21. シンプル・プラン
《ネタバレ》 すみません、この映画は、前提が大間違いだと思います。「人間誰でも大金を目にしたらこうなる」って、勝手に決め付けないでよぉ。大体、3人で山分けしたら1人当たり、1億5千万円弱。そこまで躍起になるほど魅力的な金額でしょうか? いまどき、宝くじでも1等3億円です。私はいい歳してろくな貯えもないその日暮らしの身だけれど、そんな怪しげな大金要りません。だったら部屋の掃除していて思いがけず野口英世が1枚出て来た方が百倍嬉しいです。こういう人間は世の中の少数派だと言いたいのでしょうか? なかでもとくにハンク的な人間が一番キライです。自分だけ正義面して、そのくせ実は強欲で、同穴狢の悪妻の言いなり。自己保身のためなら恐ろしいほど巧妙な作り話もし、実の兄をも殺せる。・・・この愚かなる兄を演じていたソーントンがとにかく出色です。この人のおかげでこの作品は辛うじて最後まで見られます。ある意味、あの兄が一番共感できるかも。ラストシーンは、しかし一応のカタルシスを得られます。あんな夫婦の下に生まれたお嬢ちゃんが気の毒で仕方ないです。 [DVD(字幕)] 4点(2009-07-27 16:42:02)(良:1票) |
22. 静かなる男
正直申せば、○○ファミリーとかって徒党を組む輩が好きじゃありません。コルレオーネじゃあるまいし。一緒にしちゃ悪いかも知れませんが、昨今の日本でいうところの橋田壽賀子さん率いる橋田ファミリーとかって、ハッキリ言って気色悪いです。何なんですか、あの内輪ノリ野暮ドラマは。確かに、イーストウッド&シーゲル、みたいな名コンビは映画史上たくさんありますよ。いいんですよ、鮮度あるエネルギーを生み出せる陣営を作るのなら。でも、ファミリーはどうでしょう? ファミリーなんて名前がついちゃうのって・・・、気持ち悪いです。・・・というわけで、フォード一家総出演と呼ばれるこの作品も、ハッキリ言って気持ち悪いです。どこが? 例えて言うなら、つまんねーギャク連発しているオヤジと、それに閉口しているオネェちゃんのくだらんコントを見ている感じです。アイルランドが好きで、この映画を見ました。ビジュアル的には美しい自然に黒ビールに陽気な人々に可愛らしい建物などは良いとしても、内容的にはなんのセンスもないドタバタをラブコメなんて言われても「はぁ?」です。・・・でも、どういうわけか、橋田ファミリーものも、フォード一家のこの作品も、世間の評価は高いのです。もしかして、世間もファミリーの一味なのかしら? ファミリーに加わっていないのは、私だけだったりして。ま、加わりたくもないので構わないのですが。高得点オンパレードのなかスミマセンがこの点で。 [DVD(字幕)] 4点(2009-06-09 14:28:10) |
23. 重力ピエロ
《ネタバレ》 原作未読。うーん、生理的にイヤな作品だ。究極の独善親父のおかげで妻の強姦被害がその後もずっと尾を引く悲惨極まりないある家族のオハナシ。こういう正志のような男が私は非常に嫌いだ。妻が強姦され妊娠したと分かって「産もう!」ってさぁ、妻の意思は聞かないのかよ、お前。産むのはお前じゃない、妻なんだよ。・・・と言いたい。それに、産んだ後のことを全く考えていない風なのがさらに嫌だねぇ。産む方はともかく、産み落とされた子の気持ち、考えないのかよ、お前。子どもを苦しめ、罪人にするほど追いつめといて「最強の家族だ!」って、お前がピエロなんだよ、って話でしょう。お前は、無邪気に妻を精神的に強姦し続けてんだってこと、分かってないなんて真正バカもいい加減にしとけ、って感じかな。映画としても、最初のうちに放火が春の自作自演だと大体分かってしまうし、夏子の存在はどうにもご都合主義っぽい感じがして白けるし、泉水を演じる加瀬亮の髪型が気持ち悪いし、ってんでどーにもイヤな感じ。伊坂作品は読んだことないけれど、でもって、男だ女だとあんまし言いたくないけど、これは男目線で書かれた話、としか思えない。吉田修一の『さよなら渓谷』もそうだったけど、レイプってどういうことかわかってんですかね、この作者さんたちは。どうも、ゆる~く鈍い気がするんだよね、彼らは。私の知り合いは、ある伊坂作品を読了後、腹が立ってそのまま単行本を駅のごみ箱に捨てたと言っていたが、何となくちょっと分かった気がしてしまった。ま、誤解であってほしいですが。一度、伊坂作品を読んでみようと思いましたね。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2013-11-11 22:32:17) |
24. 12人の怒れる男(2007)
もぉ~、長いよ・・・。何度眠くなったことか。ロシアやチェチェンの昨今を語りたいなら、こういう形じゃなくてもいいじゃないのさ。やっぱり、密室劇というのは、緊迫感が一番大事だと思うが、本作はそこが完全に欠落しているので見ている方も気が緩む。また、肝心の、有罪から無罪へと流れが変わっていく過程だが、陪審員個人の、しかも評議と関係ないメチャクチャ個人的な、おまけになが~~いなが~~~~~~~いエピソードを聞かされた挙句、「だから無罪に変える」となって、こっちは「あ゛? だから、って? どこが?」状態。簡単に有罪にして良いのか? って最初に提議しているけど、じゃあ、評議ってこんな感情論・哲学論・思想論で収束させちゃっていいわけ? と問いたくなる。そっちの方がよっぽどコワイ。また、度々挿入される同じ画(雨の中の戦車に人が倒れその脇から犬が現れるとか、被告の青年が房でダンスしているとか)は、しまいには、イライラ倍増効果のためにやってんのかー、と言いたくなって来る。こういう密室劇で160分はキツイ。だったら、もっと緊迫した論戦を展開してくれないと。評議の最後と、本作のラストシーン(『用心棒』のパクリじゃない?)なんか、結構凝ったつもりなんだろうけど、こっちはそれまでにグッタリ疲れちゃって、「もう、何でも良いから早く終わってくれよ」みたいな気持ちでしか見れないわよ。こういう作品を味わえない自分が、まあ、未熟なんだろうなあ、とは思うが、それにしても160分はゴーモンだった。 [DVD(字幕)] 3点(2009-05-18 11:17:57)(良:1票) |
25. シルク(2007)
《ネタバレ》 自己陶酔映画ですね。「高尚な作品撮りました」みたいな製作サイドの独りよがりで、見る方はポカ~ン、という感じ。行間読め! というのなら、書いてあるものがしっかりしていなくては、読みようがないんですよ。なぜエレーヌは夫の日本での浮気を勘付いたのか、がこの映画のキモなのに、そこが分からないって、致命的。夫婦のベッドシーンで読み取れってことなんですかねえ・・・。それにしちゃあ、随分、ありきたりな濡れ場でした。なんか、誰々がどーしてこーして、こーなりました! というだけの映画だったような。日本語のセリフも聞き取りにくいところがあったし。唯一の救いは、中谷美紀サマでした。改めて、良い女優さんだと感じました。 [DVD(字幕)] 3点(2009-01-07 14:07:05) |
26. 自虐の詩
《ネタバレ》 原作未読。阿部ちゃん、ほとんど喋らない。「西日が貧乏臭い、あー、ビンボクサ!」は笑えた。・・・が、この映画、物凄く薄っぺらい中身のない映画です。幸江が幸薄い女性なのはよく分かりました。イサオがヤクザ上がりのダメンズなのもよく分かりました。でもさ、そのイサオが、幸江の妊娠→流産危機で一気に改心! でハッピーエンドって、あんまりじゃない? そんなんで、ダメダメ男が改心してくれるなら、世の女性はみんな苦労しませんて。こういう、「妊娠」(にまつわる出来事)を話の解決手段に使うの、大ッ嫌いです。ハッキリ言わせてもらうけど、子どもが生まれた後の方が現実問題、物凄く大変なんだってば。子育て、お金かかるよー。親がヤクザ&風俗上がり、何故かバレて、後ろ指さされるよー。世間はそんなに寛容じゃないし、甘くない。それでもイサオが真っ当でいられるか? 怪しいねえ。所詮映画の上でのハッピーエンドなんだからいいじゃないの、と言う方々も多いでしょうが、私はやっぱり「妊娠」や「出産」にその光明を見出そうとする発想の貧困さと安易さを、敢えて批難しておきたい。他にも多々思うところはあるが、一番ツッコミ入れたかった点はここなので、これくらいにしておこう。 [DVD(邦画)] 3点(2008-05-28 14:18:33)(良:2票) |
27. ジャンパー
何これ? ゼンッゼン面白くないし。大体、場面がビュンビュン飛び過ぎで、、、ってだからジャンパーなんだけど、見ている方は訳分からないのよ。制作サイドの自慰映画、観客そこのけで勝手に盛り上がってるって感じ。時間とレンタル料のムダでした。ジェイミーよ、もう少し、仕事選びなさいよ。長じる君がアダム・クーパーからどんどん離れて行くことが、オバサンは哀しいよ。って、ま、アタリマエなんですが。この先、これ以上に低俗映画かなんかでSEXシーンでもやられた日にゃ卒倒しそうなんで、もう君の出演作は見ないことに決めました。遠くから大スターになることを祈ってるよ、オバサンは。 [DVD(字幕)] 2点(2009-02-16 14:37:29) |