21. サンセット大通り
怖い女に付きまとわれる話っていうと「恐怖のメロディ」「ミザリー」「危険な情事」など思い出すが、ここに登場するノーマは、怖いけど、とっても可愛そうな気がしてならない。 全盛期を過ぎたスター、例えば「何がジェーンに起ったか?」のベティ・デイビスもそうだったが、どこかしら観客を惹きつける魅力がある。 私が観た中では、ビリーワイルダーのカラーが、あまり観て取れなかった作品ですが、最後まで飽きさせないものがあります。 でも、死んだ主人公が語り手っていうのは、私はいただけないなぁ。作り方に疑問を感じる。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-01-22 21:36:47) |
22. 最強のふたり
解説を読むとそれに従って物語が淡々と進んでいくんじゃないかと内心つまらないかもという不安がありましたが、冒頭で車を暴走させてアース・ウィンド&ファイヤーをかけてくるところから観客を惹きつけていますね。 二人の出会いから終始見ている自分が笑みがこぼれるようなシーンが続き、べたな感動をさせず終わらせたところがよかったと思います。 あまり心に響くとは思えないけど、これはこれでよかったと思います。軽いノリで観れますよ。 邦題に難あり。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-10-22 18:44:15) |
23. サイコ(1960)
この作品、今の世代に紹介すると、何が怖いの?という感想がほとんど。やはり当時、初めて観賞した人がうらやましいです。 私も途中から、一緒に観ていた奴に「犯人、こいつなんだよ」と言われた時はがっかりでした。それに加え、そいつは「猿の惑星」のエンディングも私に言って喜んでいたので、今でも彼を恨んでいます。 最近BSを観ると、ヒッチコック特集とかいって、ジャネット・リーが殺されるシーンを詳しく解説したりと、作品自体の喜びとスリルをダメにしてしまう番組が多すぎます。 若い人には予備知識なしで観て貰いたいものです。 私にとっては、ヒッチコック最高作品。 BSプレミアムのスタッフに一言物申したい。 「予告でネタバレするな!」 [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-04-19 20:05:45) |
24. サラの鍵
《ネタバレ》 フランスのユダヤ人とナチスの関係って、少々日本人には驚きというか、意外というか、第二次大戦と現代がつながる人間関係の映画を作れるのは、時期的に、もう今頃が最後ではないだろうか? この映画はフランスでかなりヒットしたらしい。 家族が連れていかれた屋内収容所の悲惨さはリアルすぎて目を覆いたくなるのは地元フランス人も同じはず。 サラが鍵をしめた納戸の中に約束を守って出ようとしなかった弟。 いや、出れなかったのかも…。 姉と妹の絆がこれほど残酷な形で結ばれるシーンに涙なくしていられない。 大人になったサラは一言もしゃべらない。 サラは美しさだけを持ち、流されるままに生きていく。 サラの映像は現代に生きるジャーナリスト、ジュリアの目を通して描かれていくが、真実がわかるのは、死んでしまったサラに残された息子が父に残された形見、そして納戸の鍵が現れる、その時までハッキリとでわからない。 ジュリアが自分の娘にサラと名付けた訳を他のレビューを読んでも私には、どうしても理解できなかったが、幼ないサラを有刺鉄線を引っ張って助け出してやる軍人の手にも赤い血が流れていることがエンドロールで思い出すことになった。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-03-13 00:26:52) |
25. 猿の惑星:創世記(ジェネシス)
《ネタバレ》 次第に成長していくシーザーの顔が怖かったです。でも誰かに似てるんだよなぁ…。どこかで見たことあるんですよ、あの目つき。 あまりにリアルな展開でしたが、ロサンゼルスに猿って何匹いるんだろうって考えてしまいました。 悪いやつ以外は決して、人を殺さないところに感情移入が猿側にできていいと思います。 最後、主人公の人間と背の高さが同じになったシーザーにも驚かされました。 う~ん、でも、どうしても思い出せない…誰かに似てるんだよなぁ…。 [地上波(吹替)] 5点(2013-03-09 00:54:29) |
26. ザ・ライト -エクソシストの真実-
よく「事実に基づいた…」とか冒頭で述べられる映画が多いですが、たまには「事実に基づかない」映画も見てみたいものです。 アンソニー・ホプキンスが主演ということで期待していたのですが、エクソシスト(悪魔祓い)の事実を宣伝しているだけの話ですね。 こういうのって、娯楽要素を入れなければ、観ている皆が裏切られたと思うのではないでしょうか? [地上波(字幕)] 5点(2013-02-09 03:08:04) |
27. ザ・ウォード/監禁病棟
ジョン・カーペンター久々の作品とは言っても、もうご高齢。傑作を期待するほうが間違っているかと思います。 よくある古典的ホラーです。 娯楽作品としては十分かと思いますよ。 [地上波(字幕)] 6点(2013-02-09 03:01:10) |
28. THE GREY 凍える太陽
《ネタバレ》 ネットテレビで「江頭2:50のピーピーピー」という番組があって、その中に「エィガ一刀両断」というコーナーで、エガちゃんが本作を「8点」と高評価していたので、観に行きました。 久々の映画館ということもあって、静寂のシーンの中に、いきなり、ドーンと爆発するシーンなどがあって、ビックリさせられました。 話は、アラスカを飛ぶ飛行機が墜落して、そこで生き残った7人の男たちが縄張りを張っていた狼たちの群れに襲われ、一人一人殺されていくという内容なんですが、リーアム・ニーソン演じるオットウェイが、かつて愛していた女性を思い出すシーンが曖昧で、もう少し実情がわかれば、感情移入できるのにと思いました。 DVDで観賞すると、仲間達の団らんが長すぎて断腸になるかもしれないけど、これは映画館で観ると緊張感が伝わるので、今後、様々な評価が出てくるかと思います。 いかんせん、タイトルが悪すぎますね。 一年後には、どんな映画か思い出せないでしょう。 死んでいった人達の財布を必ず持っていき、残された家族に渡すんだ、という思いは、なかなか思いつかないことだなと思いました。その財布の中には、持ち主と愛する恋人や家族の映った写真が入っているんです。この映画のラストで、それが生かされていくのは感動しました。 [映画館(字幕)] 7点(2012-09-10 19:07:20) |
29. ザ・ローリング・ストーンズ/シャイン・ア・ライト
《ネタバレ》 好きな人が観る映画。でもこれ、やっぱりテレビより映画館で観たかった。 キースとロニーのギターの音がホーンセクションにかき消されず聴こえてくる。最高! それにしてもミック、この歳でよく動くなぁ。 スコセッシが監督?でもちょっと顔出し過ぎだよ。目立ちたがりなんだよね。 歌詞が全て字幕で出たおかげで歌に対する感動も以前と違ってみえたのはよかった。 いつもより音量上げて観てたら、「ブラウン・シュガー」の途中、突然の地震速報のアナウンスにビックリ!!。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-06-29 11:18:07) |
30. サルバドル/遥かなる日々
《ネタバレ》 昔深夜テレビの映画で尼僧たちがレイプされた上、翌日遺体となって掘り起こされるシーンを偶然観て、嫌な映画だなと思い、チャンネルを変えた記憶があります。 友人が主人公の崇高な生き方に感動したと推薦されたので観たのですが、私にはオリバー・ストーンって性に合わないんですよね。 この主人公は血生臭いものを求めるためか、それともマリファナや酒を求めにエルサルバドルに出向いたのか、監督がキチガイなので感情移入が出来ません。 しかしながら、特典映像を観ると実際に本場で右翼、左翼を上手く誤魔化しながら死に物狂いの撮影を聞かされると圧倒されるばかりです。 [DVD(字幕)] 5点(2012-05-13 15:13:36) |
31. 砂漠の流れ者
サム・ペキンパーの最高傑作とか言われているそうですが、最高に異色といったほうがいいでしょう。 ほのぼのとした雰囲気の中、笑いあり、涙あり、古き良き邦画を観ているようですが、山田洋二監督には到底できないサム・ペキンパー節のバイオレンスも入っていて、目茶目茶になってしまう要素が、逆に全て上手く仕上がってしまった(笑)作品になっています。 途中字幕スーパーになってしまいますが、DVDは吹き替えで観た方が面白いです。 ヒロイン役の声優さんは、テレ朝「ドラえもん」の、のび太役(初代)の方です。 [DVD(吹替)] 9点(2012-02-23 05:37:37) |
32. さらば美しき人
《ネタバレ》 最高に美しいといっていい頃のシャーロット・ランプリングが観れる映画だが、如何せん、近親相姦の兄の古典文学的字幕スーパーのダラダラしたシーンが大半を占めており、最後のスプラッターシーンは音楽的にも日本のお家断絶の影響をモロに受けてるって感じで全体を通してアンバランス。 [ビデオ(字幕)] 5点(2012-02-06 07:13:25) |
33. さよならミス・ワイコフ
《ネタバレ》 私が「結婚しない女」と同様に数えられるウーマン・リブを描ききった映画だと思います。 オークションではビデオが数万円、私の知る限り、渋谷、新宿の某レンタルショップでしか貸出できないのが残念でなりません。 35歳で早期更年期障害を抱えたバージンの女教師。ところどころで男性との接触があるかないかで残念な結果に終わってしまう末路、若い黒人にレイプされ、それが返って彼女の積もり積もった雪を溶かしていく。 人種差別反対を訴えた彼女が黒人と毎日体を交わらしていたことを知った、この小さな町は彼女を即、追い出してしまう。否、彼女から旅立ったと言ったほうがいいかもしれない。だから、この映画のタイトルは「グッバイ・ミス・ワイコフ」ではなく「グッド・ラック・ミス・ワイコフ」なのだ。 こういうセンスは男性作家が作り上げたものに違いないと私的には思う。 禁断の果実を口にしたイブは一つの人間に生まれ変わったのだ。 [ビデオ(字幕)] 10点(2012-02-03 23:08:59) |
34. サウンド・オブ・ミュージック
何一つ文句のつけようがない、私にとって素晴らしい作品ではありますが、今回、テレビ放送をCMカットで録画したら2時間40分に編集されていました。なんで余計な解説をつけ足してまで編集してしまったのか…。やはり当時の吹き替えも入ったDVDの購入が必要になります。 [地上波(吹替)] 10点(2011-01-09 21:05:28) |
35. ザ・プレイヤー
《ネタバレ》 渋谷の有名レンタル店で「家族で楽しめる映画第2位」に本作が並んでいました。 予備知識なしで観るのが私の楽しみなのですが、どうもジャケットのイメージと違い、冒頭から戸惑いを感じました。 ハリウッドの世界に特に興味もないので、これがリアルなのか私には判断できません。むしろパーティーなどでドラッグでもやってくれたほうが雰囲気が出るような気がしました。 映画の中で主人公がヒット作に必要な要素を沢山挙げる中で「ハッピーエンドが必要」と言ったことに、ヒロインが「リアリティーは?」と質問するシーンが本作の要(かなめ)になるのではないかと思います。 要するにヒット作と魅力ある作品の違いを訴えたいようですね。 ラストでブルース・ウィリスが出てくる映画のラッシュはメチャメチャ安っぽい作りでしたが、個人的には本作よりも、そちらの映画の方を観たいと思ってしまいました。 リアルタイムだったら新鮮味を感じたかもしれないけど、ハッキリ言って無駄なシーンが多くて、つまんなかったです。 [DVD(字幕)] 4点(2010-10-13 00:31:31)(良:1票) |
36. さらば友よ
男のために作った男の友情映画。とは言っても決してホモセクシャルなものではありません。 映画において決して離れることの出来ない関係とは、家族、そして同じ戦場で戦った経験を持つというシチュエーションだと思います。 主役のアラン・ドロンとチャールズ・ブロンソン。観客はこの二人を格好いいと理解できなければ観賞する価値は見つからないと思います。 ストーリー? あってないようなものです。 二人は「俺は鍛えているんだぞ!」とばかりに上半身裸になり、脱出作業に精を出します。 当時40歳になりかけた頃のブロンソン、この肉体美を作るための食生活は相当苦しかったとのことです。 歴史に残る名シーンもいくつか残した本作。この点数が妥当ではないでしょうか? 因みに私が持っているビデオはフランス語ですが、今回放送されたものは英語でした。どっちが本物なんでしょう? [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-07-14 03:47:28)(良:1票) |
37. サラバンド
まず最初に、この映画は1973年製作の「ある結婚の風景」を観ないと状況が全く理解できないと思います。 離婚した夫婦が30年後に再会する話なのですが、孫娘のサブストーリーがメインになっていくにつれて、主人公二人の存在が薄く感じられてしまいます。 以前「男と女」でも20以上経って続編を作られたりしましたが、30年というのは、これまた凄い年月だと思います。 「ある結婚の風景」で美人だった奥さんが、年月が経ち、これだけ老いを感じさせる外見になると、私も「明日は我が身」と思ってしまします。 以前から中途半端で終わった映画を観て、この後、数十年後にこの物語はどうなるのだろうとおもった作品が沢山ありましたが、本作は、まあまあ楽しく観賞できました。 「ある結婚の風景」の登場人物が40歳から始まっているので、30年経つと驚くほど老いを感じさせてくれます。 [地上波(字幕)] 6点(2010-06-22 01:52:28) |
38. サマーウォーズ
《ネタバレ》 バーチャルな世界とアナログの世界を織り交ぜたストーリーは約110分退屈せずに観賞できました。 最初の10分で勘所のおばあちゃんが登場して、一時間で一回目の問題が解決し、それから、おばあちゃんが死ぬ。 後半は、敵の逆襲、花札対決、カウントダウンに間に合ってハッピーエンド。こんな書き方だと悪く聞こえるかもしれないけど、これだけ古典的パターンのシナリオなら面白くない訳がありません。 去年の夏、本作を上映していた映画館の前を家族連れが行列を作っていたのを見た記憶がありますが、きっと親子そろって満足しただろうと思います。 でも、あちこちにベタベタと「頑張る姿は魅力的だ」みたいなシーンが多くて、大人の私には感動とまでは行きませんでした。 [DVD(邦画)] 7点(2010-04-15 05:56:11) |
39. 叫びとささやき
何の話し?って聞かれると、どれだけ素晴らしいか上手く伝えられないが、私にとっては、この監督の最高傑作だと思う。 頻繁に映る真赤なフェイドアウトが、怒り、後悔、屈辱、悲しみと様々な意味に捉えられるのがゾクゾクしたものを感じる。 録画しておけばよかった。 90分で終わる作品とは思えない重さがある。 [地上波(字幕)] 8点(2010-03-12 18:34:11) |
40. さらば、わが愛/覇王別姫
《ネタバレ》 決して美しいとか雰囲気だけで作ったものではなく、ちょっと疲れるけど、シナリオが細かすぎるほど丁寧さを感じました。 刃物研ぎの声が嫌な兆候を感じさせるところから、もうドキドキ…。 レスリーチャン演じる蝶衣がコン・リー演じる菊仙を女郎だと蔑むシーンがありますが、蝶衣自身、女郎から生まれたという出生も皮肉めいたものを感じます。 始まりの方で、師匠が話した覇王別姫の語りを含めて「定められた運命には逆らえない」という言葉が印象に残りました。 激動する時代の流れに転がっていくしかない中国の人たちに心底同情しました。 幼少の蝶衣の六本指のシーン、菊仙が首を吊ったシーンは一度目の鑑賞では、描写が短すぎて、よくわからなかったです。 それと途中から人物が歳を取らなくなったので、50年の歴史は感じませんでした。(笑) ラストシーンの二人は何歳なのでしょうか? 11年ぶりに再会して自刃してしまうのは、私的にはちょっと感情移入しづかったです。 因みに字幕は省略しすぎです。吹き替えでの鑑賞をお勧めします。 [DVD(吹替)] 8点(2009-06-16 19:12:46) |