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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

●今週のレビュー
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1.  重力ピエロ
伊坂幸太郎があまり好きになれない。気取った文体がどうもダメ。どの著書にも言えるがとくに出だしで気取った文体が目立つ。しかし現実と超現実の中間くらいの突飛な展開とかはけして嫌いじゃないことに気付いた。だから文体とは関係のない映画ならば楽しめるかもと。むしろ現実と超現実の中間くらいの突飛な展開というやつは映画でこそ活きるんじゃないかと。結果はダメでした。終盤の対決シーンなんて映像にしたら面白そうだなと思ったものだが映画はえらく現実的であろうとしてつまらなくなっている。この映画はどうやら小説の世界をより現実的に捉えたものを目指しているらしい。つまらないけどそれが今の映画の本流なのだ。感動してもらうためには感情移入しやすくしたほうがよく、そのためには現実的にしたほうがいいのだ。しかしあまり重くなりすぎると娯楽映画としてはキツイのでとことん現実的にはできないのだ。作り手は映画というより商品を作ることに腐心しなければならないようだ。
[DVD(邦画)] 4点(2011-10-20 18:01:34)
2.  幸せのちから
事象でもって貧乏であること、必死に生活していることが描かれるが、例えば音を消して見たときにそれが伝わるかというと全然伝わらない。保育所の出来がけしてよくないこともテレビを見させているという事象でしかわからない。光の量や種類だけでももうちょっと演出できそうなもんだけど、おそらくはあえてしていない。地下鉄のトイレも無料宿泊所も妙にキレイだ。要するに汚さを見せないようにしている。ハリウッド映画だからなのか? ルービックキューブを完成させたシーンや電話番号を暗記するシーンは主人公の才能の一角を見せたシーンでもあるのだけど、その才能によって成功を得るという展開がないというのはどうゆうこと?遠慮の無い押しの営業力とユニークな会話力で成功ってそりゃないよ。実話だから?汚いものを覆い隠しといて?数学に強というのは確か台詞にもあったと思うがそこをうまく使ったストーリーにしたら断然盛り上がるだろうに。どうもヘンテコな映画だ。
[DVD(字幕)] 4点(2011-08-03 14:54:07)
3.  自虐の詩
『ケイゾク』『池袋ウエストゲートパーク』『TRICK』といったテレビ作品では冴えまくっていたジャンプカットがようやく映画においてもそれなりの効果を発揮できるようになったのは、この作品が極めてテレビに近いからということだったりするのかもしれないが、基本的にはコメディパートにしか使っていないことを考えれば、テレビで通用した武器を映画で使う場合のコツを掴んだということなのかもしれない。ということで久々に堤幸彦らしさを垣間見たような気がした。が、せっかくの宮城・気仙沼と大阪・新世界という魅力的な場所を活かせないというのは決定的にダメだと思う。気仙沼は熊本さんと丘の上で仲直りする直前あたりに見えた海の見える背景が良かったぐらい(ここは震災後の今見ればまた別の感慨もあるかもしれない)。新世界にいたってはあまりに漫画チック。徹底的に漫画チックならソレもまた良しなんだけど、どうもそのあたりが中途半端。
[DVD(邦画)] 5点(2011-08-02 15:24:10)
4.  忍 SHINOBI
地名や城の名前が漢字とアルファベットで表記され、その気どったセンスにめまいがしたが、オダギリと仲間の川辺での出会いのシーンでせめて仲間の素足が見えてオダギリがハッとするなんてシーンでもあればいいのだが、映されるのは顔のアップと水を飲む仲間のお手手。その完璧にネイルケアされたお手手に頭ん中は真っ白に。気を取り直して見るもののてっきり見せ場だと思ってた5対5の忍術バトルが盛り上がらない。なんのための5人なのか。なんのための男女混合なのか。仲間の素足がないならせめて沢尻の太ももを(オイオイ)。それもムリならせめて黒谷の濡れ場を(コラコラ)。と願うのは偏った映画経験から「くの一」といえば何故かエロを想起してしまう私が悪いのか。いやなにもエロくなければいけないなどとは言わない。アクションすげー!でもいい。この場面めっちゃ怖い!でも、この後姿は雰囲気あっていいね、でもなんでもいい。そういう印象的なシーンが悲しいかな皆無。
[DVD(字幕)] 2点(2011-03-02 15:26:13)(笑:2票)
5.  少年メリケンサック
微妙。でも宮崎あおいのぶりっこ演技はとってもキュート。そのヒロインがおっさんバンドのメンバーらと悲喜交々のドラマを見せてゆくのだが、そういったお話の定番的展開としてある男女の恋愛関係へと発展する匂いを全く感じさせないのも良い。それどころか乙女チックな宮崎を下品な渦に放り込む。佐藤浩市は「ちんこデカイのか」を連呼する。映される対象が変わっても小さく「ちんこデカイのか」が入ってるのには笑った。宮崎の「ゆれませんが!」にも笑った。ということでそれなりに楽しませてもらったわけだけれどもこの過激な会話はそこに乙女チックな宮崎がいるから過激になるのであって、そこに笑いも生まれるしテンポもよくなる。でも宮崎不在だといきなりトーンダウン。兄弟のいざこざとか全然つまらない。ガンガンいくかと思ったら急につまづく。ノリノリだと思わせて全然のれない。ということで冒頭の言葉に戻る。微妙。
[DVD(字幕)] 4点(2011-02-24 17:50:34)(良:1票)
6.  シルビアのいる街で
カフェの一見リアルな喧騒は、でもしかし主人公の視点と思われるカメラ、つまり我々の側をじっと見つめる女といういくつかのカットによってどこか虚構じみたものに変貌してゆく。音が格別に印象付けられた中で迷路のような街をさまよい歩くシーンもまた然り。カフェの女たちが街にもいることで決定的となる夢の世界。電車の窓がスクリーンと化すのはここが虚構の世界であることを強調しているのだろうか。ユーカラさんが書いておられるように演出が見えすぎているところが確かにあるんだけど、これもまた作られた世界、虚構性を明確にするためではなかろうか。なにせここに映っている風は大袈裟に自己主張していて、こんな風、現実の世界には絶対にないのだから。『シルビアのいる街で』は物語を膨らませなくとも演出でいくらでも映画が豊かになることを証明している。
[映画館(字幕)] 7点(2010-11-09 11:26:21)
7.  ジャンパー
なぜにこれほど酷評されるのかわからない。けして絶賛するつもりもないんだけど。感情移入できないとか共感できないとかという意見の多さにも驚いてる。特別な力をどう使うか。その力を世界中の人々に還元するスーパーマンやスパイダーマンよりもずっと共感できるような気がするんだけど。こういう身勝手さに共感しちゃうほうがおかしいのだろうか。『インビジブル』で透明の体を手に入れた男の悪行に比べりゃかわいいもんだ。のび太だってドラえもんがいなけりゃけっこう「悪いこと」に道具、使ってるぞ。『ジャンパー』にはドラえもんがいないのだ。それよりもこの映画の醍醐味、バン!と瞬間移動するその映像を楽しもう。と言ってもいざってときに使うんじゃなくてバンバンバンバン使っちゃうもんだから段々飽きてくるんだなこれが。バンバンバンバン使いまくるところのスピード感を楽しむものなのかもしれないし、たしかにそれを堪能できたところも確実にあるんだけど、うーんイマイチ盛り上がらん。
[映画館(字幕)] 6点(2010-07-26 17:34:29)(良:2票)
8.  シャレード(2002)
ジョナサン・デミ作品には同業の監督を俳優として出演させていることがよくあって、おそらくはヌーヴェルヴァーグ諸作品の影響だろうと思っていたのですが、フランス・パリを舞台とするこの作品はそのことを証明するかのようにヌーヴェルヴァーグの足跡をそこかしこに記してゆきます。劇中、『ピアニストを撃て』に言及するシーンがあってシャルル・アズナールの歌が流れます。するとアズナール本人が歌っている姿が映し出される。『サムシング・ワイルド』のシスター・キャロルと同じパターンです。ここは思わず嬉しくなっちゃうシーンでしょう。ミュージカル映画のような非現実的なダンスパートナー交代シーンや演者が観客に向かって笑顔を振りまいたりするのも、手持ちカメラ(?)風で見せるパリの街並みもいかにもヌーヴェルヴァーグだし、アニエス・ヴァルダやアンナ・カリーナの登場も嬉しい。ヌーヴェルヴァーグなんて知らないよと言われればそれまでなんですが、個人的にはけっこう好きです、これ。ああ、あんたも好きね。って感じでしょうか。オリジナルの『シャレード』は見てなくてもいいですが、ヌーヴェルヴァーグ諸作品はいくつか見ておいたほうが確実に楽しめます。 多国籍感溢れる面子はデミならでは。
[DVD(字幕)] 7点(2010-04-16 17:48:55)
9.  ジャック・メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック・エネミー)No.1と呼ばれた男 Part 2 ルージュ編
反体制の風潮が後押しし、悪事に悪事を重ねるメスリーヌが徐々に時代の流れから外れてゆく。というか、そもそも世間とメスリーヌのあいだには端からズレがあって、そのズレがどんどんとあからさまになってゆく。ただたんに自分勝手で残忍な犯罪者にすぎない男が世間にまんまとのせられただけ。くどくどと語らずにそんな時代背景が見え隠れする構成でじっくりと見せてくれる。あいかわらず俳優頼みの演出だが。ようやく魅力的な女が登場するも、サニエの女優としての力がそうさせているにすぎない。結末は先に映されているので、そこに行くまでをいかに堪能させるかがこの作品のポイントとなるはずなのだが、その肝心のクライマックスとなるべきシーンの演出に呆れた。あの分割映像になんの意味があるんだ?分割にするなら別のアングルで別のもんを映そうよ。隠れている捜査官のびくつきをセリフでしか表現できない情けなさ。えらく長引かせたわりにドキドキしないサイテーなクライマックス。ここはどう考えてももうちょっと面白くできるだろ。
[映画館(字幕)] 5点(2010-02-17 14:09:56)
10.  ジャック・メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック・エネミー)No.1と呼ばれた男 Part 1 ノワール編
うーん、微妙。アルジェリア戦争のくだりとか父との葛藤とかを手短に見せてるところなんかは良かったんだけど、だからといってそのぶん犯罪の世界が重厚に語られるわけでもない。だいたい主人公のメスリーヌがやたらと軽いノリなので、例えば妻よりも仲間のほうを選ぶシーンにも「家族よりファミリーを選んだマイケル・コルレオーネの孤独」みたいなのは出てこないわけで、じゃあ、このメスリーヌというフランスで社会の敵(パブリック・エネミー)No.1と呼ばれた男をどう描くかというと、チンピラが軽犯罪を軽いノリで犯すように大犯罪を犯しちゃうこの男の軽快さを見せてゆくしかないわけだ。それは大方成功はしてるんだろうけど、軽快さの裏には重いものがあるもんだ。それが全く無いもんだから、例えば彼に関わった女たちがせっかく重要な役どころとして配置されているにもかかわらずメスリーヌの人生に深く関わっているように見えない。というか多くの登場人物たちのうちの一人としてしか描けていない。主人公以外で唯一存在感を示したジェラール・ドパルデューにしたって俳優ドパルデューその人の力でなんとか格好をつけたようなもの。また、刑務所襲撃がお話的には最も盛り上がるところなのだが、肝心の銃撃戦がしょぼい。カメラが何を撮りたいのかさっぱりわからん。その前の脱走シーンにしたってなんであんなにも緊迫感の無いものになっちゃうんだろう。この作品はとにかくメスリーヌというフランスで社会の敵(パブリック・エネミー)No.1と呼ばれた男がなぜにフランスで社会の敵(パブリック・エネミー)No.1と呼ばれた男となったのかを分りやすく示してみせただけの映画である。
[映画館(字幕)] 5点(2010-02-16 16:25:19)
11.  ジェシー・ジェームズの暗殺 《ネタバレ》 
西部開拓時代を再現した美しい情景がいい。なかでも黄金に輝く麦畑は美しいだけではなくアメリカの広大さを見せつけていて印象深い。ストーリーは「暗殺」という響きから想像した所謂ギャングものとはほど遠く、盗賊たちの内なる声を小さなエピソードの積み重ねとそれぞれの表情によって丁寧に紡いでゆくといった感じの映画で正直退屈。ところが終盤に訪れるその「暗殺」のシーンで襟を正す。それまで寝転んで見ていたことを後悔する。3人の立ち位置とそれを映し出すカット、そしてその永遠とも思える緊張と裏腹のあっけない死の瞬間。さらに面白いのがその死のあっけなさとはまた裏腹の何度と繰り返される死の瞬間の上演と歌がエピローグ的に登場するところ(エピローグではないけど)。前半はすでに英雄視されたジェシーの虚像と実像のギャップがドラマを作ってきたが、肉体の死と共に実像は消え去り虚像だけが成長してゆくという終盤の展開のほうが面白かったりする。暗殺者・ロバートの悲運と並べてみるとずいぶんと皮肉めいて、どこか滑稽でさえあることが面白さを倍増させる。ここに行き着くまでに必要な退屈な前半ではあるんだけども、もうちょっと魅せるか切るかしてほしい。長い。 ちなみに銀行強盗の日(ジェシーが世界初の銀行強盗を行った日)にレビューしようと今までレビューせずにいたのにけっきょく2日遅れになってしまった。
[DVD(字幕)] 6点(2010-02-15 14:28:43)
12.  60セカンズ
オリジナルの『バニシングIN60”』のレビューでも触れてるんだけど、今の映画はどうでも「ストーリー」にしなきゃ収まらんようだ。どうでも車を盗まなきゃならない理由が必要で、そのために出来の悪い弟が必要で、息子思いの母親が必要で、血も涙もない依頼人が必要となる。こういう堅苦しい辻褄併せに翻弄しなきゃならない映画環境を嘆く。『60セカンズ』は精一杯につまらないセッティングをしながらもなんとか楽しませようと頑張ってる。凄腕の車泥棒だった過去のシーンを映さないだけまだ良心的だとも言えよう。実際、車を盗むシーンも派手なカーアクションもそれなりに洗練されていて楽しい。ただしオリジナルとコレを見比べるまでもなく、見た目の派手さと観てるこちらの感情の起伏は比例しない。相変わらずクールでセクシーなちょいワルがすこぶる似合うアンジェリーナ・ジョリーが映画に華を添えているのは悪くない。
[DVD(字幕)] 5点(2009-10-30 13:03:15)
13.  しんぼる
悪くない。映画じゃない映画がはびこる昨今にあって少なくともこれは立派に映画だ。言葉不要の笑いは映画だけが持ちうる特権なのだ。松本人志は映画を知っている。スイッチが天使のおちんちんというのは、常人とは違う何かを持つ者の発想なのだろう。大まかなストーリーは実に幼稚なような気もするが、言い換えれば素直さといったものが作品に溢れているようにも思う。元々、常識人の見識でしゃべる人ではなく、まるで幼児のような馬鹿げた想像力を武器にしている人。けして何かのパロディではなく、おそらく純粋な創作なのだと思う(もちろん無意識に土台となったものはあるでしょう)。根底に流れる子供っぽさはやはり同じくSFという括りに入る『大日本人』以上に表出している。だからオナニー映画などと批判もされるのだろうが、オナニー映画の何が悪い。人が満足するものを模索する人は商売人。自分の満足するものを人に提供するのがアーチスト。松本は明らかに後者。この道を進み続けてほしい。
[映画館(邦画)] 6点(2009-09-25 15:07:38)
14.  自殺サークル
54人の女子高生たちが「いっせいのーせ!」と手を繋いで地下鉄に飛び込む。この壮絶な画を撮りたかっただけの映画、だったとしてもだからダメってことにはならない。映画は本来、見せたい画がまずあってそこから物語が作られるほうがいいに決まっている。見せたい画ができたから物語を変更するのだってアリだ。「物語」ありきの映画より「画」ありきの映画のほうが、、というより映画は「画」ありきでなきゃいけない。しかし園子温監督は実は「画」よりも「物語」よりも「思想や哲学」が先にある人なんじゃないかと思ってる。「思想」を表現する手段として「画」があり「物語」がある。作品自体が園子温なのだと言ってもいい。特に初期作品はその傾向が強いと思われる。で、集団飛び込み自殺のシーンだが、このシーンはやっぱり「画」が「思想」を超えている。「画」を見せることの魅力に負けているというか、それが映画作家のあるべき姿なんだろうけど、そのことで映画的であっても園子温的ではないように思った。というかこの人はこの後に「映画」と「園子温」が混ざり合った独自のワールドを作り上げるのだが、この作品はまだその混ざり合いを試行錯誤している段階の作品なんだと思う。いや、面白いのは面白かったんですけどね。でも続編はもっと面白いです。
[DVD(字幕)] 6点(2009-04-30 11:39:29)
15.  昭和歌謡大全集 《ネタバレ》 
昔オバタリアン、今アラフォー。ここで登場するオバサンたちはこの中間くらいの位置付け。ただしオバサンを敵視する男たちの持つオバサン概念はおもいっきりオバタリアンなわけで、今やあの時代のそれこそ原田の言うところのゴキブリを押しのけて最後の生き残りとなるという、女を捨てた、図々しい、そのうえ集団で闊歩するまさにオバタリアンなオバサンなんていないわけで(いるかもしれないけど)、どうも時代錯誤感を拭えない。見た目、ここに登場するオバサンたちのように美しく生活力もあり、ある意味男前なオバサンたちというのはいかにも今どきだったりするので、結局オバサンたちをどのように描きたいのかがイマイチ分かりづらい。殺しのシーンは一人目サイアク。生々しすぎ。次の殺しサイコー。目が点になった。あと、ロケットランチャー(?)凄すぎ。復讐だからとターゲットはあくまで一人であって他を殺すことに反対した松田龍平が最後に街ごと破壊してしまう復讐の連鎖の恐ろしさ(というより滑稽さ)がバカっぽい作品に苦味を加える。ってほどでもないか。むしろ、オバサンたちをちょっとマジメにそれぞれの葛藤やらを描いちゃったりしてるところがバカっぽさに水を差しててイヤかも。
[DVD(字幕)] 3点(2008-12-09 13:32:01)
16.  シークレット ウインドウ 《ネタバレ》 
『恐怖のメロディ』を彷彿させるように湖から湖畔の屋敷へと流れるように見せてゆき、そのまま窓が映されたかと思うと窓を通ってソファーで眠るジョニー・デップをとらえるというヒッチコックに目配せしたような演出が、けしてイーストウッドほどの安定感もなければヒッチコックほどの驚きもないのだが、なかなかオープニングから楽しませてくれるではないかと期待が膨らむ。が、お話がしょぼい。そのうえ一応サイコサスペンスなんだろうが、全くドキドキしない。おそらくジョニー・デップがキマリすぎなのだ。寝癖全開の頭に小汚いガウンがここまでキマッテしまうのも凄いが、その凄さが映画に勝ってしまっている。ジョン・タートゥーロと役を入れ替えたほうがいいと思う。ブラビ主演の二重人格映画じゃないけど男前はやっぱり虚構のほうが合ってる。
[DVD(字幕)] 5点(2008-08-19 12:24:47)
17.  JUNO/ジュノ
16歳で妊娠してしまった女の子の物語ではあるのだが、本人が悩むには悩むのだがそれほど深刻に悩むタイプではなさそうで、まわりも意外と淡白な反応で、だから終始明るいノリで映画は進んでゆくのだが、終わってみれば16歳で妊娠してしまったってことは映画の中でも実は然程重要なことではなく、ある女の子が「好き」「愛する」ってどういうことなのかという素朴な、それでいて重要な問いに答を見出すという実にシンプルな青春恋愛ストーリーで、妊娠は過酷な状況でも明るさを失わずに突き進んだ女の子を演出するためのものでしかなかった。もちろんそれはそれでいいのだが、それにしては妊娠にまつわる交々が大勢を占めているのが不満。もし十代の妊娠を描きたかったのだとしたら明るく元気でというアプローチには全く問題はないが、もっともっと命の尊さを真剣に描く側面が欲しい。ようするにどっちにしても多少の不満が残る。ジュノのキャラは若い世代の自然体みたいなこと言われてるけれど、あんなに返しの言葉がポンポン出てくるのはそうとうに頭が良いわけで、あきらかに面白おかしく装飾されたキャラだと思うのだが、誰が見たって装飾されたキャラだとはっきりわかるくらいにもっと極端なキャラにしてくれても面白かったと思う。ジュノのキャラが映画の魅力のほとんどなんだし。
[映画館(字幕)] 5点(2008-07-28 15:29:23)(良:1票)
18.  シリアナ 《ネタバレ》 
石油メジャーの利権、延いては国家の利権のために他国の政治に介入するどころか暗殺までしてしまうアメリカ。CIAの暴露本を元にしたフィクションは複雑な社会情勢やCIA内部の繊細な描写によって、またニュースフィルムばりのロングショットを効果的に使うことで実話っぽく語られてゆく。だからこそ暗殺が実行されたときの衝撃はインパクトがある。しかも奥さんと子供たちが犠牲になることでたかだかゼニのために非道な手段を行使するアメリカがひたすら憎憎しく思えてならない(フィクションですけど)。また間接的な弊害として生まれるテロという泥沼の構図も本来もっと複雑であるものをわりとわかりやすく見せていると思う。デイモンもアナリストとしての利権が前提として登場するが資本主義社会の中でのギリギリのアメリカの良心的存在としてアメリカ(国民)を擁護する。が、ここのドラマがちとシツコイ。デイモンの家族のいろいろ、中でも子供の死はなんの効果を狙ってるのか。それがあったから王子と特別な関係を持つことができたという設定なのだが、それだけで死なせてしまうの? 国家テロ憎し!の効果を狙った王子一家暗殺は、悲しければ悲しいほどにシーンの意義があるってもんだが、相当の効果の無い子供の死は極力避けてもらいたい。
[DVD(字幕)] 5点(2008-07-02 16:45:04)
19.  シューテム・アップ
こりゃ、たまらん。銃撃戦のてんこ盛り。『トゥモロー・ワールド』に続いてまたしても赤ちゃんに翻弄されるクライヴ・オーウェンが終始難しい顔をしながらひたすらかっこよくむちゃくちゃハードボイルドで強烈にスタイリッシュなガンアクションをキメまくる。なのにそこには常に「おバカ」がある。こんなにも「おバカ」と「かっこよさ」が同居してしまっていいのだろうか。これでもかってくらいにいろんな銃撃戦がある。「かっこいいー!」と「んなアホな!」を同時に言葉にしたいのだが口がひとつなので「んなアホな!」になってしまうのが心苦しい。車を正面衝突させるのになんでシートベルトをはずすんだろう(咄嗟に『ペイバック』の正面衝突シーンでのメル・ギブソンのマウスピースを思い出した)と思ったら、おいおいおいおい。そう来ますか。大笑い。あと、銃撃戦のオンパレードなので当然人がガンガン死にます。この映画のおかしなところはかっこいい銃撃戦のあとにはちゃんと死体を映しているところ。ふつう映さんでしょ、この手の映画は。でも死体の処理までわざわざ描く。空中での銃撃戦の後の死体にはあきれてしまった(そこまで徹底しますか!)。たまたま『ランボー 最後の戦場』のすぐ後に観たんだけどどちらも徹底的に人が殺されまくるのにその「暴力」の描き方が対極。あえてその残酷さを強調する「ランボー」に対し、マンガチックに、いわば死を軽んじたような描き方。でも死体をしつこく映し続けるってのがミソ。たんなるファッションでもたんなる「おバカ」でもなくシニカルな後味という深い味わいまで持つ特異な「おバカ映画」。サイコー!
[映画館(字幕)] 7点(2008-06-24 11:48:33)(良:4票)
20.  親切なクムジャさん 《ネタバレ》 
『オールド・ボーイ』同様に周到に計画され長い年月をたっぷりとかけた復讐が描かれます。『オールド・ボーイ』のときは復讐だと思ったら復讐のための準備にすぎなかったという驚きがあったり、復讐の理由が隠されたままストーリーが進行したりで、最後まで好奇心を刺激するストーリー展開で引っぱっていたが、今作では誰が何のために誰を復讐するのか、そしてどんな復讐なのかも早々にわかっちゃう。一応は隠しながら進行するんだけど、早めに真相を観客にばらしちゃう。なぜかというと、復讐を終える段になって新たな展開へと移行させて全く異なる趣向で新たなる復讐劇へとなだれ込むというお話だから。これがどうにも好かん。「親切」はあくまで「復讐」のための準備に必要な計画的なものという冷酷なキャラかと思うと、殺人に加担してしまったことへの罪にものすごく葛藤するという本当に優しいキャラになったりとよく掴めないキャラクターにも不満が残るが、この複雑なキャラが後半のお話のために必要なものになる。でも、いらんでしょ。後半のお話は「意外な展開」のためだけにあるようにしか思えんし、後半のお話でクムジャさんが変わるのだとしてもダラダラと描きすぎ。だいたい見せるなよ、泣きじゃくる子供を殺すとこ!お話上で親にビデオを見せるのはいいとして、俺に見せるなっちゅうの!!ビデオ見て怒ったり泣いたり気絶したりする親を映しときゃいいでしょ!!  クムジャさんの「早く死んでね」と文字にすると最後にハートマークが入るような可愛らしく優しい言い回しは最高にステキ。
[DVD(字幕)] 3点(2008-06-04 13:59:30)
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