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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2253
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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81.  女子高生サバイバル・ドライブ 《ネタバレ》 
家庭用ビデオカメラの映像に、人物目線に固定したカメラアングル。本作は『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』に代表されるフェイク・ドキュメンタリー(モキュメンタリー)を髣髴とさせます。機材や人手不足を逆手に取り、登場人物に撮影を委ねる“記録映像”方式。臨場感とリアリティで好評を博し、後発の類似作品を多数排出しました。本作もそういった作品群の1作には違いないのでしょうが、“記録映像”との体裁は取っていません。そういう意味では『ブレア』より、むしろ『宇宙戦争(2005)』や『世界侵略・LA決戦(2011)』に近いと考えます。ただ、巨視的なアプローチを避け、あえて視点をミクロに絞ることで臨場感を煽る意図があったこれらの作品に対し、本作の舞台は至って限定的です。あのようなカメラアングルであり続ける必然性はありません。この不自然さを払拭する免罪符が“記録映像”方式だったのですが…。ですから歪なカメラワークに、観客はカメラマンの存在を意識せずには居られないのです。どうして女子高生の傍から離れないんだ。うらやま…もとい、もっと動け、いい画を押さえろ、と思ってしまいました。ところで話は変わりますが、DVDパッケージの女の子が誰一人として本編に出演していない事実にお気づきでしたでしょうか?表紙の写真は単なるイメージ。“KY殺人鬼”という煽り文句にも驚きましたが(空気を読めたら殺人鬼じゃないよ!)、胡散臭さ&インチキ度120%。流石のアルバトロス印でありました。
[DVD(字幕)] 3点(2011-12-12 18:55:56)(良:1票)
82.  呪怨 黒い少女 《ネタバレ》 
『呪怨』10周年記念2作品のうち、『白い老女』の方はオリジナルの系譜を継ぐものでしたが、本作『黒い少女』はだいぶテイストが違いました。メインとなる登場人物の名前を冠して小節を区切るスタイルはオリジナルを踏襲しているものの、あくまで形式を採用しているだけ。小節ごとに律儀にオチを付けていた『白い老女』と比べると、その違いは歴然です。本来であれば、毎回黒い少女が姿を露にして驚かせてこその呪怨。ところが芳賀ゆい並に、姿を客前に現そうとしません。本作は『呪怨』であって、『呪怨』にあらず。はてさて、コレはどういう意味なのか。それでは“空手”を例に考えてみましょう。日本怪談の原点は、出るぞ出るぞと観客を煽る部分に意味がある、言うならば“寸止め式の伝統空手”。一方『呪怨』は出し惜しみせず、直接お化けが脅かしに来るフルコンタクト制。素人でも分かり易いのは、後者の方でしょう。呪怨式ホラーがウケたのも、考えてみれば納得なのです。では何故本作で下手な寸止め空手を見せたのか。伝統空手の凄みに気付き始めた観客への牽制なのか、はたまたフルコンタクトの進化形を提示しようとして失敗したのか。自分には分かりませんが、下手な寸止めより、派手なフルコンタクトの方が観ていて面白いのは間違いないです。というワケで2作品を比較した場合、自分のジャッジでは『白い老女』に軍配が上がります。
[DVD(邦画)] 5点(2011-11-30 18:29:58)
83.  呪怨 白い老女 《ネタバレ》 
驚きに感情が付帯するメカニズムを考えた場合、「笑い」と「恐怖」は実は近い関係にあることが分かります。ご指摘のレビュワー様もおられるように、物語の体裁はギャグ・コメディと酷似しています。例えば老女が手にするアイテムが“包丁”“蝋燭”“日本人形”であれば、判り易く「恐怖」サイドに寄りますし、“へちま”“カツ丼”“週刊大衆”ならば「笑い」で問題ないでしょう。匙加減一つで、ホラーにもコメディにも化ける。そういう意味では、“バスケットボール”を選択したセンスは悪く無いと感じました。とりあえず観客は戸惑います。純粋に意図が分からない。いわゆる、不条理です。『呪怨』は、この不条理を恐怖に転化することを基本様式とした作品だったと考えます。第1エピソード、「は~い。今手が放せないの。すぐ行きますから」は、条理が次第に不条理へと変化していくパターン。上手いし、怖い。ただし不条理描写に特化した結果、奥行きの無い恐怖しか生まなくなったのが『呪怨』の弱点でもありました。本作では“白い老女”の役割についてあまり考慮されていないのが難点です。単なる驚かし要員に見えてしまう。本当は違うのに。老女は孫を気に掛けていました。一度ロリコン男から少女を救っています。その思いをちゃんと観客に届けられれば、老女の登場場面に付加価値が出ます。痴呆による徘徊と見紛うのは、あまりに不憫な話。バスケットボールにしても、ロリコン男の所有物、切断した頭部のメタファー以外に、もう一つ観客の心動かす意味づけが欲しいところ。ワンランク上のホラー目指すなら、物語で観客を魅了する必要があると考えます。
[DVD(邦画)] 6点(2011-11-27 19:25:02)(良:3票)
84.  死霊のはらわたII 《ネタバレ》 
『死霊のはらわた』のセルフリメイクだと思うのですが、続編の『キャプテンスーパーマーケット』と併せた新規2部作と捉えるほうがしっくり来ます。それなりに纏まりのあった前作と比較すると、本作はしっちゃかめっちゃか。ほとんど物語の体裁を成していません。でもその分ディテールは凝りに凝ってます。切り落とした自分の手との戦いとか、チェーンソー装着とか、監督ノリノリです。嬉しそうな顔が見えるよう。
[DVD(字幕)] 6点(2011-10-22 19:57:44)
85.  シーサイドモーテル 《ネタバレ》 
良い演者を揃えているため、それなりに観られる作品に仕上がってはいますが、この脚本は戴けません。全くと言っていいほど仕事をしていません。コメディにそぐわない痛々しい描写や、アクシデント(交通事故)という作話上の“禁じ手”を2回も使うセンスを疑います。雰囲気は悪くありませんが、雰囲気だけではダメです。このような邦画が増えると本当に困ります。
[DVD(邦画)] 3点(2011-10-13 19:48:31)(良:1票)
86.  人生逆転ゲーム<OV> 《ネタバレ》 
映画版『カイジ』のサブタイトルと同タイトルの本作。“2匹目のドジョウ”を狙った映画である事は明白ですが、せめて“ざる”くらいは用意して欲しいと思いました。手ぶらじゃドジョウは掴めません。肝心のゲームに難ありでした。戦略性が薄く、カイジ流に言うなら運否天賦。心理的な駆け引きもありません。折角グラビアアイドルを主役に据えたのに、サービスカットが一つも無い。観客は何を楽しめばよいのでしょう。2番煎じでも3番煎じでも、C級でもD級でも構いませんが、お客を楽しませようという心意気だけは、どんな映画にも必要と考えます。そういう意味で本作はダメだと思いました。なお元ネタより上の点数を点ける訳にもいかない出来ばえなので、『カイジ』の方の点数を補正しておきます。
[DVD(邦画)] 2点(2011-09-25 18:20:06)
87.  11:46 《ネタバレ》 
邦題からも推測できるように、ヒット作(?)『0:34』と同じく地下鉄構内を舞台としたホラーサスペンス。有名作品あやかり系ゆえ、正直期待値は低かったのですが、それが幸いしたのか予想外に楽しめました。脅かしや無闇な血飛沫等、恐怖演出自体は平凡ですが、“狂集団から逃れて地下鉄構内から脱出しろ!”という目的が単純明快なので感情移入し易い。体裁としては『ゾンビ』と変わりませんが、敵がカルト教団というところがミソ。信者の中には年端のいかない子供も多く、敵の主な武器は短剣。殺傷能力は高くない。「危険だから戦いたくない」というより、「殺したくないから戦いたくない」という心理が働きます。このあたりの微妙な差異が、物語に綾を生みます。本作では比較的アッサリ処理されている部分ですが、もっと膨らませても面白かったと思いました。すわ予言は真実だったのか?!というラストですが、これは見事なミスリード。詳しくは↓【いぬきよ】さんが丁寧に解説して下さっていますので割愛しますが、初見だと真相に気づかないかもしれない。なかなか手が込んでいます。個人的には『0:34』より本作の方が面白かった。掘り出しものでした。
[DVD(吹替)] 7点(2011-03-27 20:20:29)
88.  ジーン・ワルツ 《ネタバレ》 
シリアスなテーマゆえ、濱田マリや大杉漣を使ってコミカルな要素を付加したのは間違いではなかったと思います。ただ生命賛歌の主張が一面的で深みが無いため、やや軽薄な印象も受けました。体外受精も代理母も人工中絶も、やっている事に大差はない。それを曖昧にして堕胎を望む若い妊婦を説得したところで心に響きません。生命誕生において恣意的に科学技術が介入することの是非と多面性を、きちんと観客に意識させる必要があったと思います。本作最大の難点は、主軸となる代理母のエピソードが良くないことです。風吹のお腹の子が主人公の子と知りガッカリしました。もし彼女が産科制度改革を主張するつもりなら、代理母を利用した事実は公表しなければ筋が通らないし、隠蔽するなら、弱者たる“第三者のため”という最低限の大義名分は欲しい(赤ちゃんのためというのは詭弁です)。現行制度の中で必死に不妊治療をしている人たちが報われません。精子の取得方法も姑息でした。真実に気づきながら不問にする田辺の気も知れない。何のことはない。彼女は私利私欲でルールを破ったのです。そんな彼女の言葉だから、妊産婦受け入れ体制の持論についても値打ちを感じません。せっかく正しい事を言っているのに。マンパワー不足の現実を身を持って知った彼女が、前言を撤回する日は近いでしょう。やや厳しい論調になりましたが、飽くことなく最後まで観られたので出来が悪いとは思いません。ただシリアスとコミカルさは、もう少し高い次元で融合できると考えます。ところで菅野美穂。あれだけのルックスと演技力を兼揃えながら、いまいちブレイク出来ないのは何故なのか。本作を観て確信しました。以前から気にはなってはいたものの、あの鼻声はネック。ハナなのに。とくに講義のシーンはムズムズしました。治らないのかな。治らないなら、いや治ろうが治るまいが、俺が抱きしめてやる!…シリアスでありながらコミカルな文章を狙ったのですが失敗しました。エラそうなことを言ってすみませんでした。
[映画館(邦画)] 5点(2011-02-15 21:04:00)(笑:1票) (良:1票)
89.  女優霊(1996) 《ネタバレ》 
古典怪談『牡丹灯篭』『番町皿屋敷』、あるいは同監督の『リング』にしてもそうですが、成仏出来ずに幽霊となること、ましてや他人を呪い殺すほどの怨念を溜め込むとなれば、それ相当の理由があるはずです。その説明を省略したのは、ホラー映画としてのハンディキャップと考えます。ストーリーで恐怖を訴えかけられない分、視覚に頼らざるを得ないから。もっとも本作の画づくりは冴えていました。フィルムに焼きついた霊、不自然に折れ曲がった転落者の脚。中でも一番ブルったのは、ロケバスの窓に映った人影でした。在るはずのないもの、理解不能なものに私たちは怯えます。そういう意味では、クライマックスの女優霊出現シーンはちょっと弱い。“顔色の悪い白衣装の女”と認識してしまえば、別段怖くありません。幽霊を怖く見せるのは至難の業で、なかなか満足のいく描写には出会えません。『リング』の貞子は、その奇妙な動きが恐怖に結びついた稀有な例です。(個人的には、黒沢清監督の『回路』の幽霊の描き方がベスト。『呪怨』の白色坊主などはギャグにみえます。)尺をもう20分か30分足して、女優霊の怨念の正体に迫れたら、もうワンランク上のホラー映画になったのではないかと。
[DVD(邦画)] 6点(2011-01-16 00:48:25)
90.  七人の侍 《ネタバレ》 
子どもの頃大好きだったTVアニメ『ガンバの冒険』と同じプロット。当然本作が元ネタです。導入部で早くも胸が熱くなりました。弱きを助ける好漢7人の英雄譚に期待を膨らませました。ところがどうも様子がおかしい。農民たちは野伏せりの襲撃に怯える無力な羊ではなかったからです。菊千代が言うように、狡猾で、強か者だった。野伏せりが狼なら、7人も狼。そして農民たちもまた狼でした。お上によって飼いならされているだけ。勧善懲悪の娯楽活劇ではなく、農民と野伏せりの生存権を賭けたリアルな戦争と捉えるのが正しい見方だと感じます。例えば何故侍たちが農民に加勢したのか。農民たちの必死さと勘兵衛の人柄にほだされたのは事実。でもそれだけじゃない。武士は戦いが本分。剣を振る機会があれば振るいたい。それが証拠に久蔵は益の無い立会いでも刀を抜いている。外科医が技術維持のためにオペを望むように。あるいはスポーツカーのオーナーが愛車を乗り回したいように。利害が一致したから侍たちは農民の話に乗ったのです。戦の有様にもリアリティを感じました。農民VS野伏せりの戦が、国同士の合戦と違うのは大将が居ないこと。野伏せりは1匹狼が徒党を組んでいる状態。いくら戦いの玄人でも、個々の力はタカが知れている。素人でも団結をすれば玄人を凌ぎます。ましてや潰し合いともなれば、頭数がモノを言う。地の利もある。あとは竹槍を突く勇気があるかどうか。この戦の性質を見抜いていた勘兵衛の作戦勝ちでした。農民たちは十分な勝算のもと、勝つべくして勝った。日常を取り戻し、農作業に勤しむ農民たちの生き生きとした姿を前に、勘兵衛の胸に去来したものは何だったか。飼いならされていたのは農民だけか。いや侍たちとて同じこと。生きる糧を得る術を奪われている彼らの方が、より事態は深刻かもしれない。勘兵衛の最後の台詞「今度もまた負け戦であったな」は、実の無い生き方を強いられている武士全てに向けられていると感じました。もし、自分があの村の百姓だったらどう決断したか。米と女を差し出し命乞いをしたか、土地を捨て逃げ出したか、はたまた彼らと同じように戦ったか。平和を望むなら刀を抜いてはいけない。そう私たちは教えられてきました。その考え方は間違ってはいないと思う。でも刀を捨てるのが正しいのだろうか。農民たちを観て何も感じなかったらウソだと思う。日本人は全員この映画を観るべきです。
[DVD(邦画)] 10点(2011-01-04 21:26:13)(良:2票)
91.  死霊のはらわた(1981) 《ネタバレ》 
『キャプテン・スーパーマーケット』や『スペル』路線の源流であり、サム・ライミ監督のデビュー作となる本作。『キャプテン~』鑑賞以来ずっと興味があったのですが、この度やっと観ることが出来ました。映画史における位置付け、あるいは技術技法について評論する技量を持ち合わせませんので、いつものように脚本主体の素人感想となってしまうのですが…率直に言うと普通でした。何処にでもあるB級ホラー。そんな印象です。まず人物造詣が粗い。身内が、彼女が、親友が、次々と死霊に取り憑かれていくという状況。自分ならどうするかと考えた場合、主人公の行動が腑に落ちませんでした。敵がゾンビなら自衛のために殺せます。でも正気に戻る可能性がある人間ならそうは行かない。大切な人であれば尚更のこと。自分の身を守りつつ相手も傷つけず、そんな葛藤があっても良かったかなと。血みどろぐっちょりのグロテスク描写もいいですが、自分にとっては副菜です。やはりメインではキャラクターの感情を味わいたい。編集も総体的に大雑把だった気がします。もっとも、裏を返せばこれほどB級らしい作品も無い訳で、不出来な部分が愛おしいとも言えます。冒頭に挙げた2作品の盛大な“バカパク度”(注:ボキャブラ用語)と比べると、本作は控えめ。もっと遊び心があっていいと思いました。自分基準の採点では6点ですが、21歳の若者の処女作としては満点でしょう。
[DVD(字幕)] 6点(2010-11-18 21:14:27)
92.  シャッフル(2007) 《ネタバレ》 
「何故シャッフルが起きたのか?」という疑問については、サンドラとの会話の中で神父が答えてくれています。「この世には不思議な事がある。それは神の力だ」と。神様はサンドラに猶予を与えた。大切なものに気づくための1週間の時間。“失う前に気づけ“ということです。結果、彼女は夫の気持ちを取り戻す事が出来ました。ただ残念なことに、神様は悲しい結末までは変えてくれなかった。しかしこれは仕方がないこと。覆水は盆に返らないのだから。それは解る。けれど、事故の間際は奇跡を信じて止みませんでした。辛かった。死ぬ前に夫の愛を取り戻しただけで、感謝しなくてはならないのでしょう。夫も十分なお金を残してくれました。そう、シャッフルを経験したのは、サンドラだけではなかったのかもしれない…。そもそも、主人公の不思議な体験は、現実に起きたことでしょうか。実は判断ができないと思う。デジャブや夢、妄想の可能性も多分に在る。でも、そこが本作の長所です。重要なのは「気づく」こと。別に奇妙な経験をしなくても、その気になれば誰だって、大切なものに気づけるのです。この映画を観た人はそのキッカケを掴んだはず。それが本作の隠された希望であり、メッセージだと感じました。運命の最終日の緊張感は上々だったものの、それ以外は意外なほど淡白に過ぎていきます。彼女の身になってみれば納得できますし、「何も出来ない」事自体に意味があるものの、観ている方のテンションは上がり難い。それが本作の評価が芳しくない一因かと。
[DVD(字幕)] 7点(2010-08-14 19:14:22)
93.  13日の金曜日(2009)
オリジナル1作目は観ました。2作目は観たはず。3作目以降は記憶がない。そんな立場での感想です。一言で言えば、可もなく不可もなし。インパクトのある殺し方は散見されるのですが、全体的に大人しめ。そもそもジェイソンに狂気が感じられません。ごくごく普通のマザコンレベル。あれなら正直怖くない。ただ、あの武器(刀みたいな鉈)は悪くなかった。チェーンソーや斧のような武器に迫力では劣りますが、実戦的な殺傷能力は抜群です。でも大勢生き残っているうちに逃げずに戦えば、負けはないなと冷静に考えられるようでは、ホラーとしては物足りないのでしょうね。
[DVD(字幕)] 5点(2010-07-21 18:47:07)
94.  守護天使 《ネタバレ》 
寺島しのぶ、佐々木蔵之介、柄本佑は出色の出来ばえ。文句なしの見事な人物造形でした。俳優が本職でない日村や主演の竹山も持ち味を発揮してくれました。本作に見応えを感じられるのは、役者の頑張りがあったればこそ。これで脚本がスマートだったら傑作に化けたのではないかと。作品の体裁は、ラブサスペンスコメディ。ハラハラ、ゲラゲラ、最後にキュンがお約束。ところが、どうにもお話の波に乗れません。最初のつまづきは、竹山の恋に説得力が無いことです。“たまたま電車で見かけた気になる女子高生が、自分にも親切にしてくれた”だけでは、動機としては物足りない。現実逃避の恋愛だとしても、観客が彼を応援したくなる仕掛けが欲しい。サスペンス要素もイマイチです。連続女子バラバラ殺人なんて、コメディには荷が重い。汐里ちゃんが暴漢に拉致されてから居所を発見するまでの時間は長過ぎました。結果的に無事ならOKという話ではありません。手をこまねいていた時間は、自らの無力さを知らされる時間。辛いです。新聞配達員を捜索に使うアイデアは良いのですから、繋ぎの努力を主人公にさせて欲しかった。クライマックスは竹山がヒーローだと判明する場面。胸のケイタイはカラータイマー、被ったポリ袋はウルトラマンのボディの見立てでしょう。でも、ちょっと判り辛い。やはり芸人の正装は素っ裸。白ブリーフ一丁で勝負して欲しかった。そもそも何故竹山はウルトラマンが好きなのか説明が欲しい。自分の採点基準では4~5点相当が妥当。でも最後の最後で、うっちゃられました。「あの人は私の初恋の人です」。嫁の告白に涙しました。現実にはこんなクサイ台詞を吐く人などいない。でも物語的には、この台詞以外考えられない。難病の子供の守護者は汐里ちゃんで、汐里ちゃんの守護者は竹山で、そして竹山の守護者は嫁さんだった。みんな誰かに、護り護られ、恋し恋され、生きている。グッときました。終わり良ければ全てよしってことで。まあ結局は、寺島しのぶがオイシイところを全部持っていっちゃったワケなんですが。
[DVD(邦画)] 7点(2010-07-09 21:21:38)
95.  純喫茶磯辺 《ネタバレ》 
ブラマヨ小杉ではありませんが『俺の気持ちもてあそぶやん!』と大声で叫びたい気持ち。前半は小気味いいギャグを連発し観客の心のガードをガラ開きにさせておいて、中盤以降グイグイと監督お得意のエグいのを入れてくる。親父、娘、ヤリマンの切ない気持ちが入り乱れる修羅場の最中、わき腹をくすぐる『もしかしてあなた九州の人?いえポルトガル人です』を放り込んでくる監督の悪ノリぶり。もう、大好きだ!!もちろん意地悪いだけでなく、ちゃんと物語のツボを心得ているのもニクイ限り。田舎へ帰るというヤリマンからの手紙。親父はやせ我慢でそ知らぬふり。そこで一旦、代わりに娘を走らせておいて、(走るのはお前じゃないだろう!と観客に突っ込ませておいて)きっちり親父を走らせるお約束。くぅ~泣かせるねえ。でもこの恋を成就させないのが監督の流儀。心得ていますよ。1年後のシーケンスは本来ならいらない。でも監督は観客に甘い幻想を抱かせることはさせない。キッチリ落とし前をつけ、それでいて一歩前へ進ませる。純喫茶磯辺は失敗だった。当然の成り行き。でもだからと言ってあの喫茶店が無かった人生を考えてみると寂しい気がする。痛い経験も、恥ずい思い出も、死ぬ手前になりゃみんな同じ宝物。何も無いより100倍は得でしょうよ。誰の心の中にだって、純喫茶磯辺は眠っているんじゃないかな。とくに思春期あたりに。自分の場合は当分鍵を掛けておきますけども(笑)。それにしても監督は役者の長所を引き出すのが滅法上手い。宮迫は味出しまくりだし、仲や麻生の肩の力の抜け具合が絶妙でした。愛すべき人物に囲まれた物語は観ていて最高に気持ちいいです。楽しかった!(注意)本文中にあるヤリマンとは麻生久美子嬢のことであります。念のため。
[DVD(邦画)] 9点(2010-06-27 19:11:38)(良:2票)
96.  修羅雪姫(1973)
『キル・ビル』に代表される昨今流行の血飛沫どっぱー系ソードアクションの先駆け的作品でしょうか。復讐劇の筋立て自体はかなり濃厚で、とてもじゃないけど娯楽作品に適さないと思われますが、これがなかなか良い塩梅に漫画チックに味付けされていると感じました。多すぎる血糊。荒唐無稽な特訓。妙にヌルイ歌謡曲主題歌。リアリティを削ぐ要素が豊富なのです。さらに梶芽衣子の演技!大きく眼を見開き眼力全開。大味過ぎて上手いとは思えませんが、その大雑把な演技プランが、本作からシリアスさを奪っていて逆に好都合。結果的に娯楽色豊かな復讐チャンバラ映画が出来上がったというわけ。面白いです。21世紀の今こそ、この感性を楽しみたい映画。
[DVD(邦画)] 7点(2010-04-28 22:51:18)(良:1票)
97.  シベリア超特急
名作『死霊の盆踊り』を観終えた俺は抜け殻だった。積年の夢を叶えた達成感が俺を無力にした。燃え尽き症候群というやつか。朝眠くて仕方がない。仕事に行きたくない。頭痛、胸焼け、激しい尿意。確かに連日飲み会だったが、それとこれとは別だろう。心の隙を埋めるために馬鹿もやった。行きずりの女と寝たし、ヤクにも手を出した。すまん。前半はウソだ。後半は某乳酸菌飲料のことだ。おかげでお腹の調子は良くなった。とにかく、俺には新たな目標が必要だったのだ。ニュードリーム。それは愛すべきクソ映画を見つけること。そんなある日、とある店先でとあるお菓子を見つけた。とある厚切りのカステラに、とある羊羹が挟んである。商品名は「シベリア」、とある。シベリア…シベリア…シベリアンハスキー…シベリア文太…シベ~リア~ン(チロ~リア~ン風に)…シベリア、、、超特急!!なんてこった。俺はあの『シベ超』をまだ観ていなかったのだ。なんたるエアロスミス。いやケアレスミス。自分のウッカリを嘆きつつ、歓喜のあまり小躍りした。もちろんシベリアだけにコザックダンスでだ。こうして俺の『シベ超』鑑賞までの長い道程は、太腿の激痛と共に幕を開けた。艱難辛苦、疾風怒濤、高脂血症な『シベ超』DVDゲットまでの冒険譚は、ここでは割愛させていただきたい。申し訳ないが、もう打てる文字数が少ないんだ。自業自得だが許してくれ。以下感想。全編に渡り感じられたのが、“やりたい放題感”。それはもう凄まじかった。特に噂のどんでん返し。銀座のショウウインドウで、ふるぽんM字開脚をしているような高揚を覚えた。ある意味、男の生き様を観た気がする。あの結末を恥ずかし気も無く用意する決断力!判断力!心意気!ぶっちゃけ、尊敬はしない。でも、映画批評という戦場の最前線に素っ裸で躍り出た監督の男気だけは買いたいと思う。この文章には嘘と悪ふざけしか存在しないが、この気持ちだけは本物だ。俺を信じて欲しい(ジャック・バウアーの口調で)。点数は0点。本音をいうと2点くらいだが、本作にはワーストランキング1位を目指してもらいたい。多くの人にこの映画のことを知ってもらいたいんだ。水野監督に出来て、俺達に出来ない事なんてない!そうだろう?勇気と希望を、この映画を観た人には掴み取って欲しい。今、俺は水野監督に敬意を表し、アメリカンポリスの格好でこの感想を書いています。
[DVD(邦画)] 0点(2010-04-19 19:19:19)(笑:7票) (良:2票)
98.  しんぼる 《ネタバレ》 
自分が最初に笑った場面は「マグロの握りが出てきたところ」です。小皿に醤油が無くてクスッ。どうですか?このシチュエーションを字面から想像して笑えますか?笑えないですよね。これが可笑しいのは、これまでの前フリ(物語の流れ)を知っていることが前提。さらに観客側に「鮨は醤油に付けるもの」という常識が必要です。視覚、聴覚を初めとする五感を活かし、想像力をフル稼動させ、自身の知識・経験と照らし合わせます。場の空気も影響しますし、タイミングは命です。様々な要素が刹那に融合し、笑いが生まれる理屈。送り手と受け手が共同で創り出す緻密で豊かな感情表現が「笑い」だと考えます。主導権は送り手が握っていますが、決定権は受け手に在ります。どんなに的確でセンスの良いネタでも、客に受け入れる度量が無かったら意味がありません。そのような観点で本作を捉えてみると、鑑賞中に自分が抱いたモヤモヤの正体が見えてきました。「今の笑うところだよな」「これは何のメタファー?」客が監督の意思を慮っているうちは、笑いも湿りがち。当然です。笑いは瞬発力ですから。ただ、これは松本監督の狙い通り。そもそも正解を設定していない映画なら、戸惑って当たり前です。この手法を不親切・手抜きと取るか、モヤモヤ自体を楽しめるかは、観客次第。自分は後者のタイプなので不満はありませんが、“答えなんか無くても正解が在る素振をする”のも監督の仕事のうちかなと。ちなみに最後に出て来た巨大しんぼるが大人のそれだったら+2点でした。(10/3なんばシネマパークスにてレイトショー鑑賞)
[映画館(邦画)] 6点(2010-01-04 19:33:41)
99.  重力ピエロ 《ネタバレ》 
人は規則に従って生きている。社会活動の規範は法律。人としての在り方を示す道徳。そして自分の中のルール。罪を犯した葛城は、一度法によって裁かれました。しかし彼は意に介していない。彼のルールでは、何ら自身に非は無いから。魚を盗ったノラ猫を窃盗罪で起訴するのは無理な話。真に葛城を裁けるのは、彼が認めるルールのみです。それを見極めるために春は何度も葛城に会った。回りくどい遣り方で彼の良心に問い掛けた。自認するスタンダードで“正当に”裁かれた葛城については、この際どうでもいい。問題は春です。葛城が言う「自分の心は痛まない」は、春にも当てはまるのか。答えはおそらくYES。春に潜む凶暴性は、父の血を引いている。ただし、彼にはもう一人父親がいます。唐突に“降ってきた”命を全身全霊で受け止めた男。誹謗や蔑みを恐れぬ強い心を持った男。奥野の選択を道化と揶揄する人もいる。でも凄い事を凄いと思わせない事が、いちばん凄いこと。ピエロは笑っているから最強なのです。奥野もまた、自分のルールを持った人間でした。葛城と同じです。違うのは自分のルールに従う理由。強いから従うのか、弱いから従うのか。春のはにかんだような笑顔は、どちらの父親に似ているのでしょう。キャスティングについて。加瀬と岡田については文句なし。それぞれの血を引く父親、小日向と渡部との相性も抜群です。ただ、若き日の小日向にヅラを被せた事や、年増の鈴木京香には違和感がありました。若作りする必要は?でも観終わって納得。この夫婦の年齢は物語に深みを与える重要なファクターと考えます。養蜂にも意味がある。ミツバチの生態が奥野家の姿と重なります。遠心分離機の2枚の巣板は、DNAの二重螺旋の暗示か。奥野正志の生き方を象徴するような優しい音楽の使い方もいいです。細部まで創りこんだ映画。素晴らしい。
[映画館(邦画)] 8点(2009-05-27 18:25:49)(良:1票)
100.  少林少女 《ネタバレ》 
本広監督の前作『UDON』同様、実質2部構成となっている作品。前半はラクロス主体のスポーツ感動系。後半は格闘アクション映画でした。まず前半の感想から。テーマは“チームワークの大切さ”。ワンマンプレーで試合を壊し、チームメイトの信頼を失った柴咲。彼女が周囲に再度受け入れられていく過程が物語の肝です。ところがその処理がサッパリ。尺にして僅か10分ほどで、なんとなく収まってしまいます。淡々と前半戦終了。後半は格闘シーンが満載でした。『キル・ビル』とか『死亡遊戯』のパロディみたいなノリ。柴咲のアクションは満足出来るものではありませんが、我慢はできます。カワイイ娘は得です。でもその他の役者はいけません。全く動けない。江口と仲村はミスキャストでした。岡村が一番上手いってのは問題です。極めつけはラストバトル。この破綻ぶりは超ド級。ちょっとお目にかかれない程。結局バカ負けして笑ってしまったので、こういうオチもアリだとは思いますが、劇場で観ていたら多分呆れたと思います。どうせなら『少林サッカー』みたいに仲村と柴咲がカップルに納まれば良かったのに。なお劇場ポスター(先行版)の図柄がエンドロールバックってのは、流石に詐欺なんじゃないかと。
[地上波(邦画)] 3点(2009-04-27 18:50:52)
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