41. ジャバウォッキー
《ネタバレ》 シュバンクマイエルらしさという点で、『ドン・ファン』と共に頂点を成す作品。リンゴは腐って蛆がわく。人形を煮る、アイロンで轢く、コーヒーミルで粉砕する…この人の映像破壊力は並じゃないよなあ。満点は『オトラントの城』に譲るつもりなので、この点数で。 8点(2004-03-07 23:09:16) |
42. ジェヴォーダンの獣
この点数をつけるのは、手堅くまとまったはずのシナリオを奔放に壊しまくった、その「着くずし方」がユニークで他に類を見ないタイプだから。この映画には、観客に一歩先んじて「判ってやってる」事の強みがある。全体の複線の張り方から考えても、編集の巧さからいっても確実にマトモな歴史映画となる準備が出来ていたと思う。それをコテンパンにしたラストの対決シーンの豪快さ! 映画に夢や感動を求めなくなった、すれっからしに向けて語られるスペクタクル駄作(もち誉め言葉)。 8点(2004-03-07 21:31:49) |
43. 少女ムシェット
《ネタバレ》 オイラ的にはブレッソン映画の最高峰。あのラストにはア然とし、かつ泣きましたね。何をやっても救われない少女ムシェット。健気、って感じじゃなく、カンシャクも起こせば生まれを恨みもするし、性格のネジケた悪戯もするし…そうであればあるほど愛しく、可愛く見えてきます。オイラ的にはロリータでもシベールでもアナでもキャンディでもなく、やっぱムシェットが映画史上最強の少女ですわ。ラスト、あまりの幸薄さに泣くけどね。 9点(2004-03-04 23:51:49)(良:2票) |
44. 死霊の盆踊り
いちど、0点というものをつけてみたかったのれす。でも公開当時、目の色を変えてビデオ屋に走ったオイラも0点なのかもしれない…。 0点(2004-02-29 05:20:32)(笑:4票) |
45. シベールの日曜日
『ロリータ』のレビューを書いた流れで(笑)。乾いた、フランス映画独特の絵造りが怖かったなあ…と思う反面、子供の視点に移ると一転してフランス映画独特の美しい絵に。ガラス越しに見る風景は、特にそう思いました。でも、母親を思わせる(ていうかあれ親だよなきっと)ジプシーの占い師に出会うシーンから状況は一転して、胸に突き刺さるような展開に。フランス人て、どうしてこうドライな感性を誇示したがるんだろう…でもまあ根は戦争がテーマだし…『ジョニーは戦場に行った』の流れだよなあ…というワケで、何となく子供との純愛をダシにした反戦映画のような気がしなくもなかったですね。評価は悩むところだけど、この客に媚びたような臭気が気になってしまうので、減点方式で3点引きました(2004/3/14 6点に変更)。 6点(2004-02-18 06:41:02) |
46. 13F
《ネタバレ》 オイラは、おはようジングルさんの意見とは逆です。この役のかぶり方がこの作品のキモじゃないかと思ってます。過去・現在・未来、そして素の状態と憑依状態という、組み合わせによっては最多4役をこなさなきゃならない(それも、主要キャラ全員が!)。この演技の切り替えの面白さは、役者の巧さも手伝って「何が本物か」を見失わせる力がありました。派手な特撮を使わずにSF的な自己喪失感・不条理感を見せてくれた監督に脱帽します。 7点(2004-02-18 01:48:13) |
47. ジャッカルの日
最近、レビューで自分の原点を見失いつつあるので書いてみます。小学生の時にTVで見た。以来、最高にかっこいいオトコ像は常にジャッカルであり、エドワードフォックスだった。映画としてより原作の素晴らしさ、演技の素晴らしさに負う所が多いのだが、DVDで見直してみて…狙撃当日の早朝、お祭の準備の様子を長々とドキュメンタリー風(つうかモノホンのお祭映像だと思うけど)に描いた点が、クライマックスの盛り上げに絶対必要だった事を思い知った。これはフォーサイスの才能ではなく明らかにジンネマンの撮る映像のパワーなんだろうな。これが群集の力か。観客の胸元までのしかかるような圧迫感を与えるシーンは他にあまりない。 10点(2004-02-12 04:21:39)(良:1票) |
48. 少林サッカー
いま見終わったばかりっす。とうとう見たぜ噂の少林サッカー!(^o^;…自分のベクトルに完全にマッチ。オープニングで既に呑み込まれてましたね。気持ち的には10点上げたいけど、でも9点。サンライズのスポ魂ロボアニメ『疾風!アイアンリーガー』と内容的に変わるトコロがなかったから(後発である以上、アレを越えてもらわんと…)。饅頭屋の姐ちゃんが泣きながら饅頭を作ると味がしょっぱくなってクビになっちゃう…というくだりは、ギャグとか非現実とかを超越して、ほとんどガルシア・マルケスの魔術的リアリズムの域に来てますなあ(あの場面、即座にマルケスの『エレンディラ』を連想しましたわ)。この監督、今後も外野の雑音を気にせずこの路線を突き進んでくれると「東洋のお笑いケン・ラッセル」みたいな感じになって面白そう。いや是非そうなって欲しいぞ。勇気を持ってあと3,4歩進めば、このベクトルでも芸術映画が撮れるよ(きっと)! 香港よ、迷わずおバカ道を極めてくれい! 9点(2003-06-08 03:04:21) |