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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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61.  ジュリア 《ネタバレ》 
フレッド・ジンネマンは苦手だけど「ジュリア」は凄く良い映画だと思う。 最初は執筆の日々に追われる日常を描いた恋愛映画でもあるし、後半はジンネマンらしいサスペンスフルな緊張が奔る。 特に列車内のシークエンスでジリジリと張り詰める緊張、ベルリンの食堂で再会する場面の鮮烈さ。彼女が乗る前に慌てて転ぶ瞬間からその緊張は始まる。煙草の煙にむせ、隣で音が聞こえる度にビクビクしてしまう様子。 ジンネマンの映画は常に孤独との戦い・恐怖・怒り。 それを劇中にぶちまけるリリアン・ヘルマン(ジェーン・フォンダ)の強烈さ! ウィリアム・ワイラーの作品に多数参加した事でも知られるリリアン。その容赦の無いシナリオには戦慄を覚えるほど唸るものが多い。特に「偽りの花園」は凄えぜ。 劇中でも煙草プカプカやりながらタイプライターを叩いて叩いて叩き、ゴミ箱を蹴るわタイプライターをムシャクシャして窓からぶん投げるわ、サンドをムシャムシャ食うわ、野郎にビンタを浴びせるわと絶えず何かにイライラしている。 そんな女を優しく受け止めるダシール・ハメット(ジェイソン・ロバーツ)の存在も忘れられない。闇夜を静かに照らすように燃える焚き火、波の音、くゆらせた煙草の煙のように流し、なだめる。 そしてリリアンと深い友情を結んだジュリア。 映画では回想を含めミステリアスな存在で短い時間の登場だったが、実際は友情以上の感情も抱いた仲だっただろう。食事の後に仲良く踊ったり、ベッドで語らい合った以上の関係に。 リリアンにとってジュリアは古くからの友人であり、尊敬すべき師であり、女として愛してしまった掛け替えの無い女性でもある。 女たちは既に語り終えている。それを観客の前でグダグダやらずに、表情だけでその“時間”を感じさせてくれるのだ。役者陣の演技の素晴らしさもこの作品をより際立たせる。 ジュリア(ヴァネッサ・レッドグレイブ)といいリリアンといい、戦う女は何時の時代も美しい。 彼女たちは独りで戦うが、心の中には常に友の存在があった...たとえ死によって二人が永遠に別れようと、回想を通じて心の中に生きつづける友の魂は次の世代にも受け継がれていく。 「地上より永遠に」とはまた違った戦争の描き方。あの映画は波打ち際で抱き合う恋人たちの姿が忘れられないが、この作品も湖上のボートから見る曇り空がラストには美しい夕焼けとなって映る。
[DVD(字幕)] 8点(2015-02-27 15:52:21)
62.  常識はずれの新たな争い 《ネタバレ》 
メリエスのマジックもの。  二人の女性が黒いドレスに早代わりしたかと思いきや、その次には屈強な男二人が舞台に立つ。  先ほどの女性たちが男たちの後ろから出たり消えたり。 一瞬にして人形になったり紙になったり風船になってしぼんだりなどトリック撮影の冴えを感じさせる。  メリエスはこの後「Le Papillon fantast ique」等でよりトリック撮影を極めていく。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-22 21:37:55)
63.  11人いる! 《ネタバレ》 
原作の古臭いデザインをあえて採用し、動きで結構カッコ良くみせてくれる。 脚本も変な脱線がなく、見やすい。  冒頭のシーン、本来は10人の筈が「おい、11人いるぞ!」という場面でまず冷や汗。え?そうなのと観客はビックリ。疑心暗鬼のまま協力や仲間割れなど定石どおりの展開。  性別を自分で決められるという発想は凄い。  出崎は原作から逸脱する事無くキャラデザもシナリオも丁寧に90分内に仕上げた。反面、余りに忠実にやってしまいちょっと地味な印象も拭えない。 あと挿入歌は確実にいらない。
[DVD(邦画)] 8点(2014-12-21 22:32:32)
64.  静かなる決闘 《ネタバレ》 
本格的な医療ドラマ。 黒澤が大映時代に撮った映画はハズレが多いが、この「静かなる決闘」はかなりの力作。 医療ヒューマニズムは「赤ひげ」にも受け継がれる。  “音”の映画。雨音、車、ガラスの割れる、人々の叫び、叫び、叫び、「リンゴの唄」の音。 この映画の“決闘”とは、病との、己自身との闘い、対照的な二人の男たちの対比を描いた闘い。 雨と不協和音から始まるオープニング、第二次大戦下へ。 野戦病院、疲れ切った医者たち。雨の音が緊張を持続させる。  静かな三船。戦場ではまだ梅毒の兆候が出ない。 戦場から帰った戦後、愛するが故に結婚を諦めるしかない苦しみ。立ち聞きしてしまった衝撃。壁で踊る女の絵のヌード、花。  酒瓶を振り回そうとするのを止める一瞬。酒瓶を投げようとするのを女の悲鳴が止める。中の酒を震える手で注ぎ溢れさせる。この時から男の破滅は予告されていた。  ハーモニカの音色で笑顔になる人々の表情。欲望を爆発させる三船の一人語り。ドン引きして泣くしかない千石規子。  廊下で対峙する二人の男。看護婦のビンタに力のない反応。ガラスをブチ割り、絶望に沈む姿。
[DVD(邦画)] 8点(2014-12-15 22:48:48)
65.  地獄の黙示録 《ネタバレ》 
再見。 この映画を「ヴェトナム戦争」を描いたものと見るか、「カーツ大佐抹殺」の物語として見るかで受け取り方はまったく違うものになるだろう。  ウィラードの下に付いた部下(と俺ら視聴者)たちはヴェトナムの惨々たる光景を眼に焼き付け、何度も似たような光景を見て慣れきったウィラードにはヴェトナムの狂気や惨禍など気にしている余裕はない。  本作はコッポラの映画の中で最も退屈な映画であり、最も地獄のような映像が続く映画なのだから。だがこの作品はワルキューレ騎行とともにヘリが村を焼き払うシーン、そしてマーロン・ブランドの人殺しまくってるような強烈な演技を見るだけでも価値がある。  冒頭からこの映画はヘリ、ヘリ、ヘリが飛び交い火炎を吹きまくる。 うっそうとした森を横切るヘリ、不気味なローターの金切音、森は猛烈な煙とともに爆炎に包まれる。軽快な音楽とともに、まるで楽しむように森に火を投げ込むのだ。  そこから男の回想が始まる。脳裏にこびりつくベトナムでの地獄。写真の女性は妻だろうか?煙草、酒、枕には護身用の銃。 シーリングファンが連想させるヘリ。パンツ一丁で酒をあおり、踊り狂い、ガラスにぶつかって血を流す。  そんな男に依頼される裏切り者の抹殺。酔いつぶれた男に、雨のようなシャワーを浴びせて目を覚まさせる。  劇中最大の見せ場である「ワルキューレ騎行」の場面。 サーフィンをするために敵を村ごと吹き飛ばすシーンは強烈だ。爽快感と人間の狂気をいっぺんに見せ付けられる。どうしてキルゴア大佐が主人公じゃねえんだっ!!!!!  その後の完全版における狂気100%な場面の連続も凄まじすぎてドン引き。 プレイメイトたちとの乱痴気騒ぎ、船で密林をひたすら進み続ける疲労感、捕虜たちに下す残酷な決断、無秩序状態の兵士たちが繰り広げる地獄の光景。 リボンて…考えただけでもゾッとする。女の方が痛いんだぜ。  カーツ王国ワールドは凄すぎ。何千人も人殺してそうな凄みを感じさせるマーロン・ブランドの存在感。怖ええよ。 煙が渦巻く魔窟、祭りに興じる人々、暗闇の中から問いかけを繰り返すカーツ。 主人公「うるせーよカンペ読みのファ●キンブタ野郎、台本必死に覚えてる俺たちの苦労を知りやがれ!」  軍人として任務を遂行する!泥の河が、建物の暗闇が主人公の姿を包み隠す。雷鳴の閃光、牛を鉈で屠殺するように、返り血を浴びて。残された書類、集まる群衆を睨み付け去っていく。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-15 21:41:30)
66.  知りすぎていた男 《ネタバレ》 
ヒッチコック自身の1934年の「暗殺者の家」をリメイクした本作。 オープニングのシンバルの轟く音。 そこから既に事件は始まっていたのだ。 冒頭は「カサブランカ」を彷彿とさせる雰囲気だが、謎の男「ルイ・ベルナール」が事を起こしてから様相は一変する。 物語は典型的とも言える誘拐事件を扱った事件で、ヒッチコック映画のドス黒さも少ないが、誘拐に絡んだ陰謀とマッケナ夫妻の行動が二重に展開されるストーリーは中々楽しめる。 また犯人側の視点も少しずつ語られ、犯人と被害者の人間臭いドラマが描かれるサスペンスでもあるのだ。 ホールでの一部始終は緊迫感があるね。解っていてもドキドキするよ。 ホールでも1件が済んだ後も、犯人との駆け引きは続く。 ジョーが唄う「ケ・セラ・セラ」の曲。 我が子を想う母親の母性愛。 それが息子に届くのか・・・? 肝心の黒幕が捕まらなかったり、ラストも唐突に幕を下ろす。 けれども最後まで目が離せないスリリングな映画。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-11 04:24:32)
67.  勝利への脱出 《ネタバレ》 
第二次大戦の捕虜収容所。 実際に起きたドイツ空軍vsディナモ・キエフ捕虜収容所の面々によるサッカー対決。 「親善試合」と銘打たれた試合の裏で、ドイツ軍のメンツ、連合軍捕虜たちのプライドをかけた熾烈な戦いが始まる。  命懸けの脱走、 レジスタンスとの協力、 情報収集、 そしてサッカーの特訓。 戦争映画としてもスポーツ映画としても楽しめる。  勝てば死、負ければ誇りを失う。 死ぬか生きるかに追い込まれるディナモ・キエフたち。 それでも彼らは戦いに身を投じる。 最後まで諦めずに。  クライマックス、民衆が作り出す選手たちを守る“河”!
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-08 22:13:40)
68.  シャーロック・ホームズ/シャドウ ゲーム 《ネタバレ》 
前作よりは躍進。 野性的なシャーロック・ホームズと新婚を丸ごと潰される可愛そうなワトソンのデコボココンビが駆け抜ける「シャドウ ゲーム」。  冒頭から元カノと接するようにアイリーンと再会&ヘビーな野郎共との殴り合い、石棺が頑丈で良かったねというギャグシーン、コサック兵との壮大な鬼ごっこが楽しい。  互いに二手、三手先の組合を“構築”してから一瞬の戦いを引き立てる演出も悪くない。  あんな冷たい水に思いっきり叩きこまれただけで心臓マヒを起こしそうだが、本作のメアリーはモースタン大佐譲りの武闘派?でタフで頭も中々キレて伊達に軍医の嫁じゃなかった。でもアイリーンや占い師と比べると余計に美人という顔はしていない。原作はワトソンが無条件降伏するほどの美人だったというのに・・・。  ラッセル・クロウが演技が物凄く上手いジョン・ウェイン(顔立ちと存在感が似ていると思っただけです)に見えてきた俺は末期かも知れない。兄貴も隠れ格闘キャラだったりして(「シンデレラマン」のボクサー)。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-07 14:58:32)
69.  ジャージー・ボーイズ 《ネタバレ》 
再見。 最初この映画を見た時は「イーストウッドの新作だ!」というだけで熱狂的に迎え入れていたが、今見返すと今作と「アメリカン・スナイパー」ほど退屈なイーストウッドの映画もないだろう。 これ以前の作品群と比べると照明にしてもストーリーにしても、何か毒が足りない。闇の中をもがくような恐怖と面白味をそれほど感じられないのだ。 それでもところどころの演出は流石イーストウッドと言ったところか。   イーストウッドはこの作品以前にも「バード」や「ブロンコ・ビリー」「ピアノ・ブルース」といった音楽愛に溢れた作品を幾つか撮ってきた。  この「ジャージー・ボーイズ」もその一つになるだろう。 四季(フォー・シーズンズ)を通して彼等の生き様を謳い上げたミュージカルの舞台を、歌をエネルギーにして伸し上っていく伝記映画にしてしまった。  同じく四季を通して描かれた「アマルコルド」も、ミュージカルから愉快なコメディ映画になった事を思い出す人もいるのではないだろうか。  この映画も、喧嘩や暗闇は多いがそれを吹き払うように歌って歌いまくり、照明も街の灯も彼等を照らすように明るい。ボーリング場のネオンも彼らに素敵な名前を送るために輝く。  舞台と同じように一人一人、四季に応じて御丁寧に自己紹介。 喧嘩も徒手空拳もセッションのうち、彼らが歌うのは警官の注意を仲間に向けさせないため、気になる彼女を笑顔にするため、老夫婦の眼に涙を与えるため、娘を安心させるため、二人のカップルの情事を祝うため、仲間たちを、みんなに笑顔を届けるため。 それは小さなバーで一人、二人の観客のために歌っている時も、ステージの大観衆の前で歌っている時も変わらない。  何度もブタ箱にブチ込まれようがめげない、ギャングだろうが警官だろうが屈しない!  久々にイーストウッドの平和で心温まる映画を見たかも知れない。 なーに、せいぜいショーウィンドウに突っ込んだり車内で脳天ブチまけたり食器や書類をブン投げるだけさ。 ビルを下から上へ撮り、そこに集うライバルたちを強調して彼等と歌で競い合う・・・そんな事を期待して胸を膨らませた瞬間が俺にもありました。 おっぱいを強調したジェーン・ラッセルみたいな女とも 口 づ け 一 つ で結・婚・式!  ドッキリ大成功?よーしフザけんなブッ殺す。  イーストウッドも若返って一瞬だけ登場(「ローハイド」~)!
[DVD(字幕)] 8点(2014-10-07 05:28:03)
70.  邪魔者は殺せ
リードによるサスペンスの佳作。 相変わらず白黒画面の美しさは抜群だが、やや哲学臭く説教臭い内容には辟易してしまう。 しかし、必死に逃げる逃亡犯に手を貸す者や拒む者等それぞれの思惑が交錯するストーリーは悪くない。 前半の逃走劇、後半の心理劇・・・見て損はしない作品だ。
[DVD(字幕)] 8点(2014-05-05 18:18:44)
71.  十誡(1923) 《ネタバレ》 
「現代篇」の部分は退屈だが、古代篇は良いと思う。確かに同時期のデミルにしてはレベルが落ちるのかも知れないが、1956年の「十戒」は自分には長すぎて退屈だった。コッチは2時間弱のコンパクトさ。ニタ・ナルディも美しい。 海や天空(現代篇)が割れるシーンは音が聞こえてきそうな迫力だ。大量のエキストラによる群衆シーン、廊下を歩く光と影のコントラストが際立ったシーン、エジプト軍の大群が一気に駆け抜けるシーンのグリフィスや後のジョン・フォードを思わせるスピード感!これぞ豪華絢爛なスペクタクル史劇。 特に海が割れるシーンは、56年版の「十戒」のレビューでも書いた事だが岩肌が露出するほどの割れっぷり。岩肌から水が滴る感じ、エジプト軍が膨大な水によって木っ端微塵に飲み込まれるシーンは圧巻だ。海のうねり具合を出すためにゼリーを徐々に溶かしながら撮影したらしい。 だが、人によっては古代から現代に切り替わる“瞬間”のインパクトの方が強烈だという人もいるだろう。 神を信じる者と信じないもの。天井が崩落する場面やモーター・ボートが暗礁に激突する瞬間の戦慄。エレベーターが登っていくシーンのカメラ・ワークも凄い。そう、単体だったら凄く良いのかも知れない。ただ、古代のスペクタクルと絡ませるとどうしても比較して見てしまうのだ。グリフィスの「イントレランス」がそうだったように。アレは物語が交互かつ、ところどころ繋がる部分があって見応えがあったけどさ。
[DVD(字幕)] 8点(2014-04-07 21:50:17)
72.  少林サッカー
「小林」じゃなくて 「少林」だった事に初めて気付いた今年。 子供の頃は真面目に面白がって見ていましたが・・・今見ると、ね。最高のギャグ映画ですよ。ええ。 恐らく「コマンドー」や「イレイザー」に匹敵する素晴らしくアホな映画の一つでしょう。  派手なCG演出で余計に笑ってしまいます。 チャウ・シンチーがユースケ・サンタマリアにしか見えない。  でも、キーパーの鉄の手を持った鬼影擒拿手(魔の手)の兄貴がカッコイイです。ブルース・リーコスチュームで無駄にキメてる辺りとか、失業中だったりとか。最高の天職ですね。 二度と手が使えなくなってもかまわないという勢いで敵のボールに喰らい付く姿がカッコイイ。  まあ、本編はツッコミどころ満載で楽しいです。ラストシュートなんか何処の「キャプテン翼」だよと。 芝生もゴールもドッカーンですかそうですか。いくら体が覚えているとはいえ、流石にブランクあるでしょうよ。少林寺とはいえ。  しかしアレですね・・・すっぴん美人て良いですよね。 ケバい化粧している時よりも、坊主頭のノーメイクの方がキレいな顔してます。美しいです。  是非ともジョン・ヒューストンの「勝利への脱出」とセットで御覧下さい。
[DVD(字幕)] 8点(2014-03-29 20:45:52)
73.  静かなる男
この映画はね、「脂ぎったオッサンたちが延々と殴り合う」という図式が好き(?)という人間のためにある映画です。 アイルランドの美しさとか、ギシアンでベッドがひしゃげているとか、そんな些細な事はどうでもええんです。 個人的には「鉄腕ジム」とか「赤い河」みたいなハードなド突き合いの方が好きだし、フォードにしても「果てなき航路」とか「我が谷は緑なりき」の方が好きだ。 ウェインにしたって脂ぎったワンマン中年より、若気の至りで拉致されて仲間に助け出される人間臭いウェインの方が好きだ。人間らしい弱みを見せる男気の方が惹かれるしさ。  だが、このお祭り騒ぎみたいなエネルギーの塊!こういう映画が好きな俺にはたまらん。 御託はいい、乾いた殴り合いもいいが、たまには湿り気のあるウェットな殴り合いも悪くない。 確かにノリはアイドル映画だな(笑) と言っても「狂った果実」じゃなくなり「黒部の太陽」になった石原裕次郎と三船敏郎が殴り合うような(違うか~)
[DVD(字幕)] 8点(2014-03-27 15:44:43)
74.  ジャッカルの日 《ネタバレ》 
ジョン・フランケンハイマーの「影なき狙撃者」に次ぐ佳作。 ジンネマンだから見る気すら起こらなかったけど、「ジャッカル」とか言うクソリメイクを見てしまったのが間違いだ。ただジンネマンを少し見直せたという意味ではちょっぴり感謝していると言えよう。 「暴力行為」の一発屋という印象があったジンネマンだが、コレは中々面白かった。 いつものジンネマン特有と言えるピリピリした空気で緊張が保たれる。 「真昼の決闘」なんて勘違い西部劇は緊張が保たれるものの決闘が1回だけと解かってしまい極めて退屈な映画だったが、「ジャッカルの日」は殺し屋とフランス官憲たちの心理描写が面白い。 ドゴール将軍の暗殺を巡って繰り広げられる追走劇。 イギリス出身という事以外名前も解らず謎がジャッカル。彼の完璧と思われた計画がパリの習慣によって狂う瞬間は息を呑む。 キツネ(エドワード・フォックス)が“ジャッカル”というのも皮肉なものだ。 政治的に“黙殺”されていく暗殺者の孤独。ルベル警視はそれを悟っていたのかも知れない。 ジンネマンはやはり現代劇でこそ真価を発揮する男だ。「地上より永遠に」「ジュリア」も良い作品だと思う。 
[DVD(字幕)] 8点(2014-03-06 14:08:27)
75.  市民ケーン 《ネタバレ》 
「フォルスタッフ」「黒い罠」「オセロ」と随分楽しませてもらったウェルズだが、この作品はどうも退屈だった。というか、この映画1本だけでウェルズを語るのは「市民ケーン」以外のウェルズへの過小評価にも等しい行為だ。そのせいで日本における、いやアメリカでもウェルズは過小評価されてきたのではないだろうか?だからハッキリ言っておきたい。ウェルズは絶対に「市民ケーン」以外も見ろ、と。この映画を楽しめなかった人・楽しめた人すべてに。  この映画もワンシーンワンシーンは好きなんだけどさ。 新聞社に乗り込んでどんどん成長させていくシーンとか、 ケーンと奥さんの冷え切った会話、 鳥が飛び立つような場面転換、 終盤で怪獣のように室内で暴れる様子は「ゴジラ」へ、その暴走を止める「薔薇の蕾」、 鏡の前を歩き幾人にも分裂するケーンの姿・・・。  重厚な音楽と共に始まるオープニング。侵入を阻む柵、鉄格子、まるで城のようにそびえる不気味な黒い建物。 窓の灯りが消えたり付いたり、雪が降り続ける丸い球体が手から転げ落ち、砕け散る。「薔薇の蕾」の言葉を残して・・・。 続いてたった今くたばった人間の生涯を語るニュースフィルム。城主に君臨する新聞王としてのケーン。 およそ10分に渡るニュースフィルムが終わると、続いて新聞記者が“本当のケーン”探しに出かける。劇中の人物は時折黒いシルエットのように映される。 夫としてのケーン、雪の中で無邪気に遊ぶ子供だったケーン、養子としてのケーン、野心を燃やして新聞社に乗り込む若者としてのケーン、共に仕事をした仕事仲間としてのケーン、ライバルとしてのケーン。様々なケーン像が明らかにされ、過去を語る場面と共に蘇っていく。  映画そのものが偽りであるように、世間に知られるケーンもまた偽りの存在でしかない。劇中の記者は、観客は本当のケーンを知る事が出来るのか、出来ないのか。様々な要素を持った謎解き映画でもある。  残された夥しい遺品に蟻のように群がる人々、街のビル群のようにも見える遺品の山。そして何も知らない人々に焼き尽くされる“真実”。黒い煙はケーンのいるあの世にまで届くのだろうか。 すべてを奪われ、すべてを手に入れたつもりになって、本当に欲しかったものは最後まで得られなかった。   修復版で意図的にザラザラにしたニュース・フィルムの演出まで修復してしまったのは残念でならない。
[DVD(字幕)] 8点(2014-01-31 11:20:55)
76.  十三人の刺客(1963)
再評価です。 前見たときは戦闘まで淡々としすぎていて退屈でしたが、今回は「太秦ライムライト」を気に色々と見直す事にしました。 そしたら退屈どころかその丁寧なドラマ作りに見入ってしまいます。 それに戦前の時代劇を幾つか見たおかげで俳優陣の豪華さに今更ながら驚いています。「鴛鴦歌合戦」や「赤西蠣太」の名演を見た後だと、片岡千恵蔵の重きを置いた演技の良さがようやく解りますし、その補佐役として「鞍馬天狗」の嵐寛寿郎や月形龍之介など時代劇を支えてきた骨太の名優たち。どうしてこんな面々の凄さに今まで気付けなかったのか。戦前日本映画の凄さを知った今の自分には、老いて尚も重厚で重い時代劇を作ろうとした野心が伝わってきます。「十三人の刺客」は今でいう「太秦ライムライト」。 黒澤映画や小林正樹の「切腹」などは、今だと最新鋭の技術の粋とも言える「驚異的な存在」だったのでしょう。時代劇の人気が続く嬉しさの反面、サイレント時代から培われた「剣劇」というカタの衰退・・・それを残すべく千恵蔵を始めとする古参の強者、里見浩太朗や丹波哲郎をといった新進気鋭、西村晃など名バイプレイヤーたち・・・今考えると恐ろしい顔ぶれです。 終盤まで戦闘が無いのも往年の時代劇のようなドラマに重きを置いた作風であるし、数十分にわたる戦闘も阪東妻三郎の「雄呂血」や伊藤大輔の「忠次旅日記」えのオマージュにも似たこだわりが感じられます。 この映画の神髄はサイレント時代の「呼吸」を理解しないと中々味わえないものなのかも知れません。
[DVD(字幕)] 8点(2013-12-24 12:53:08)
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