41. 白い刻印
DV犠牲者のトラウマを扱った作品としては月並み感が否定できない。ジェームス・コバーンの絵に描いたような荒くれオヤジぶりも痛いが、殴られている子供たちのあまりにも典型的な「濡れた瞳」も痛い。ニック・ノルティが歯を抜くシーンも痛いし、ボケたコバーンの年寄りぶりも痛い、とにかくあらゆる意味で痛い映画。ジェームス・コバーンのオスカー受賞から、さんざん待たされてやっとの思いで観たワリには、私の期待は満たされなかった。ポール・シュレイダーの映画って当たると大きいんだけどハズレた時の痛さもひとしお。父コバーン、長男ノルティ、次男デフォーの組み合わせはまったく家族にしか見えないので笑える。コバーンは確かに頑張ったけど、「トゥルーマン・ショー」のエド・ハリスを押しのけての受賞にはまったく納得できない。冥土の土産にオスカーを贈る悪習はやめよう。 3点(2003-11-29 13:26:39) |
42. ショーシャンクの空に
《ネタバレ》 普通に面白いとは思うけど・・・これが最高、と思う人の多さにちょっと驚く。確かにモーガン・フリーマンは上手いので、原作への挑戦とも取れるあのインチキなラストでもうっかり泣かされてしまうのだが。原作小説と映画は別、と思ってはいても、これだけ原作に感動してしまった後でこれを食らったら落胆もまた激しい。監督はあの小説のどこが凄いのかをきちんと理解しているのだろうか。 5点(2003-11-22 23:41:36) |
43. シャイン
公開当時の紹介記事などで「自閉症のピアニスト」と紹介されてしまったために、観ている最中も「こんなの自閉症でも何でもないじゃん」という不満がつのってしまい、もう一つ乗れなくなってしまった。そのことを差し引いて考えても、特に泣かせどころがあるわけでもなく全体に盛り上がりに欠け、主人公がものすごくピアノが上手い、ということのほかに伝えたいものがあるようには見えなかった。だから何?的なトホホ感だけが脳裏にインプットされてしまい、以後二度と観たいと思うことがなかった。非常に評判の良い作品らしいが、どうも私の体質には合っていなかったようだ。残念である。 5点(2003-11-22 22:59:10) |
44. シン・レッド・ライン
こういうのを傑作と言うんでしょうね。美しくて美しくて美しくて美しい。最初から最後まで徹頭徹尾キレ続けているニック・ノルティだけがあんまり美しくないですが、まあ薬味も必要だということで。私はこの映画、劇場で4回観たのですが、最後の1回は確信犯的に寝に行きました。大きなスクリーンでこの映画を上映している中でうたた寝してみたかったので。実にいい気分でしたよ。良い映画って寝てても良く寝られる。 10点(2003-11-22 20:21:20) |
45. シックス・センス
《ネタバレ》 マジメにまっとうにホラーを作っている感じがして、あの有名なオチとは無関係にちゃんと楽しめる作品だと思います。私は観る前にこの映画のオチを当ててしまったんですが、ちゃんと最後まで楽しく観られましたから。何度かテレビ等でもリピートしてますが、その都度最後まで観られますし、オチ依存型の作品だったら2回目以降はちょっと観てられないでしょう。ハーレイ・ジョエル・オスメントはやっぱり上手いと思いますが、特筆すべきは母親役を演じたトニ・コレット。彼女はものすごくいい味を出していましたね。ブルース・ウィリスはまあ、いつも通りのどこを切ってもブルース・ウィリスなんですけど、この役はけっこうハマッていたし彼でなくても良かったような気もするが彼だからダメだったということはない。傑作というほどではないと思うけど、十分良く出来た楽しめる作品だと思います。 7点(2003-11-22 19:46:50) |
46. 処刑人
《ネタバレ》 わりと観た映画のことを忘れやすい私ですが、この映画のことは生涯忘れないでしょう。映画としての出来は、正直ダメダメだと思います。ストーリーはいい加減だし、終わり方は唐突だし、ロッコの死なんかオイオイ本当にそれでいいの?って感じだし、各キャラクターの描かれ方の配分とストーリーに占める重要度がイマイチ合ってない感じがする。そういうムチャクチャさを含めて、「すげー!」と思わせてくれるのはやっぱり手腕なんだと思うし、仮に単なる計算違いというか素人の仕事なんだとしても、この当たり度はセオリー通りにキチンとやろうとしてる人にはなかなか出せないものですよね。ウィレム・デフォーは一人で勝手に楽しんじゃっているし、これでいいのかと言われたら答えはノーなんだけどとにかくこれは好き。続編が作られるっていう噂を聞いたけどヘタに欲を出しちゃったらこういう映画はたぶんダメでしょうね。大手製作会社がシルベスター・スタローンとブラピで作ろうとしたって聞いたけど、これ本当にウィレム・デフォー無しで成立できたんだろうか。 10点(2003-11-22 17:58:45)(良:1票) |
47. シャドウ・オブ・ヴァンパイア
作り手の方が楽しんじゃってる映画ですね。その楽しさに共鳴できる人には楽しい作品ですが、できない人にとっては「?」な映画なんじゃないでしょうか。個人的にウィレム・デフォーは大のご贔屓ですので辛さは感じませんでしたが・・・。いつものことですが宣伝配給側も、もっと熱心にこの映画がコメディであることを宣伝してもらえれば、観客もそれほど戸惑わずに済んだのではないかと思います。仕掛けとしては楽しい作りになっているので、シニカルなコメディが好きな方ならけっこう楽しめるのではないでしょうか。 6点(2003-11-22 17:22:21) |
48. シカゴ(2002)
どうも今年は人生観が変わるんじゃないか、と思うような内容的に濃い作品が少ないようで・・・「シカゴ」も楽しめる作品としては非常に完成度が高いと思いますが、だから何なんだ感は否定できません。 でもキャサリン・ゼタ・ジョーンズの毒気たっぷりな美女ぶりは観ていて飽きませんし、レネー・ゼルヴィガーのバカっぷりも楽しかったです。元の舞台を観たわけではないので何とも言えないですが、こういう本格的なミュージカルもたまには良いんではないでしょうか。曲も良かったですし、「どうだった?」と訊かれれば「面白かった」と答えるでしょうね。 8点(2003-11-22 01:42:48) |