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なんのかんのさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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141.  白い馬の季節
温暖化で草地が減ったせいもあるんだろうけど、それよりも時代の変化、遊牧だけで暮らしていけなくなった現代の遊牧民の家族。近くをトラックが頻繁に走るほど、都市化も進んできている。アメリカ映画のカウボーイものと似ている。あれも遊牧が農業に追われていくことの挽歌みたいなものだった。定住するものが流浪するものを駆逐する。その自分たちを追い立てるトラックにヨーグルトを売って、かろうじて生計を立てていく。追い立てるトラックは赤く、追い立てられる遊牧民を象徴するのは白い馬に白いヨーグルト。この白を守ろうとして、夫はドン・キホーテを思わせる活躍をするのだけど、ついにドン・キホーテのような衣装に包まれて敗北する。話の枠はけっこう大味な配置(ディスコとの対比とか)、しかし一つ一つの画面にそれを越えて訴える力があった。馬のいるカットすべてに、それだけでもう遊牧生活への思いが、流浪への憧れが詰まっていた。追い立てる赤に、中国共産党を見るのは考え過ぎだろうな。
[DVD(字幕)] 7点(2009-02-19 12:16:17)
142.  ジャッキー・ブラウン 《ネタバレ》 
主人公を演じるパム・グリアーの、開き直った安っぽさに痛快味があり、でも実質上の主役はロバート・フォスターでしょうな。しがない中年男の味。サミュエル・L・ジャクソンが悪い人、イキがってる馬鹿だが、それだけに危険というところ。周囲の人間みんなが馬鹿にしているのに気づかない。デ・ニーロはあっさり殺される効果として適役。マイケル・キートンは、ま誰でもいい役。ヒーロー、ヒロインともに“しがなさ”を生きてる共通項があって、そこに互いに惹かれていく。ドラマが動き出すのは中盤からで、なにやら裏切りいうか、騙し合いの匂いが立ち込めてきてワクワクさせる。一番の見どころは試着室の場、三者の経過を繰り返して見せる。キューブリックもやってたけど、照らし合わせの妙味、主観と客観の交錯、映画ならではの面白味でした。ジャッキーの好きという曲をカーステレオで聴く中年マックスがいじらしい。
[映画館(字幕)] 7点(2009-02-17 12:12:00)(良:1票)
143.  シークレット/嵐の夜に 《ネタバレ》 
古典文学の偉大さは応用が利くということで、「リア王」の脇にスポットを当てればまた違うドラマが生まれ、しかし王の大きさはそのまま裏返されて残っているのが面白い。アメリカの農場を舞台にどう当てはめていくか、という、単純に見立ての面白さもある。ただ近親相姦話を持ち込んだために善悪がクッキリし過ぎてしまい、どちらが善でどちらが悪と割り切れない心理的な“合わなさ”を詰めたほうが面白かったようにも思う。また個人的な好みからすると、村の隣人たちとの交渉をもっとネチネチ見たかった。村人たちがふりかざす“正義”や“良識”の残酷さ、そういったものが“非人間的”なものを擁護してしまうシステムをあぶり出せたのではないか。追放とは、裏を返せば解放でもあるのだ。
[映画館(字幕)] 6点(2009-01-26 12:14:50)
144.  シン・レッド・ライン
この監督はやっぱり草の映画を撮る。緑あふれる戦場。兵士がふとオジギソウに触れ、葉が閉じる、草にとっては相手が殺気にはやった兵士だろうと遊んでいる子どもだろうと同じ反応をするわけだ。細い葉に一瞬散る赤い血の線。風のように・なめるように移動するカメラ。草の視点から見た戦争映画ということか。この地に殺し合うために呼び寄せられた兵士たち、それをこの地にもともと生えている草たちが観察している。この草の迷宮感が素晴らしく、兵士たちを雑草になぞらえるという単純な比喩を越えて、もっと多義的な思いが次々と湧き上がり、「人と自然」といった軸の周りをめぐり出す。ストーリーはそれほど珍しいものではない(無茶を言う上官と下卒思いの司令官との対比とか)、この映画の眼目は、ガダルカナルを日本軍と米軍が向かい合っている島としてでなく、兵士たちと草が向かい合っている島として描いたことだ。
[映画館(字幕)] 7点(2009-01-12 12:19:17)
145.  ジェニイの家 《ネタバレ》 
新派悲劇のような風俗ものに、ふと古典劇の奥行きが見えたりする。なにげないものに格調が寄り添う。詠嘆なり、失意なり、幻滅なりが、ひときわ味わいを持ってしまう。ラストでフランソワーズ・ロゼーが、娘が見舞いに来たのを隠れて見知らぬ他人のとこに座る、アメリカ映画だったらもしかするとギャグにしてしまうようなところ、こんな些細なところにも「私は誰も見舞いに来ないんです」と患者に言わせて、ある種の人生の翳りを付け加えていく。やはりシャンソンの国である。母の店の秘密をカーテンの隙間から覗いてしまう娘のアップ、見ないほうが良かったものを見てしまうときのアップ、そういう大事な部分が情緒に流れずしっかりと描かれるのが古典的。街の小悪党さえ司祭の崇高を帯びる。カルネのデビュー作。
[映画館(字幕)] 7点(2009-01-10 12:15:55)
146.  真剣勝負 《ネタバレ》 
内田吐夢の遺作、主演中村錦之助の宮本武蔵、しかし間違ってはいけない、これは東宝映画なのだ。東映時代劇の時代が終わったその燃え残りを見つめているような作品。低予算だったのだろう、安っぽさをあえてあげつらう気にはなれない、その中での工夫を味わいたいと言いたいところだけど、それにしても実にチープに武蔵の戦歴が冒頭で描かれ、そこから西部劇的な野中の一軒家にたどり着く。セット費用も安上がり。一幕ものである。見どころは敵が忍び寄ってくるとこで、虫の声がふと途絶え、柱に刺した風車が回り出す(そっと戸が開いたのだ)、そういった緊張感。で、まあ、三国連太郎が鬼となって野火をつけてまわり、ケモノ用の罠がパンパンと弾け、何か武蔵は悟ったらしく「活人剣は殺人剣」とか「剣はひっきょう暴力」とか、赤い活字が立ち上がってくるの。低予算で頑張っている、って褒めたいが、偉大な監督にこういうチープな遺作を撮らせてしまう日本映画界への不満の方が大きいわな。
[映画館(邦画)] 5点(2008-12-31 12:14:01)
147.  不知火檢校 《ネタバレ》 
勝新のヌルヌルヌラヌラした感じが最高に発揮されている。子どものときから自分の盲目をネタに言いがかりをつける悪いヤツ。世間は征服する対象としてのみ存在している。障害者のピカレスクが凄味を持つのは、世間との対立感覚がより際立つからであろう。差別かもしれないが、でもここには世間の側が持つ疚しさも関わっているから、見ているこちらにもジャリジャリと引っかかってくるのだ。しかしけっきょく女の心は得られず、自分の罪を他に転嫁しようとした過去の仕掛けによってアシがついてしまうという設定が皮肉。冒頭が祭りの風景で、そこで少年の杉の市が小さな罪を犯すところから始まって、ラストも、祭りを蹴散らしてゆく検校の駕籠が捕縛されるという対比。世間からのつぶてが飛んでくる。まったくひどいヤツだが、ずっとこの映画を見ていた一観客としては、このつぶての一団に加わるほどの真っ白な正義感も湧いてこない。そこにこの映画の価値がある。
[映画館(邦画)] 7点(2008-12-23 12:11:24)(良:1票)
148.  驟雨 《ネタバレ》 
これ同時代の評価は低く、いや後世でも1979年にフィルムセンターで成瀬巳喜男特集やったときは、『浮雲』の次は『流れる』まで飛ばされてしまった。その後見る機会があって、そしたらこれいいじゃないか、なによりも私には好みの映画だったし、成瀬にしか撮れない種類の傑作だと思う。『めし』の二番煎じみたいってことで損してるのかなあ。倦怠期の夫婦。幻滅にももう慣れてきて、ちょっとスネあっているような夫婦の日常。姪や隣の新婚夫婦(パジャマ着てる新世代)と対比される。亭主にはリストラの可能性があり、不機嫌に不安も加わる。そういった話なら気が滅入るのではないかと言うとそうではなく、自分たちの生活を苦笑を持って眺めることで、おそらく同時代の観客にとってのちゃんとした娯楽になっていたのだろう。こういう作品が娯楽として通用していた邦画黄金時代の我ら日本人の品格の高さは、自慢してもよかろう。またこの人の映画は時代の記録としても優れていて、雨が降ると道がぬかるみ駅まで長靴を持ってお迎えに行かねばならない、なんていう当時の普通の暮らしがしっかり映像にとどめられている。
[映画館(邦画)] 8点(2008-12-02 12:15:47)(良:1票)
149.  ジェシー・ジェームズの暗殺 《ネタバレ》 
西部劇の時代に遅れてきた男たちの物語、ってことか。列車強盗ってのが、もう牧畜業と同じく時代遅れになっていく。非定住者が定住していく。ジェシーが最後に馬の絵を見ていたのも象徴的だ。林の中で帽子をかぶってワイワイやっていた仲間うちの楽しさは消え、逃避行の末に疑いが蔓延し、緊張しながら作り笑いをしなければならなくなる。連合赤軍の末路はこうでもあったかと思った。その“すがれた”トーンが全編を通して一貫する(やたら草原が出てきて、テレンス・マリックの映画を思ったら、この監督『ニュー・ワールド』のスタッフ欄でthanksとなってる)。その遅れた英雄に憧れるさらに遅れたボブは、デカいことするんだという遅れた夢を持ち続け、最後は厚化粧して舞台に立つ、時代のピエロにならざるを得ない。キャシー・アフレックスは、普遍的な青年の愚かを演じてとても良かったと思う。160分の長尺、ぜんぜん退屈しなかったと言えば嘘になるが、ピリピリしている人々の緊張の描写は素晴らしく、その果てに、恐怖することに疲れきった兄弟と、疑うことに疲れきったジェシーとによって、あたかも肩の荷を下ろすように演じられる暗殺の場は、いままでのどんな暗殺シーンとも違う悲痛さが漂うものになった。ここだけでも、この監督は注目する必要があると思う。 
[DVD(字幕)] 7点(2008-10-22 12:18:15)
150.  シュリ
けっきょくこういう映画が作られるようになったということは、韓国でも南北分断の悲劇がもう生々しいものでなくなってきた、ってことでもあるか。娯楽映画として楽しめちゃう。町の男が実は情報部員、その恋人が実は北の潜入暗殺者、って、なんか市井の隣人が実は歴史上の大人物っていう歌舞伎の世界みたい。しかしまったく借り物のテーマってほどには歴史になりきってなくて、そこは不真面目には扱えない重みもある。そこらへんがうまく釣り合ったのではないか。「北の兄弟が飢えているとき、南はゲロ吐くほど飲み食いしてる」なんて北の人物に言わせている。愛しつつも敵になる、と民族愛を恋愛に変換しているのだ。
[映画館(字幕)] 7点(2008-10-16 12:11:21)(良:1票)
151.  地獄(1960)
そりゃ話はひどい。でもね、こういう荒唐無稽なストーリーで、でも軸にはなんかニヒリズムみたいなものが一本感じられて、ほとんどファルスに近い大量殺人ドラマが繰り広げられるって、鶴屋南北の歌舞伎と同じじゃないか。沼田曜一が神出鬼没するあたり、歌舞伎の演出を思わせるし、狂った教授夫人が室内でまわしている傘なども歌舞伎調だなあと思う。騒がしい宴会場から酔った女がふらふらと静まった外へ出ていくあたりの雰囲気も好きなの。新東宝の闇って、独特のくすんだ色調で、こういう闇に合う。みんながはしゃぎながら嬉々として滅んでいくような前半の展開に、私はけっこうゾクゾクするものを感じてしまう。すごく映画として満足してしまう。そういう意味で、これ『東海道四谷怪談』の、よりクレイジーな現代姉妹編と見たいんだ。
[映画館(邦画)] 8点(2008-08-21 10:38:03)
152.  小説家を見つけたら
勉強に興味があることを友人に隠さなければならないってとこに現代の若者の難しさがある。あたりは変に静まったブロンクス。この静まりが60年代に通じていく。パソコンでなくタイプライター、車やバイクでなく自転車、いかにも伝説の人物がひっそりと住んでいそうな静まりがある。ちょっと最近の日本の昭和ブームと似た感覚があるのかも知れない。昭和は勉強好きを隠さなくてもよかった勤勉の時代だったし。ラストの朗読の場はいかにもハリウッド映画っぽく、この監督も平気でこういう場面を撮るのか、と思ったり、嫌々撮ったのかな、と思ったり。
[映画館(字幕)] 6点(2008-08-18 10:15:11)
153.  シッコ
ドキュメンタリーってのは、フィルムを通して撮影者が思ってもいなかったものを発見していく、ってのが本当の姿だと思うので、この人の映画は正確には「意見表明パンフレット」みたいなものだと思う。作者はすでに描くものを決定していてそれに沿って映像を組み立てている。最初から驚き呆れてみせることを目的としてカナダやヨーロッパを訪れている。私は映画にはいろんなジャンルがあればいいなと思っているので、こういうジャンルも歓迎するが、ときに、たとえばラストのグアンタナモへ行くパフォーマンスみたいに、ちょっとあざとすぎるとこがあるのが鼻に付くけれど。ジャーナリズムに必須なのは、現状に驚き呆れる才能だ。映画の中で誰かが言ってた「彼ら(保険会社)も商売だからね」で納得してしまってはどうしようもない。M・ムーアには間違いなくその才能があるが、彼は映画を撮る前の段階で驚き呆れ、それを土台にして、意見表明をより効果的にショーアップするべく、けっこう冷静に作品を構成しているようだ。これはこれでいいと思う。さて内容だが、ちょうど堤未果の「ルポ貧困大国アメリカ」を読んだ直後だったので、お互いがお互いを補う形でよく理解できた。民営化による小さな政府ってのは、つまり本来政治が取るべき責任も民間に分散させてしまう政府ってことなんだな。日本だって小泉改革以後(ってことはアメリカ系保険会社のコマーシャルがやたらハナに付くようになったころってことだが)こういう方向に向かっているわけだから、他人ごとでなかった。保険会社には、書類の不備を探す専門の部署があって、本人も忘れているような病歴を見つけてくるってのが、さすがに驚き呆れる。役所の出来るだけ仕事をしないようにする体質と、こういう民間企業のがむしゃらに金を取ろうと働きまくる体質と、うまく間を取っていいところを生かし合える社会に出来ないものか。
[DVD(字幕)] 7点(2008-08-10 12:16:28)
154.  忍びの者
山本薩夫って社会派にしてはウマイ人という印象があり(なにしろ座頭市も一本撮ってるくらいで)、本作も評判良かったんで期待して見たら、あるいは期待しすぎちゃったのか、スカッとはいかなかった。やっぱり社会派、下忍だって人間なんだ、という人間賛歌の話なので、雷蔵のクールな魅力があんまり生きない。いいのは二つの忍者集団の頭領を交互につとめる伊藤雄之助の怪優ぶりで、モッタリしてたのがひとたび変装すると、小道をササササと小走りに行くなんてあたり。あと役目をちゃんとやってるか見守る加藤嘉の気味悪さも印象に残る。日本映画黄金期にはこういった脇役が豊富にいたなあ、とあらためて思う。これを見る前に同じ62年の篠田正浩作品『涙を、獅子のたて髪に』を見てたんだけど、それで主人公を誘惑してた岸田今日子が、これでもまた主人公を誘惑していた。
[映画館(邦画)] 6点(2008-08-08 10:19:49)
155.  JSA
こういうことがあってほしいという願いが、凝り固まって一瞬のおとぎ話を生み出したような。満月の空に手紙を投げ、三ヶ月の空を返ってくるなんてあたり。民族分断の悲劇ではあるけれど、それが「引き裂かれた肉親の慟哭」といった激情を通してでなく、こういったささやかな宴の場が奪われているってことで描かれる。それだけに「けっきょくは敵なんだ」という言葉が悲痛。終わりのほうは何かごちゃごちゃして、理解しそこなったところがあるかも知れないが、個人に覆いかぶさる国家の重さは体感できた。
[映画館(字幕)] 7点(2008-08-05 13:43:36)(良:1票)
156.  シッピング・ニュース
この監督は北へ帰りたがる。『サイダーハウス・ルール』のメイン州よりさらに北のニューファンドランド。淡々としていながら暴力の影がつきまとっている映画。娘に対する母の、兄の妹への暴力から、夫の首を切った妻、さらに遠く海賊の暴力までが潜んでいる。先祖の悪行をドロドロと引きずっていると感じる主人公は、下手すると横溝正史の世界になってしまうところだが、その過去からの解放として家の消滅が描かれるのか。この村、船を壊して若者を出させないなど、なんか「砂の女」的な不気味さもある。“人情の村”の癒やしと拘束。そこらへんあまり焦点を定めずに描いたところが、中途半端なような、作品としての膨らみのような。主人公が出来事を「見出し」にして呟くところがおかしい。
[映画館(字幕)] 6点(2008-07-03 12:16:04)
157.  シカゴ(2002)
アメリカってショービジネスを描くと、ノリにノる国。マスコミが犯罪とショービジネスを同格にしてしまう。どちらも有名になること・脚光を浴びることで同じなの。話題を提供し続けないと生き残れないショービジネスの世界なら、裁判という脚光もイタダキだ。こういう「あたりさわりのある話」をエンタテインメントにしちゃう底力が、まだこの国にはあります。濃い主役3人のキャラクターを、うす~い亭主のミスター・セロファンが際立たせていた。ミュージカルとしては、水滴からリズムを刻んで入るタンゴのかっこよさ(例の如くちょっとカットを割りすぎるのだが)。キャサリン・ゼタ=ジョーンズのヴェルマの悪あがき「一人じゃできない」のナンバーが笑わせる。この人『トラフィック』のときは、なんか太った人っていうぐらいの印象しかなかったんだけど、器用な人だったんだな。
[映画館(字幕)] 8点(2008-05-26 12:20:36)
158.  少女の髪どめ
献身の愛とストーカーの違いってあるのか。ただ見守るだけの愛、見守って出来るだけのことをする。自分のIDカードすら投げ出してしまう。ただただ尽くす。見返りは求めない。もう究極のストーカーで、究極の献身愛。ほとんど民話に近い物語が、難民問題というすごく現実的な背景で語られる。映画ってすごいなと思う。工事現場の監督や仲介者など、悪役になりそうな人が悪役になってないのもいい。ラスト、少女がパッと顔を隠す。強い拒絶ではない。ダメなのよ、というメッセージなのか、ともかく主人公に男として対したことを意味し、それをこれまでの献身に対する唯一の見返りとして、彼は満足の笑みを浮かべる。いい話を聴いた、という満足がこちらにも残る。
[映画館(字幕)] 8点(2008-05-16 12:20:31)
159.  昭和歌謡大全集
古田新太の歌う「錆びたナイフ」の下手さは見事であった。役者が音痴を演じるときって、いつも突拍子もない音程に飛ばしたりして大袈裟になってしまうもの。無意識のうちに「本当は私は音痴じゃないんだけど、演技でやってるんだよ」ということをアピールしたくて、ついついオーバーにしてしまうと思われる。女優がブスを演じるときのメイクが、ことさら大袈裟になるのと同じ理由だ。なのにこの古田新太の音程のずれ具合は、実にリアリティあふれる味わいのあるもので、役者としての喉の鍛錬が行き届いていることが分かる。それとももしかして単に…。
[映画館(邦画)] 6点(2008-05-13 12:12:52)
160.  深呼吸の必要
日本では珍しい労働映画かと期待していたが、それは背景であって、挫折からの回復とか、リフレッシュとか、癒やしとかの、ご存知の話になってしまっていて惜しい。せめてラストは10分くらい徹底的に刈り込み作業だけで見せるべきじゃなかったか。キャッチボールによる立ち直りよりも、作業そのもの、作業の中で思いつく工夫とか、そういう労働そのものの面白さの発見で立ち直った方がこの作品にふさわしかったのじゃないか。予定調和を裏切るドキュメント精神が期待できる設定だったのに。音楽が4拍子の16拍を5+5+6という変わったシンコペーションで分割していた。
[映画館(邦画)] 6点(2008-05-03 12:18:09)
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