121. JAWS/ジョーズ
前半と後半が全然別の話になっているし、主演3人のチームワークがどうみてもあまり良くないのもマイナス印象。ただ、「見えない(見せない)からこその恐怖」という概念を明確に確立した功績は、今日も色あせない。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2003-07-28 01:26:39) |
122. 資金源強奪
《ネタバレ》 ヤクザ映画っぽい雰囲気を漂わせてはいながら、やっていることはハリウッドばりのクライム・コメディ。この切り口はかなり斬新です。出てくる人出てくる人が、ことごとく金のことしか考えてないのもナイスです。ただ、実際の作りの部分は今ひとつというか、発想の豊かさに手法がついていかなかったというか。まず、川谷拓三と室田のオッサンにワーワー騒がせているだけなのが、耳障りな上にもったいないです。前半は三馬鹿トリオみたいな感じにしたかったのかとも思いますが、それならこのキャストにすべきではありませんでした。梅宮辰夫の汚職刑事も、ここは真剣に怖くすればするほど笑いもでてきたはずなのに、中途半端に緩くしようとして、消化不良気味になっています。それと最後のクレジット、時効がどうのこうのともっともらしく書かれていますが、海外に出ちゃったら時効は停止するのでは・・・。 [DVD(邦画)] 5点(2024-04-11 01:54:53) |
123. 新・極道の妻たち
《ネタバレ》 3~4作と質が降下して、もうどうなってしまうんだろうと思っていたのですが、意外に持ち直していました。かたせ梨乃を弁護士という第三者立ち位置に置いたのも正解だし(だからこそ最後のあれはないが)、多様な登場人物もそれなりに整理されています(が、あれだけ神原神原と言っておいて、肝心の敵ボスは登場なし?)。しかしやはりこの作品の見どころは、綿引・本田・西岡・石橋、そして夏八木勲という巧者の面々の皆様でしょう。画面に登場するだけで安心感があります。というか、どの人ももっと出番欲しかったです。こういうときは、それぞれに短時間でも見せ場を確保してそれを集積させると、かえって主役が引き立つんだけど、まあそこまでは無理でしたね。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2024-01-24 01:23:07) |
124. ジミー、野を駆ける伝説
《ネタバレ》 最初のところで英蘭対立の字幕説明が入るが、いざ話がスタートしてからは、それはあまり関係なさそうで、宗教や地域慣習からの圧迫が中心になってくる。いや、国家間対立も背景にはあるのかもしれないが、あまり描写されない。最後は国外追放という理不尽な結末を迎えるのだが、官憲がなぜそこまでムキになるのかもよく分からない。というわけで、この監督らしい落ち着いた丁寧な描写の積み重ねではあるのですが、その先にあるべきものが見えてきませんでした。 [DVD(字幕)] 5点(2023-07-18 00:43:00) |
125. 静かなる叫び
《ネタバレ》 何か、ものすごーく「エレファント」なんですが・・・。後に高度な作家性を確立するヴィルヌーヴにも、こんな頃があったんですね。単調に進んでいくと思わせて、多視点や時系列操作なんかも入れてくれたので、点数はやや甘め。 [DVD(字幕)] 5点(2022-04-02 01:10:47) |
126. 昭和おんな博徒
《ネタバレ》 江波杏子が理不尽に夫を殺され、その復讐を行っていく。と、実にシンプルこの上ないストーリーなので、あとは流れに身を任せていればよいわけなのです。●しかしこういう復讐ものって、いかにその一瞬にそれまでの背景の重みと情念を込めるかが勝負なのですが、最初の雨中の一刃が死ぬほど格好良い(その後の汽車での手洗いも込み)のに比べ、その後がどうも・・・。渡辺文雄の場面なんて、そこまで回りくどくしないといけないか?逆に、場数と経験を積んだことによって、冒頭よりも冷静かつ迅速に本懐を遂げられるはずでは?と思ったり、最後の大田原については、みんなの前で説明的な説明をしてしまうのがかえって無粋に感じたり(これから大田原の晴れ舞台というところで、舞台裏かどこかで容赦なく一閃、とかの方がよかったと思う)。●それとこのタイトルの割に、博打のシーンがほとんどなかった気が・・・。 [DVD(邦画)] 5点(2021-11-15 00:30:07) |
127. 新選組(1969)
《ネタバレ》 すでに散々指摘されているとおり、キャスティングの時点で大問題でしょ。新選組というのは、良くも悪くも一本気で青臭かったところに存在の意義があったわけで、それをこんな落ち着いた重厚な人たちが演じてはいけません。まあ、最後に錦ちゃんが出てきての(美味しいところを持っていきながらの)勇さんとの対決、そして勇さんの「ああ疲れた・・・」感を滲ませた最期は、味わいがありましたけど。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2021-11-01 01:54:06) |
128. 女囚さそり けもの部屋
《ネタバレ》 いや、まあ、さすがにこれは破綻しすぎでしょ。前半は、誰がなぜそこにいるのかがさっぱり分からない。成田三樹夫扮する刑事も、いきなり腕を切られるだけで、背景がまったく存在しないので、さそりとの対決も盛り上がらない。意外にも、下水道に立てこもる後半の方がそこそこスリルがある。で、最後はなぜか刑務所に自ら潜入して復讐、なんだけど、これはやっぱりどうしても、さそりは刑務所内にいないと光らない、という考えあってのことだったんですかね。いずれにしても、せっかくの前2作の財産を全然使いこなせていませんでした。 [DVD(邦画)] 5点(2021-10-28 23:38:05) |
129. 女囚さそり 第41雑居房
《ネタバレ》 前作では独特の実験性がほどよいスパイスになっていたのですが、さすがにここまで来ると演出過剰といわざるをえないのでは・・・。白石加代子の暴走気味の芝居も影響して、むしろ肝心のさそりが傍観者みたいになってしまっています。最初の、スプーンをくわえてひたすら削っていく口元のアップとか、そういうのをもっと見たかった。●ところで、囚人の過去(の犯罪)が一人ずつ歌に乗せて紹介されるくだりがありますが、まさか「シカゴ」の"Cell Block Tango"って、これが元ネタだったんじゃないだろうな・・・。 [DVD(邦画)] 5点(2021-10-25 01:32:48) |
130. シング・ストリート 未来へのうた
《ネタバレ》 劇中バンドのオリジナル曲には監督も作曲に関わってるらしいんですけど、作曲に熱中して肝心の映画の方がお留守になったのでは?と思うくらい、楽曲以外の内容に乏しい作品でした。●バンドが結成されて女の子もモデル(兼メイク)として引っ張り込んで最初のクリップも撮影できて、というくらいまでは発展があったのですが、物語はそこで終わっていました。せっかく引き入れたリズム隊やキーボードの彼がその後はずっと「ただ演奏しているだけ」なのは、監督の音楽への愛情の底の浅さが見えるといわざるをえません。それに、せっかく撮影したその映像、その後はどこでも何も使わないの?そもそも何のために撮ったの?●主人公の彼のメイクや衣装の発展ぶりはなかなか面白かったのですが、でもそれも、最初の方はキュアーのロバート・スミス+途中からはエコバニのイアン・マッカロックあたりのイメージに乗っかってるだけなんですよね。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2021-02-02 01:37:44) |
131. 白い恐怖(1945)
《ネタバレ》 この年代でこういう脳内探求系サイコ・サスペンスを完成させていたというのは、やはり先進性があったといわざるをえない。一方で、バーグマンの女医が、どこまでもペックを疑わずに献身的についていくというある種の大らかさというのはこの年代ならではで、その辺が今見ると不思議なミスマッチ感を醸し出している。真相判明の経緯はいろいろ都合よすぎという気もしますが、大目に見ましょう。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2021-01-18 00:46:41) |
132. 終電車
「地下室に潜む演出家」という素晴らしすぎる設定だけで5点。なんだけど、それがどうも生きていない。妻以外は誰とも顔を合わせていないはずなのに、それが地上世界に影響や変化を与えてこそのドラマだと思うのだが、結局は地下室で閉じてしまっている。また、みんながどのシーンでも同じような芝居をしているのも、作品を平坦にしてしまいました。よって、そのままの点数。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2019-06-05 01:29:43) |
133. ジャッジ 裁かれる判事
《ネタバレ》 法廷以外の場面が緊張感なさすぎでだらっとしている。兄弟、妻、娘、元カノ、その娘といったサブキャラが全然効果的に使われていない。弟が持っているカメラとかコンビニで買った卵とか、伏線なんだろうと思ったら見事に何もなし。登場人物の心の闇や影をあぶり出すのが得意な名手ヤヌス・カミンスキーの撮り方と、暖かく穏やかで力強い方向に物語を向けようとする演出がまったく合っていない。内容の割に尺長すぎ。と、突っ込みどころは満載なのですが、実はびっくりしたのはロバート・ダウニー・Jrの芝居でありまして、ここまで自然で堅実な演技ができる人だとは、今まで気づきませんでした。仕事の実力はあるんだけど人間関係は万事苦手で、何となく距離を置いてしまう・・・という立ち位置を、オーバーアクトすることなく、台詞や動作ではなく「存在」で示しています。この作品は彼に大幅に救われています。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-02-06 23:30:41) |
134. シャッター アイランド
《ネタバレ》 中盤くらいまでの「引きずりこみ力」はなかなかの強さだったのですが、レオが単独でああだこうだ探検する部分が長すぎ(洞窟のシーンのみは良かったけど)。オチの部分で持ち直しはしましたが、そこからの回想というか解説がまた長すぎ。じめっとした映像はそれなりの迫力なので、せめて110分くらいでもう少しシンプルにコンパクトに行っていたら、衝撃も強まったのではないでしょうか。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2017-10-11 00:21:54) |
135. 死の棘
ほとんどが2人芝居の趣で、じっと息を潜めるような空気感の中、じわじわと進んでいく。従って、これはかなり高度な演技力が要求されるのですが、やはり松坂慶子には荷が重かった。また、岸部一徳も、この頃はまだ目立たない役が多かった頃で、したがって全体にぎこちなさが漂っています。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2017-09-28 02:12:28) |
136. 白雪姫と鏡の女王
《ネタバレ》 導入部は自己満足的演出で「単に童話を崩したいだけ」に見えたのですが、中盤からは意外に引き締まっていました。印象的だったのは、久々に伸び伸び楽しそうな演技のジュリア・ロバーツ、素直に若い美しさを発散しているリリー・コリンズ、そしてタイミングよく発されるギャグアクション。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-02-23 00:22:18) |
137. 16ブロック
《ネタバレ》 極力シンプルにまとめた基本的な作りは良いと思うんですよ。見ている間は一気に見られましたし。ただ、もっと面白くできたのではないかという点が何点か・・・。●一番もったいないのは、情報戦の側面をあちこちで捨てていること。エディがするりと逃亡して、これはジャック・エディ・警察の3点勝負か?と期待させておきながら、携帯を通じてあっさり自分がエディと離れていることが敵にばれている。バスの乗客の人数水増しも、エディの乗客紛れ作戦も、そんな美味しいネタをまいておきながら、何も起こさずにさっさと潰している。この辺はもっと引っ張ってほしかったのですが。●16ブロックという狭い範囲の限定も、その中で居所を探す技術と、そこからさらに逃げる知恵がぎりぎり対決するのかと思っていたら、基本はただの追いかけっこでした。途中の地下室の対決も、最後の対決の妙味を削いでしまっているので、いらなかったんじゃない? [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-08-08 02:04:59)(良:1票) |
138. 11人のカウボーイ
《ネタバレ》 ホノボノムード全開の前半はあまり面白くないのですが、終盤のウェインとロングヘアーの対決の結果にはびっくり。その前に追跡を察知し、襲撃も想定している台詞があったので、まさかそれはないと思っていたのですが。途中までは区別がつかなかった少年たちも、ここから俄然良い顔つきになっています。あと、お姉ちゃん集団のその後が気になる・・・。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-05-06 00:23:00) |
139. 人生の特等席
《ネタバレ》 スカウト業を娘に継承していく主人公の姿を、イーストウッドは監督業をロバート・ロレンツに継承する自らの姿に仮託したのだろうか。そうだとすれば、彼は自ら主演すべきではなかった。長年にわたる自分のボスが主演ということで不必要に緊張したのか、この演出自体がすでに、直球は打てないことはないけどカーブは全然打てない、という状態に陥っている。もっと無名か中堅クラスの俳優にしておけば、エイミー・アダムスもティンバーレイクも伸び伸びと芝居ができたかもなあ、などと思ってしまう。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-04-17 00:09:31) |
140. ジャージー・ボーイズ
やっぱりイーストウッドは、ひねくれた人とか、屈折した人とか、ずれている人を描いたときの方が、演出がいきいきしているなあ。こういうまっとうなサクセス・ストーリーものは、まったく合わないです。ステージのシーンなどは、楽曲の魅力も手伝い、さすがに見入ってしまいますが、それ以外の部分がまったく未完成です。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2015-02-20 00:47:30) |