ている最中でして、ただいま『おおかみこども~』と本作を消化しました。あっちはあっちで、「母の強さ・愛」にとても心が動く良い作品でしたが、個人的にはこちらのほうがツボりました。 なんでしょう、あの家族のつながりに似たような共感をしてしまいました。別にうちは田舎の豪族みたいな実家は無いし、そこにやたらと権力があって一家の家長として恐れられているばーちゃんもいないのですが、憧れもあるのでしょうか、すごくあの景色・雰囲気が心に染みました。  OZという仮想空間の中で、実質的に全世界を掌握してしまったネットウィルスを倒すという設定も個人的には大好物です。そして主人公の数学少年のあの奮闘ぶり!!いやあ良いですねえ。今の世の中ならああいう設定も比較的イメージしやすいかと思いましたが、他の人のレビューを見てるとそうでもない感じ。自分が世間離れしてるのでしょうか(汗)  でもこの「OZシステム」って、だいぶ種類は違いますが自分にはいま世間を騒がせてる「マイナンバー」制度を連想させました。制限が無ければ、もしくはそのセキュリティを破れば、一つのアカウントから道路標識を全ていじくれるしミサイルも飛ばせるんですよね。マイナンバーも一つの番号から色んな情報につながっているという。ハックや番号=アカウントの盗難によるリスクがでかすぎるシステムだなと改めて認識。やっぱりマイナンバーいらないや。強くそう思ってしまった作品。  個人の意見です、あしからずご了承ください。
[地上波(邦画)] 9点(2015-11-11 01:18:07)(良:1票)
3.  サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS 《ネタバレ》 
とてもSF的なストーリーでしたが、果たしてこの病が実在したとして実際はこの映画のような展開になるでしょうか?オレは多分ここまで腹黒い雰囲気にはならないと思います。だって、その人の考えがわかるんでしょう?誰が本当は何を考えてるかもわからない環境(←それが普通なんですが)に比べればよっぽどすっきりと生活できると思うんですが。個人的には、サトラレって実際いてほしいなぁとも思います。相手によっては腹の探り合いみたいなコミュニケーションを取らざるを得ないようなこの社会で、はっきりと相手が何を考えてるかわかるなんて、ある意味さっぱりしてて、簡単で、そっちのほうがよっぽどいい気がします。また、自分がサトラレでもいいかなとも考えます。その場合、自分がサトラレってことは知っておきたいですね。それでも自分の近くにいてくれる人がいれば、間違いなくその人は信用できると思うし。 あるマンガで、“病気は個性だ。真面目なやつ、ひょうきんなやつ、同じように病気のやつがいるだけなんだ。”と言っていたのを思い出しました。この映画もまさにそうだと感じました。“サトラレ”っていっても結局はその人の個性の一つであって、周りがそれを理解しさえすれば、映画のラストのように、変な特別扱いを受ける事もなくなるんです。むしろ「出来る限りサトラレの意志を尊重して・・・」とか言いながらその当人を半ば無理やりに製薬研究所に異動させようとする委員会の偉いさん達がサトラレになればいいのに。てゆーか、世の中みんなサトラレになればいいのに(笑)。非現実的ですが、本音や建前が全く必要ない、そういう世界に本気で憧れます。日本って本音と建前で持ってるような国ですから。正直すっごい疲れる時あります・・・。サトラレとは言わなくても、世界から本音と建前なんてものが消え去ってくれる事を願います☆ 
9点(2005-02-21 11:44:20)(良:1票)
4.  37セカンズ 《ネタバレ》 
ひたすら脳性麻痺の人はかわいそうだねみたいな内容の映画だったら嫌だな、という感想を持ちながら前半を観ていた。好きな人と結ばれたいと思うのは誰しも願うこと。だけどどんなに容姿が良くて性格が良くてお金があって秀才だったとしても、本当に自分が好きな人と自分の思い通りのタイミングで結ばれるなんてほぼほぼあり得ない。少し厳しい言い方になるかもしれないが、そういうことが思い通りにならないのが障害のせいだなんて、逆に意識しすぎだと感じる。脳性麻痺ではないが、自分も障害を持つ人に恋をしたことがあるので、余計にそう感じる。結局は自分に合うか合わないかというシンプルなことだと思うのだが。 そんなふうに思っていたら、車椅子で人生を謳歌している人が現れその連れ合いの女性と仲良くなり、脳性麻痺の障害を持つ女性ユマは新しいドアを開けることになった。その連れ合いの女性舞さんはユマには最初刺激が強かったとは思うが、23くらいの女性にとって知っていても別段不思議ではない大人の世界を見せてあげる。ただ面白がって夜遊びに連れ回すだけではなく、ユマと母親の関係性まで考えてくれる、とても出来た女性だと思った。介護士?の俊君も立派だとは思うが、彼についてはあまりどんな人か描写されるシーンが少なくて、ユマについてタイまで一緒に行って仕事は?、とかある意味この映画で一番謎なキャラクターだったかもしれない。  映画だから少し大袈裟に表現したのであろうが、仕事のパートナーのサヤカという子はひどかったな。いや性格はもちろんなんですが、あんな扱いをしたら自分が捨てられるってわかりそうなものだが。どうせユマにはそんなことできないとでもたかを括っていたんだろうか。ユマが独立しようとしている動きに気付いていたはずなのに、それであの対応しか出来ないとか終わっている。あれは要らなかったな。  人の内面から来る良さに、障害なんて関係ないと思う。五体満足無障害の人でも内面が腐ってる人なんていくらでもいるし。だがやはり、実際の生活ではいろんな苦労があるだろう。そういった生活に関わる難しさを持ちながら、存在も知らなかった双子の姉に会いにタイに行くというのは、すごいエネルギーを感じた。その行動力に感動した。自分も、何かに対してそれくらいの行動力を出してもいいんじゃないかと刺激になりました。 てかどうでもいいことですが、彼女パスポートは持ってたんですね。あの母親の性格からしてそんなもの持たせなさそうですけど。そんな重箱の隅に残った栗きんとんのかけら程度のことが少し気になりました。失礼しました。良作です。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-08-20 01:10:15)(良:1票)
5.  サイダーのように言葉が湧き上がる 《ネタバレ》 
これを書いてる時点でまだ誰かのレビューを見たわけではないですが、なんだか「作画が…」とか書かれてそうだな。個人的にはそれも含めて楽しかった。なんだか学生の文化祭を観ているような気持ちで見ていました。もちろん、良い意味で。  その上で身もふたもないことを言わせてもらえば、映画を楽しんだというよりも、そこに込められたメッセージやテーマに思案を巡らせることを楽しむようになってきてしまっている私がいます。この映画で言えば、チェリーの俳句への創作意欲とそれを誰かに認めてほしい承認欲求、さらにスマイルの出っ歯へのコンプレックス。それらが交互に混ざり合って、一つのストーリーになっていたと思いました。チェリーとスマイル以外は丁寧に描かれていたのは藤山さんくらいかな。ジャパンとかビーバーとか、なぜその名前?とか思うキャラはたくさんいたし、スマイルの家の裕福具合とか色々気になることはあったけど、あえて説明は削ったのかな。書籍もあるようだがそちらでは描かれているんだろうか。モールの物品をかっぱらったり想い出のレコードを割ってしまったりなど、割と洒落にならないことをやっているがコミカルに描けているのはアニメの特性かな。なんにせよ、単体の映画としても楽しめる作品だった。  私もスマホのカバーに小さな辞書を仕込みたくなりました。すぐに検索しましたが、あんな造りになってるカバーは無いようです(もちろん本も、泣)私もデジタル画面より、紙のほうが好きだなあ。自分のルーティンにを大事にしていたり、探し物に夢中になったり、好きな子に見られないかもと分かっていながらこっそりメッセージを発信してその行方を気にしたり。。。色々共感できるシーンがありました。 上述したように、映画を楽しんだ、と言うよりもそこに込められていたメッセージやそれに共鳴した自分の何かにひどく反応してしまった、そういう作品だったと思う。だから、私の感想は多分他の人には伝わらないかもな。そんなレビューですんません(汗)  一点だけ不満を述べさせてもらうなら、最後の俳句を詠み上げるシーンは、ちゃんと五七五のリズムで詠んで欲しかったな。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-08-16 00:58:20)
6.  さよならくちびる 《ネタバレ》 
歌詞を噛みしめながら曲を聴くのが好きです。とりわけこの映画の歌はなんだか歌詞に心を奪われてしまいました。観賞後Amazon musicで検索したら登録されていて、喜び2倍! ハルレオの最後のツアーとして日本全国を回るのですが、色んなところで色んなドラマを観ながら歌う、「誰にだって訳がある」はストレートに刺さりました。みんな何かしらあんだろうけど私たちもそれでもギター弾いてんだよ、歌を歌ってんだよということをあんな風にライブで聴けたら嬉しいですね。聴きながら、その歌声がとても心地よいけど、彼女らと自分を重ね合わせて考えさせられる、良い歌でした。  「たちまち嵐」も気に入りました。解散したはずのハルレオが「とりあえず」メシに行くために乗った車の中で、レオがゆっくりと口ずさみ始めたこの歌。〜 きっとこの先も 嵐は 必ず 来るがきっと大丈夫さ 〜 この歌詞から想像するとやっぱりハルレオ続投を決めたのだろうか。個人的には続けることになっていて欲しいと思いますが、このメンツだとなかなか難しいかもしれませんね。  ハル→レオ、レオ→シマ、シマ→ハルという三角関係も、三人組のユニットでこの関係性って、もうわざととしか(笑)好きな人が自分ではない誰かを見ていて、それを終始自分が見てないといけないってどういう気持ちなんだろうか。恋敵と自分を比べてしまったり、誰かにそれを比べられたり、好きな相手が恋敵のために自分に優しくしてくれることに耐えられなかったり、気持ちが揺さぶられすぎて自分ならもう耐えられないかもしれない。誰かが幸せになれば誰かが幸せになれないこの構図が、見ていて苦しかった。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-08-22 21:06:28)
7.  ザ・ロック 《ネタバレ》 
デビッド・モース・・・そういえばこの映画に出てたんだ。 大好きなんすよねー、このおっさん。主役なんてほとんどないんです。『ランゴリアーズ』の時に観たくらいで、他は『ダンサー・イン・ザ・ダーク』や『アトランティスのこころ』とか『プルーフ・オブ・ライフ』とかそういうのは全て!!脇役というこのおっさん。しかし何か目を惹きつけられる、ものすごい存在感のある名脇役です。たぶん本国でもそういう評価を受けてるのでは・・・。このおっさんが出るだけで一味違いますね。 とまあ脇役のおっさん評価はこのくらいにして、映画そのものはストーリーもそうなんですが音楽が良いですよね。序盤のカーチェイスシーンの音楽なんかかなりいい感じでした。 Goodspeed・・なんて名前の人って実際いるんですかね。現実世界では聞いたことねーや。またFBIの化学兵器専門っていう微妙にひ弱っぽい部署に配属されてるのがニコラス・ケイジにうまいことはまってました(笑)でもどんな仕事でもそうですが家族を犠牲にする仕事ってのは、もちろん度合いによりけりでしょうが、葛藤を感じますねー。ああ仕事って辛い。私も最近常々思うことですが。。。 なかなかアクションとしても評価が高いし、意外と隠れファンの多いこの映画(私の周りだけか??)自分も大好きです。いかにもっていう色をした毒薬だったり、またアルカトラズを使うってのもポイント高いですよね。 停滞しない、流れの良いストーリー展開もそうだし、とにかく観てる者を飽きさせない中だるみのないそのつくりはとても高く評価できると思います。 
[DVD(字幕)] 8点(2008-05-14 00:15:20)
8.  サハラ 死の砂漠を脱出せよ 《ネタバレ》 
思ったよりずっと爽快に楽しめました。日本での売り込み方の悪さから、観る前の印象とはだいぶ違ってましたがそれでも良かったと思える洋画は久しぶりです。序盤しばらくはえんえんと疫病の解明とかそんなんで観てるほうもだらだらって感じでしたが、中盤からストーリーはヒートアップ!!『サラマンダー』といい、マシュー・マコノヒーってもっとアクション映画に出てもいい俳優だと思います。これはそれを再認識できた映画であり、マシュー・マコノヒーという男のかっこよさが染みわたる一本です。ペネロペ・クルスも色んな映画を観たけど、この映画くらいの役柄がけっこうはまってると思う。ペネロペ・クルスが出てるなんかあやしい感じの映画を観たことがありますが、ああいうのよりこっちのほうがしっくりきました。得てしてああいうのはストーリーが無理やりだしヒューマンドラマのわりに感情移入なんて不可能に近い。その点この映画はアクション映画特有のシンプルさや、言い方は悪いですが馬鹿馬鹿しさとか、単純なかっこよさとか爽快感とか、そういうのがたくさん盛り込まれていてアクション映画としては長い2時間と言う鑑賞時間は中盤からはあっという間でした。 産廃の不法投棄からの毒物流出とか、日本でも起こり得る他人事とは思えない内容に妙な共感を抱きました。敵のボスが言っていた、”No one cares about Africa.(どうせ誰もアフリカのことなんて気にしない)”ってセリフはショックでした。だから産廃なんていくらでも捨てちまえばいいんだってことなんでしょうが、自分の国にそんな風に言える人間にはなりたくないと思いました。  アクションとしても、ある程度の社会問題を扱った映画としても、またマシュー・マコノヒーという俳優観賞用としても十分傑作だと思います。 
[DVD(字幕)] 8点(2006-02-13 23:44:59)
9.  ザ・ダイバー
これはちょうど映画に興味を覚えだした時あたりに見た映画で、俺にとっては初めての黒人差別問題をシリアスに扱った作品でした。 はじめのほうは黒人ってだけであそこまで差別を受けて教官はなんてやなやつだと思いましたが、肌の色は関係ないということを形で示して見せたブラシアはかっこいい。素で感動しました。
8点(2003-11-20 00:31:48)
10.  桜のような僕の恋人 《ネタバレ》 
桜の儚さと早老症を発症した女性という、ちょっとあからさまかなという構図で描かれていました。しかし調べてみると決して突拍子もない病気というわけではなく、実際にある病気でしかも世界での発症例報告の6割近くが日本人という、日本人に多い病気ということがわかりました。製作Netflixだからというわけでもないんですが、もう少し軽い造りかと思ったら、けっこうきちんとしたヒューマンドラマでした。  結局晴人は美咲の病気について、彼女が亡くなるまでそれが早老症とは知らなかったんですね。なんとなく病気ということは知らされていただけで、だから最後の瞬間、雪の中で会った彼女が美咲とは気づかなかった。そんなことになってるなんて知らなければ、無理からぬことだろう。死後そのことに気付かされた晴人は自らの愚かさを悔いて慟哭を上げますが、最後の瞬間に気づいてもらえなかったのは晴人だけのせいでもなく、そこまで全てを隠し通してきてしまった美咲のせいでもあるだろう。どこかで早老症と打ち明けていれば、と言うのもしかし美談めいたものを求めるいかにも第三者の言いそうなことというのもわかっています。自分ならどうしたかな…。境遇も性別も異なる自分には想像しかできませんが。でもやはり早老症の美咲に晴人がどう向き合うか知りたかった気もします。  美咲は桜に例えられていましたが、身振り手振りを交えてクルクルクルクル表情を変えながら楽しそうにはしゃぐ様子は、さながら様々な色で人を楽しませるチューリップのよう。それでいて演技っぽくなく自然で、松本穂香さんの人柄なのかなと思います。その兄役の永山絢斗さんも良かった。今どき珍しいガンコ兄!という感じででも人情に厚い見応えのある役柄でした。  早老症だけでなく、もし好きな人が、心から愛する人が、何かの病に侵されそれがどうしようもないと分かった時に自分が恋人なら、家族なら、友人なら、何が出来るだろう。大事な人達が早老症に罹ったらということをとりあえず想像してみた。そんな機会、この映画を観ないとおそらくないだろう。大事にして考えようと思う。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-09-19 22:47:51)
11.  SUNNY 強い気持ち・強い愛 《ネタバレ》 
「sweet 19 blues」の曲とともに、高校生の娘を持つ母親が安室奈美恵さんの引退ニュースを見ながら物思いに耽るところから物語は始まります。この時点で、正直自分には合わないかなと思いました。私はもうすぐ40歳でちょうどあの辺の世代ですので、当時の雰囲気や女子高生のあの感じはよく知っています。ああいうグループとは全く関わりがありませんでしたが。  、、という感じで見始めた映画。どうかなと思っていたら、意外にけっこう引き込まれました。ひょんなことから昔の仲良しグループの一人と再会し、しかし再会した場所は病院で、その友達は末期癌で余命一ヶ月だった。映画ならよくある設定ですが、そこから始まる仲良しグループのメンバー探しと、彼女らの今と昔の対比は見ていて感じるものがありました。共感?悲哀?郷愁感?なんだろう、そういう感覚。 生粋の田舎の子がコギャルグループに混ざるってあんな感じなんですかね。でもあのSUNNYのグループは、他のとりあえず騒ぐギャルたちと違って、しっかり奈美の目を見て反応を見て奈美の様子を見ながら接しているのが他のキャラたちと違っていると思いました。あと、周りと同じようなファッションをしつつも、根っこは自分たちを持っているところが違って見えましたね。芹香がつないでくれた絆、ということがよくわかります。  元担任の先生が今の時代の子達を見て、「あんたらは騒がしかったけど、どんな子かすぐわかった。今の子達はおとなしいけど、その分裏で何してるかわからなくなった」と言っていましたが本当にそう感じます。スマホとか無くなればいいのに、と真剣に思います。自分も使ってはいますが、世の中からスマホがなくなるボタンがあれば絶対押すのにな。と本筋とは関係ないことを思ってしまいました。  良い映画です。同世代には男にも女にもある程度なにかしら響くと思います。そういう意味ではおすすめです。  あ、韓国版の原作?は知りません。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-04-02 16:46:18)
12.  ザ・サークル 《ネタバレ》 
大自然に囲まれた湖のど真ん中でカヤックを浮かべながらスマートフォンで何かを見る。全体を観た後で、冒頭のそんなシーンが何故か強く思い出されました。  全ての人間を「透明化」、つまりは個人情報やプライバシーの考えは捨て去り、全部すべて明らかにして生活しましょう。友人関係はもちろん、自分に来たメールもすべて公開。いつ誰と会ってどんな話をしたのかもすべて公開。起床から就寝まで、あるいは就寝中ですらすべて見せましょう。それが『サークル』の考え方ということらしいです。かなり極端な考え方なのですが、『サークル』が大会社で福利厚生がかなりしっかりしていること、see changeの導入でメイの命が助かったこと、そうして救われた命でメイが会社の広告塔として成功したこと、そしてそれを支える絶大なフォロワーによってこの極端な考え方はけっこう浸透してしまいます。この考えに賛同しないやつは異端だとでも言わんばかりの雰囲気が醸成される中で、意外とこれと似たようなことは現実もあり得るんではないかと思ってしまいました。  こういった場合、大半のフォロワーは見て楽しむだけの存在で、ただ面白ければ良いというその他大勢。でもそれが目に見えてメインストリームを握ってしまうという怖さがありますよね。一度できた流れは変えられない怖さがあります。  反面実際の話をさせて貰えば、じゃあみんな「透明化」したとしてメイのようになるかというとそんなことは絶対ないわけで。一日の時間は24時間で、その中で一人が見られるコンテンツは限られている。今回はメイがビッグコンテンツとなったおかげで色んな成果が出たわけだが、その成果が『サークル』利用者全てに平等に起こるわけではない。youtuberと同じで、一部の成功者以外はその恩恵を享受することなく埋もれていくんだろう。なぜなら時間は有限だから。自分の時間の全てを誰かのコンテンツを見るために捧げられないし、仮に捧げたとしても一部しか成功はしない。芸能人でもあるまいし、自分の生活を切り売りするようなことして、視聴者に搾取されるような感覚が個人的には嫌ですね。古い感覚なのかもしれませんが。  でも、私がよくいうセリフですが、やはりこういうSFチックな実際こういうものがあればどうだろう的な映画は好きです。色んな仮の話を考える機会があることは嬉しい限りです。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-12-11 14:41:21)
13.  ザ・ファブル 《ネタバレ》 
コメディとしてもアクションとしても面白かったです! アクションは序盤のヤクザを一掃するシーンで、ファブルの判断が文字になって可視化されるのはスピーディーだけど分かりやすくて良かったです。ああいう風に誰かの感覚を可視化して見ることができるって面白いですよね。コメディ部分は岡田准一さん演じるファブルのキャラクターが良いというか、ジャッカル冨岡だけだと全然面白くないのに、それで大ウケするファブル(佐藤くん)がハマりました。他にも幼少期のサバイバル経験をこともなげに話して同情を買うシーンとか、食べ物は基本丸ごと食べてしまうところとか、「世間知らずの殺し屋」というところをとても面白く描いていて彼が「普通」に振舞おうとするところに心癒されました。  一点だけうーんと思ったのは小島でしょうか。悪役を演じているのでかなり胸糞悪い役柄でしたがまあそれは良しとして、声がね…終始うるさかった。あの高い声でキーキーされるのが耳障りで、おかげで他の音が入ってこない。だいぶ集中乱されました。あれだけ減点要素です。 原作は存じ上げませんが、映像だけで結構満足したのでおそらく見ないでしょう。続編は興味あります!
[インターネット(邦画)] 7点(2021-10-18 18:34:34)
14.  裁判長!ここは懲役4年でどうすか 《ネタバレ》 
冒頭のやり取りからこれは裁判員裁判を描いた映画なのかと思いましたが、どっちかというと傍聴人目線がメイン。良くも悪くも裁判所で関わるのは、「所詮他人の人生」という描きかたを最後まで貫きます。  ラストの裁判の結果はとてもしこりを残す形になりましたが、あれが逆にとても現実的な結果で、映画としてドラマチックな展開に固執しない良い形を見せてもらった気がします。  ていうか肉親はともかくとして、周りの人間がああまで盲目的に誰かのことを無罪と思えることがまずすごい。自分なら「もしやっぱりこの人が犯人だったらどうしよう」って疑問を持って、あそこまで熱心に弁護活動を出来ないと思う。彼が犯人で無いという根拠も「彼がそんなことするはず無い」とか「マッチを持ってただけで犯人と決め付けられた」と主観的意見ばかりで客観的証拠がほぼゼロに等しい中で、あそこまで自信満々に彼の擁護をすることは私にはできない。  一方で、「傍聴人の力」というものも少なからずあるんだなと思いました。中盤、やや大げさながらも女子高生がいることで力を発揮する裁判官がいたりしました。あそこまでではないにしても、聴いてる人次第で雰囲気が変わるというのはあると思います。本当に膨張に命かける人ならそれもいいかもしれません。 ただ、個人的には私は人を裁くなんて大仕事に関わりたくないと思ってます。なのでそうやって「傍聴の力」を認めるがゆえに、関わりたくないとこの映画を観て心底思いました。 傍聴なんて親族か関係者がいればそれでいいと思います、基本。縁もゆかりも無い人に傍聴されてもそれは100%興味本位。真面目にやってる人には不愉快だろうな・・・。
[DVD(邦画)] 7点(2011-08-29 09:22:34)(良:1票)
15.  THE CLASH ザ・クラッシュ 《ネタバレ》 
まさに"stuck."邦題も悪くないが原題のほうがよく内容を反映していると思う。面白かった。鑑賞前はタイトルからして似たような原題の、"Crush"みたいな映画だと思ってたら大間違いでした。その正体はコメディともサスペンスとも取れない、まさに"stuck"シチュエーション映画。似たような映画もちらほら観ましたが、不注意の事故から始まる話の展開が秀逸というか、どこかコミカル。いや役柄上はみんな真剣なんでしょうけど、事故起こしたおねえちゃんが「ごめんね、ごめんね」とか言いながら出勤するシーンには適当すぎて吹いてしまった(笑)ゆうても生きてる人間がガレージにいるのにいつとどめを刺すのかと思いきや放置して仕事に行けるのが逆にすごい。声くらいいくらでも出せるだろうに。あ、クラクションもあったねwww  鑑賞後に「そういえば」と思い出したのは冒頭の"Inspired by true story"「事実に着想を得た物語」の一文。どこからどこまでが事実かは知りませんが、おそらく真実の部分とおぼしき車に轢かれたおっさんには「ナイスガッツ!!」と賞賛したい。
[DVD(字幕)] 7点(2011-02-01 13:05:07)
16.  ザ・バンク -堕ちた巨像- 《ネタバレ》 
まずキャスト面が大変評価できる映画。ナオミ・ワッツさんってこんなに綺麗でしたっけ??『リング』も観たけど全然その時と印象が違う。格好もなんかセクシーだし、あんな人が職場にいたら周りは集中できないだろうなぁ・・・。シリアスな映画なのにそんなとこが気になったり。クライブ・オーウェンさんもとても味があって◎。アクションもこなすし、ガンコで自らのルールややり方を持つエージェントという雰囲気がものすごくマッチしています。  内容に関しては、こういう職業的汚職を扱ったような映画って結構増えてますよね。欧米ではそんなに無いかな。邦画で多いのかもしれませんが、上層部やそれ以上の圧力に屈せず真相を追いかける刑事、というストーリーはありふれていると言えばそれまでの作品。ただ本作はトカゲの尻尾切り的な展開や頭のすげかえなど、そんなにすっきりは終わりません。  自分には想像がつきませんがこのIBBCのような銀行のトップにいるような人達って、人生のゴールってどこにあるんでしょうかね。自分は仕事よりプライベートを優先させる人間なので、自分の銀行をより大きくしようとかそういう欲望を持つ職業人が全く理解できません。映画だけではなく実際の生活でもそういう人に対してそういう疑問がわいてきますが、どこまで行けば彼らは一息つくんでしょうか。この話でいけば世界中の銀行を牛耳るまで続けるんでしょうか。 まあ何が言いたいのかというとよく分かりませんが、彼らの限りない野望が私には少し理解不能でしたので。
[DVD(字幕)] 7点(2010-03-15 14:10:29)
17.  さまよう刃(2009) 《ネタバレ》 
原作を読んだ者として感想を述べさせていただきますと、やっぱり「詰め込み感」は拭えなかったですね。ひょっとすると原作を読んだ人でなくてもそう感じるかもしれません。ちなみに私は文庫で読みましたが、あとがきなども含めページ数にして499ページ。一つひとつ細かい描写が為され、長峰さんが娘を失った父親としての苦しみや、中井誠が事件後どのような心境の経緯があって残り二人について密告したかなど、映画よりもっと丁寧に登場人物視点からの表現がされていました。  これは直接作品のレビューではありませんが、やはり映画というものは映像やサウンドという点で書籍に勝るものの、上映時間という縛りにおいて書籍より表現の幅が制限されてしまうんだなとこの作品を観て思いました。他の東野圭吾さんの作品の映像化で「白夜行」などがあるように、ドラマ仕立てでじっくりというのでも良かったかもしれません。  しかしそれでも伝わってくるのは、あのような人を人とも思わない非道な行いをした若者に対して相応の報いを与えることのできない無念さでした。本を読んだときにも思いましたが、長峰さんと同じ立場になったらあの最後の場面で撃たずに我慢できるだろうかと思います。「そんなことをしても天国の娘さんは喜ばない」とよく聞くフレーズで説得されるシーンもありますが、自分なら「娘に罵られることになってもやる」「自己満足で構わない」と言ってしまいそうです。  架空の話でありながら現実に十分起こりうる内容で、「自分ならどうするだろう」と自問し考えさせられる映画でした。
[映画館(邦画)] 7点(2009-12-08 15:03:13)
18.  秋刀魚の味(1962) 《ネタバレ》 
時代を感じます。そりゃあそうだ。いま40歳の私よりも20歳年上のこの映画。しかもその映画を当時見ていた人たちとするなら、現在80代半ばくらいの人たちの時代向けに作られた映画ということだ。  恋愛結婚ではなく家庭同士で縁談としてまとめる、仕事の同僚がやたらと家庭内の縁談事情に口うるさく突っ込んでくる、女性に歳を聞いてズケズケと早く結婚しろとせっついてくる。すごいな、今の時代にはどれもない。そしてそのどれもが私の感覚では鬱陶しく煩わしく感じるものだった。やはり文化が違うんだな。そう思った。この頃はやはり家として縁談をまとめる、ということが大切にされていた時代なんだろうか。時代は感じたが、そんな時代の中にも抑圧されてきた女性たちの気持ちの鬱屈が見てとれた気がしました。劇中に出てくる女性は元気にバーを経営しているマダム以外、みな何かに不満そうであった。男たちはそんなことどこ吹く風という体であることもまた時代を感じる。想い人でない男性との見合いを承諾したあの様子を見て、「あー、納得してくれたみたいで良かった良かった」と安堵する父親と長男の会話は道化的で逆に失笑として笑ってしまった。あれのどこに納得した感があったんだろう。涙を流すまでもなく、路子が何かを訴えたいことはすぐわかるだろう。 それとも共通する点だが、男たちの傍若無人ぶりがすごい。この時代なら当たり前だろうが、男たちの「男は仕事、女は家事」の意識がすごい。ここまでやるか、と驚くくらい。そういった古い意識に抗い始めた女性たちの姿を見て、当時からそういう流れがあったことを知れたことは驚いたし興味深かった。  合わせて、若い女性の年齢を聞く時「3かい、それとも4かい?」というふうに20を省く言い方から、根底に20代で結婚するのが当然という風潮が感じられたり、「五万円」というのが今の貨幣価値だとどのくらいかすぐに換算できないあたりが、同じ国の話でありながら色々カルチャーショックでした。面白かったです。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-11-12 11:21:11)
19.  残穢 -住んではいけない部屋- 《ネタバレ》 
突然大きな音を立てたり何かが飛び出してきたりというホラーではない。あくまで、淡々と、ゆったりと、現象は起きていきます。びっくり箱的なホラーに食傷気味の方には良いんではないでしょうか。  私としてはホラーとしてよりも、謎解きストーリーとしての要素が楽しかったです。あんな風に誰かと一緒になって何かの謎を深く探っていくとかできたら面白いですよね。あいにくあんな風に怪奇現象を誰かと一緒に追い回すなんてことはしたことないのですが、たぶん実際やったらホラーどころか無茶苦茶楽しいエンターテイメントだと思います(笑)呪いのマンションの建ってる場所の歴を調べていく過程とか楽しそうでしたね。  でも結局この心霊現象が無秩序な無差別呪いみたいになってしまったのは何だか残念でしたね。場所なりなんなり、なんらかのつながりでもって人を襲うということなら納得いくし謎解きのしがいもある。けれど話聞いたり話したらもうアウトとか、そんな伝染病みたいな。それこそタチの悪いコロナみたいなもんだ。あんまり拡大しすぎたら各所回って呪っていかないといけない幽霊さんも大変だな。 こんなふうに気になった謎を追っかけ回せる時間にゆとりのある大人になりたいもんだ。現実はそんなこと起きてもかかずらっている時間も余裕もない現代なのでした。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-01-16 23:38:03)
20.  猿の惑星:創世記(ジェネシス) 《ネタバレ》 
あくまで個人的にですが、動物や新種の生物が人間以上の知能を有するという設定のSF映画はけっこう観ていますので、目新しさは無かったです。ただこの映画の場合猿が人間の立ち位置で描かれすぎて、あまり『猿の惑星』としては観れなかった気がします。まあでもこのシリーズって元々そういうものと言われればそうかもしれない。  一方で、やはり猿と人間では埋めようのない隔たりがあることもわかります。いくら猿が人間並みの知能を持って言葉を喋れるようになろうとも、一般世間の見方では彼は「知能が高い猿」に過ぎず、研究者視点では「研究対象」でしかないわけで、そんな境遇に生まれた猿が一般社会に理解されること自体無理がある。そういう点ではラストに猿たちが自分たちの楽園として人里離れた深い森を安住の地としたことは良かったと思います。ただ、知能の高い生き物がそんな場所で生涯ずっとおさまっていられるのかという今後への疑問は残りますが。そういう意味でもこれは『創世記~ジェネシス~』なのかな。
[DVD(字幕)] 6点(2012-04-23 14:01:01)
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