1. 人生劇場 飛車角
《ネタバレ》 <原作未読>「時代劇の東映」が「任侠映画の東映」に変わるきっかけとなった作品だそうで、さすがに面白かった。この手の映画はほとんど見てこなかったから断定的には言えないが、恐らく後の作品に比べて暴力性は控え目なんじゃないかな。だからか見やすい感じがした。映像もなかなか凝っていて上質。時代設定は大正時代で、その古い町並みに鶴田浩二、高倉健、佐久間良子、そして月形龍之介がよく映えること。死ぬほど好きな女を不幸にしてまでやらなきゃならない事がある…。そんなやくざの悲哀を描いた傑作。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-05-09 22:38:59) |
2. 白い巨塔
<原作未読、ドラマ版も未見>このたび2003年版の再放送があったのでとりあえず録りためておいて、まずは映画版を観ようと思った次第。田宮二郎はもちろんとして小沢栄太郎がいいな~。好きだな~。この二人(と加藤嘉)は1978年のドラマ版でも同じ役で再起用されているが、それも納得のハマり具合。ストーリーは次期教授選がメインで、裏工作に奔走するおっさんたちを見て楽しむ映画といった感じ。医療ミスについてはおまけ程度だからドラマ版で観るとして、教授選だけでも一本の映画として十分に見応えがあった。これはこれで満足だ。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-02-02 23:06:15) |
3. シェルブールの雨傘
《ネタバレ》 まさか最初から最後まで歌い通すとは思わなかった。これじゃメリハリがない。せめて要所で踊ってくれるといいんだけど…。ストーリーは戦争によって引き裂かれる二人を描いたものらしいが、32歳の監督が17歳の愛を否定的に捉えたような感じを受ける。しかも子供がいてこれだからなぁ…。ローラン・カサール含めて、なかなか理解しがたいものがある。でもまあ、ガソリンスタンドでの再会からエンディングまでの流れは印象的であった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-01-28 14:02:04) |
4. 新・座頭市物語
《ネタバレ》 座頭市の師匠が登場、その妹の弥生が市に惚れて、市も弥生のために堅気になると誓う。兄の仇をとるべく市の命を狙う安彦の島吉にも市は刀を捨て、手をついて謝るし、弥生も必死に許しを請う。「私も一緒に斬られます」とまで言っている。座頭市・純愛編といった感じ。二人に負けた島吉の優しさにも感動。十数人を相手にした太刀回りも見事だったと思うし、師匠であり、愛する弥生の兄でもある人を斬らなきゃならない市のつらさも伝わってきた。「市はやっぱりこんな男でして…」切ない。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2011-11-06 12:01:39) |
5. 女経
《ネタバレ》 「耳を噛みたがる女」→7点。何本か若尾文子の出演作を見てきたが、最近「リアル峰不二子」はこの人だな~って思う。とことん甘え上手で男を騙すわけだけど、この人になら騙されてもいいってくらい魅力がある。本作でもそんな女を演じたわけだが、紀美の切ない選択にはちょっと泣けた。「物を高く売りつける女」→7点。山本富士子の演技が面白いじゃぁないですか。船越英二は「暴れん坊将軍」の田之倉孫兵衛のイメージしかなかったから、こんなかっこいい人だったんだな~と。「私くらい飛びぬけて美人じゃなきゃ」といったセリフも山本富士子なら許される。「恋を忘れていた女」→6点。旅館の女将さんが恋を思い出す…というか優しさを取り戻す話かな。あまり面白みが感じられず、平凡な印象だが、オムニバス形式の最後を締めくくる作品としてはこのくらいがいいのかもしれない。3つ合計で20点、3で割って6.67点、四捨五入で7点なり。 [DVD(邦画)] 7点(2011-11-01 00:00:13) |
6. 新・悪名
《ネタバレ》 闇市を潰し、その土地で開発を進めたい大淀組らを相手に庶民の味方である朝吉が立ち向かうってな話。「新」と付いてはいるが、全く新しい物語ではなく、ちゃんと前作からの続きになっている。そして貞の弟という設定で田宮二郎が引き続き出演しているのは嬉しい。清次は英語を交えて喋ったりするお調子者だが、朝吉との殴り合いでは兄貴より強いんじゃないかと思えるほどで、なかなか魅力ある男だった。そう、役者は揃っているのだが、どうも説明のような部分が長くてちょっとダレた。前2作と違い、時代の流れとも戦っているような虚しさも感じられる。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-10-24 19:00:16) |
7. シャレード(1963)
《ネタバレ》 二転三転、いや四転も五転もする練られた展開、見事なり。やはり、こういう映画では素直に騙されておいた方が幸せだ。「逃げろ、逃げきってくれ!」から「急げ、追いついてくれ!」に180度変わった瞬間、これこそ醍醐味だ、と満足感にひたるのだった。オードリー・ヘプバーンは「ローマの休日」の頃からするとさすがに年をとったが、それでもまだまだ可愛さを残していると感じました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-06-02 20:22:45) |
8. 十一人の侍
《ネタバレ》 「十三人の刺客」はオリジナル版、リメイク版、共にまだ観ていないが、リメイク版の予告編で「将軍の弟」というフレーズを耳にしていたので、この「十一人の侍」を観ている最中、ずっと気になっていたが、なるほど焼き直しかつ、劣化版のようですね。もちろん全く面白くない訳ではないが、散々焦らした上、作戦は無駄になり、最後は特攻みたいなもので、何だかな~と…。また十一人の中で仙石隼人しか目立たないのも如何かなものかと思う。さらに松平齊厚は小物臭がきつく、秋吉刑部も物足りない。唯一「悪いな~~」と感じた悪役らしい悪役、水野越前守はほったらかし?? どうもパッとしない映画でした。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-05-14 19:03:38) |
9. 地獄変
《ネタバレ》 絵についてはよく分からないが、映画全体から芸術的な臭いがプンプンするのは良い。しかし肝心の絵師・良秀の狂気は描ききれていないのではないかと思う。溺愛していた娘が焼かれているのに、どこか悦びを感じながらその光景を眺めている… 残念ながら、そんな風には見えず、大人の喧嘩に巻き込まれて死んでいった良香がかわいそう、という感想だけが残った。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-03-05 21:00:24) |
10. 白と黒(1963)
《ネタバレ》 無実の男が死刑になろうとしている…。真相を追う検事と真犯人の苦悩にスポットを当て、見応えある人間ドラマとして成立。近くに電車が通る部屋で落合(小林桂樹)が浜野(仲代達矢)から自白を引き出すシーンは素晴らしかった。その後で、もう一転するが個人的にこれはおまけです。俳優陣はお馴染みの人たちではあるが、豪華だし、とても安心して見ていられる(井川比佐志は若い頃から上手い俳優だったんだな~と感心)。真実を追い求める事よりメンツを気にする検察の上層部(小沢栄太郎がまた上手い)など昔も今も変わらない問題が提起されたりもしている。あえて後味を悪くしちゃう映画もあるけど、この映画のように人の良心を信じられるというのは良いもんだ。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2011-01-27 21:04:25) |
11. 上意討ち 拝領妻始末
《ネタバレ》 藩の要求はあまりにも身勝手だが、あそこまで圧力をかけられたら普通は耐えられない、それでも伊三郎、与五郎、いちは戦い続けた。筋を通す事や愛を貫く事に命をかける、なかなか出来る事じゃないし本当にかっこよく映った。キャスティングの勝利という面もあるだろう、ただ豪華というだけでなく、はまりっぷりが凄い。すが役の大塚道子さんは正直名前も知らなかったけど、凄まじい迫力でした。天下の三船を尻に敷いているという役柄にも一切無理がない。戦いが始まるまでの間を持たせてた大きな要因のひとつだろう。三島雅夫、山形勲、神山繁、それぞれの個性をいかした見事な配役、当時20代であった加藤剛も良い。そして用心棒から続いた三船、仲代の3度目の決戦、派手ではなかったが静寂の中に独特の緊張感が漂っていた。直前の二人の会話から今回は仲代が勝ち、赤ん坊を育てるシナリオかと思ったが、やはり勝てないのはそれはそれで面白いよな~。 [DVD(邦画)] 10点(2010-10-27 00:05:27) |
12. シベールの日曜日
「30男が何やってるんだ」とか「なんと末恐ろしい12歳だ」とか、そういう事はあまり考えちゃいけないんですかね・・・。だってピエールは記憶を失ってるだけだし、綺麗な彼女もいるのに、12歳に心奪われちゃなぁ~・・・。シベールが15~16歳だったらリアリティがあったかもしれません。ただまあ、つまらない訳じゃないし、2時間通して全然飽きることはなかった。さらに凝ったカメラワークなど芸術性が高い映画だと感じました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-09-09 20:05:24) |